2018年3月14日水曜日

2018 J1リーグ 第3節 V・ファーレン長崎戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半41分。
レッズ自陣右サイドで柏木が島田にボールを奪われるとタッチライン際の翁長へパス。
そのまま右サイドを駆け上がりペナルティエリア手前で青木をかわし、遅れて足を出した遠藤が翁長を倒しファウルでPK。
やや辛いジャッジのようにも見えるが青木を抜いた際の翁長のボールタッチは明らかに大きくなり遠藤が即反応していれば先にクリアできたはず。
当然あっさり抜かれた青木にも非がある。
キッカーは鈴木。
右足のインサイドキックで西川の逆を突きゴール右隅へ勢いよく突き刺す先制ゴール。

■1得点目
後半31分。
左サイドからのCKでキッカーは柏木。
左足で滞空時間の長いハイボールを密集地帯ど真ん中に落とすと競り合いを制したズラタンが頭で合わせ同点ゴール。
ズラタンの空中戦勝利なんて10回に1回あるかないかくらいの確率でしかないが5分前に途中交代で入ったばかりでいきなり結果を出したのだから文句のつけようはない。

■ベストプレーヤー
槙野智章
槙野無双。
開幕戦のマウリシオを彷彿とさせる圧巻のパフォーマンスに脱帽。
長崎の攻撃は戦術ファンマと言っていいほどわかりやすくはっきりした形なので、ファンマを狙ったロングフィードに自然と槙野は空中戦を繰り返しほぼ全勝。
空中戦のみならずインターセプトもバンバン決めて間違いなくこの日最も集中しその集中を最後まで切らさなかったフィールドプレーヤーだろう。

■ワーストプレーヤー
柏木陽介
槙野が開幕からのリーグ戦2試合とミッドウィークのカップ戦も含め計3試合全てにフル出場し圧巻のパフォーマンスを見せたかと思えば、開幕戦から2週間ぶりに出場となる柏木はその間どんな調整をしてきたのか疑いたくなる低調な出来だった。
とにかくパスの精度が悪すぎた。
無駄に強くなるショートパスや前方へのフィードがズレて全然繋がらなかった。
下手に中断期間を挟むより使い詰めなくらいが調子がいい選手というのは実際にいるが、かといって常に試合に出続けないとベストな状態で戦えない選手なんて使い勝手が悪すぎる。
今季キャプテンを任命されたからと言ってそれはポジションを約束された証ではない。
このままの出来でも柏木を使い続けるか思い切ってベンチに下げることができるか、堀監督の起用にも注目。

■総評箇条書き
  • 前半は縦に速くDFラインから中盤まではリズムよくパスが繋がり上手くビルドアップできていた
  • が、そこから先のアタッキングサードに入ってからのクオリティが低すぎた
  • もっと言えば全体的に攻め急いでいるようにすら見えた
  • この日の興梠は中盤まで降りてきて前線へ繋ぐポストプレーが目立った
  • 意外と長崎のラインが高くカウンターが綺麗にハマるシーンが何度か見られたものの、攻め上がりだけは速いマルティノスに右サイドで収まりあとは興梠へのラストパスだけなのにそのラストパスが相手DFに引っかかるシーンが何度かあった
  • マルティノスは攻撃時に追い越す動きを内に外に積極的にしていたが、どうも周りがシンプルに彼を使う意識が全くなく、文字通りのムダ走りになっていたのが不憫
  • 前節広島戦欠場で2週間ぶりの出場となった柏木はパスがズレまくりミスを連発、本調子でないなら無理して出る必要はなかったのでは
  • 前半の長澤が行方不明、この日は重心を後ろに置いていたのか攻撃参加が少なめ
  • 一方後半の長澤はラストパスを何度も相手DFに引っ掛けたり明後日の方向にクロスを入れたりミドルシュートは枠外だったりで散々な出来
  • 長澤と交代で武富が入ってから明らかに中央からの崩しが活性化、柏木長澤より余程上手く興梠を活かし長崎ゴールに迫っていた
  • 追いつくために前がかりになって実際効果的な攻撃が増えたのは事実だが、逆に危ないシーンも増えていた
  • 後半ギリギリのところで追加点を阻止できたのはリスク管理ができていたのではなく相手の拙攻に助けられただけなので要反省
  • 普段は単純なゴールキックからのロングフィードでさえ競り合いに勝てないズラタンがCK一発でゴールとか何かの間違いかと思った
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=36828

2018年3月9日金曜日

2018 J1リーグ 第2節 サンフレッチェ広島戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半42分。
アタッキングサードのハーフスペース右で受けたマウリシオ。
真正面にいた長澤へ縦パス。
稲垣を背負いながら反転しつつ右をオーバーラップしたマルティノスへスルーパス。
完全に佐々木を振り切ってペナルティエリアへ進入したマルティノスはゴールエリア手前で武藤にマイナスのショートパス。
パスがやや雑になったこともあり武藤はこれを収められず野上がクリア。
ボテボテのクリアボールをすかさず遠藤が拾い右足でクロス。
頭で叩きつけた青木のボールはゴール右隅へ。

