2019年9月9日月曜日

2019 J1リーグ 第25節 湘南ベルマーレ戦

24節の敗戦はとても振り返る気力が湧かずスルー。
ただ、リーグ戦、ACL、天皇杯、ルヴァンカップ全て残っている現状優先順位を間違えることだけはあってはならない。
これが残留がほぼ確定したリーグ終盤ならともかく残り11節にして16位との勝ち点差はたったの6差。
監督には非常に難しいチームマネジメントを強いられるが総力を尽くして乗り切っていただきたい。

湘南はレッズと同じ勝ち点30。
34得点40失点で得失点差が-6なのでレッズより上位で10位。
諸般の事情でコーチが指揮を任されてから1敗1分けで勝ちなし。
ボールは持つより持たせるスタイル。
夏の補強では5人加入したものの直近3試合でスタメンに名を連ねた選手は無し。
松本同様天皇杯、ルヴァンカップ共に敗退済みでリーグ戦1本に集中できる日程。
指揮官が変わった直近2試合のみ予習。

<鳥栖戦感想>
  • 金崎のポストが上手く鳥栖が何度もチャンスメイク、レッズでこれができる選手は・・・
  • ビルドアップは長いボールより繋ぐ回数が多いが自分で持ち運べる選手が多い、第一選択はドリブル
  • ボールに食いつく守備とマーカーを見失いボールウォッチャーになる傾向
  • 敵陣で奪ってショートカウンターは常に狙っている

<仙台戦感想>
  • 鳥栖戦とは打って変わって堅い入りで堅い展開、後半は湘南らしい鬼プレス
  • 鳥栖戦よりロングボールが増える湘南
  • 前半は岡本が攻撃のキーマンに
2試合の映像とその他の試合のスタッツを見た感想は
・ファウルが多い
・セカンドボールの回収は強くない
・ビルドアップは長いボールより繋ぐ回数が多いが自分で運べる選手が多い
・手数をかけず縦に早い
・劣勢に強く逆転、シーソーゲームも多いがキックオフからトップギアにならない、打ち合い、点の取り合いが多い?
・これというスコアラーがいない代わりに誰でもゴールを奪える

湘南は前節仙台戦から鈴木を大野に替えたのみ。
一方レッズは松本戦からは6人ものメンバー変更されたがミッドウィークに開催されたACL上海戦からは関根が山中に、ファブリシオが武藤に替わったのみ。

この日はなんと開始2分でレッズが先制に成功する。
予習した通り鳥栖戦の2失点目と仙台戦唯一の失点同様、ゴール前に入ってくるフィニッシャーの動きに湘南DF陣がつき切れないという弱みを突いたゴールだった。

おそらくは双方予想していない形での先制点だったがこの後の試合運びが難しくなったのはレッズだったように思われる。
どう考えても守備より攻撃での働きを期待される山中をスタメン起用したことが早速裏目に出て10分過ぎくらいから徐々にレッズの左サイドが狙われ出した。
前半のアタッキングサイドこそ左右均等だった湘南だが途中から山中を狙っていたのは選手コメントからも、前半一杯で関根と交代させられてしまったことからもそれは明らかだった。
レッズは今日は山中(亮輔)選手がスタメンで出ると分かってから、(岡本)拓也くんを狙って勝負させたらチャンスが多くできると分かっていた。
湘南vs浦和の選手コメント(明治安田生命J1リーグ:2019年9月1日):Jリーグ.jp

もっとも序盤からレッズが相手に押し込まれていたのは山中のせいというわけでもなく
・湘南のトランジションの速さと奪われてからのプレスの速さ
・レッズのロングボールの精度の悪さ
といった理由によるものだった。
岡本に負けていた山中と比べ、同年代を意識していたと思われる橋岡と杉岡の対決はほぼ互角のように見えた。

こうなると重要になってくるのが飲水タイムによる監督の修正だが神戸戦と違いこの日は飲水タイムを経てもその後の展開に大きな変化をもたらすことはできず、レッズは引き続き自陣に押し込まれ耐える展開が続いた。
前半に失点せずに済んだのは野田の決定力が足りなかったおかげと西川のファインセーブによるもの。
先程から山中の守備のことばかり責めたが野田が決定機を作っていたのは主に右サイドなので橋岡、岩波コンビも危ういプレーは散見された。

後半も開始早々の武藤がシュートに持ち込んだシーンこそ悪くはないもののその後は前半から引き続き押し込まれる時間が続き、ひたすらセーフティファーストにクリアするようになる。
後半唯一作った決定機は先制点同様カウンターからだったが結果的にはここで決め切れなかったことが勝ち切れずに終わる一因になった。

飲水タイムを経てもハーフタイムを挟んでも改善されないのならあとはもう交代策しか打つ手が無いが、結果的にはこちらも不発に終わった。
今のレッズはJ1リーグの中でもトップクラスに走れないチームとなってしまっているため屈指のハードワーカー湘南を相手にすれば後半早々に走り負けることは明白だった。
そこを交代カードでどう補うかが重要だったのだが2枚目はともかく3枚目はやや疑問が残った。
結果論に過ぎないが交代カードは左サイドの選手に偏っていたがPKを献上するファウルは右サイドで発生した。
2枚目か3枚目のどちらかだけでも右サイドの選手を交代させていたら・・・という思いが拭えない。

以前このブログで磐田戦の最後に「次に前半からリードに成功した時は大槻監督の采配に注目してみたい」という一文で締めた。
あれから40日程度しか経っていないがこの日も交代策で流れを変えることはできなかった。
磐田戦とは状況が違うしこの日のほうがより難しい状況だったがこの先の浮上のキッカケにはやはりこの采配にかかっているように思われる。

2019年8月23日金曜日

2019 J1リーグ 第23節 ヴィッセル神戸戦

今回予習した試合は無し。
この試合も神戸まで現地観戦に行ったことや札幌戦を書き上げるのに時間を要したことや単純に敗戦のショック(これが最も大きい)等も理由としてあるが、戦術以外のイレギュラーが気になって時間をかけて分析する意義が少なく思えたため。

映像確認による予習を一切しない代わりにデータを確認。
33得点39失点という数字はリーグワーストの清水の42失点に次ぐ失点数。
運動量はあまりなさそう。
平均ポゼッションは57%。
ただし現監督就任以後、つまり15節以降のみで計算すると53%。
ちなみに神戸が今季最高を記録したのは8節レッズ戦の70%。

例によって夏の大補強を敢行しスタメンだけで酒井、飯倉、フェルマーレンの3人が。
サブも含めれば藤本と計4人ものメンバーが夏の補強により加入した選手で埋まった。
システムは前節大分戦だけ見ると3バックで面食らうが、ガンバ戦、マリノス戦、湘南戦は4バックなのでこっちが主体なのだろうと思って蓋を開けたら当日は前節同様の3バックだから驚いた。
スタメンはウェリントンを田中に、初瀬を酒井に代えてきた。
ミッドウィークの天皇杯からはGK飯倉を除くと大崎、山口、田中のみが連戦。
一方レッズは長澤を杉本に代えたのみ。
天皇杯からの連戦はGK西川のみで他はフルターンオーバー。
この日は札幌戦でしつこく指摘した宇賀神と関根の配置を入れ替え、左に宇賀神、右に関根でスタート。

序盤は神戸がボールを握る。
レッズは前線のプレスが全くかからず主にサンペールからレッズDFラインとの間に上手く配球される。
サンペールが自由にプレーできた原因は、酒井が加入したことでも飯倉がビルドアップに参加して数的優位を作ってくることでもなく、リーグ戦では6試合ぶりのスタメンとなった杉本のプレスの拙さとエヴェルトンのマークが甘かったことと思われる。

15分を過ぎたあたりから飲水タイムでの監督の修正の効果か、サンペールのマークが徹底されたせいか、武藤と興梠が左右入れ替わったせいか、ようやく前プレスが機能し始める。
GK飯倉までボールを戻させ長いボールを蹴らせることにも何度か成功。
決定機と呼べるほどの崩しは成功しないものの徐々にシュートが増えていた前半終了間際に失点。
前掛かりになったところをカウンター一発で沈められるというミシャ体制下を彷彿とさせる失点シーンだった。

後半も引き続きリスクをかけて前掛かりに攻撃を仕掛け相手を敵陣に押し込み(1度だけ)決定機も作ったが58分に神戸に追加点を奪われる。
こう書くとリスクをかけて前掛かりになったのなら失点は仕方ない、さぞ鋭いカウンターを食らったのだろうと思われることだろうが神戸の2点目はレッズの守備がセットされた状態から生まれた。
起点はやはりサンペール。
前半途中から前プレスと徹底マークによりサンペールに自由に持たせず出させずできていた守備がこの瞬間のサンペールは完全にフリーで浮いていた。
そしてサイドチェンジで一気に前線へ供給し西→田中→山口と繋いでゴール。
山口にマウリシオが全くついて行けずこちらもエリア内で完全にどフリーだった。

