2018年11月9日金曜日

2018 J1リーグ 第24節 名古屋グランパス戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半21分。
敵陣ミドルサード左から宇賀神によるスローイン。
一番深い位置にいた興梠へ縦のロングスローを入れると興梠をマークしていた新井の前に体を入れボールの軌道を確保しそのまま後ろへ逸らす。
ワンタッチ入れて左サイド深い位置で収めると回り込んでマイナスのクロスを右足で上げる。
中に入ってきた武藤とはタイミングが合わなかったため誰も合わせられなかったがエリア内中央でクリアしようとした小林のヘディングのクリアボールはゴール右隅に転がりオウンゴール。

■1失点目
前半27分。
レッズ自陣ミドルサード右から宮原がレッズDFラインと併走していた前田を狙った浮き球のパスを入れるとこれをマウリシオが頭で小さいクリア。
バイタルでジョーが頭で跳ね返しエリア内で前田が収め(名古屋から見て)右ハーフスペースを縦に仕掛ける。
マウリシオが前田の左から寄せていたが振り切られゴールライン際で左足で折り返しのクロスを入れると西川の前に体を入れた槙野が足でクリア。
これをマウリシオが拾うと大きくクリアしようとしてファーストタッチで置いたボールが体から離れたのとボールの受け手を探して視線を遠くにやったマウリシオの隙を見逃さなかった宮原がマウリシオの左から強襲。
宮原が先に触ったボールに対し遅れてタックルに行ったマウリシオがアフターチャージを取られPK献上。
キッカーはジョー。
ゴール左隅を狙ったシュートに対し読みが当たった西川が右手で止めたものの前に弾いたボールに誰より早く反応し後ろから詰めた玉田が右足で押し込み同点ゴール。
まずPKを取られたのは完全にマウリシオの油断。
次にジョーが蹴った瞬間玉田と前田は走り出していたがレッズの選手は全員置き去りにされるほどの反応の鈍さ。
せっかく止めた西川が不憫でならない。
西川のPKストップ率が余りに低く「どうせ止められやしないだろ」とタカをくくって棒立ちになっていたのならそこに信頼関係は存在しない。

■2失点目
前半43分。
レッズ自陣深い位置で槙野がシャビエルを倒しファウル。
ゴールから20mくらいの右ハーフスペースの位置からのFKでキッカーはシャビエル。
レッズはペナルティエリアのラインに平行に均等にエリア内に配置するゾーンの守備。
対する名古屋はレッズの守備ブロックの大外にジョーをはじめとする多くの選手を配置。
シャビエルは左足でファーサイドに向かって柔らかいボールを放り込むと岩波に競り勝ったジョーが頭でニアサイドに叩きつけ逆転ゴール。
これといった特殊な技術も駆け引きもなくただ先に跳ばれより高い打点でボールに合わされただけ。
たったそれだけのことに完敗しているのだから見た目以上にこの勝負のダメージは深刻だったと言える。

■3失点目
後半24分。
ハーフウェイラインの左で丸山がボールを収めると橋岡の裏のスペースへロングフィード。
左サイドを交代直後の相馬が駆け上がるとこれに追いつきゴールラインギリギリでダイレクトで折り返しのクロス。
飛び込んだシャビエルがボールの勢いを殺さない程度に頭で落とすとこれに後ろから詰めたジョーがエリア内中央で左足のジャンピングボレーで合わせ追加点。
裏を取られた橋岡やシャビエルに落とさせた阿部や前に入られた槙野など一人一人の対応が遅れているのは事実だがはっきり言ってあのボールをゴールに繋げられるのはジョー以外あり得ない。
それ程のゴラッソだった。

■4失点目
前半33分。
レッズ自陣右サイドで和泉からハーフスペースのジョーへ斜めのパス。
逆サイドの相馬へグラウンダーのサイドチェンジ。
対峙する橋岡を抜き切らずにカットインしクロスを入れる相馬。
(レッズから見て)左のゴールポストの前あたり放り込んだボールにジョーが槙野の後ろから難なく前に出て右足で合わせるだけのゴール。
恐らくラインを割るだろうと踏んで一瞬足を止めた槙野のミス。

