2019年8月17日土曜日

2019 J1リーグ 第22節 北海道コンサドーレ札幌戦

この試合は現地観戦のため札幌まで赴いたこともあって札幌の予習は1試合もできなかった。
結果が出てから21節広島戦を見てその後初めて映像でレッズと札幌の試合を確認という流れ。

<広島戦感想>
  • ジェイと武蔵のツインタワーは脅威の高さと強さ
  • 菅と白井の両WBはクロスも抜け出しも上手い
  • 前半は確実に効いていたはずのシンプルなサイド攻撃を何故か捨てた後半の札幌
正直前半と後半で何故攻め方を変えたのかよくわからなかったが、レッズ戦でも同じ戦い方をするつもりなら
・相手の両WBを自由にさせないこと(5バックでサイドに蓋をするとか)
・深い位置まで運ばれたら中を固めて死ぬ気で空中戦に勝つこと

札幌は前節からのメンバー変更は深井を前節累積警告で出場停止だった荒野に戻したのみ。
レッズは体調不良や負傷でメンバー変更を余儀なくされた前節から前々節鹿島戦とほぼ同様のスタメンに戻り、おそらくはこれが現状の大槻監督が選ぶベストメンバーに。
唯一の違いは橋岡に代わって宇賀神が出たこと。

札幌は言わずと知れたミシャサッカーということで圧倒的にボールを握るスタイルかと思いきや、今季ここまでのスタッツを見ると言うほどでもなく平均では五分で49%のレッズと1%しか変わらなかった。
30得点、27失点という数字は札幌が前節対戦した広島と比較すると失点の多さが目立つ。

ここ2試合立ち上がりの悪さが特に目立つレッズは前半1分にCKから早くも決定機を作られ早速西川のファインセーブ。
その後もレッズのビルドアップは悉く中盤で奪われ前線までボールが届かない。
前半だけで4,5回は繰り返された光景が、
(レッズから見て)右サイドへのコースを切って左へ追い込む

槙野に蹴らせて関根へ

一気に囲んで関根か武藤へ出したところでボールを奪う
というお手本のようなゲーゲンプレスで何度も札幌にボールを奪われていた。
どう見ても右より左が得意なはずの宇賀神をわざわざ右に配してでも関根を左で使いたかった大槻監督の思惑と、左サイドに追い込んでボールを奪いたかったペトロビッチ監督の思惑が合致してしまったが故の完全にハマった札幌の守備だった。
関根のレッズ復帰後、サイドの単純な質的優位で敵陣深くまでボールを運んでいたレッズにとって、進藤を相手にした関根がサイドで何もできないのは大槻監督にとって大きな誤算だったのでは。

しかも奪ってからの高速カウンターがこれまた速い札幌。
高精度のロングボールとジェイ、武蔵らの上手さから前線で収まってダイレクトプレーが次々成功。
序盤こそマウリシオのマークで未然に阻止できていたが次第に捕まえきれなくなりレッズのファウルと札幌の決定機が増える。
30分に体を当てにきたマウリシオをジェイが逆に吹っ飛ばし武蔵へのスルーパスに抜け出し成功、西川と1対1でシュート。
36分に狭いスペースで荒野、武蔵、ジェイとワンタッチで繋いでエリア内でシュート。
40分にロングボールを荒野がエリア内で落としてつま先でシュート、と危険な場面を作られるようになる。

後半札幌はビルドアップのやり方に変化を加えGKが参加するようになる。
レッズのプレスが別段変わったようには見えなかったのであくまでハーフタイムの指揮官からの指示によるものと思われる。
ところがクソンユンのフィードは前半面白いように通っていた菅や福森のそれと比べやや精度に欠け、3本目にして荒野に出した直後岩波に奪われカウンターを食らう。
この時に得たCKをエヴェルトンがものにして3試合ぶりの先制ゴール。

およそその10分後に同点ゴールを決められるわけだが、きっかけは関根の無謀な仕掛けからだった。
やはり前半何もできなかったことが余程腹に据えかねたと思われこの一連の流れの関根はとても冷静には見えなかった。
得点を重ねリードを広げれば楽に試合を進めるのはわかるがカウンター一発で失点してしまうほどのリスクをかける場面だっただろうか?
例によってあっさり食いついてボールに触ることもできずに味方を巻き込んでずっこける岩波も大問題だったが。
先制直後の58分にリードしたのに縦に急いで即ボールロストしたシーンといい、先制してからの試合運びの拙さがいつまで経っても改善されないのは何故なのか。
結果論に過ぎないがやはり関根を左で使ったメリットが見えない割に、デメリットが大きく露呈したように思えた。

追いついてからも札幌は引き続きひたすら長いボールを蹴ってジェイに当ててセカンドボールを拾って一気にゴールに迫る。
レッズは前半にも一度だけ見られた西川のパントキックという強力無比な武器を繰り出しこれまた長いボールで中盤を省略。
互いに大味なサッカーを展開する。
後半はやはりお互いにリスクをかけて勝ち点3を獲りにいったこともあり時計が進むにつれてどんどんオープンな展開になる。
結局その後スコアは動かずドローで終わる。

以下個人的に気になったのは、先制点を挙げたエヴェルトンだが先制シーン以外は酷かった。
長澤に代わって入ったファブリシオも興梠のクロスからフリーでシュートを打ったシーン以外はチームに貢献できたとは言えず。
関根に依存するだけで勝ち点を積み上げられると思ったら大間違いだということに気付かされたことと、冴え渡る西川のパントキックが戦術兵器として十分通用しそうなことがこの試合の収穫か。

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