2018年12月7日金曜日

2018 J1リーグ 第31節 ガンバ大阪戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半41分。
レッズ自陣ミドルサードでマウリシオが岩波へ出すと倉田が猛然とプレス。
タッチライン際の森脇へ縦に入れる岩波。
下がりながら受けた森脇は出し所が見つからず西川までバックパス。
西川、槙野、西川、マウリシオ、そして再び岩波へ。
またも倉田のプレスに対し森脇へ、ここまでは完全再現。
問題はここで森脇が痛恨のミスキックによりダイレクトで合わせた右足で中のアデミウソンにボールが渡ってしまったこと。
ミドルサード(ガンバから見て)左ハーフスペースで収めたアデミウソンへ阿部が寄せてくるも右足で弱弱しく浮かせたボールが阿部の頭に当たり右にいた小野瀬に渡る。
悠に20mはあろう距離で迷わず左足を振り抜くとゴール右隅へ一直線。
当然西川はノーチャンス。
確かにどうしようもないゴラッソではあったがそもそもの森脇のプレゼントパスが痛すぎた。
阿部に当てたアデミウソンのボールはおそらく意図したものではないように思えるのであまり責められない。

■1得点目
後半3分。
自陣深い位置からレッズのビルドアップ。
西川、槙野、マウリシオと繋いで敵陣ミドルサードの武藤まで一気に縦の楔を入れる。
下がりながら受けた武藤はファビオに倒されながらも右足のワンタッチで左へのポスト。
これに反応した長澤が遠藤の背後からボール奪取しファビオの空けたスペースへドリブルで持ち込む。
ペナルティエリアギリギリ外で右足でグラウンダーのシュートを放つと林のセーブによりボールは左にこぼれる。
詰めた興梠が冷静に押し込んで同点ゴール。
マウリシオの楔、思いがけずポストした形になった武藤、きっちり押し込んだ興梠と一連の流れに関わった誰もが欠かせなかったのは言うまでもないが思い切って右足を振り抜いた長澤を誰より評価したい。

■2失点目
後半16分。
敵陣ミドルサード中央から岩波がバイタル中央の武藤へ縦に出す。
ゴールに背を向けて受けた武藤がトラップした瞬間を狙って背後から藤春がプレス。
こぼれたボールを今野が後ろへ逃がし遠藤が回収するとハーフウェイライン(ガンバから見て)左タッチライン際のファンウィジョへ縦に出しカウンター開始。
無人の左サイドを独走しペナ左角から斜めにエリア内に進入すると後ろから追いついた岩波が半身でファンウィジョの前に立つも構わず右足を豪快に振り抜くとボールは右サイドネットへ巻いて突き刺さった。
武藤の奪われ方やファンウィジョをフリーにさせカウンターへのケアが足りなかったこと等多少の落ち度はあるもののこれはやはり相手を褒める以外ないゴラッソ。

■3失点目
後半23分。
レッズ自陣バイタル中央で武藤が倉田のマイナスのクロスを奪って前を向くも藤春のプレスバックにターンさせられる。
もう一度前を向こうと時計回りにターンしようとしたところを狙って遠藤が武藤の右背後からプレスを仕掛け武藤はボールロスト。
こぼれ球を藤春が拾って(ガンバから見て)左ハーフスペースを縦に突破しゴールラインから6mくらいの位置で左アウトサイドの遠藤へバックパス。
遠藤は逆サイドからボールを受けに来たエリア内の倉田へ横パス。
その間にフリーになって再び裏へ走り出した藤春へ縦に入れる倉田。
エリア内中央へマイナスに折り返しのグラウンダーのクロスを入れるとアデミウソンがダイレクトで左足のシュートを放つとボールはまたも右サイドネットに吸い込まれた。
テクニックに溺れた武藤によるこの日最もいらない失点。
とは言え、敵ながらいい崩しだった。

■ベストプレーヤー
岩波拓也
ゴール前で相手にボールが渡った際何度も体を投げ出し体のどこかにボールを当てて軌道を変えていた岩波を評価。
今やレッズのビルドアップに欠かすことのできない岩波のサイドチェンジや中盤背後のスペースを突いたフィード、森脇との連係等はこの日も見られた。
あとは不用意なタックル癖だけ改善されれば言うこと無し。