■ベストプレーヤー
西川周作
4失点もして何故GKなのかという疑問はもっともだが西川でなければ4失点では済まなかった。
結局失点にはなったものの最初の失点のPKストップや36分には2連続ファインセーブ。
ATにも1本のファインセーブと最後の最後まで集中力を切らさなかった浦和の守護神を2試合連続MOMにしたい。
もう指摘するのも飽きたがラインを直接割るロングフィードが減るともっとよいのだが。
次点で中盤のプレスからのボール奪取に最も貢献していた長澤。

■ワーストプレーヤー
槙野智章
執拗なマンマークで相手のゴールゲッターに仕事をさせない守備に定評ある浦和のエースキラーがこの日はジョーに清々しいほどの完敗。
後半の2失点に直接絡んだだけでなく前半2失点目のFKを与えたのも槙野のファウルでありこの日のファウル数はチーム最多の4回。
油断とは言えマウリシオは宮原にやられ、岩波もジョーに競り負け、橋岡も2度相馬にアシストを許し、レッズ守備陣が個の勝負で完全に負けていた。
つくづく今のレッズの守備が個の力に頼ったものであることを痛感させられた。

■総評箇条書き
  • 現地観戦した身としては既にキックオフ前からグロッキーになるほどの酷暑
  • 開始33秒、敵陣センターサークル内で収めた青木は同じく自陣サークル内のマウリシオへバックパス、マウリシオはワンタッチで右の岩波へ、岩波は高い位置から降りてきた右サイドライン際の橋岡へ縦パス、一緒に降りてきた武藤とのワンツーで裏へ抜ける橋岡、ペナルティエリア右のライン上でグラウンダーで興梠への折り返しのクロス、スピードを落とし名古屋の最終ラインと中盤の間で上手くフリーになった興梠はエリア内で右足のダイレクトで合わせるもボールはバーの上
  • 1分、名古屋最終ライン新井から前田への長い楔の縦パスを前田が受けたタイミングを狙って槙野が背後からボールを奪う、センターサークル中央で右斜め前の武藤へショートパス、フリーで受けた武藤は数歩ドリブルで前進し興梠が外へ開いたタイミングを見て興梠へ縦に出す、丸山のマークに対し背を向けながらバイタルエリアで受けた興梠は自身が空けたスペースにそのまま走り込んだ武藤へリターン、エリア内で受けた武藤は小林のマークを振り切らないままほぼ角度のない位置から右足のシュートを放つ、ランゲラックは体を倒し右手で弾くと戻った金井がクリア、これをバイタルエリア右で興梠が収めるとインステップからのシュートはブロックに入った丸山に当たりゴール左の枠外へ
  • 4分、レッズの左サイドから前田が中に放り込んだクロスをマウリシオが頭で跳ね返すと玉田が右足でワンタッチするも収め切れず後ろへ逸らす、こぼれ球に反応したファブリシオがワンタッチで右の長澤へ出す、浮き球のボールを柔らかいタッチで一発で収めカウンター開始、長澤は併走する左のファブリシオの前方スペースへ出す、単騎で独走し敵陣までボールを運ぶ、この時点でファブリシオの前に丸山、右の興梠には新井が付き2対2、併走しながらスペースへのボールを要求する興梠だがファブリシオが出したボールがミスになり新井にカットされる、ボールの勢いを殺し切れず丸山にも合わずファブリシオの前にボールがこぼれて来るもすんでのところで丸山がクリア
  • 試合開始早々に立て続けに名古屋ゴールに迫ったレッズだったが、5分に失点ものの裏抜けをジョーに許している場面はジョーに対する警戒心が低すぎるのと槙野が最後に詰めたシャビエルを見ていないこと等、複数の選手の油断が大ピンチを招いていた
  • ジョーへ出した丸山へ誰もプレスに行っていないし、岩波は丸山が出す瞬間足を止めてボール見てるし、青木のスライドも遅いし・・・etc
  • 橋岡を使って武藤が裏へ抜け出す形はかなり洗練されてきた
  • 17分、名古屋のFKをマウリシオと長澤がクリアすると興梠が武藤に繋いで武藤が胸で落として反転しながらスペースへ出すとカウンター開始、走り出した青木の前のスペースに落ちたボールを青木が拾ってそのまま右サイドを駆け上がる、アタッキングサードに差し掛かるとインナーラップした左の橋岡へパス、ペナルティエリア右のライン上で中の興梠へクロスを上げると力んだせいかミスキックになりボールはかなりファーサイドへ流れ興梠は頭で触るのがやっと