おそらくイニエスタを警戒して戻りが遅れたであろうマウリシオ
エヴェルトンがサンペールに、青木が山口についていればよかったようにも見えるが・・・


その後、宇賀神を山中に、エヴェルトンを柏木に、興梠をファブリシオにそれぞれ交代したものの状況は全く好転せず。
むしろシュート数もポゼッションも失点前より低下し、ついにはPK献上によりダメ押しの3点目を奪われる。

以下は感想になるが、3連続ドローからの3-0での敗戦、しかも相手は低調な神戸ということで悲観する声が多いようだが個人的にはそこまで悲観的な敗戦だと思っていない。
アウェイ札幌、アウェイ水戸、アウェイ神戸というかなりの移動距離のあるレッズのアウェイ3連戦に対し、神戸はアウェイ大分、アウェイ大宮、そしてホームと多少マシなスケジュールであったこと。
17節アウェイ大分戦も為す術なく負けていることからも大槻監督はアウェイ連戦に弱いのではないかということ。
16節ホーム鹿島戦から漠然と感じていたことになるがマウリシオ、エヴェルトンといった助っ人外国人のパフォーマンスがこの酷暑で低調のままなのではないかということ。
これらの理由から必然では無かったにせよ負けるに足る理由は揃っていたと見ている。
アウェイ連戦はこの先も待ち構えているし、涼しくなるまで調子が上がらないから助っ人を使えないままではさらに苦しくなるだけなのでどちらも見過ごせる問題ではないが。

しかしより問題なのはやはり失点の仕方だろう。
1失点目はあの時間帯に失点すること自体が大問題だが前掛かりになって攻めた結果と思えばまだ理解できなくもない。
ただ札幌戦の失点と同じような失点だったことは時間帯と同レベルの問題として捉えるべき。
致命的なのは2失点目。
カウンターを食らったわけでもなくレッズの選手全員が自陣に揃っているはずの状況で、サイドチェンジ一発で前線で起点を作られた挙句ガラガラのエリア内でフリーでボールを収められてしまったあのシーン。
後半ATのヘロヘロになって体力も集中力も切れてしまう時間帯というわけでもないにもかかわらず。
この試合唯一のポジティブな要素としては、序盤の一方的な展開を耐え修正し盛り返したこと。
しかし2失点目はその修正したはずの問題が再び露呈していた。

今のレッズは「相手が下位だから」とか「相手が低調で連敗中だから」とか相手によって勝ち負けできるフェーズになく、攻守のバランスを見失いかけているように見える。
次節松本戦からはまた5連戦が始まる。
連戦中の修正ほど難しいこともないため23節と24節の間のこの期間が5連戦全てに備える重要な時間になるはず。
重みが増した松本戦に一層注目したい。

2019年8月17日土曜日

2019 J1リーグ 第22節 北海道コンサドーレ札幌戦

この試合は現地観戦のため札幌まで赴いたこともあって札幌の予習は1試合もできなかった。
結果が出てから21節広島戦を見てその後初めて映像でレッズと札幌の試合を確認という流れ。

<広島戦感想>
  • ジェイと武蔵のツインタワーは脅威の高さと強さ
  • 菅と白井の両WBはクロスも抜け出しも上手い
  • 前半は確実に効いていたはずのシンプルなサイド攻撃を何故か捨てた後半の札幌
正直前半と後半で何故攻め方を変えたのかよくわからなかったが、レッズ戦でも同じ戦い方をするつもりなら
・相手の両WBを自由にさせないこと(5バックでサイドに蓋をするとか)
・深い位置まで運ばれたら中を固めて死ぬ気で空中戦に勝つこと

札幌は前節からのメンバー変更は深井を前節累積警告で出場停止だった荒野に戻したのみ。
レッズは体調不良や負傷でメンバー変更を余儀なくされた前節から前々節鹿島戦とほぼ同様のスタメンに戻り、おそらくはこれが現状の大槻監督が選ぶベストメンバーに。
唯一の違いは橋岡に代わって宇賀神が出たこと。

札幌は言わずと知れたミシャサッカーということで圧倒的にボールを握るスタイルかと思いきや、今季ここまでのスタッツを見ると言うほどでもなく平均では五分で49%のレッズと1%しか変わらなかった。
30得点、27失点という数字は札幌が前節対戦した広島と比較すると失点の多さが目立つ。

ここ2試合立ち上がりの悪さが特に目立つレッズは前半1分にCKから早くも決定機を作られ早速西川のファインセーブ。
その後もレッズのビルドアップは悉く中盤で奪われ前線までボールが届かない。
前半だけで4,5回は繰り返された光景が、
(レッズから見て)右サイドへのコースを切って左へ追い込む

槙野に蹴らせて関根へ

一気に囲んで関根か武藤へ出したところでボールを奪う
というお手本のようなゲーゲンプレスで何度も札幌にボールを奪われていた。
どう見ても右より左が得意なはずの宇賀神をわざわざ右に配してでも関根を左で使いたかった大槻監督の思惑と、左サイドに追い込んでボールを奪いたかったペトロビッチ監督の思惑が合致してしまったが故の完全にハマった札幌の守備だった。
関根のレッズ復帰後、サイドの単純な質的優位で敵陣深くまでボールを運んでいたレッズにとって、進藤を相手にした関根がサイドで何もできないのは大槻監督にとって大きな誤算だったのでは。

しかも奪ってからの高速カウンターがこれまた速い札幌。
高精度のロングボールとジェイ、武蔵らの上手さから前線で収まってダイレクトプレーが次々成功。
序盤こそマウリシオのマークで未然に阻止できていたが次第に捕まえきれなくなりレッズのファウルと札幌の決定機が増える。
30分に体を当てにきたマウリシオをジェイが逆に吹っ飛ばし武蔵へのスルーパスに抜け出し成功、西川と1対1でシュート。
36分に狭いスペースで荒野、武蔵、ジェイとワンタッチで繋いでエリア内でシュート。
40分にロングボールを荒野がエリア内で落としてつま先でシュート、と危険な場面を作られるようになる。

後半札幌はビルドアップのやり方に変化を加えGKが参加するようになる。
レッズのプレスが別段変わったようには見えなかったのであくまでハーフタイムの指揮官からの指示によるものと思われる。
ところがクソンユンのフィードは前半面白いように通っていた菅や福森のそれと比べやや精度に欠け、3本目にして荒野に出した直後岩波に奪われカウンターを食らう。
この時に得たCKをエヴェルトンがものにして3試合ぶりの先制ゴール。

およそその10分後に同点ゴールを決められるわけだが、きっかけは関根の無謀な仕掛けからだった。
やはり前半何もできなかったことが余程腹に据えかねたと思われこの一連の流れの関根はとても冷静には見えなかった。
得点を重ねリードを広げれば楽に試合を進めるのはわかるがカウンター一発で失点してしまうほどのリスクをかける場面だっただろうか?
例によってあっさり食いついてボールに触ることもできずに味方を巻き込んでずっこける岩波も大問題だったが。
先制直後の58分にリードしたのに縦に急いで即ボールロストしたシーンといい、先制してからの試合運びの拙さがいつまで経っても改善されないのは何故なのか。
結果論に過ぎないがやはり関根を左で使ったメリットが見えない割に、デメリットが大きく露呈したように思えた。

追いついてからも札幌は引き続きひたすら長いボールを蹴ってジェイに当ててセカンドボールを拾って一気にゴールに迫る。
レッズは前半にも一度だけ見られた西川のパントキックという強力無比な武器を繰り出しこれまた長いボールで中盤を省略。
互いに大味なサッカーを展開する。
後半はやはりお互いにリスクをかけて勝ち点3を獲りにいったこともあり時計が進むにつれてどんどんオープンな展開になる。
結局その後スコアは動かずドローで終わる。

以下個人的に気になったのは、先制点を挙げたエヴェルトンだが先制シーン以外は酷かった。
長澤に代わって入ったファブリシオも興梠のクロスからフリーでシュートを打ったシーン以外はチームに貢献できたとは言えず。
関根に依存するだけで勝ち点を積み上げられると思ったら大間違いだということに気付かされたことと、冴え渡る西川のパントキックが戦術兵器として十分通用しそうなことがこの試合の収穫か。

2019年8月12日月曜日

2019 J1リーグ 第21節 名古屋グランパス戦

16節鹿島戦から中3日で21節名古屋戦というのは、さすがに最近実践しているこの対戦相手の予習スタイルにはあまり時間が割けない。
それでも鹿島戦の予習を完了してから16節キックオフまでの短い時間でなんとか18節湘南戦の予習をできた。
16節の感想を書き上げた後に20節ガンバ戦の前半だけ予習できたところで21節名古屋戦のキックオフの時間になってしまった。
19節セレッソ戦を予習しなかった理由はシャビエル不在、後に怪我で離脱する米本が出ていた等のイレギュラー要素が多いと思ったため。

<湘南戦感想>
  • ラインが高く裏が狙われる名古屋
  • ビルドアップはスムーズなものの崩しで詰まる名古屋
  • 前田とシミッチが攻守に躍動
  • ファウル数名古屋10に対し湘南22(カードなし)で湘南は常に球際を厳しくプレス

<ガンバ戦感想>
  • 相変わらずラインが高くネガトラも遅いため前半からカウンターを何本も食らう名古屋
  • 湘南戦と比べるとミドルの浮き球フィードを多用
  • 太田がCBに入った最大の恩恵は吉田を1列前で使えるようになったこと、左サイドからの攻撃が目立つ名古屋
  • セットした状態の守備はガンバより余程強固で整っていた名古屋
これら2試合と他のスタッツを見た感想が
・相手はとにかくボール保持命・・・の筈
・とにかくラインが高いので裏への飛び出しと奪ってからのカウンターは常に狙っていきたい
・ガンバ戦はにわかに復調傾向か?

