2018年12月31日月曜日

2018 J1リーグ 第34節 FC東京戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半8分。
レッズから見て左CKを獲得。
キッカーは柏木。
レッズはペナルティマークを中心に3バックに橋岡と李を加えた5枚を配置し東京もマンマークで同数5枚を付ける。
柏木は左足でアウトスイングのボールを中央の密集ほぼど真ん中に放り込むと橋本との競り合いを制した李が頭で合わせ右サイドネットに流し込んだ。
李のマークは橋本だったようだが前に後ろに細かくフェイントを入れた李の動きに僅かながら橋本はマークを外されてしまっている。

■1失点目
後半0分。
東京ボールで後半開始。
ファーストタッチで後ろに戻し森重のロングフィード。
レッズ最終ラインまで届いたボールをバイタル(東京から見て)左で岩波が頭で跳ね返す。
東が後ろから突っ込んで頭でディエゴに合わせる。
バイタル左でディエゴが受けると背後から阿部、前から柏木のプレスで挟まれそうになるもギリギリで室屋までボールを戻す。
アタッキングサード入口の右ハーフスペースで前を向いてフリーで受けた室屋はエリア内右のスペースへ縦に出すと東が受ける。
ゴールに背を向けた状態で背後に槙野を背負った東は時計回りにターンし槙野と柏木をかわすとエリア内中央でフリーのディエゴへラストパス。
ダイレクトで右足を振り抜くとゴール右隅に流し込み同点ゴール。
2度ボールを奪いに行って2度ともかわされる柏木、東にあっさり前を向かれる槙野、ポジションを放棄してラストパスを通される青木、と複数のお粗末な守備による失点。
外国人アタッカー相手だと簡単にはやらせない槙野が東にあっさりラストパスを許したのが最も残念。

■2得点目
後半1分。
レッズ自陣で槙野が倒されFK獲得。
ディフェンシブサード右から岩波がアタッキングサード左まで放り込むと李と競り合ったチャンヒョンスの背中に当たりこぼれ球を荻原が左タッチライン際で収める。
前後を室屋と東に挟まれるも室屋の股を抜き抜け出した荻原はカットインしようとしたところをチャンヒョンスに倒される。
これがファウルの判定でFK獲得。
ペナ左角から4mくらい手前の位置で橋本がボールを止めボールに背を向けた瞬間、ソロソロと近付いた柏木がいきなり左足でエリア内中央へ放り込むと示し合わせるように狙っていた柴戸がダイビングヘッド。
ゴール左隅に突き刺さり柴戸のレッズ初ゴールで勝ち越し弾。
後半開始から僅か20秒で不意打ちを食らうように失点したレッズがお返しとばかりに不意打ちに成功。
上手くいこうがいくまいが、どれだけリスクがあろうが、レッズが取り憑かれたようにクイックリスタートを常に狙い続ける癖があることはレッズサポーターならよく知っている。
あの位置で簡単にボールから目を離したFC東京はスカウティングが足りなかったのかもしれない。

■3得点目
後半21分。
ディエゴのオフサイドでレッズ自陣深い位置から西川のフリーキック。
左足で一気に東京最終ラインまでロングボールを蹴り込むとナバウトが頭で逸らしライン裏へ抜け出す。
自らボールを収めペナ右角からエリア内に進入するとエリア内中央へ折り返しのラストパス。
後ろから詰めた李がフリーで左足のアウトサイドをゴール左へ沈め追加点。

■2失点目
後半41分。
西川のロングフィードを(東京から見て)左タッチライン際で橋岡と競り合った小川が頭で相手陣内へ跳ね返すと柴戸が後ろ向きでクリア。
東京自陣ミドルサード左で高萩がセカンドボールを収め前線へ浮き球のライナーを供給。
レッズ自陣中央でリンスがこれをトラップする瞬間を狙って背後から宇賀神がプレスをかけるもファーストタッチでディエゴへ逃がされたため宇賀神は見事に空振り。
逆に宇賀神の空けたスペースへディエゴがボールを出すと室屋がバイタル右からダイレクトで右足のクロスをエリア内ファーサイドへ。
これを前田が頭で合わせるとボールはゴール右サイドネットへ。
現地観戦していた感想としては平川投入直前で観客は浮ついた空気になっていたのが印象に残っている。
少なくともピッチ上の選手たちはそうではなかったと信じたいが…。

