2024年3月27日水曜日

2024 J1リーグ 第4節 湘南ベルマーレ戦の感想

DAZNのシークバーを使った再生箇所の指定や10秒早送り巻き戻しの機能等が何故かこの4節だけ全然使い物にならない(使うと永久にクルクルし続ける)ので流れだけ追ってさらっと見た感想。

キックオフ直後こそ湘南のハイプレスに押されるものの3分を過ぎたあたりから下りた興梠が起点を作って落ち着いてボールを回せるようになる。

5分に相手に引っかかりながらも後ろから繋いで最後は渡邊がクロスを上げるところまで到達。7分にCKから関根のミドルは枠外。8分にFKから佐藤のヘッドも枠外。9分に相手のビルドアップを興梠が引っかけて小泉がエリア内から打った右足シュートも枠外。

直後の西川からのビルドアップでは一度も相手に引っかかることなく後ろからクリーンに繋いでグスタフソンの浮き球スルーパスに前田が裏抜けし興梠へのラストパスで先制に成功。まさに興梠のための前半10分だったなという印象。

先制後も引き続きレッズのペース。16分にはまたも後ろから繋いでビルドアップを成功させ最後はエリア内中央から小泉の左足シュートはまたも枠外。なおレッズの前半のシュートはこれで終わり。

するとその直後くらいから湘南は後ろからゆっくりじっくり何度もやり直しながら繋いで相手のラインを下げさせジワジワ押し込みボールを前進させ22分には鈴木雄斗が渡邊の裏を抜け出しクロス。酒井に当たってラインを割りそうになったボールを杉岡がルキアンに繋いで同点ゴール。

追いついてからも主導権を握り続ける湘南。繋ぎだした湘南とは対照的に雑に蹴っ飛ばしてすぐにボールを手放すようになるレッズ。31分には中央の狭いスペースをあっさり割られついに逆転ゴールを許すレッズ。

その後も中盤のフィルターがかからず簡単に危険な縦パスを何本も通されるレッズ。前半終盤に少し盛り返して攻め続けるも結局シュートは打てず。

HTで小泉と興梠を交代し岩尾と松尾を投入するレッズ。後半開始直後ホイブラーテンから佐藤への横パスを鈴木章斗にかっさらわれそのまま落ち着いて右足を振り抜くとニアの厳しいコースを突いて湘南の3点目が決まる。

出鼻をくじかれたとは言えまだまだ時間は十分あるので焦らず流れを取り戻すレッズ。前半よりもロングボール、及びセカンドボールの収まりが良くなってカウンターで一気に敵陣に攻め込む回数が増える。

47分相手のロングボールを奪ってからの速攻で岩尾のシュートは枠外。50分ホイブラーテンが蹴っ飛ばしたセカンドボールを関根が中盤で収めて右と左から1本ずつSBが放り込むもシュートに至らず。53分も中盤で岩尾の長いスルーパスに関根が抜け出してクロスのこぼれ球をエリア内中央で松尾が合わせるもブロックされる。直後の右CKで混戦からのこぼれ球を松尾がゴールネット上に突き刺しレッズが1点返す。

61分に立て続けにシュートを打たれその直後ビルドアップのミスからショートカウンターを食らって鈴木章斗にシュートを打たれる場面もあり湘南に流れが傾きかけるも、さらにその直後63分のカウンターで前田の移籍後初ゴールが決まりついに追いつくレッズ。

65分に前田と敦樹が交代しサンタナと中島を投入するレッズ。監督のコメントからも前田は足をつっていたため仕方なかったとは言え結果的にはこの交代がブレーキになってしまう。流れを持っていかれたわけではなかったもののレッズが攻め手を欠き膠着状態になると73分にはビルドアップのミスから湘南のショートカウンター。田中のミドルがポストを直撃し跳ね返りをルキアンが押し込み湘南の勝ち越しゴール。

その後もレッズはロングボールを中心に打開を試みるもなかなかシュートを打てずにいたものの松尾の中央突破のこぼれ球をグスタフソンがグラウンダーのミドルを放つと平岡に当たって跳ねたボールが吸い込まれ試合は三度振り出しに。

82分に松尾のクロスにサンタナが頭で合わせるもポスト命中。85分にFKからサンタナが合わせるも枠外かつオフサイド。89分に松尾のミドル。直後のCKで佐藤のヘッドは枠外。相手には打たせず一方的にシュートを積み重ね最後の攻勢に出るも双方合わせ計8ゴールも生んだ壮絶な打ち合いとなった試合もここで打ち止め。4-4のドローで試合を終えた。