ここまで書き上げた現時点でレッズ戦の結果は出てしまったので結果論になるが、湘南戦とガンバ戦の2試合しか見れなかったのがやはり残念だった。
印象論の域を出ないが今の名古屋は新戦力が加わったこともあってか変化の最中にあるように見えたため。
勝手なイメージでは、ひたすらボールを握って攻めダルマになるしか能がないのが名古屋というイメージだった。
ところが、ガンバ戦ではある程度相手にボールを持たせる時間を作って引いてブロックを作っても試合をコントロールする術を見出そうとしているかのように見えた。
そしてレッズ戦でも名古屋はそれを見せた。

ガンバ戦で何故シャビエルがベンチスタートだったかまではわからないが「戻ってくればこうなるであろう」という予想されたスタメン通りの名古屋。
一方レッズは前節エヴェルトンに代わって柴戸、長澤に代わってファブリシオ、マウリシオに代わって鈴木と前節から大きくメンバー変更。
中3日で酷暑の連戦を考えれば妥当とは言えるがベンチ入りすらしていないマウリシオにはすわ負傷離脱かと肝が冷えた。

戦前、メンバー的にもスタイル的にも参考になるのはガンバ戦のほうでポゼッション的にも五分の似たような展開になることを予想した。
開始早々の失点こそ同じではあるものの予想していた名古屋の左サイドからの攻撃はガンバ戦ほど機能したとは言い難く、むしろ右サイドの前田の仕掛けや裏抜けの方が有効打になっていた。
2失点目のシャビエル等、左サイドを使うのは使っていたが当初予想していた吉田の攻め上がりよりも太田やシャビエルのほうが目立っていた。
レッズは高いラインの裏を狙う意識については皆無ではないものの決定機には繋がらなかった。

前半は25分までに被シュート数3本で2失点、ポゼッションは五分という数字以上に名古屋に完全に押されていた。
レッズもそれなりに相手ゴールに迫るシーンも作れてはいたもののゴール前でのクオリティの差が名古屋より明らかに低かった。
武藤は目の前の相手を無視するように強引な縦パスを引っ掛けるシーンが何度も見られ、ファブリシオはまずドリブルで仕掛け囲まれ苦しくなってからでないとパスを出さない独善的なプレーが目立ち、どちらも成功率の低い賭けを繰り返すばかりで得点は絶望的に思われた。
そんな中前半唯一と言っていい決定機を作ったのが青木。
パートナーが柴戸だからなのか、相手が名古屋だからなのか、最初の失点に絡んでしまった責任感からなのか、この日の青木は積極的に前に出て攻撃参加し37分の興梠へのファークロスで決定機を演出。

2失点した後も名古屋に決定機を作られるシーンが複数回ありさらなる失点も時間の問題かと思われたが、前半ATに1点返したこともあってか後半は立ち上がりからボールを握り、シュートを放ち、相手陣内に押し込む時間が続く。
近い距離でショートパスを確実に繋ぐことと、受けてから落ち着いて前を向くことと、名古屋のプレスが弱くなったこと等が原因と思われた。
時折、不用意なボールロストから名古屋のカウンターを許すことになるが単発で終わらせ前半のように立て続けにシュートを浴びることはなくなる。

柴戸に代わって入った長澤は終始ミスを連発。
ファブリシオに代わって入った杉本はアシストすることしか頭になく、山中以外の交代策はこの日も不発に終わったように見えた。
その山中も何故か杉本が投入されてからパッタリとボールが回ってこなかった。
結果的には鹿島戦同様シンプルなクロスが決定打になった訳だが、せめて杉本を投入したらサイド攻撃一本に絞るといった割り切りも必要ではないか。
杉本の武器はそれだけではないし、それだけに拘らなくともゴールに迫れていたのもわかるが成功率を見ればどちらに賭けるべきかは明白。
監督にはチームとしてやるべきことの共有と徹底を頼みたい。
もっとも、ロクにボールが回って来なかったのは前田に代わって入った金井のマークと山中のポジショニングが悪かったのもあるのでそこも含めて改善の余地があるが。

最後にマンオブマッチはこの日も再三ビッグセーブでチームを救った守護神西川。

2019年8月4日日曜日

2019 J1リーグ 第16節 鹿島アントラーズ戦

16節鹿島戦に向けて17節広島戦、18節磐田戦、20節鳥栖戦を予習した。
何故19節仙台戦だけ見ないかというと、浦和戦で乱暴狼藉を働いて出停を喰らい主力2人を欠いた仙台を相手に大勝した試合を見てもあまり参考にならないと思ったため。

3試合のスタッツだけを見ると鹿島はボールを持ちたがるとも持たせたがるとも言えない絶妙なバランスをとっている。
ただ、どちらに転んでもしっかり結果を出せるあたりやはり鹿島。
今シーズン19試合をこなし34ゴールという数字はマリノスに次いでリーグ2位。
マリノスのように圧倒的にボールを保持してシュートもバンバン打つわけではないためシュート成功率がかなり高くこちらもリーグ2位の数字。
まあ直近の磐田戦と仙台戦の結果が押し上げているのは言うまでもないが。

<広島戦感想>
  • クイックリスタートに警戒
  • 右SB永木は攻守に難あり
  • リーグ戦では4節以降ゴールの無い伊藤の決定力
  • 広島の守備が上手いせいかロブパスで前線へのフィードが目立つ鹿島

<磐田戦感想>
  • おそらくは次の仙台戦とこの試合のスタメンが現状の鹿島のベストメンバーでは
  • ひたすらボールを保持され守勢に回っていたが、危険なシュートも打たれていたため持たせていたようには見えない鹿島
  • 流れのないところから点が取れる小池のロングシュートに警戒

<鳥栖戦感想>
  • 4-4-2同士でシステムが噛み合うと滅法強い鹿島
  • お互い繋ぐことにこだわらずに浮き球のフィードが多い
  • 鹿島にしては珍しくオープンな展開になる後半
これら3試合を見た感想が
・繋ぐビルドアップはあまり得意ではないため浮き球や長いボールに対ししっかり寄せて前を向かせない
・流れのないところからゴールが奪えるため試合を優勢に進めていてもボールを支配していても油断できない
・ホームの高い勝率に対してアウェイでは若干落ちる
・スタメンが読み難い

個人的に最も参考にしたいと思ったのは広島戦。
これを書いている現時点では既に見れなくなってしまったが広島は繋ぎも崩しも他の2チームより優れていた。
もっとも、ACLで2戦してからの3戦目という条件付きのためこの試合だけを見て判断するのは不安ではあるが。

読みづらかった鹿島のスタメンだがレオシルバに代わって名古が入った以外は(こちらの想定する)ベストメンバーといった布陣。
レッズも前節からは柴戸に代わってエヴェルトンが復帰。

レッズはマウリシオのパスミス、橋岡のクリアミス、CKで競り負けてバーに救われるといった最悪の立ち上がりを見せるものの何とか落ち着きを取り戻し決定機を2度作った。
開始5分の間に作った2度の決定機はどちらも左サイドからのクロスによるものだった。
この日の鹿島はラインが高い割にトランジションが遅いように見えた。
そのためDFラインの裏を取れるシーンが前半から複数回見られた。

鹿島のビルドアップは事前に予習した通りロングボールが多かった。
ターゲットへの寄せについては、そもそもこの日のロングボールは精度が低く簡単にボールを手放すシーンが何度か見られた。
その代わりカウンター、セットプレー、スローイン等のプレーには非常に集中していてレッズはゴールを脅かされた。
回数は多くないものの鹿島は強引なドリブル突破による前進も効果的だった。