■ベストプレーヤー
李忠成
スタメンは6月のルヴァンカップアウェイ甲府戦以来、フル出場は5月のルヴァンカップホーム広島戦以来となった李だが、改めてこの日の活躍ぶりを見ると興梠とも武藤とも違うタイプであり今のレッズでも活きる道があることを十分示した結果となった。
対人に強いとか空中戦に強いといったわけではないものの、狭いスペースでも簡単にボールロストしないテクニックと決定力の高さは興梠に匹敵する。
この試合に限って言えばナバウトとは相性が良さそうに見えた。
個人的には好きな選手なのでフロントには全力で慰留に力を注いで欲しいが去就のほどは果たして。
次点で2アシストの柏木。
フル出場さえできれば荻原も評価できる内容だった。

■ワーストプレーヤー
アンドリューナバウト
確かに決勝点のアシストという決定的な仕事は果たしてくれた。
だがそれ以外が悪すぎた。
4,5mほどの距離でのショートパスすらズレたりサイドに開いてクロスを入れても誰も触れずラインを割る。
ドリブル突破を仕掛けてはボールロスト。
そして全く同じことが柴戸にも当てはまりほぼ同率で柴戸もワースト。
とにかく通らないスルーパスを量産していたが例えば武藤や興梠なら柴戸のスルーパスは通っていただろうか?
岩波や柏木にも同じことが起きていてこの日のレッズは全体にチグハグな連係を90分繰り返していた。

■総評箇条書き
  • この日は4日後の天皇杯準決勝を見据えて多くの主力を欠場、またはベンチスタートさせサブ組を多くスタメンに起用した
  • 普段期待してはいるもののレギュラーメンバーの壁が高くなかなか出番の回ってこないサブ組の選手たちの奮闘に期待したが、(既に実力が証明されている李を除くと)その期待に応えたのは荻原だけだったように思える
  • 序盤東京はディエゴを狙ったロングボールを中心の攻撃を繰り返す
  • 一方レッズの攻撃もこれまたロングボール中心で橋岡を狙って起点を作りセカンドボール勝負に持ち込むいつもの攻め方
  • 1:10の被ミドルシュートは青木の柴戸へのパスがズレたのをキッカケに中盤でボールロスト、ショートカウンターを食らう
  • 3:27、4:23、柴戸がナバウトにスルーパスを出すもどちらも通らない
  • 4分のFK獲得は右サイドで橋岡がヒールで落としきっかけを作り、柴戸の雑なスルーパスを相手がクリアしたのを橋岡が全力で拾った賜物
  • 1:00の青木、3:45のナバウト、5:47の阿部、6:54の荻原、なんでもないショートパスがズレて繋がらないレッズ
  • 序盤のナバウトははっきり言って空回り、ボールサイドによく顔を出す割にはすぐボールロストするのがなんとも残念
  • 柴戸もやや期待外れ、ラストパスの出し手としても受け手としても結局一つもシュートへ繋げることができなかった
  • 10分、18分、相手の外国人CFを潰すことにかけては定評ある槙野がこの日はディエゴオリヴェイラに1on1で悉く敗北を喫する、最初の失点シーンも東相手にエリア内で軽々と前を向かせてしまった
  • 橋岡はこの日も通らないクロスを連発
  • レッズにとっての柏木が攻撃に欠かせないピースであるのと同様に東京の攻撃の起点は高萩のはずだがその意識も警戒心も低いのか高萩にフリーで楔を入れさせるシーンが複数あった
  • 天皇杯鳥栖戦以来、この日は38日ぶりの復帰となる青木だが本調子にはほど遠い出来で細かいミスもさることながら特に攻撃面では何も力を発揮できなかった
  • この日はいつものように先制してから自陣に引きこもりポゼッション放棄とはならず果敢に攻めていたが、18分を過ぎたあたりから徐々に危険なシーンを作られていった
  • 18分、森重の楔一本で最後はディエゴにゴール前でフリーで打たれ、27分はディエゴの楔を青木がアシストしてしまいまたもエリア内でシュートを許し、28分にも永井にエリア内で前を向かれた状態でシュートを打たれていることからこの日の守備のヤバさが露呈する、マウリシオ不在の穴は大きい
  • 逆に言えばここで失点せず前半リードしたまま折り返すことができたことがこの試合の最大の勝因となった
  • そしてこの危険な時間帯を乗り切ると東京の猛攻は一旦落ち着く、レッズの守備がやや整理されたようにも見えた
  • 後半開始早々の同点、即勝ち越し弾と試合が動き再び東京の猛攻が開始される
  • 一方的に押し込まれた原因はディエゴによく収まり前線で起点が作れることと、セカンドボール勝負に負けたこと、長澤不在が響いたように見える
  • 後半開始から67分までに実に8本ものシュートをレッズは被弾することになるが最後は必ず足を出してシュートブロックがかなり成功していたためそこまで西川の出番は無かった、ヒヤリとしたのは63分のディエゴのエリア外からのシュートくらい
  • この圧倒的に試合を支配していた時間帯に得点できずにいると逆に失点してしまうのがサッカーというものであることを全く流れがないところから追加点を決めたレッズが見せつけた
  • この追加点以降、守備は相変わらず安定しないながらもシュートを打たせない守備には成功し、宇賀神や長澤といったレギュラー組の投入も奏功し徐々に東京攻撃陣を沈黙させる
  • 特に長澤の安定感は実に素晴らしく出し所を探しながら敵陣で悠々とボールを保持し時間を使うプレーに感心した
  • この日の柏木はやたらとミドルシュートを連発していてシーズンノーゴールを回避したい思いが伝わってきたが、ならせめて枠には飛ばして欲しい
  • この後の天皇杯でもベンチ外となった平川の正真正銘のラストゲームを勝利で飾れたことと、李が欠かせない戦力であることを示せたこと、天皇杯に向けて主力を温存し勝てたこと、この日の良かった探しはこの3つだけ
  • お互いにガバガバな守備とスコアから、なんとなく28節ホーム柏レイソル戦を思い出したのは自分だけではないはず
  • スプリント数にして60回以上もの差をつけられて何故勝てたのか不思議で仕方ない
<参考>
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=50980