流れは引き寄せたり持っていかれたりで終始落ち着かない試合だったしこの壮絶な打ち合いを一言で纏めるのは難しい。どうしても終盤の采配に感想が持っていかれそうになるがやはり交代で入った2人が結果も残せず見せ場や爪痕を残すことも出来なかったことがまず悔やまれる。

せっかく先制したにもかかわらず前半30分でひっくり返された2失点については相手の圧に屈して簡単にラインを下げ過ぎてしまった気がする。前節札幌のことをあんな言い方しておいて今更だが、実はレッズも引いて構える守備に関してはあまり得意ではないと思っている。ましてショルツが不在ならなおさらだろう。簡単にラインを下げずにどこかで前に出て奪わなければならなかった。中盤で相手を規制できずに危険な縦パスを通されてしまったのも問題だが思い切って飛び出して潰して欲しかった。とは言え初スタメンとなった佐藤は想像以上によくやってくれている。3失点目の対応を思えばショルツ復帰後はホイブラーテンを外して佐藤を残してもいいと思えるほどに。

1週休みで中12日となる中断期間にコンディション調整と負傷者の復帰に期待したい。

2024年3月13日水曜日

2024 J1リーグ 第3節 北海道コンサドーレ札幌戦の感想

この日も前節同様現地観戦。この日前半で際立っていたレッズの動きは主に守備面。非保持では中盤で構えてミドルプレスだったが最初のラインを相手が越えてきたら圧力を増して一気に捕まえる奪い方がかなり上手くいっていた。逆に奪われた後のネガトラ対応も追いかける役と待ち構える役がはっきりしていて上手くボールを狩れていた。特に敦樹は非保持、ネガトラどちらの局面においても存在感を発揮していた。

攻撃面はと言うと移籍後初スタメンの前田の突破力とシュート意識の高さから、アタッキングサードまで攻め込む回数とシュート数が伴ういい攻撃を序盤から見せていた。

ビルドアップも後ろから繋ぐこだわりが大幅に無くなり序盤から蹴っ飛ばしまくり。開幕3戦目にしてもう諦めたのかと呆れるかもしれないがこれは相手のマンツーマンを想定したうえでの選択かと思われる。ただ相変わらず成功率は低くサンタナをベンチに回し興梠をスタメンにしても西川やホイブラーテンのロングボールは殆ど収まらなかった。

長いボールを蹴った時のセカンドボール奪い合いから不意のカウンターによって生まれた9分の札幌の決定機はレッズにとって前半唯一にして最も危険なシーンだった。事前にそういう情報は流れていたし現地で見ても一目瞭然だったがこの時の決定機を外したスパチョークはやはり劣悪なピッチ状態を気にしていた。

【札幌】クラブJ1初の開幕から3戦無得点…札幌ドームの芝生デコボコは2月の異常気象原因 - J1 : 日刊スポーツ

札幌と言えばその代名詞とも言えるはずのマンツーマン守備が例年ほどの精度、仕上がりに欠けると見るや15分にはこの日最初の後ろから繋ぐビルドアップを見せるレッズ。その後も割と簡単に札幌のラインが下がるため相手を押し込む時間が増えるレッズ。札幌はお世辞にも引いた守備が得意とは言えず前節ヴェルディ戦のような「押し込めど打てず」とはならずに多少シュート数を稼ぐレッズ。スタッツ的に上回れたであろう時間帯にCKから先制点をレッズが奪ったのは偶然ではない。

公式戦3戦目にしてヘグモ体制初の「リードした後どう振る舞うか」をこの日見せることとなったレッズ。レッズ的にはそれまでと変わらないものの札幌が変化を見せ敵陣でかける人数を増やし前掛かりになる。さすがに押し込まれ受けに回る時間帯になるレッズ。しかも41分には守りの要ショルツにアクシデント発生。前半残り4分というタイミングで交代カードの使用を余儀なくされるレッズ。ショルツと交代で佐藤を投入。リードしてからの振る舞いに加えアクシデントにどう対応するかも試されるレッズ。

危ない場面もあったが1点リードのまま前半終了。後半の札幌は前半よりも落ち着いて相手のプレスをかわすシーンが増えアタッキングサードまで運ばれエリア内への進入を許すレッズ。

後半開始5分で早々に興梠と病み上がりの前田が交代し松尾とサンタナを投入。何度か西川からサンタナ目がけて長いボールを蹴るが開幕戦同様1つも収まらない。サンタナが出る前からこの日も西川のロングボールは殆ど収まっていなかった。

交代と言えばショルツと交代で入った移籍後初出場の佐藤だが1点リードの余裕もあってかCBが晒されるような場面もなくビルドアップで運ぶことも蹴っ飛ばすこともなく、CBとしては最良の結果とは言え見せ場のようなものは作れなかった。個人的に目を引いたのは裏のスペースのケアの意識はかなり高いなと感じた。