前半途中からエヴェルトンにミスが目立つようになる。
前半限りで宇賀神と交代してしまったマウリシオもパスのズレが目立ち調子は悪そうだった。
最悪の立ち上がり然り、2度の決定機を逸する場面然り、鹿島のビルドアップ然り、この日はお互いに序盤からミスが多発。
ナイトゲームにもかかわらず気温31度という今季最高気温でのキックオフとなったこの日の環境がそうさせていることは想像に難くなかった。
全体的にボールコントロールや体のキレだけでなく集中力も散漫だったせいか序盤からオープンな展開が続きカウンターの応酬が見られた。

後半頭からマウリシオに代わって入った宇賀神は慣れ親しんだはずの武藤や槙野との連係が合っておらず度々ボールロストする。
そして暑さに疲れも加わったせいかお互いにファウルが増える。
それまで殆どミスの無かった関根に立て続けにミスが発生する。
前半に輪をかけてオープンになる。
と、後半は立ち上がりから様々な変化が見られ一気に試合が動きそうな様相を見せ始める。

結果的には采配が明暗を分けたように思える。
伊藤を投入してから明らかにシュート数が増えた鹿島と山中を投入してから失点したレッズとの差。
確かに後半からミスが増え疲れが見えていた関根を下げる判断は一見妥当にも思える。
だが山中投入後、鹿島は露骨にレッズの左サイドを狙って攻撃を仕掛けていたことからも山中の守備的不安は最早周知の事実。
最終的には左サイドを土居に突破され悠々クロスを上げさせてしまったことからも、あくまで結果論に過ぎないながらも山中投入は失策だったように思える。

とは言え山中投入には2重3重の意図があったことも付け加えておきたい。
第一に前述した関根の疲労。
第二に攻撃面で全く上手くいっていなかった宇賀神。
あの出来ならいっそ右に回して山中を使ったほうがマシと考えるのも無理はない。
第三にその後に投入予定だった杉本を活かすためのクロッサーとしての役割。
これはその後実を結ぶので半分成功といったところか。
本を正せばマウリシオが負傷交代してしまったことがそもそもの誤算だったはず。
そのため橋岡を1列下げざるを得ずその橋岡も失点に絡んでしまった。
もし、マウリシオが負傷しなければ・・・。
もし、ベンチに鈴木が居たならば・・・。
もし、宇賀神のパフォーマンスがもう少し良ければ・・・。
たらればは尽きないが様々な要因が絡み合っての失点だった。

もっともレッズの失点が交代策が原因なら鹿島の失点も同様に交代策が原因だったと見ることも可能ではある。
何故なら同点時の山中のクロスに対して正対していたのは交代直後の遠藤だったから。
それまであのポジションで山中が持った際に対応していたのは永木だったが失点シーンのみ遠藤が付いていた。
とは言え永木が対峙していても79分に山中のアーリークロスにニアに飛び込んだ杉本が決定機を作っているので永木なら常に完璧に対応できていたわけでもないが。

劇的幕切れを多く演出している大槻監督が勝負師としての勘や豪運を持っていることに疑いの余地は無いが、物事には裏表があるためメリットだけに目を向けていては本質は掴めない。
今回は監督として打った博打に半分負けて半分勝ったというところだろう。
あとは想定外の事態とそれを予見する分析力、判断力の精度をさらに高めていければ勝率も上がってくるはず。


2019年7月27日土曜日

2019 J1リーグ 第20節 ジュビロ磐田戦

仙台戦は結果が出てから相手チームについて前の試合の振り返りを行なったが、今回は試合開始前に相手チームの予習をしてからの観戦。
17節川崎戦で名波監督が解任になったので鈴木秀人新監督が就任した18節鹿島戦からの2試合を予習した。

鹿島戦は2-0の敗戦。
松本戦は0-1の勝利。
勝ち点こそ17で鳥栖、松本と同率最下位なものの13得点23失点という数字は1試合少ないとは言えレッズの15得点24失点と大差ない。
両者とも決定力不足という同じ問題を抱えているように思われたがこの2試合を見た感想はレッズの抱えるそれとは質が異なるものだった。
直近の川崎戦の数字だけを比較してもそれは明らかで1-3の敗戦ではあるものの17節の磐田のシュート数は15に対し、14節のレッズのシュート数は9。
その他の試合を見ても磐田は勝っても負けても相手と同等かそれ以上のシュート数を常に出している。
にもかかわらずリーグワースト3位の得点数というのは単純にフィニッシュの精度の問題。
鹿島戦はまさにそんな試合だった。
一方レッズは相手によってはろくにシュートも打てず為す術なく負けている試合が多い。
明確に得手不得手がはっきりした試合を監督が交代した今でも続けている。
ではレッズにとって磐田はどちらになるかをこの予習で探ろうとした。

・・・が、ここまで書いたところでタイムアップ。
試合が始まってしまった。
前2試合の確認は終わっていたもののまとめるまでは間に合わなかった。
というわけで箇条書きで2試合の感想。

<鹿島戦感想>
  • ビルドアップは実にスムーズ、自ら運んでも長いボールを蹴らせても上手い高橋
  • 降りてきてシンプルにはたいても、ポストしても、スルーパス出しても、サイドに流れてクロス上げても、何やらせても優秀なロドリゲス
  • カウンター時にしっかり追い越す動きで人数をかけている
  • 陣形がコンパクトでインターセプトも多くセカンドボールの回収率が高い
  • テクニックはあるがフィニッシュの精度の低さが目に付く山田
  • 失点後も攻守のバランスを極端に崩さずその後も変わらずボールを握り続け最後まで相手ゴールに迫り続けた磐田
  • レッズと磐田の最大の違いはただボールを支配するだけでなくきっちりシュートを打ち切れること

<松本戦感想>
  • 再三決定機を外した山田がベンチスタートなのはともかくロドリゲスもベンチスタートというのは?
  • 序盤はお互いに長いボールばかり蹴り合って落ち着かない立ち上がり
  • 磐田の高いラインの裏をとられてGKと一対一になるシーンも
  • 鹿島戦同様セカンドボールを回収してからの二次、三次攻撃が上手くシュートで終われる磐田
  • 磐田はCKからあわや失点というシーンが前半だけで2度見られる(序盤の誤審とATのヘッド)
  • カミンスキーのミスを大井が値千金のヘディングセーブ
以上からレッズとしては
・2トップ外国人に要注意
・高いラインの裏を狙いたい
・シュートだけはバンバン打ってくるのでファーストディフェンスはしっかり
この程度のことしか思いつかなかった。

そしていざ当日スタメンが発表されてみると前節殊勲の決勝ゴールを叩き込んだロドリゲスがまさかのベンチ外。
アダイウトンまでもベンチスタートで大久保が11試合ぶりのスタメン復帰。
自分がレッズ指揮官ならこれは意表を突かれる起用。
後から怪我でも戦術的な理由でもないことがわかって拍子抜けしたが。
前節に決勝点を挙げたFWロドリゲスも今週の練習中の態度を問題視してメンバーから外した。
上原の追撃弾実らず J1リーグ第20節・磐田|静岡新聞アットエス

レッズはレッズで2年ぶりに復帰した関根がいきなり先発起用。
前節から阿部に代わって柴戸、ファブリシオに代わって武藤が先発した。

開始5分こそ五分の戦いであったものの徐々にレッズがボールを握る時間が増え開始9分と早い時間に先制に成功。
レッズは磐田のフォアチェックに対して1枚かわして縦に出したりサイドチェンジを駆使したのに対し、磐田はレッズのプレスに屈しバックパスでボールを下げ後ろから長いボールを蹴らされていた。
それとレッズは磐田DFラインの裏への意識がかなり強く序盤から関根や長澤が再三スルーパスを出していた。

ボールを縦に入れたら自分も上がってまた受ける。
長澤は先制した時に見せたこの動きを先制する3分前にも見せて好機を演出していた。
磐田の守備の話をすると、とにかく磐田はマークが甘くバイタルエリアという危険地帯であってもレッズの選手を易々とフリーにしパスもシュートも自由に打たせているような守備で、ボールの奪いどころをどこに設定しているのかわからなかった。

先制後もレッズがボールを握り続けるもののなかなかシュートまで辿り着かない時間が続いたが10分弱で追加点。
興梠の空振りフェイントで1枚食いつかせたのときちんと逆から詰めた橋岡へのご褒美。
3点目は事故のようなゴールではあるものの、こぼれ球に詰めた長澤と、タックルにいった足とは逆の上げなくてもいい足をわざわざ上げて引っ掛けて長澤を転ばせた新里と、1点目に続きまたしても股下からゴールを許してしまうカミンスキーのゆるさがゴールに繋がった。

後半に入ると繋ぐビルドアップが減り長いボールを蹴ったりミドルやロングを放って簡単に相手にボールを渡すシーンが増える。
そのせいか徐々にオープンな展開に傾き磐田のシュート数が増えていく。
最も大きい変化はやはり後半頭から中山に代わってアダイウトンが投入され前線で起点が作れるようになったことか。
武藤に代わって入った柏木、興梠に代わって入ったファブリシオ等、逆にレッズの交代策は攻撃にも守備にも大して効果が無かったことは対照的。