2018年12月27日木曜日

2018 J1リーグ 第33節 湘南ベルマーレ戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半18分。
湘南自陣深い位置左タッチライン際で坂がクリアすると前線で山崎がポストし梅崎へ落とす。
頭のファーストタッチでガラ空きの左サイドへ縦に大きく出すとそのまま独走。
ペナ左角からエリア内に進入し右足のトゥーキックで右サイドネットに沈め先制点。
山崎にボールが入る直前岩波がダッシュで寄せて競り合ってはいるものの簡単に梅崎へのポストを許している。
坂が蹴り出した瞬間の梅崎と森脇の反応の差も致命的。
茂木も中への折り返しのケアと梅崎への対応とで迷いが見られた。
悪いボールの奪われ方をしたわけではなく一方的に押し込んでいたわけでもなくスローインから開始してハイボールを返し合う最中でロングフィードとポスト一発で簡単に突破を許してしまうのはいくらなんでも前がかり過ぎたのではないだろうか。

■2失点目
後半10分。
バイタルエリアで阿部へのホールディングをとりファウルの判定。
阿部はクイックリスタートで長澤へ出すが主審の真後ろを歩いていた長澤は主審が邪魔になってボールに触れず倒れるとこぼれ球を石川がかっさらう。
何故か足を止めてボーっと見ていたレッズDF陣を尻目にフリーで悠々とバイタル左まで持ち込む石川。
逆サイドエリア内の菊地へファークロスを出すと膝のワントラップから右足のシュートを放ちゴール左のサイドネットへ突き刺し追加点。
アウェイマリノス戦でも橋岡がやらかしたが、レッズが大好きなこのクイックリスタートは中盤か敵陣ならまだしも自陣でやるリスクについてはどの程度理解しているのだろう?
いくら審判が石コロと同じ扱いとは言え石コロにつまずいて失点なんてシャレにもならない。
この失点は長澤をブロックした主審でも、ロクに前も見ず歩いてた長澤の責でもなく、完全に阿部の失策と断定する。

■1得点目
後半30分。
DAZNが映してなかったせいでどうやって運んだかわからないが敵陣右サイド深い位置でナバウトがボール保持。
下がりながら小さく浮き球のパスを長澤へ出す。
出し所を探しながらボールキープすると橋岡がオーバーラップ。
プレスをかけていた湘南2枚のうち1枚が引っ張られさらに高山が長澤へプレスに来たタイミングでそれをかわし中央へドリブル。
バイタル中央の茂木へ出すとボールを受けに来た武藤へ横パス。
武藤はゴールに背を向けたままヒールでフリック。
これをエリア内で興梠が半身で受けてターンするとそのまま縦に突破。
ゴールエリア左角手前で左足を振り抜くとボールは秋元の正面だったものの両手で弾いたボールの勢いを殺し切れずゴールマウス内に落ちて1点返す。
武藤へ出した後即ゴールへ向かって走っていた茂木が好印象。

