2022年3月7日月曜日

2022 J1リーグ 第10節 川崎フロンターレ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは宮本が酒井に、大畑が馬渡に、出場停止中の岩尾が柴戸に、松崎が明本に変更。川崎は前節から佐々木が登里に、知念がダミアン、小林が遠野に変更。

■おおまかな流れ
立ち上がりは拮抗した五分の流れ。川崎は家長の単独持ち上がりからレッズを押し込む。川崎が相手を押し込んでからのサイド攻略を急がずゆっくりやれるといつもの川崎のペースになりやすいがレッズはここの引いてからの守備で慌てることなく無理に奪おうとせず食いつかずどっしり構えて迎え撃つことができた。レッズは長いボールを蹴ってからのセカンドボールの回収でやや分がありそこからのカウンターでボール前進を図る。川崎がバックパスをすれば追撃プレスをかけ長いボールを蹴らせて回収のシーンを複数回確認できた。

16分あたりからレッズが自陣深くまで相手を引き付けての擬似カウンターを見せるようになり試合はレッズ優勢の流れに。擬似カウンターだけでなく前からのプレスもハマり始め川崎のミスが増える。26分に登里にアクシデントが発生し塚川の緊急登板があったこともミスが増えた原因の一つ。CKとシュートが増えるレッズ。川崎はファウルも増え始め自ずとセットプレーも増えていたレッズに先制点が生まれたのは偶然ではなかった。塚川が江坂に対し遅れて頭から突っ込みイエローカード。敵陣右ペナ角の手前からFKを獲得。キッカーは馬渡。蹴る瞬間誰もがゴールに向かう中唯一人岩波だけがバックステップでマークを外すとフリーで頭で合わせニアサイドに流し込み先制点。

先制後もプレスの手を緩めず前から厳しくプレスをかけるレッズ。先制後の川崎のシュートを1本に抑え1点リードのまま前半終了。後半は立ち上がりこそレッズも決定機を作るほどの流れだったもののセカンドボールが握れなくなり徐々に流れは川崎ペースに。レッズは前半に比べボールを奪ってから後ろに戻してやり直そうとするシーンが減って縦に急ぐ攻撃が増えていた。それで上手く相手のプレスをかいくぐれれば51分の明本のような決定機も作れはするが後ろがついてきていないのでやはり単発に終わっていた。奪ってからが短く終わるレッズに対し、敵陣でもじっくり時間をかけて守備ブロックを攻略しようとする川崎。

61分に後半1本目の川崎のCKから同点ゴール被弾。そして2分後にあっさり逆転。こう書くといかにも守備崩壊したかのような印象も受けるが逆転された後ではっきりと崩され決定機を作られたシーンは無かった。押し込まれるシーンは多々あったものの。その後74分に3枚替えでユンカーを今季初登板させるものの結局ユンカーのボールタッチはATにサイドに流れてクロスを上げようとした1回のみ。相手のファウルで何度かバイタルエリアからのFKを得るものの決定機創出には至らずむしろ無駄に時間ばかり浪費させられあえなくタイムアップ。

■ポジティブ
疑似カウンターをかなりの再現性を持って発動できていたこと。そこから1点でも取れていれば相手にチラつかせる価値のある強力な武器になっていたが。

■課題
後半のレッズの試合運びを見るに、ひょっとするとチームの狙いとして明確に自陣に守備ブロックを敷いてからのカウンター狙い、所謂堅守速攻を狙っていた可能性もあったのかもしれないが結果だけ見れば川崎相手にそれは悪手だった。あるいは後半頭からユンカーを使って谷口一人では帳尻を合わせられない一撃必殺のカウンターを決められれば追いつかれる前に先に追加点もあり得たのかもしれない。しかしスーパーカップでは江坂と明本の2人でやり切った追加点の記憶もまだ新しく監督もそこに期待していたと思われるが期待通りにはならなかった。川崎の修正以上に出場停止明けの明本のメンタルもスーパーカップとは大きく異なったのではないか。何せやらかし明けからの禊の1戦。自分で決めようとする意志はスーパーカップよりも強く感じたし周りも明本に取らせようとするプレーが見られた。逆転弾を浴びたきっかけになった脇坂にかわされた柴戸の食いついたシーンにしても同様にメンタル的な未熟さが起因したミスのように見受けられる。若返りを果たしたチームの宿命と割り切るか、プロとして甘いと切って捨てるかはこの先の補強の動向で伺えるはず。

■気になった選手
岩波
殊勲の先制弾を挙げたこともさることながらこの日はダミアンへの守備対応を強く意識してやっていたと感じた。ダミアンにボールが入りそうになると必ず前に出てボールをカットしていた。
馬渡
セカンドボールに対する予測が正確で速い。カバーエリアも広い。機を見て前にもガンガン顔を出せる。そして先制点を演出したキックの正確さ。試合を重ねる度に馬渡の魅力が増すばかり。彼を獲得し6番という番号を背負わせたフロントへの信頼もさらに上昇。マンオブザマッチ
明本
暴力行為による退場から出場停止明けの1戦。これまでと変わらない奮闘ぶりを見せてくれたことにまずは一安心。極力使わないようにしている言葉だがこの試合に関しては明本の「気持ち」がこもったプレーが見えた気がした。

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