69分に松尾のクロスからサンタナが中で合わせるシーンを最後にこの日のレッズのシュートは終わり。70分に札幌は3枚替え。84分に札幌のCKから田中の決定機。前節の失点シーンを彷彿とさせるあっさり許した中への折り返しは要改善。その後は決定機を作らせずバタバタしながらもウノゼロで今季初勝利。

本来苦手なマンマーク主体のチーム、アクシデントの発生しやすい環境、万全とはいかないコンディションでスタメンに選ばれた選手など苦しみながらどうにかもぎ取った辛勝だがアウェイゲームで勝ち点3を取れたことをまずは素直に喜びたい。放置したままの課題と前の2試合から改善された点とそれぞれ変化が見られたが一番の収穫は札幌対策を思った以上にしっかり準備してそれが結果を出せたこと。これが出来るならこれから他のチームと当たっても大きな穴を開けてそこを突かれる脆弱さを見せることも無いのでは。

2024年3月6日水曜日

2024 J1リーグ 第2節 東京ヴェルディ戦の感想

この日は現地観戦だったが現地で見ていても映像を見直してもスタッツを確認しても思ったことは「ラストサードまでボールを運べてもシュートが全然打てないな」ということ。スタッツではレッズの前半のシュート数はたったの1本だけ。30mライン進入回数もこの日のトータルで57回らしいので前半だけでも10回以上は稼いでいるはず。にもかかわらずたったの1本だった。

ビルドアップで上手く前線にボールが供給できなかったわけではない。主に左サイドを中心に何度か突破してラストパスかクロスを入れる段階までは成功していた。そのラストパスかクロスの精度が悪かった、もしくは合わせる側とのイメージの共有が出来ていなかったことがシュート数を稼げなかった一番の原因だった。5分のグスタフソンのクロス。9分の松尾のクロス。10分の関根のクロス。これらは全て相手が跳ね返すまでもなく誰もいないスペースに出したクロスだった。

クロスを中心としたサイド攻撃が不発と見るや大外を使わず中を意識して崩しにかかるも大外ほど自由にはやらせてもらえない。12分に敦樹のラストパス。13分に小泉のサンタナへの浮かせたスルーパス。14分にグスタフソンのフリックはどれも相手CBがカット。

20分に相手のボールを奪ってカウンターからようやくこの日の初シュートが生まれる。いっそボールを相手に持たせて奪ってからの攻撃のほうがよほどシュートチャンスは増えるのではないかとも思われたが誰にもその気はなくその後もボールを握ってサイドからのクロスを試みる。開幕戦ほどカウンターが決まらなかったのは相手の重心が低くラインをそれほど上げなかったからと思われる。

その後もシュートの打てないボールポゼッションを続けているうちに39分から相手に連続でCKを献上し4本目でついに失点。

後半は反撃に出なければならないはずのレッズより相手のほうが果敢にプレッシングラインを上げて攻勢に出る。後半レッズは小泉と関根がポジションを入れ替えたくらいで他に攻め手を変えたようにも見えず、或いは変えたとしても効果を発揮できないまま相手に押され気味の15分を過ごすと60分には一気に3枚替え。サンタナ、関根、小泉を下げて興梠、岩尾、大畑を投入。

投入直後こそ見せ場を作る3人だが、守備では前半ほどプレスがハマらず危険な場面が前半より増える。72分には松尾と交代で中島投入。81分に最後の交代カードを切りグスタフソンと交代で髙橋を投入。監督もそのつもりで切った交代カードと思われるがグスタフソンがいなくなったことによりいよいよ放り込む以外の選択肢がなくなるレッズ。

しかしその放り込みからPKを獲得し試合終盤に何とか追いつき辛くもドローで終わった。

やはり返す返すもシュート数の少なさばかり気になる。多ければ多いほど単純にゴールが増えるわけではないことくらい承知の上だが前半あれだけ攻め込んでたったの1本はやはり少な過ぎる。ビルドアップでは左サイドも右サイドも中央も使って前進しようとする柔軟さがあるのに何故ラストサードではクロスか裏抜けスルーパスの2択だけになってしまうのか。86分の大畑の決定機は中島のミドルがきっかけになっていた。開幕戦の広島も試合序盤からやたら滅多にミドルを乱発していて先制点もミドルからもぎ取った。バイタルエリアでボールを収めた選手は一度もミドルは頭をよぎらなかったのか?さすがに監督から禁止令が出ていたわけではないだろう。

この試合唯一の収穫は交代で入った大畑や中島が違いを見せて決定機を演出したことくらいか。