■ベストプレーヤー
なし
2失点目の引き鉄になったクイックリスタートや前半ビルドアップ時のボールロストさえ無ければ岩波や森脇より守備で貢献した阿部で決まりだったが。

■ワーストプレーヤー
橋岡大樹
守備における致命的なやらかしこそ無かったものの攻撃面で何もできず自信喪失してしまったかのようにバックパスや通らないクロスを繰り返した。
ここ数試合の迷走ぶりから「シーズン中の復調は無理だろう」と諦めがついているので想定内。
次点で決定機にへなちょこシュートで脱力させ、あと一歩届かないスルーパスを供給し続けた長澤と空回りしてた武富。
最終ラインを飛び出してボールを捕まえられない岩波もマウリシオに遠く及ばない出来。

■総評箇条書き
  • 1分、敵陣ミドルサード右で森脇が相手のクリアボールを拾う、菊地と梅崎の間を通す楔を武富に出すと竹富のフリックで武藤へ、パスアンドゴーで走り出した森脇は武藤からボールを受けバイタル中央で左足のミドルを放つ、ゴール右隅しっかり枠を捉えたシュートだが秋元が倒れながら両手でキャッチ
  • 1分、2分、6分、10分、一貫して長いボールを前線に送り続ける岩波(通ったのは最初の1本のみ)
  • 序盤浦和の攻撃は人によってまちまち、岩波はロングフィード一本を前線にひたすら蹴り続ける、茂木は宇賀神を使ってサイドから、一番有効な攻撃の起点になっていたのが森脇で間に楔、縦への仕掛け、ミドルとどれも得点の可能性を感じた
  • 一方湘南の攻撃はロングボールは全く効果的に使えなかったものの、3分の石川や15分の齊藤や失点したシーンの山崎のポスト等、ワンタッチで縦に早い攻撃を仕掛けゴールに迫った
  • 9分、13分、宇賀神のロングスロー失敗
  • 13分、長澤のファークロスから武藤ヘッド枠外
  • 8分、15分、21分、ビルドアップに絡むと終始危なっかしい阿部、というか狙われていた?
  • 3分、14分、18分、中盤で危険なボールが入りそうになるとマウリシオのように最終ラインを飛び出してターゲットに背後からプレスをかけるものの悉くボールを奪えない岩波
  • 23分にしてようやく岩波の楔と武藤の下りてくる動きで理想的なビルドアップができていた
  • 久々に先発起用の武富は攻撃にも守備にも物足りなく気持ちは入っていたものの空回り気味
  • 36分、相手のロングフィードを自陣ミドルサードで奪ってそのままセンターサークルまで持ち上がって右前方の武藤へ出す阿部、フリーで受けた武藤はアタッキングサードまで進んでバイタルの武富へ縦に出す、エリア内右ハーフスペースを縦に突破しようとするも坂のディフェンスによりゴールに背を向けてしまう武富、バイタル中央へバックパスすると後ろから阿部が右足のダイレクトでシュートを放つもボールはバーの上
  • 38分、森脇からエリア内武藤へのスルーパスは僅かに届かない
  • 44分、ハーフウェイライン左で阿部が宇賀神から横パスを受けると右サイドでフリーの森脇へ出す、森脇が受けると武藤が下りてくる動きで縦にボールを引き出す、それをワンタッチで右タッチライン際の橋岡へ出す武藤、ワンタッチ入れて武藤へ即リターンする橋岡、下りてくる武藤に食いついた大野が空けたスペースに向かって走り出す長澤とそこへスルーパスを出す武藤、ボールがやや長くなり長澤のシュートと同時に坂のシュートブロックでボールはゴールラインを割る
  • 46分、西川から森脇、森脇からミドルサードまで下りてきた武藤へ縦に入れる、武藤は右タッチライン際の橋岡へ横パス、橋岡はワンタッチでハーフウェイライン上の長澤へ、長澤もワンタッチで武藤へ戻す、武藤は興梠が動き出すタイミングを見て一気に前線へ出す、抜け出そうとはせずファーストタッチでターンしゴールに背を向ける興梠、エリア内ペナ左角のスペースへ出すと宇賀神が収める、宇賀神へ出してからエリア内中央を興梠が縦に進入すると湘南DFラインは揃って下げられる、すると中盤との間に生まれたスペースにフリーで浮いた長澤へ宇賀神のラストパス、長澤は左足でダイレクトのシュートを放つもミートできず力なく転がったボールはゴールラインを割った
  • 47分、ハーフウェイライン右で一気に前線の橋岡まで縦に出す森脇、右タッチライン際で収めた橋岡はバイタルまで進んでカットイン、バイタル中央の興梠へ横パスを出す橋岡、ボールを受けてから少し下がってバイタル左の阿部へ縦に出す興梠、ワンタッチで武富へ出すとワンツーで阿部へ戻し前を向いて受ける阿部、エリア内右ハーフスペースの橋岡へ出すとワンタッチでバイタルの森脇へ戻す橋岡、森脇は左足でミドルを放つもボールはバーの上
  • 46分、58分、湘南は攻め込まれるとDFラインがグッと下がってバイタルにポッカリスペースが生まれるのが何度か見られた
  • 59分、茂木のビルドアップからワンタッチプレーで武富と宇賀神の3人で左サイドを攻略、実に美しい
  • 67分、せっかくのカウンターチャンスにボールだけ見てフリーになる動きで抜け出そうとしていた興梠に気付かずボールロストするナバウト
  • 80分、敵陣ミドルサード左で茂木が下りてきた興梠へ縦に出す、興梠はタッチライン際の宇賀神へ、宇賀神はさらに下がった興梠へリターン、興梠はエリア内中央のズラタンへアーリークロスを放り込むと大野を背負いながら右足でワントラップしターン即シュートを放つも大野の足に当たりクリアされる、小さくなったクリアボールは長澤がエリア内で回収しペナ右角の橋岡へ戻す、橋岡はバイタル右の柴戸へ横パス、柴戸はワンタッチから小さく前へ出すと右足のインステップキックを放つもボールは大きく枠の外
  • この日のレッズはとにかくボールが枠に全く飛ばない
  • シュート数が27本、うち10本がシュートブロック、枠内のシュートがたったの3本で、実に14本ものシュートが枠外だった
  • 7分、12分、27分、39分、67分、69分、相手に潰されたものから自らのミス(後半はナバウト)によるものも含めこの日はカウンターの不発も目立ち、ここぞという場面でのバックパス・ボールロストが多かった
  • 32分に相手のCKをキャッチした西川がポジトラの遅さにキレているように見えたのもそれを象徴していた
  • ボールも握った、シュートも打った、ところが相手ほど枠にボールは飛ばせず決定機も作れず敗北を喫した
  • 失点してビハインドを背負ったチームは多少リスクをかけても前掛かりになって攻め込むものだが相手のハイプレスに簡単に屈しバックパスを繰り返し安全なプレーに終始したのが実に残念
  • 多くのレギュラーメンバーが不在だったが誰より不在が響いたのは柏木の存在だったのかもしれない
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=50726