57分に試合を決定付ける4点目のチャンスでは武藤の裏抜けからのエリア内でのカミンスキーによる武藤転倒に対するジャッジはレッズにとってはその後の展開を難しくさせた。
逆に66分に一瞬の隙を突かれアダイウトンに単独でエリア内に持ち込まれあわや失点のピンチに槙野がシュートを打たせる前にノーファウルで阻止したこともターニングポイントになったように思える。

特に後半のレッズは前半に比べファウルが非常に増えていた。
橋岡とアダイウトンのデュエル、柴戸と田口のデュエルといった局地戦が各所で展開されていたことが原因だが、これが鈴木監督の指示によって意図的に仕掛けられたものかアダイウトンを投入したらたまたまこうなっただけなのかまではわからなかった。
とにかくそうして得た数々のセットプレーの一つを68分のCKでついに磐田は結実させる。
しかもこれはセットプレーを得るだけに止まらずその後累積警告による退場まで誘発させる。
その後も押し込まれシュートを打たれ何度もゴールを危険に晒すがDF陣の奮戦もありなんとか逃げ切りに成功。
ほぼ満点と言っていい前半の内容と対照的に課題の残る後半となった。

この中で最も問題視すべきはやはり交代策の不発のように思われる。
興梠と武藤という攻守においてチームトップの働きを見せる選手の代わりがいないことが問題だ。
とは言え2ヶ月ぶりの復帰で病み上がりの柏木は致し方ない面もあるとは思うが、ファブリシオの投入は監督からのメッセージとしてはブレが生じていたのでは。
このまま逃げ切るのか止めを刺しに前に出るのか、という意味で。
柴戸の退場と阿部の投入で図らずも前者に統一されたのは怪我の功名と呼んでいいかどうか。
次に前半からリードに成功した時は大槻監督の采配に注目してみたい。


2019年7月13日土曜日

2019 J1リーグ 第18節 ベガルタ仙台戦

実はこの日は現地観戦していたがウノゼロで勝ったにもかかわらず正直かなりフラストレーションの溜まる試合だった。
先制する前も後もあまり効果的に相手のゴールを脅かすプレーをできているように見えなかったため。
ただ、帰宅後冷静になって仙台の直近の試合を振り返ってみると、
・直近4試合全てで先制
・直近4試合全てでポゼッションで劣る
・3位、12位、1位、5位に勝利(ただし名古屋はジョー不在、松本は前田不在、東京は久保不在、札幌はチャナティップ不在)
そんな仙台を相手に大学生相手とは言えミッドウィークに天皇杯をこなした連戦の中で、12位のレッズがこれまでの対戦相手同様ポゼッションしながら先制を許さず逆に先制点を挙げ、その後も相手にチャンスらしいチャンスを与えずしっかり試合をクローズして見せたことは十分賞賛に値する結果ではないかと思えてきた。

そもそも仙台は1位、3位、5位を相手にポゼッションを許しながらどうやって勝ったのか。
興味がそっちに移ってきたためその4試合をできる範囲で確認してみることにした。
これを書き上げている7月9日現時点で既に名古屋との試合は見れないし、見れたとしても90分×4試合全てはさすがにチェックし切れないので「ハイライト」と「スタッツ」と「戦術ブロガーたちのレビュー」を頼りにどんな試合だったのかをそれぞれ振り返ってみた。

現地で見ていた感想としては「これだけポゼッションしてチャンスらしいチャンスも与えなければ勝って当たり前」くらいのものだったが、仙台の直近3試合を振り返るとそれは誤りであったことがよくわかる。
何故なら仙台は相手を押し込んでいたり優勢に試合を運べている時間帯でなくとも前後の脈絡なく点を取って勝っていたから。
こう書くとセットプレーに異様に強いか、切れ味鋭いカウンターが持ち味なのかと思いたくなるがそうでもない。
長いクロスを放り込んできた時の精度の高さ、一番の脅威はそれができる永戸。
永戸ばりのコントロールを持ちながらさらに圧倒的なデュエル勝率を誇るシマオマテ。
そしてJリーグ屈指の高さを誇る長沢は長いボールの絶好のターゲットになる。
長沢や石原がポストした時にボックス内で仕事ができるのが絶好調の関口。

まず目に付いたのはレッズのプレッシングの速さ。
これはやはり誰が持った時に誰が行くかがはっきりしていたということか。
被カウンター時に石原や長沢等の危険な選手に入ったボールも槙野やマウリシオがきっちり潰して危険の芽を摘んだ。
これはレッズの守備の話。
一方の仙台の守備の第一印象はやたら荒い。
松本、東京、札幌の3試合と比べてもこの試合は特別に荒い。
レッズのファウル数10回に対して仙台は19回と数字にもはっきり表れている。
何故ああいう試合の入りをしたのか、そこに戦略的な意図があったかどうかまではわからなかった。
だが仮にあったとしてもそれは仙台にとって有利に働いたようには見えなかった。

次に攻撃の時。
前半序盤は最終ラインから宇賀神や橋岡のWBをターゲットに長いボールのダイレクトプレーを選択。
前半中盤あたりから岩波から武藤へ縦にボールが入るようになるもそこに橋岡やファブリシオが絡んでもフィニッシュまで辿り着けない。
前半終盤にようやくこの布石が結実し岩波からの楔を武藤がターン一発で2人かわしスルーパスでもう1人出し抜きエースの美技で見事フィニッシュ。
とにかく武藤はよく動いて相手最終ラインの手前で浮いていたため何度も縦パスが入った。
後半は退場者が出て仙台が一人減ったものの相変わらず押し込んでからの崩しの連係がいまいちで追加点が取れない。
小さな変化として橋岡が仕掛けて強引に突破を試みるようになる。
一方の仙台の攻撃は、最も警戒していた長いボールの放り込みがレッズDFラインの裏をかくようなものではなく単純な中央ブロックで跳ね返すだけで最後まで失点を許さなかった。
セットプレーのほうがシマオマテの危険度が如実に現れていて見ててハラハラした。

以下その他トピック。
  • ファブリシオはシュート4本全て枠外ということでまだまだまだまだリハビリが必要、守備は杉本より献身的
  • この日は珍しくセットプレーから得点の可能性を感じた、右はいいが左から蹴る時のキッカーは再考の余地あり
  • 岩波は昨季好調時のパフォーマンスに戻りつつあるように見えるが浮き球のロングフィードがまだ少なくグラウンダーの楔が目立った
  • 杉本は本当にポストが上手い、ただ守備は途中出場ならもっと動いて欲しいかも
  • 後半の攻撃は実にお粗末な出来、せめてカウンター仕掛けたらシュートまで持っていっていただきたい
  • シュミットダニエルは神セーブ連発でこの日のMOMは彼でもいいと思った、ファウルもしないし
  • 試合に勝ったはいいが次節エヴェルトンと(多分)武藤を欠いた状態で2位の相手との対決は気が重い

2019年2月22日金曜日

2019 J1リーグ 順位予想

いよいよ開幕を明日に控え当初はさらりと終わらせるつもりだったもののこんな時間がかかるとは。
だが急いだ甲斐あってなんとか開幕前に間に合ったよかった。

1位 浦和レッズ
完全にいちサポーターとしての願望。
ただ絶対に不可能だとも思っていない。
それだけの大型補強はしている。

2位 川崎フロンターレ
昨季も大きく崩れない抜群の安定感を見せつけた川崎なら三連覇したとしても何ら不思議ではない陣容。
新加入のブラジル人トリオをキャンプでどこまで仕上げてきたかがスタートダッシュの鍵になりそう。

3位 鹿島アントラーズ
誰もが口を揃えて指摘する鹿島の野戦病院化。
ただリーグ戦を戦っていくうえで鹿島のそれはあまり不安要素にならないと見ている。
昨季終盤にACLを見据えたターンオーバーをリーグ戦で敢行しサブ組中心で見事勝利を収めている。
むしろ有望な若手が多いためシーズン中の海外移籍のほうが懸念としては大きい。

4位 ガンバ大阪
昨季は開幕から27節まで降格圏で低迷していたガンバだが監督交代、今野復帰、小野瀬獲得といった応急処置が間に合い終盤に怒涛の9連勝というクラブタイ記録を樹立。
問題はかなりタフなサッカーを強いられるはずの宮本サッカーだがそれに耐えうる補強がされたようには見えない点。
何気にレギュラー陣の高齢化も懸念が残る。

5位 北海道コンサドーレ札幌
順位予想するにあたり勝ち点の推移と試合日程及び結果を確認して回っているがそれまで札幌はFC東京同様の失速組だとばかり思っていた。
が、よくよく確認してみればシーズン前半と後半でそこまで大きく差がついたわけでもなく、その失速したFC東京より上位の4位でフィニッシュしているのだからペトロビッチ新監督1年目の結果として上々では。
問題はやはり移籍情報で、三好と都倉が抜けたのはかなりの痛手なのでは。
抜けた都倉の穴を鈴木が、三好の穴は岩崎が埋めるのだろうか。
とは言え他ならぬミシャが獲得を希望した選手であれば侮ることはできない。

6位 ヴィッセル神戸
一昨年くらいから移籍の話題の中心は常にこのクラブと言っていいくらいビッグネームの獲得に余念がない神戸。
ポドルスキを獲得しても9位、イニエスタを獲得しても10位、となればビジャを獲得しても中位だろうとの見方もあるかもしれないが個人的には上位を予想。
何故ならクラブオーナーが正しい金の使い方をようやく学び昨季リージョ監督を招聘したから。
あとは戦術の浸透と監督が欲する選手の獲得が肝になりそうだが、西、山口、初瀬の加入は心強いものの、藤田、大槻、高橋らの放出を換算すると移籍の収支は地味にマイナスでは?

