2022年8月6日土曜日

2022 J1リーグ 第23節 川崎フロンターレ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは小泉が江坂に、ショルツが知念に変更。川崎は相手都合により22節が延期になったため21節からのメンバー変更はチャナティップが遠野に、山根が瀬古に、佐々木がシミッチに、車屋がジェジエウに変更。

■おおまかな流れ
立ち上がりは立て続けにCKが2本とれたこともあってキックオフから3分間一度も相手に自陣に踏み込ませることなく先制に成功するレッズ。敵陣左サイドでボールを奪い合っている中で江坂が逆サイド大外のモーベルグに展開し右足クロスを上げて中でジェジエウと谷口の間に立った敦樹が頭で合わせて先制。

立ち上がりにいきなり失点してしまった川崎だが慌てる様子もなくボールを持てばじっくり攻め非保持ではじわっとプレスをかけてくる。やたらと長いボールを蹴っ飛ばしたり西川からのフィードを自陣で直接相手に奪われてしまったりとレッズのほうがよほど慌てていた。

ところが押されていたはずのレッズに16分に追加点。岩波が下りた松尾に長い縦を入れて左大外の関根に展開。出してすぐ走った松尾に関根はリターン。バイタルで受けたもののスリップしロストしかけたところを敦樹がすぐ拾って松尾の足元に転がりこんできたボールを右足をダイレクトで振り抜き追加点。

追加点を取って今度はレッズが落ち着いたものの、西川のフィードがいつもの精度ではなかったりモーベルグの守備が若干怪しかったり知念の足元がおぼつかなかったりで気を抜けないレッズ。川崎は川崎でそこを突いてくる様子もない。川崎にも小さいミスが多発していて決定機どころかシュート数自体増やせない。今季初の30℃超えという過酷な環境が双方にミスを生んでいるように見えた。

37分に脇坂が抜け出しダミアンがニアで合わせる決定機、その1分後に江坂のスルーパスにモーベルグが抜け出しループシュートを狙う等互いに決定機を1度ずつ作るもどちらもGKのファインセーブでゴールならず。30分以降は殆ど川崎がボールを握り続けたもののシュートはこの1本ずつで前半終了。

HTに交代はどちらもなし。じっくりボールを動かして押し込むまではスムーズだがそこから決定機までは作れない川崎と、奪ったら手数をかけず早めに縦に出してカウンターを意識するレッズ。過酷な環境下での消耗を意識してかいつになく早めにカードを切るリカルド監督は61分に酒井と江坂を下げて馬渡と小泉を投入。交代カードを切りたくても切れない川崎と違い圧倒的に有利なはずのレッズだが2枚替えをしても状況は好転せず相変わらず押し込まれ続ける。飲水タイムを挟んでまたも2枚替え。松尾と敦樹を下げてユンカーと柴戸を投入。ようやく少しポゼッションは回復。勿論追加点を奪うまでには至らない。

レッズが流れを取り戻しかけていた80分、柴戸がエリア内で橘田を倒しPK献上。家長が冷静にこれを決めて1点差にされてしまう。一気に反撃ムードも漂いかけた4分後に馬渡のスローインからユンカー、関根、最後に岩尾が飛び込んでダメ押しの3点目を決める。ATにダミアンにエリア内でオーバーヘッドを許しあわや失点しかけるも西川のセーブで難を逃れる。実に4年7試合ぶりの川崎からのリーグ戦勝利となった。

■ポジティブ
少ないチャンス一つ一つを確実にモノにして勝ち切ったこと。

■課題
映像でよくよく見直すとスコアほどの差は感じられない内容だった。ボールを易々と相手に渡し押し込まれる時間が長くなるのはレッズが本来やりたいサッカーではない。ベストメンバーを組めない中でも結果を出したことは評価すべきだがいつ誰を欠くかわからない今の状況だからこそ勝てている間に内容を見直して次に繋げて欲しい。

■気になった選手
西川
ゴールキックやパントキック等のフィードが全部で3、4回くらい相手にカットされたところ以外は最高のセービングでチームを救った。1回の決定機が1ゴールに相当するならこの日の西川は3ゴール稼いだことになる。マンオブザマッチ
関根
西川と関根のどちらをMOMにするか迷うくらい関根の働きも素晴らしいものだったが、帰陣の遅れと自陣でのファウルによるFK献上が気になったので関根は見送り。2点目で松尾に斜めに出したパスは普通ならカットされていてもおかしくないギリギリのコースだったし、3点目はあの時間にあの暑さの中最後まで走って走ってアシストした姿には感動した。
知念
リーグ戦初スタメンとなった知念だがまだ早かったという結論を出さざるを得ない。いきなりショルツの代役を務めて欲しいとは思っていないが例えば岩波のような中・長距離に右足から繰り出す高精度のフィードとか何かたった一つでも秀でたスキルを見せてくれれば今後に繋がる一戦になったと言えたかもしれなかったがこれでは岩波の代わりとしても心許ない。