2018年12月11日火曜日

2018 J1リーグ 第32節 北海道コンサドーレ札幌戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半5分。
荒野のロングフィードを槙野が頭で跳ね返したボールを柏木が胸で落とし前方の長澤へ出す。
ハーフウェイライン左ハーフスペースで受けた長澤は少し前進すると前線でボールを要求した武藤へシンプルに浮き球のフィードを出す。
武藤はバイタル右ハーフスペースで胸で落とすと即座に左足を振り抜き開始5分で早くも先制点。
フィードが上がった際、武藤の左前方には兵藤が走っていて武藤のファーストタッチを狙ってボールを奪う算段だったものと思われるがその対応が余りにお粗末。
武藤から見て右ではなく左に落とすことは兵藤にとって想定外だったかのように武藤の背後に回り込む動きは結果的に逆を突かれてしまった。
兵藤も意表を突かれるほどの長澤の鋭いフィードと武藤の絶妙な胸トラップだったということか。

■1失点目
前半24分。
最終ラインの福森から兵藤、兵藤から荒野へとボールが渡ると誰も奪いに来ないためスルスルと左サイドを持ち上がる荒野。
敵陣ミドルサードまで来たところで兵藤へバックパス。
逆サイドの進藤へ展開する兵藤。
下りてきた三好への進藤の横パス。
三好には下りる動きについてきた槙野がプレスをかけるもトラップミスを奪おうとした槙野をあっさりかわし前を向くと途中立ち塞がった阿部もかわしそのままバイタル中央まで持ち込む。
ガラ空きの左サイドを駆け上がった菅へスペースにボールを出すとペナルティエリア左のライン上でクロスを上げる菅。
中央で三好と都倉が潰れ役になって誰も触れなかったボールをファーの進藤が宇賀神の背後から飛び込み頭で合わせて同点ゴール。
安易にボールに食いついてあっさりかわされて、最後に空中戦で挽回するチャンスも空振りでフイにしてしまいガッツリ失点に絡んだ槙野が残念。