■ワーストプレーヤー
オリヴェイラ監督
あまりにも良くないボールの失い方を2回した武藤をワーストにするかするまいか最後まで悩んだが、1点目のポスト、前半に縦の仕掛け、森脇交代後のポジションチェンジしてのフル出場とやはり貢献度は高くこの試合は選手のワーストは無しとした。
正直なところ柏木、阿部、宇賀神といった攻撃時にこれといって何も仕事をできなかった選手らに対する不満のほうが大きい。
あの出来で何故柏木を最後まで引っ張って長澤を下げたのか監督へ不信感を抱くほど良くなかった。
交代策を打っても事態は好転しないどころか戦況を悪化させたことからもワーストはオリヴェイラ監督とした。

■総評箇条書き
  • 武藤と長澤のコンビネーションはここ数試合で劇的に向上したことを見せつける前半の立ち上がりだった
  • 3分、岩波から一気にガンバ最終ラインの裏へのロングフィードを放り込むと興梠がサイドに流れ右コーナーフラッグ付近で収めると同じレーン上の武藤までバックパス、ペナ左角から斜めに仕掛けエリア内の長澤とのワンツーで強引にDFライン突破を試みるもオジェソクのタックルによりクリアされる
  • 右サイドは岩波から始まり森脇が前へと繋ぐビルドアップがスムーズだったのに対し、左サイドはオジェソクの守備に宇賀神が手を焼きいつものようなフリック一発で前線へ供給するようなシーンが見られなかった
  • ただ、岩波からのサイドチェンジはこの日も前半だけは宇賀神によく通っていた、後半は修正が効いてオジェソクにクリアされていたが
  • 31分、長澤がファビオに倒されFK獲得、ゴールラインから22mくらいの右アウトサイドからキッカーは武藤、ペナルティエリアのライン上に7枚を均等に配置しゾーンで守るガンバに対しレッズは4枚、エリア内中央目がけてシンプルに放り込むとマークを外したマウリシオが上手く頭で合わせGKの前でバウンドさせるも林のビッグセーブによりゴールを割れない
  • 35分、敵陣深い位置左サイドから宇賀神のスローインでエリア内ハーフスペースに出すと三浦を振り切って抜け出した興梠がゴールラインギリギリで柏木へ戻すとダイレクトで左足のシュートを放ち股下を狙ったものの足で林にセーブされる
  • ファンブルすれば柏木に詰められる距離なので両足で挟むようにボールを殺した素晴らしいセービングだった
  • 40分のFKでファビオにどフリーで合わせられている場面はやはりセットプレーの守備が何も改善していないことを証明したシーンと言える
  • 同じポジションの橋岡も凡ミスの類は試合中何度もやらかすが不思議と直接の失点に繋がらないのに、森脇のなんでもないようなミスは即失点に繋がるのは何故なのか
  • 前半失点するまではレッズがポゼッションし主導権を握る形で試合を進め後半同点に追いつく展開から、ここまでは前節鹿島戦の再現と見る向きもあるようだがその実前節ほどシュートを打てていたかというとそうではなかった
  • 正確にはシュートを打ってはいたものの必ず最後にはガンバの守備陣に足を出されまともに枠へボールを飛ばすことができなかった
  • 失点するまでの攻撃で最も可能性を感じたのがセットプレーで、CK4回、FK2回を獲得し31分にマウリシオが叩きつけたあのボールを林にビッグセーブされたあのシーンはこの試合の勝敗を分けるくらい重大なシーンだったように思う
  • その後の36分の柏木のシュートも決して簡単なセービングではなく東口の代わりに緊急登板となった林が(レッズからすると)想定外の活躍を見せる一方、橋岡の代わりに出場した森脇と、青木の代わりに出場した阿部が揃って最初の失点に絡んだのは実に象徴的だった(阿部は絡んだと言ってもほぼ不可抗力だったが)
  • 対照的と言えばゴールシーンもガンバの得点は3点ともカウンターで決めているのに対し、この日のレッズのカウンターは全て不発に終わっている
  • その理由はおそらくスプリント数にして50回以上もの差をつけガンバが上回っていることからも、トランジションの速さが高いレベルで徹底されていたことと思われる
  • 今節の見所1:久々に森脇のアラバロール
  • 今節の見所2:今野に倒され足をバタバタさせる長澤
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=49821

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