7位 清水エスパルス
愛する浦和レッズ以外で今季最も注目しているのが清水。
何故今まで気付かなかったのか自分の目を疑うほど若く有望な20代前半の選手を多数抱えしかもレギュラークラス。
その才能を活かせる監督がようやく見つかりヤンヨンソン体制2年目となる今季は勝負の年。
勝手に心配していたそれら主力の放出も白崎一人に留まり優勝チームからエウシーニョという飛び道具まで獲得。
若いだけにいつ海外へ飛び出してしまってもおかしくないが他クラブの選手と言えど潰れるより育ってくれたほうがいいに決まってる。
ヤンヨンソンの手腕に期待がかかる。

8位 FC東京
昨季失速組その1。
9節から21節まで広島に次いで2位をキープし続けていたが21節から最終節までの14試合で2勝8敗4分け。
気になるのは長谷川監督が2017年にガンバ大阪でも同じような前半好調、後半大失速といった勝ち点推移を見せていること。
それらが同じ原因かどうかはわからないが昨季のFC東京には既視感を覚えたガンバサポーターも多いのでは。
補強は一気に4人もの外国人選手を獲得しているのが目を引く。
個人的注目は「当たり」の多いタイ人からナッタウット。

9位 サガン鳥栖
2年半務めたフィッカデンティ監督をシーズン中に解任し今季はスペイン人監督カレーラスが就任。
吉田と権田とキムミンヒョクという守備の要を同時に失ったのは非常事態と言っても過言ではない。
即戦力になり得るとしたらクエンカと原だがどちらもDFではない。
新監督が組織的守備を構築できる監督であることを期待するしかない。
かなり贔屓目に願望込みでこの順位予想。
監督にお金を惜しまないクラブには成功して欲しい。

10位 セレッソ大阪
ぶっちぎりのストーブリーグ敗者と呼んで差し支えなさそうな選手の大量放出。
都倉、藤田、奥埜といった即戦力を獲得してきっちり補強するところが仙台との差。
最大の注目は新監督ロティーナ。
J2からJ1へ監督の個人昇格というのは例を思い出せないくらいには多分レアケース。
大量放出の遠因になっていそうな監督人事は吉と出るか凶と出るか。
基本的に補強よりも監督の手腕優先で順位が決まると考えているため未知数の新監督は並べて予想。

11位 サンフレッチェ広島
昨季失速組その2。
圧倒的スタートダッシュにより稼いだ序盤の勝ち点により順位こそ常に1位か2位をキープしていた広島だが、昨季終盤は7敗2分けで9試合勝ち無しで川崎に優勝をかっさらわれた。
監督は引き続き城福浩ということで今季も苦戦を強いられそう。
主な主力放出は千葉とティーラシンの移籍。
他にも多くの選手が移籍しているが出場時間的に痛手と言えるのはこの2人。
一方新加入選手は主にJ2からで注目は共に2桁ゴールをあげているドウグラスヴィエイラとレンタルバックの皆川。

12位 横浜F・マリノス
毎年悪い意味で移籍の話題に事欠かないマリノスは昨季イチの出世頭山中を初めとして伊藤やウーゴといった主力らを大量放出。
中澤や中町といった長年クラブを支えたバンディエラもクラブを去り新たな変革期を迎えようとしている。
毎年主力を引き抜かれるということはそれだけいい選手を獲得、育成していることの証左でもあるので新加入のブラジル人コンビはそれだけで脅威になり得る。
浦和お墨付きの即戦力李忠成に加え、三好とティーラトンも実績十分。

13位 名古屋グランパス
昨季は9節から21節まで最下位を独走していた名古屋だがW杯中断期間中の爆買いが実ってか中断明けの8月から怒涛の7連勝を記録。
最終節まで爆買いブーストがもつことはなく26節から失速し連敗を重ねるも7連勝のおつりが効いてギリギリで逃げ切り16位フィニッシュ。
革命家もそれを後押しするフロントも全くブレずに名古屋は今季も突き進むだろう。
不調と見るや夏に爆買いを敢行するのは結構だが名古屋の恐ろしいところは同カテゴリであるところのJ1から主力を引っこ抜いてくるところ。
ダイレクトに他クラブの弱体化と自クラブの強化を同時に、しかもシーズン中にやってのけるのだから恐れ入る。

14位 大分トリニータ
昨季のJ2では1位は松本山雅、2位が大分だったが監督の手腕は片野坂監督のほうが上だと見ている。
あとは保有戦力の差だが片野坂監督のサッカーに慣れ親しんだ複数の主力選手が移籍してしまったのは素直にマイナスだと思われる。
確かに加入した選手は即戦力級だが片野坂監督のサッカーは選手の個人能力よりも戦術への慣熟の方が重要と見ている。
とは言え思い切り私情を挟んでレンタル移籍したオナイウと伊藤のさらなる飛躍に期待し14位予想。

15位 湘南ベルマーレ
曺貴裁体制8年目。
良くも悪くも浮き沈みの無いシーズンだった昨季はついにクラブ初のJ1でのタイトル獲得。
ライザップ1社の支援で予算が大幅にアップすることもなく今年もオフは大量放出大量加入。
目立った大物は見当たらず今季もまずは残留が目標になりそう。
ルヴァンカップでブレイクした杉岡や松田といった若手を引き抜かれなかったことは朗報だが石川の離脱は間違いなく悲報。

16位 ベガルタ仙台
夏にチーム最多ゴール数をあげていた西村がロシアへ移籍しその穴を埋められないまま11位でフィニッシュ。
しかも今オフは多くの主力を放出。
新加入選手で即戦力になりそうな選手も見当たらない。
助っ人外国人シマオマテもフリートランスファーということで過度の期待は禁物。
最大の課題はやはりゴールゲッターの不在か。

17位 松本山雅FC
昨季浦和とは天皇杯3回戦で対戦した松本だがあの時は浦和は中断明け初戦、松本はミッドウィークからの連戦ということでターンオーバー。
あの試合を基準に今季やれるかどうかを測るのは参考にし難い。
初昇格した2015年と今年の移籍情報を比較してみた。
松本はJ1初昇格した2015年は降格しているが当時は船山の離脱が響いたのだろうか?
では今オフはどうかというと石原という主力が抜けている。
おそらく今季もかなりの苦戦が予想される。

18位 ジュビロ磐田
シーズン序盤に主力のムサエフとアダイウトンの2人が揃って怪我のため長期離脱。
ギレルメは試合中の暴力行為によりシーズン中に放出。
昨季のジュビロはとにかく助っ人外国人受難のシーズンだった。
結局残留争いにまでもつれ込んだジュビロの今季に向けた明るい材料が全く見当たらない。
何せJ1でたったの7人しか人の入れ替えがなくこれは今オフJ1クラブで最少人数。
それこそ長期離脱した2人が昨季終盤に復帰できて今季は開幕から試合に出れそうなことくらいが唯一の救いか。

2019年2月8日金曜日

2019年アウェイ遠征計画

昨年に引き続き今年も遠征計画。
以下ピックアップした今年行きたい試合。

3/6(水) ACL ホーム ブリーラムユナイテッド戦
3/9(土) リーグ戦第3節 アウェイ 松本山雅戦
4/9(火) ACL ホーム 全北現代戦
4/14(日) リーグ戦第7節 アウェイ ガンバ大阪戦
4/28(日) リーグ戦第9節 アウェイ 清水エスパルス戦
5/7(火) ACL アウェイ ブリーラムユナイテッド戦
5/12(日) リーグ戦第11節 アウェイ 名古屋グランパス戦
5/21(火) ACL ホーム 北京国安戦
8/10(土) リーグ戦第22節 アウェイ 北海道コンサドーレ札幌戦
8/17(土) リーグ戦第23節 アウェイ ヴィッセル神戸戦
9/28~29(日) リーグ戦第27節 アウェイ サガン鳥栖戦
11/1~4(月) リーグ戦第30節 アウェイ 鹿島アントラーズ戦