■2得点目
前半33分。
敵陣ミドルサードの槙野から左サイドの宇賀神の足元へ縦パス。
対峙する早坂との距離をジリジリと詰め右足で縦のスペースに軽く蹴り出し距離をとってから相手を抜き切らない左足のマイナスクロス。
かなり長めのグラウンダーのクロスだったがペナルティマーク上でフリーだった武藤の足元に収まるとワンタッチからすぐさま左足のシュートを放ち福森と菅の間を抜いてゴール右隅に沈めた。
何故その危険な位置で相手にフリーで収まるんだろう?という、つい1年ちょっと前までレッズによく見られた光景がそこに・・・。
(今でもたまにあるがw)

■ベストプレーヤー
マウリシオ
誰がどう見てもドッピエッタの武藤こそが満場一致でマンオブマッチであることに疑いの余地はないが槙野と岩波の二人が怪しい守備をする中、最も安定した守備でゴールに蓋をしたマウリシオをあえてベストプレーヤーに挙げたい。
特にポゼッションを許し一方的に攻め込まれた後半は何度もシュートブロックやインターセプトを繰り返し相手の決定機を水際で阻止した。
デュエル勝利数やインターセプト数でもこの日はチームNo.1を記録し数字の上でも貢献度の高さが際立った。
次点というかほぼ同率で絶好調の武藤。
先制点のアシストと囲まれた状況で簡単にボールロストせずボールを捌いた長澤も実に素晴らしかった。

■ワーストプレーヤー
橋岡大樹
絶対にやってはいけないプロにあるまじき致命的ミスをこの日もやらかした橋岡がワースト。
橋岡はこれでもう3度目のワーストなので今となってはトップに上げるには単純にまだ早すぎたか、或いは適性ポジションに戻すかすべきだがそれもこれも来季に向けての施策の一つでしかなく選手編成が歪な今季残り数試合は嫌でも使わざるを得ない。
致し方ないとは言え年代別代表にちょくちょく呼ばれるのがやはり痛い。
何が痛いってポジションが違うから持ち帰ったものがレッズでは活かされないことが何より痛い。
次節湘南戦は20日までUAEにいる橋岡スタメンで行くのか90分戦えない森脇か、はたまた大穴で平川か。
誰を選んでも苦戦必至が予想される。
次点でビルドアップ時にいつもの高精度なフィードが見られなかった岩波。

