2018年11月2日金曜日

2018 J1リーグ 第23節 清水エスパルス戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半4分。
ドウグラスを狙ったフィードのこぼれ球を最終ラインで橋岡がクリア。
レッズ自陣ミドルサード左で河井が胸で落とし右の白崎へパス、少し持って河井へ戻す白崎。
アタッキングサード中央の北川の足元へ楔の縦パスを入れると北川はワンタッチでその瞬間食いついた槙野の空けたスペースの裏へ抜け出した金子へのスルーパス。
金子はファーストタッチの右足でゴール左隅に突き刺し先制点。
まず人についているのかスペースを埋めているのか非常に曖昧な守備。
ボールホルダーへの寄せも甘く自由にパスを出させている。
最後にあっさり食いついて股を抜かれ裏へのパスを通される槙野とマークを振り切られる阿部。
全て後手に回り一人一人の対応の緩さが失点に繋がったシーン。

■1得点目
前半9分。
ハーフウェイライン右から青木のロングフィードをファブリシオへ入れると胸でトラップしたボールを飯田が手を使って方向を変えたためFK獲得。
位置はハーフスペース左、ペナルティエリアのライン手前で直接狙える位置。
キッカーは阿部。
ラインに対して平行に助走をつけるとボールは真っ直ぐゴール右上へと吸い込まれ同点ゴール。
六反はファーサイドを警戒していたようでポジションもファー寄り、ボールにもしっかり反応して飛んでいるがボールに触れることはかなわなかった。
それだけ阿部の蹴ったボールが鋭く速かった。
清水の形成した壁はキッカーから見て最右が最も身長の低い金子だったこともファーを狙った一因かも。

■2失点目
後半5分。
マウリシオのファウルにより清水にFKを与える。
ゴールから24mくらいの中央からでキッカーは角田。
壁は作らずペナルティエリアのライン上に均等に人を配置しゾーンで守るレッズ。
角田はその均等に配置したラインの(清水から見て)右、橋岡と阿部の間に立っていたドウグラスを狙って蹴るとエリア内で阿部にあっさり競り勝ちゴール左隅に押し込んだ。
なまじ距離があっただけにゾーンで守ったものと思われるが槙野がエースを徹底マークするいつもの守備をしていたら、と思わずにいられない。

■2得点目
後半15分。
清水が右のCKを獲得しキッカーは金子。
アウトスイングのボールをペナルティマークのあたりに放り込むとドウグラスをマークしていたマウリシオがクリア。
これを武藤がいち早く拾ってカウンター開始。
レッズ自陣から左サイドを単独で持ち上がるとアタッキングサードに差し掛かったあたりで右を併走するファブリシオへ横パス。
パスがややズレたせいかファーストタッチが乱れ飯田にクリアされそうになるも飯田はファブリシオの足に当ててしまいクリアできず。
これを収めたファブリシオはそのまま前進しエリア内で右足のシュートを放つとこれがタックルに行った河井の右足に当たりボールはゴールニアサイドに転がって再び同点ゴール。

■3失点目
後半17分。
ハーフウェイラインから角田が左サイドの松原へ展開。
アタッキングサード左の松原へは武藤がすぐに寄せる。
松原はハーフスペースの北川へ横パス。
すぐさまボールを奪いに行く武藤。
北川は河井へバックパス。
ワンタッチで中央の白崎へ横パス。
2,3歩前進して石毛に楔の縦パス。
反転して左足のシュートを放つとギリギリでブロックに入った阿部の右足に当たりループシュートのように高く上がったボールはクロスバーを直撃。
エリア内の右にこぼれたボールに金子が詰め右足を振り抜くとニアに突き刺し三度目の勝ち越し弾。
まず白崎にボールが入った瞬間誰もプレスに行かずノープレッシャーで楔を入れさせている。
柏木が遅れて寄せているが交代したばかりで誰が行くか曖昧になっていたということだろうか。
金子にあっさり前を向かせた阿部の反応も鈍かった。

■3得点目
後半25分。
レッズの右CKでキッカーは柏木。
鋭く速いボールは六反のパンチングでエリア外へ。
菊池がこぼれ球を拾うと左ライン際まで逃げ河井が寄せると青木へバックパス。
青木はボールを受けると少し右へ移動しタイミングを見て右足で山なりのロングフィードをエリア内へ放り込む。
ペナルティマークのあたりで槙野がゴールに背を向けたままバックヘッドで合わせるとこれがクロスバーを叩き落ちたボールがゴール内のラインを割り三度追いつく。