  • 清水戦で見せた橋岡のクロスの精度はすっかり失われてしまったのだろうか
  • 岩波はボールホルダーが蹴るギリギリまでマーク対象をしっかり見ているのに蹴った瞬間その存在を忘れたかのようにボールウォッチャーになるのは何なのだろう
  • 51分、名古屋自陣センターサークルの右でエドゥアルドネットが前方のジョーに向けて出したボールを目の前の長澤がカットし一発で収める、ショートカウンターを開始すると左に武藤、右にファブリシオ、名古屋DFは4人で3対4の状況、アタッキングサードまで進入するとファブリシオの足元に出したボールが渡りバイタルエリアでフリーになる、右足のトゥーキックを放つもボールはゴール左の枠の外へ、この局面で何故つま先?
  • 63分、マウリシオのインターセプトしたボールを長澤がなんとか拾って右サイドを駆け上がる橋岡に出すとロングカウンター開始、中央に進路をとりドリブルで独走するとアタッキングサード入口で左を併走していた興梠が名古屋最終ライン裏へのボールを要求、すぐには出さずギリギリまで我慢した橋岡だが興梠がエリア内に進入する直前に出したスルーパスは興梠に届かずランゲラックが難なくキャッチ
  • 解説は興梠の足元へ出すべきだった旨の指摘をしていたがスペースへ要求したのは興梠自身、ただし要求したタイミングで即出さずにギリギリまで引きつけてから出すことを選択したのは橋岡、確実なプレーを選択できる判断力は経験を積むしかないがそれ以上に局面で冷静になれるメンタルの向上のほうが急務では
  • この日のファブリシオはいつになく前からのボールチェイスが目立った
  • 89分、自陣最終ラインから槙野が左サイドライン際の荻原へ縦パス、縦に仕掛けようとして数歩ドリブルするも和泉と前田の2人を相手に無理せずターンしバックパス、敵陣ミドルサード左で青木がこれを受けるとすぐ傍の長澤へ横パス、出し所を探しながらゆっくり中央へ進むと名古屋最終ラインの手前に下りてきた武藤へ楔の縦パス、これを収めて前を向くと荻原へのスルーパス、フリーで裏抜けに成功した荻原はランゲラックに臆したかファーストタッチではシュートを打たずドリブルを選択する、おそらくGKを抜き切ってシュートを打ちたかったものと思われるが右へ大きくなってしまったファーストタッチのせいでボールに追いついたタイミングでは角度がなくなりシュートコースもほぼ塞がれギリギリで放ったシュートはあえなくランゲラックにキャッチされた
  • カップ戦で同じ相手に2ゴールを決めているとは思えないような弱気な選択だった
  • ポゼッションは6対4でスコアも4-1と差がついたものの90分を通して終始決してやられっぱなしというわけではなくレッズにも少ないながらもチャンスはあった
  • だが雑でもピンポイントでも放り込めば決めてくれるジョーに対し、ラストパスにしろフィニッシュにしろ精度を欠いたレッズ攻撃陣との差がそのままスコアに表れた
  • 興梠や武藤が少ないチャンスでは決められず2度、3度決定機を作ってようやく1点というのは見慣れた光景ではあるが、ファブリシオは磐田戦で見せた決定力が嘘のように消え枠を捉えられないシュートを繰り返したのは不可解だった
  • 監督がベンチ入り停止処分を食らうハメになった主審のジャッジについてだが、確かにどんなに軽いボディコンタクトでも即座に笛を吹くジャッジは個人的には好みではないが、どちらかに偏りがあったわけでもなければ基準がブレたわけでもないので7年ぶりのJリーグとなるオリヴェイラ監督はともかく選手はこの基準に早くアジャストすべきだった
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=46277

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