■総評箇条書き
  • 0分、札幌が3回連続左CK獲得、1本目はサインプレーで三好が柏木を振り切ってフリーでシュート、2本目はマウリシオがクリア、3本目は札幌のファウルで終了
  • バタついて落ち着かない立ち上がりのまま電光石火の先制ゴール
  • 序盤から都倉とマウリシオは激しくデュエル
  • この日も宇賀神のロングスローをバンバン興梠が収めて前に後ろにボールを繋いでいた
  • 12分、自陣最終ラインのマウリシオからセンターサークル阿部へ縦パス、敵陣左サイドの柏木、タッチライン際の宇賀神と流れるようにボールを回す、宇賀神は一旦柏木へリターンすると裏へ抜けた長澤へダイレクトで浮き球のスルーパス、左からエリア内へ進入した長澤はグラウンダーでマイナスのクロス、エリア内中央にフリーで待ち構えていた武藤がダイレクトで左足のシュートを放つも福森の足に当たる、跳ね返ったこぼれ球を柏木がペナルティアーク左からダイレクトで右足を振り抜くも盛大に宇宙開発
  • 前節から引き続きこの日もパッとしない柏木
  • 14分、自陣深い位置で岩波がチャナティップから奪ってカウンター開始、こぼれ球を阿部が拾って少し持ち上がりミドルサードに差し掛かると柏木へ、前線は相手DF3枚に対し興梠が一人、武藤は右サイド、広大なスペースにフリーで持ち上がった柏木は相手DFが興梠から目を離したタイミングを狙って荒野と進藤の間を通すスルーパス、コースは完璧だったがボールスピードが速く興梠は触れず飛び出したクソンユンがキャッチ
  • 札幌が最終ラインからビルドアップする際、レッズの守備はかなり前からのプレスを選択、前半はこの前プレがかなり上手くハマっていて奪ってからのショートカウンターを何度か繰り出していた
  • 21分、(多分)マウリシオの自陣深い位置からのFKで一気にアタッキングサード左サイドの宇賀神までロングフィード、これを絶妙なタッチで落とすと中央の長澤へグラウンダーのマイナスクロス、バイタルで収めた長澤は左足でグラウンダーのシュートを放つもクソンユンが左に倒れながら両手でキャッチ
  • 潮目が変わったのはこの直後から、それまでの札幌の攻撃は長いボールを蹴ってトップの都倉に当てて起点を作るか、高い位置で奪ってショートカウンターかの2択だったが20分を過ぎたあたりから都倉や三好が中盤まで下りて来て楔をポストすると中盤の選手が前を向いてボールを受けそこからサイド或いは前線へ展開といったパターンを多用してきた
  • 失点する24分までに札幌は都倉が1回、三好が3回の計4度この動きでチャンスメイクし4度目で見事同点に追いついて見せた
  • 札幌のこのパターンが上手くいったのは前線が下りてくる動きをするようになったこと以上に、レッズの側にトランジションの遅れが目立ち始めたことが大きく、レッズが止められるとしたら落としたボールを相手の中盤が受けてからの対応だったように思われる
  • レッズのこの日の攻撃に関しては、ここ数試合で見られた岩波からのフィードやサイドチェンジは鳴りを潜め(というか全然通らない)宇賀神のロングスロー、高い位置で奪ってショートカウンター、マウリシオのロングフィードといったパターンから始まっていた
  • この中で最も有効だったのはショートカウンターで、何度か興梠や武藤へのスルーパスを出すシーンが見られたが触れずにGKにキャッチされるのが殆どだっただけに急いで前に出さずにもう少し相手を押し込んでからの崩しが見てみたかった
  • 札幌とレッズ双方に言えることだがロクに通らない長いボールを蹴って前で収まらずボールロストというシーンが何度も見られたのは退屈だった
  • 昨季と比べるとかなり物足りないパフォーマンスが続いていた阿部はこの日は今季一番いい出来だった
  • 37分の橋岡が倒れたシーンは完全にPKを貰いにいったプレー、若いうちからああいうプレーに頼って欲しくはない
  • 39分、西川のゴールキックから敵陣ミドルサード右で橋岡が菅に競り勝って前にボールを送る、これを興梠が戻りながら胸で落とし武藤が受けて右前方のスペースへ縦に出す、右を駆け上がる橋岡の前に菅がボールに触るも外に出そうとしたボールが橋岡に当たり橋岡が奪う、すぐに福森が寄せるが前の武藤へリターン、そのまま持ち上がった武藤はペナルティエリア右のライン上まで来るとバックパス、バイタル右ハーフスペースで興梠が左の柏木へフリック、柏木はダイレクトで阿部へバックパス、阿部も右足のダイレクトで浮き球のフィードを左ハーフスペースのバイタルの宇賀神へ出す、このボールを軽くジャンプしながら右足のフリックでエリア内の左ハーフスペースへ出すと柏木がこれに反応、スペースに走り込んで左足のダイレクトのシュートを放つがニアサイドを狙ったシュートはクソンユンのビッグセーブに阻まれる
  • 後半序盤は、無理な長い縦パスをカットされて被カウンター、奪い返しても札幌の即プレスでボールロスト、枠外ではあるものの被シュート、これらがそれぞれ複数回見られレッズはひたすら攻め込まれた
  • ポゼッションを札幌に許し一方的に攻め込まれる時間が続くものの完全に崩されて作られた決定機はほぼ無かった
  • 50分、自陣深い位置から西川のFK、敵陣右サイドで橋岡が頭で合わせ中へ送る、荒野が右足でクリアしようとしたボールは左ハーフスペースの武藤の下へ、ワンタッチで落として即興梠へ出す武藤、バイタルで収めた興梠はエリア内左角まで進入したところでバックパス、宇賀神がダイレクトの右足で地を這うミドルシュートを放つもクソンユンがガッチリキャッチ
  • 77分、森脇が投入されたあたりから攻め疲れからか札幌の怒涛の猛攻は落ち着きを見せる
  • 81分、敵陣右サイド深い位置で森脇が白井からボールを奪うとこぼれ球を武藤が拾ってエリア内で3人に囲まれながら縦に仕掛け突破すると右足のシュート、キムミンテのシュートブロックによりボールはラインを割り右CK獲得、キッカーは柏木、エリア内中央の密集地帯にアウトスイングのボールを放り込む、槙野が頭で合わせるとクソンユンの真上に飛んだボールを右手でセーブされる、後半唯一にして最大のチャンスだった
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=44743