W杯イヤーだった昨季と違い今年はリーグ戦でミッドウィークのナイトゲームは無し。
そして我らが浦和レッズは1年ぶりに帰ってきたACLの舞台。
昨季はACLを現地で見れない鬱憤をルヴァンカップで晴らしていた自分も当然行くつもり。

2年連続で参戦しているユアスタは相手に余計な火種を作られたので今年は見送り。
(開幕戦というのは口実であって本音は天皇杯で負けたことを根に持ってるだけかと)
それ以外は概ね例年と同じで今年も専用スタジアムのアウェイゲームを中心に見に行きたい。
松本山雅はJ1初昇格した4年前に行かなかったことを後悔したため今年はなんとしてでもアルウィンに行きたい。
生で顔を拝んでいない鳥栖のトーレスと神戸のイニエスタを見に行くのも欠かせない。
2016年から皆勤してる吹田スタジアムはリーグ戦でまだ一度も勝てていないので今季こそは勝って欲しい。
(ルヴァンカップでは勝ったが)

とは言え、最大のハイライトは何と言ってもブリーラムユナイテッドとのアウェイゲーム。
CWCを見に遠路はるばるUAEまで遠征した経験が動機になっているのは言うまでもない。
GWが怒涛の10連休もあるのにACLは見事にその期間から外れているのが腹立たしいw
バンコクまではどうってことなさそうだけどブリーラムまで行って帰るのが大変そう。
行ければ行きたいのが4月のACLアウェイ全北現代戦。
(北京は専スタじゃないのでスルー)
それとホームマリノス戦とホーム湘南戦。
フライデーナイトJリーグは一度体験しておきたい。
これも行ければ行きたい新国立競技場のこけら落としの予定となっている天皇杯決勝に駒を進めることはできるかどうか?

2019年2月4日月曜日

2018年現地観戦録

1年前にアウェイ遠征計画なるものを立てた。
まずはその計画の達成度から。

○ 3/14(水) ルヴァンカップ ホーム ガンバ大阪戦
○ 4/11(水) リーグ戦第7節 アウェイ ヴィッセル神戸戦
● 4/25(水) リーグ戦第10節 アウェイ 柏レイソル戦
● 5/5(土) リーグ戦第13節 アウェイ 鹿島アントラーズ戦
○ 5/9(水) ルヴァンカップ ホーム 名古屋グランパス戦
○ 5/16(水) ルヴァンカップ ホーム サンフレッチェ広島戦
○ 5/19(土) リーグ戦第15節 アウェイ ガンバ大阪戦
● 8/11(土) リーグ戦第21節 アウェイ サガン鳥栖戦
○ 8/19(日) リーグ戦第23節 アウェイ 清水エスパルス戦
○ 8/26(日) リーグ戦第24節 アウェイ 名古屋グランパス戦
○ 10/7(日) リーグ戦第29節 アウェイ ベガルタ仙台戦
● 11/10(土) リーグ戦第32節 アウェイ 北海道コンサドーレ札幌戦

※○が行った、●が行けなかった

10節柏戦は例によってチケットが取れず断念。
13節鹿島戦は鹿島相手に怖気づき自分の意思で自宅観戦を決断。
21節鳥栖戦は飛行機のチケットの高さが不満でこれも自らの意思で断念。
32節札幌戦は札幌ドームではなく厚別だったので不参加。

そして計画にはなかったものの突発的に参戦した試合が以下。

6/9(土) ルヴァンカップ ホーム ヴァンフォーレ甲府戦
8/1(水) リーグ戦第19節 ホーム 川崎フロンターレ戦
8/15(水) リーグ戦第22節 ホーム ジュビロ磐田戦
9/23(日) リーグ戦第27節 ホーム ヴィッセル神戸戦
12/1(土) リーグ戦第34節 ホーム FC東京戦
12/5(水) 天皇杯準決勝 カシマスタジアム 鹿島アントラーズ戦
12/9(日) 天皇杯決勝 埼玉スタジアム ベガルタ仙台戦

ルヴァンカップ甲府戦はルヴァンカップホーム戦をここまで皆勤してるからということで参戦。
19節と22節はミッドウィークのホーム戦ということでどちらも参戦。
何故16節名古屋戦は行こうと思わなかったのか悔やまれる。
行けばミッドウィークのリーグ戦ホームゲーム皆勤だったのに。
27節神戸戦はまんまとイニエスタに釣られ参戦。(結局出なかったけど!)
最終節は昨季2017年も行ったからということで参戦。
天皇杯準決勝は直近のリーグ戦で鹿島に勝てたためもしかしたらという淡い期待をこめてチケット確保、カシマスタジアム初参戦、そして勝利。
天皇杯決勝は準決勝の試合中にスマホでチケット確保。
2016年のルヴァンカップも2017年のACLもタイトル獲得の瞬間を生で見れなかったからこそまだ勝敗も決していない準決勝の試合中に必死のチケット確保だった。

現地観戦した試合の成績は10勝2敗3分け。
天皇杯の2試合を除くホームゲームでは7勝1敗。
天皇杯の2試合を除くアウェイゲームでは1勝1敗1分け。
ミッドウィークと週末で試合を分けるとミッドウィークが6勝1敗。
週末が4勝1敗3分け。
リーグ戦とカップ戦で分けるとリーグ戦は5勝1敗3分け。
カップ戦は5勝1敗1分け。

こうしてみると平日週末、リーグ戦カップ戦を問わず観戦したホームゲームの勝率が我ながら高かった。
現地観戦して最も印象に残った試合はアウェイ神戸戦。
打ち合いのシーソーゲームに、岩波恩返し弾で初ゴールに、終了間際の勝ち越し弾に、アウェイ唯一の勝ち試合ということで見応えのある試合だった。
ブラジルへ渡った佐々木のゴールも強烈だった。

● 3/14(水) ルヴァンカップ ホーム ガンバ大阪戦
○ 4/11(水) リーグ戦第7節 アウェイ ヴィッセル神戸戦
○ 5/9(水) ルヴァンカップ ホーム 名古屋グランパス戦
○ 5/16(水) ルヴァンカップ ホーム サンフレッチェ広島戦
▲ 5/19(土) リーグ戦第15節 アウェイ ガンバ大阪戦
○ 6/9(土) ルヴァンカップ ホーム ヴァンフォーレ甲府戦
○ 8/1(水) リーグ戦第19節 ホーム 川崎フロンターレ戦
○ 8/15(水) リーグ戦第22節 ホーム ジュビロ磐田戦
▲ 8/19(日) リーグ戦第23節 アウェイ 清水エスパルス戦
● 8/26(日) リーグ戦第24節 アウェイ 名古屋グランパス戦
○ 9/23(日) リーグ戦第27節 ホーム ヴィッセル神戸戦
▲ 10/7(日) リーグ戦第29節 アウェイ ベガルタ仙台戦
○ 12/1(土) リーグ戦第34節 ホーム FC東京戦
○ 12/5(水) 天皇杯準決勝 カシマスタジアム 鹿島アントラーズ戦
○ 12/9(日) 天皇杯決勝 埼玉スタジアム ベガルタ仙台戦

2019年のアウェイ遠征計画に続く。

2019年1月22日火曜日

浦和レッズ2018年シーズン回顧

あくまで後で振り返った時に即座に思い出せるよう自分のためにつける回顧という名の備忘録。

1月
雌伏の1月。
リーグ戦の結果はふがいないものの10年ぶりのACL奪還という偉業を成し遂げた堀孝史監督が初めてシーズン開始から率いることになった2018年。
高木、駒井、梅崎、那須、矢島といった多くの主力の放出。
さすがにもうこれ以上はないだろうと安心していた矢先にラファエルシルバまでもが沖縄キャンプ中に離脱、後に移籍を発表。
2018年新シーズンに向けて非常に不安の残るシーズン始動となった。
一方新加入選手は岩波、武富、マルティノス、柴戸。
山田直輝がレンタルバック、橋岡と荻原がユースから昇格。
今にして思えば放出した選手と加入した選手は釣り合っていなかったように思える。
引き抜かれたことは完全に誤算で最後に発表されたラファエルシルバが残っていたとしてもだ。

2月
いよいよシーズン開幕。
開幕戦の相手はアウェイFC東京。
結果はドローで勝ち点1。
新加入選手の中で唯一スタメン起用されたマルティノスだが初の公式戦ではフィットするのはまだまだこれからか?
この時はそう思っていた。