■1失点目
後半20分。
レッズの自陣右サイドから広島青山のスローイン。
右のハーフスペースで川辺がフリーで受けるとそのままペナルティエリアまでドリブル直進。
阿部が寄せるものの全く止まらずゴールライン手前まで進んだところで中のパトリックへ低いクロス。
これを西川が右足でカットするも詰めていた柴崎の目の前にボールはこぼれる。
左足を振り抜いたシュートは西川の手を掠めゴール右のサイドネットに突き刺さる。

相手の即リスタートに対し完全に気を抜いていたレッズ側に油断があったこと。
決してレッズの人数が足りていなかったわけではなく川辺の受けた位置が絶妙だったこと。
川辺の強引な縦の突破を誰も止められなかったこと。
川辺一人にやられた感はあるが止められるポイントはあった。

■2失点目
後半34分。
誰かはわからないが広島陣内から前線へロングフィード。
左のハーフスペースでマウリシオに競り勝ったパトリックが頭で落とす。
すかさず川辺が拾い1失点目のリプレイのように悠々ペナルティエリア内へ直進。
エリア内を1歩進んだあたりで進路変更し内へ切れ込みシュートを打とうとするも槙野のシュートブロックにより倒れる。
ブロックによりペナルティマーク手前に力なく転がったボールはすぐさま立ち上がった槙野と後ろから詰めた稲垣の反応勝負。
先に触ったのは槙野だったものの左足でクリアしようとしたボールは稲垣の右足に跳ね返り西川の右をすり抜けそのままゴールへ。
またしても川辺一人に奪われたようなゴール。
脅威となる選手を正確に把握していないのならスカウティングが足りていないのでは?

■ベストプレーヤー
青木拓矢
柏木が欠場のため左IHに青木を、アンカーには阿部がスタメンだった。
アンカーはともかくIHのポジションは選手が揃っていて今のレッズにおいてはかなりの激戦区。
並み居る選手を押しのけ青木をこのポジションで起用したことはちょっとしたサプライズだった。
沖縄キャンプのトレーニングマッチで試していたならまだしも青木は札幌とのTM一本目でいきなり負傷しキャンプ中にIHを試す機会は無かった。
そして堀監督の期待に見事応え先制ゴールをあげた青木は文句なしのマンオブマッチ。
堀体制になって以降のレッズで密かに一番評価していた選手がこの青木なのでこの起用と活躍は本当に嬉しかった。
柏木はあくまで大事をとって休養させただけなので次節にでもすぐ復帰しそうではあるが個人的にはもう一度このポジションの青木を見てみたい。
次点でマルティノスと抜群のコンビネーションを見せた遠藤。
マルティノスと走り走らせの関係だけで何度も広島の左サイドを抉ってチャンスメイクしていた。

■ワーストプレーヤー
マウリシオ
抜群の危機察知能力による相手の決定機を未然に防ぐ素早いプレスはこの日も健在。
よって守備面の不満はほぼ無し。
一方攻撃面、ビルドアップ時のマウリシオは間違いなくレッズ入団以来最低最悪の出来。
仲違いでもしてチームメイトから嫌がらせで強めのパスでももらっているのかと疑うほどファーストタッチが雑でボールが全く足についていなかった。
次点で槙野。
主に失点シーンで後手を踏んだ。

■総評箇条書き
  • 壮絶な塩試合を予期させる試合の入り
  • 前節マンオブマッチの評価を与えたマウリシオが序盤立て続けにミス連発
  • 確かに広島の前から来るプレスに多少手を焼いていたのはあるが、単純なトラップミスが余りに多かったのでどちらかと言えば自身の問題
  • 今季初出場となる阿部もビルドアップ時に複数回のミス
  • 最初の失点もチェックに行くならクロスを上げさせてはいけなかった
  • マウリシオと対照的に素晴らしかったのが遠藤
  • 守ってはマルティノスの背後をしっかりカバーする意識が高く、攻めてはオーバーラップを仕掛け攻めあぐねるマルティノスをフォローし終始マルティノスの介護に奔走した
  • この日も前節同様サイドチェンジによるマルティノスからの崩しを狙っていた
  • マルティノス自身が反省点として挙げていたクロスの精度は前節からは大分改善された
  • が、やたらと仕掛けて突破したがる割に成功率が低すぎて再三ボールロストするのは勘弁
  • どう見ても足元ではなくスペースにボールを出してもらってスピードで抜き去るタイプではなかろうか・・・
  • 周りが使い方をわかっていないというよりは本人が引き出す動きを出来ていないのでは
  • 相変わらず足元で受けるとすぐボールロストしそうな武藤だがフリーランや裏抜け等のパスを引き出す動きは効果的に出来ていた
  • 柏木が張りが出たとかで欠場のため柏木のポジションに青木、アンカーに阿部が入った
  • その青木がIHで左サイドからの崩しに躍動
  • 前半37分にパトリックの決定機を阻止した槙野最高
  • (欲を言えばタックル後に足を上げなければ尚良し
  • 右サイド左サイドそれぞれのコンビネーションが向上した一方、興梠が孤立する問題は依然解消されず
  • 青木が柏木ばりの裏抜け狙いのフィードを毎試合出せるのならIH青木は今後も継続すべき
  • 川辺一人にズタズタにされた無残な守備が残念すぎる
  • 「マウリシオが絶好調なら」「阿部ではなく柏木なら」とかそういったタラレバすら出てこないくらい川辺は上手かった
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=36494