■ベストプレーヤー
西川周作
3度のファインセーブと接触プレーを厭わない飛び出しで文字通り体を張ってレッズゴールを死守した浦和の守護神がMOM。
3失点はどれもGKとしてはほぼノーチャンスだったと言える。
守備陣が果たすべき役割を果たしていなかったことのほうが責任としては遥かに大きい。
あとはフィードの質さえ昔の輝きを取り戻してくれれば何も言うことはないのだが。

■ワーストプレーヤー
阿部勇樹
年に一度決めてくれる超絶FKを決めた浦和の鉄人をワースト評価するということで賛同できない者も多くいることだろうが、この日の3失点全ての失点に絡んでしまっているのだからこちらとしては妥当な評価。
とは言えミスマッチが全てだったようにも思える。
清水でも屈指のスピードを持つ金子相手に反応速度で劣り、セットプレーでは清水で屈指の高さを持つドウグラスのマークにつき空中戦は全敗。
金子とのミスマッチは仕方ないにしてもセットプレーのマーカー変更だけでも事前に修正できなかったものだろうか。
キッカーも常にドウグラスだけ目がけて蹴っていたかのように終始狙われ続けていた。
次点で菊池。
無人の左サイドにロングフィードを入れてあっさりボールロストというのは「WBは高い位置をとっておけ」という約束事を菊池が無視していたからではないだろうか。
現に逆サイドの橋岡には同じようなボールが何本か通っている。
上がっているかいないか見ないで放り込むのも嫌いなので菊池だけを責める気もないが。

■総評箇条書き
  • レッズは前半から清水に危険なシーンを作られ再三ゴールを脅かされた
  • 今季J1の多くのチームに見られるような、トップにターゲットになる選手を一人置いて長いボールを入れてなんとかしてもらうかポストして他の選手がシュートするような戦術○○といったサッカーではなく、サイドアタック、ワンタッチプレー、ミドルシュート等を織り交ぜながらレッズゴールに迫った
  • 決してレッズもやられっ放しというわけではなく、とりわけ前線でファブリシオにボールを集めることによってチャンスを生み出していった
  • ただ左サイドはファブリシオへのマークがキツく菊池のフォローも拙いこともあってか攻撃が右サイドに偏ると単純なクロスを放り込むだけのシーンが増えた
  • レッズと清水の最大の違いは前に人数をかけて相手陣内でボールを奪い切ることができるかどうかで、清水はそれが出来ていた
  • 清水の攻撃で特に有効だったのがレッズのラインの裏に向かって出す短い浮き球のボールでチャンスを演出する場面が多く見られた
  • 41分、敵陣ハーフウェイライン左からファブリシオのサイドチェンジで橋岡へ展開、アタッキングサード右で収めると武藤へバックパス、個人技での突破を試みるも石毛と松原の守備に不利と見てターンし青木へバックパス、青木は再びライン際の橋岡へ縦パス、橋岡と松原がマッチアップすると縦に仕掛けると見せて中へカットインすると裏へ抜けた武藤の足元へ石毛と松原の間からパスを通す、ワンタッチで収めエリア内で前を向いた武藤はエリア内中央のファブリシオの足元へ折り返しのショートパス、ファブリシオはダイレクトで右足のインサイドキックで六反の股を狙うも咄嗟にしゃがんで足でクリアされる、前半唯一清水の守備をかいくぐって決定機を作ったシーンになった
  • 前半終了間際に菊池が左サイド高い位置をとることを期待して実際に上がりを見ずに無人の左サイドにロングフィードを入れるシーンが何度か見られた
  • 53分に菊池が放った無回転のミドルシュートがこの試合一番のサプライズだったかも
  • 後半早々に勝ち越しても一切手を緩めることなく前からプレスに来る清水
  • 青木は前に出てプレーしたいならボールタッチの練習が必要、狭いスペースでトラップの乱れからボールロストを繰り返した後半のプレーはいただけない
  • 後半3失点目以降は清水のプレスがやや緩くなったこともあってレッズが清水ゴールに迫るシーンが増える
  • 後半は橋岡のファウルが増え始める
  • 橋岡は19節川崎戦でもそうだったように試合が終盤に向かうにつれ集中力を欠いた致命的なプレーが増えるのはそう簡単には直らないのだろうか
  • 満を持して(?)投入された柏木は小さいミスが多く、やはりベンチスタートするだけの理由を抱えているのかと思わされた
  • 試合終了間際の後ろまで降りてきてビルドアップに参加する李の動きは非常に助かってボールがよく収まった
  • 清水のゴールにはある程度再現性のある崩しの形からのゴールが見られたが、一方レッズのゴールは偶発的な要素が多分に含まれ実に対照的なチームの対決だった
  • 磐田戦が緩かったせいか同じ静岡勢相手に同じテンションで試合に入ったらボコられかけたけど必死で食らいついてなんとか勝ち点1をもぎとったでござる、の巻
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=46056

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