3月
辛苦の3月。
2月に正式に移籍を発表したラファエルシルバの穴埋めにアンドリューナバウトを獲得。
フロントにとっても青天の霹靂だったはずのラファエルの移籍だがこれほど迅速にこのレベルの選手を獲ってこれる強化部の仕事ぶりは素直に感心。
リーグ戦は2節ホーム広島に負け、3節アウェイ長崎にドロー、4節ホームマリノスに負け、ここまで勝ちなしで開幕前の不安は的中することになる。
90分で1ゴールしか取れない割に失点が減らないことが何より問題だった。
一方ルヴァンカップも開幕し初戦のアウェイ名古屋戦で荻原2ゴールの鮮烈デビュー。
かと思えば2戦目ホームガンバ戦は初戦と逆のスコアで負ける。
レッズはどちらもサブ組を多く起用して臨んだ試合だったが名古屋はサブ、ガンバはガチメンバーで挑んできたことが勝敗に直結したように思われた。

4月
激動の4月。
5節アウェイ磐田戦に敗北した次の日、堀監督解任を発表。
暫定監督にユースの監督を務めていた大槻さんが就任。
その風貌から近年の浦和レッズ関係者としてはあり得ない人気を博す。
そして就任初戦のルヴァンカップアウェイ広島戦こそドローに終わったもののリーグ戦初戦になる6節ホーム仙台戦でリーグ戦今季初勝利をもたらすと、続くアウェイ神戸戦、ホーム清水戦、ルヴァンカップホームガンバ戦と4連勝を飾る。
大槻さんの成果は勝ち点だけではなくシステムを堀監督就任前の3バックに戻し橋岡を右WBで起用し定着させ見事建て直しに成功したこと。
大槻暫定監督最後の試合となった9節ホーム札幌戦をドローで終え、6戦4勝2分けという見事な結果を残し最高のバトンタッチでオリヴェイラ新監督へと繋げた。
ナバウトの補強に続きまたも迅速な動きを見せたレッズ強化部の働きにより堀監督解任からわずか17日後にオリヴェイラ新監督の就任発表。
新体制以降は10節アウェイ柏戦、11節ホーム湘南戦と連敗。

5月
我慢の5月。
12節アウェイ川崎戦は昨季王者で3位の川崎相手ということでフルボッコも覚悟したがなんと0-2のクリーンシートでオリヴェイラ体制初勝利を収める。
だが代償も大きくせっかくフィットしてきたナバウトが川崎GKとの接触で怪我を負う。
13節アウェイ鹿島戦で1本のPKに敗れると続く14節ホーム鳥栖戦、15節アウェイガンバ戦ともにスコアレスドローで勝ちなし。
4月から続いた地獄の15連戦がここでようやく終わる。
一方最後までもつれたルヴァンカップは李忠成の奮闘によってホーム名古屋戦、ホーム広島戦ともに勝利を収めプレーオフ進出決定。
特に名古屋戦は今シーズンマルティノスが最も輝いた試合ではないだろうか。
5月末にはファブリシオの獲得を発表。
正直この時点では「そこ(FW)じゃねーだろ!」と思っていた。

6月
再建の6月。
ルヴァンカッププレーオフは甲府と対戦。
1stレグのアウェイでは2-0で普通に力負け。
2ndレグのホーム戦では興梠一人の力で2ゴールをもぎ取り一時試合を振り出しに戻すも安い失点で敗退。
代表招集により槙野と遠藤を、1stレグのみ年代別代表招集で橋岡が、計3人の主力を欠いていたとは言え2試合を通して見れば決して勝てない相手ではなかった。
ルヴァンカップ敗退の事実よりも興梠の執念の2ゴールが報われなかったことが何より悔しかった。
ルヴァンカップ敗退の傷も癒えないまま21日には山田直輝が練習中の怪我による骨折を発表。
確かルヴァンカップホーム名古屋戦を現地観戦した際、隣に座ったおじさんが試合中しきりに直輝のプレーを「怪我しそうで危ない」と連呼していたことが妙にリフレインされた。
27日から1週間の静岡キャンプ開始。
いよいよオリヴェイラ監督による本格的なチーム再建が始まった。

7月
再始動の7月。
丸一ヶ月以上の中断明け初戦は天皇杯3回戦松本山雅との対戦から。
ルヴァンカップでやらかしたマウリシオによる昨季CWCウィダードカサブランカ戦を彷彿とさせる魂のヘディング2ゴールで4回戦進出決定。
続くリーグ戦16節ホーム名古屋戦はこの試合の3日後にベルギー移籍が発表された遠藤の2ゴールと槙野の1ゴールで勝利。
17節アウェイセレッソ戦は1-1のドロー。
ここまでの6ゴールが全てセットプレーで早くもオリヴェイラ監督の手腕に疑いの余地なしと確信する。
さらに18節アウェイ広島戦では今季リーグ戦初の大量得点の4ゴールで首位撃破。
これが2試合目になるファブリシオもフィットさせますます高まるオリヴェイラ監督の評価。
15日には海外移籍した遠藤の穴埋めに山形から茂木をレンタルバック。

8月
試される8月。
18節の広島戦に続き真夏の上位連戦が続いた19節ホーム川崎戦も12節と同じスコアで勝利。
20節ホーム長崎戦は元レッズ所属の相手GKのファインセーブ連発に阻まれスコアレスドロー。
21節アウェイ鳥栖戦はトーレスとの初対決に注目が集まる中トーレスより苦手意識の強い金崎の存在に屈しウノゼロで敗北し2試合連続で下位相手に勝ち点を取りこぼす。
続く22,23,24節は東海3連戦。
22節ホーム磐田戦こそ幸先良く4-0の大量得点で勝利を収めるも、23節アウェイ清水戦は激しい打ち合いの末ドロー、24節アウェイ名古屋戦は1-4の大量失点により敗北。
この3試合は全て現地観戦したが順に、ファブリシオ無双、金子北川白崎欲しい、暑くて観戦どころじゃない…、という感想が強烈に残った3連戦だった。
23節と24節の間に天皇杯ラウンド16を東京ヴェルディと対戦。
ファブリシオの3試合連続ゴールによりウノゼロの辛勝。

9月
試練の9月。
25節ホームセレッソ戦は開始8分で絶好調のファブリシオが負傷交代というアクシデントも祟ってかセットプレーとゴラッソに沈み連敗。
しかもファブリシオの怪我は靭帯損傷で全治約7ヶ月という重傷。
シーズン開幕から散々苦しんできたレッズがここからさらに苦しむことになることをサポーターの誰もが覚悟したはずだがなんとここからリーグ戦3連勝を飾る。
26節アウェイマリノス戦は何と2015年4月以来の勝利、鹿島よりも勝てていなかったとは。
27節ホーム神戸戦は今季3度目の4ゴールで完勝。
28節ホーム柏戦は互いにミスを連発したものの3-2で辛勝。

10月
運命の10月。
29節アウェイ仙台戦は4月から右WBに定着した橋岡に待望の初ゴールが生まれたもののまたもセットプレーによる失点でドロー。
30節ホーム鹿島戦は2016年11月以来の勝利。
9月から10月にかけて近年苦手としていたマリノスと鹿島に立て続けに勝利を収めることができたのはどちらもさらなる進化を遂げた武藤の力によるものだった。
柏戦も3ゴール全アシストが武藤だった。
天皇杯準々決勝は監督交代で連敗をストップさせた鳥栖との対戦。
鹿島戦からの連戦にもかかわらず天皇杯への本気度をわかりやすく窺わせるガチメンバーで挑み危なげなく勝利。

11月
困惑の11月。
31節は破竹の6連勝中のガンバをホームで迎え撃つも1-3で敗北。
レッズが鹿島戦で見せた全く逆の絵をガンバに見せられたかのような敗戦。
32節アウェイ札幌戦は苦しみながらも武藤の2ゴールで勝利。
契約で出れない駒井がいたらどうなっていたことかと思わせる辛勝。
33節アウェイ湘南戦は槙野マウリシオ青木柏木と4人もの主力を欠き湘南に今季唯一のシーズンダブルを食らう敗戦。

12月
有終の12月。
最終節ホーム東京戦は3-2で勝利。
直前に発表された平川の引退。
天皇杯に向けた主力温存による去就を問われるサブ組の先発出場。
シーズンを締めくくる意味よりそれ以上に様々な想いが込められた重要な一戦になった。
そして4日後の天皇杯準決勝では鹿島と今季3度目の対戦。
肉離れにより33,34節の2試合を戦線離脱していたマウリシオがなんとかこの試合の復帰に間に合いセットプレー決勝弾を叩き込み見事勝利。
しかし代償も大きく4日後の仙台との決勝はマウリシオ欠場。
他にも興梠、武藤、柏木、青木といった主力選手たちが大小様々な怪我をおしての強行出場となった天皇杯決勝戦。
準決勝でも終盤に九死に一生のビッグセーブを見せた宇賀神によるゴラッソ一発を守り抜きタイトル獲得。

気が向いたら後編も書く。