2018年12月7日金曜日

2018 J1リーグ 第31節 ガンバ大阪戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半41分。
レッズ自陣ミドルサードでマウリシオが岩波へ出すと倉田が猛然とプレス。
タッチライン際の森脇へ縦に入れる岩波。
下がりながら受けた森脇は出し所が見つからず西川までバックパス。
西川、槙野、西川、マウリシオ、そして再び岩波へ。
またも倉田のプレスに対し森脇へ、ここまでは完全再現。
問題はここで森脇が痛恨のミスキックによりダイレクトで合わせた右足で中のアデミウソンにボールが渡ってしまったこと。
ミドルサード(ガンバから見て)左ハーフスペースで収めたアデミウソンへ阿部が寄せてくるも右足で弱弱しく浮かせたボールが阿部の頭に当たり右にいた小野瀬に渡る。
悠に20mはあろう距離で迷わず左足を振り抜くとゴール右隅へ一直線。
当然西川はノーチャンス。
確かにどうしようもないゴラッソではあったがそもそもの森脇のプレゼントパスが痛すぎた。
阿部に当てたアデミウソンのボールはおそらく意図したものではないように思えるのであまり責められない。

■1得点目
後半3分。
自陣深い位置からレッズのビルドアップ。
西川、槙野、マウリシオと繋いで敵陣ミドルサードの武藤まで一気に縦の楔を入れる。
下がりながら受けた武藤はファビオに倒されながらも右足のワンタッチで左へのポスト。
これに反応した長澤が遠藤の背後からボール奪取しファビオの空けたスペースへドリブルで持ち込む。
ペナルティエリアギリギリ外で右足でグラウンダーのシュートを放つと林のセーブによりボールは左にこぼれる。
詰めた興梠が冷静に押し込んで同点ゴール。
マウリシオの楔、思いがけずポストした形になった武藤、きっちり押し込んだ興梠と一連の流れに関わった誰もが欠かせなかったのは言うまでもないが思い切って右足を振り抜いた長澤を誰より評価したい。

■2失点目
後半16分。
敵陣ミドルサード中央から岩波がバイタル中央の武藤へ縦に出す。
ゴールに背を向けて受けた武藤がトラップした瞬間を狙って背後から藤春がプレス。
こぼれたボールを今野が後ろへ逃がし遠藤が回収するとハーフウェイライン(ガンバから見て)左タッチライン際のファンウィジョへ縦に出しカウンター開始。
無人の左サイドを独走しペナ左角から斜めにエリア内に進入すると後ろから追いついた岩波が半身でファンウィジョの前に立つも構わず右足を豪快に振り抜くとボールは右サイドネットへ巻いて突き刺さった。
武藤の奪われ方やファンウィジョをフリーにさせカウンターへのケアが足りなかったこと等多少の落ち度はあるもののこれはやはり相手を褒める以外ないゴラッソ。

■3失点目
後半23分。
レッズ自陣バイタル中央で武藤が倉田のマイナスのクロスを奪って前を向くも藤春のプレスバックにターンさせられる。
もう一度前を向こうと時計回りにターンしようとしたところを狙って遠藤が武藤の右背後からプレスを仕掛け武藤はボールロスト。
こぼれ球を藤春が拾って(ガンバから見て)左ハーフスペースを縦に突破しゴールラインから6mくらいの位置で左アウトサイドの遠藤へバックパス。
遠藤は逆サイドからボールを受けに来たエリア内の倉田へ横パス。
その間にフリーになって再び裏へ走り出した藤春へ縦に入れる倉田。
エリア内中央へマイナスに折り返しのグラウンダーのクロスを入れるとアデミウソンがダイレクトで左足のシュートを放つとボールはまたも右サイドネットに吸い込まれた。
テクニックに溺れた武藤によるこの日最もいらない失点。
とは言え、敵ながらいい崩しだった。

■ベストプレーヤー
岩波拓也
ゴール前で相手にボールが渡った際何度も体を投げ出し体のどこかにボールを当てて軌道を変えていた岩波を評価。
今やレッズのビルドアップに欠かすことのできない岩波のサイドチェンジや中盤背後のスペースを突いたフィード、森脇との連係等はこの日も見られた。
あとは不用意なタックル癖だけ改善されれば言うこと無し。

■ワーストプレーヤー
オリヴェイラ監督
あまりにも良くないボールの失い方を2回した武藤をワーストにするかするまいか最後まで悩んだが、1点目のポスト、前半に縦の仕掛け、森脇交代後のポジションチェンジしてのフル出場とやはり貢献度は高くこの試合は選手のワーストは無しとした。
正直なところ柏木、阿部、宇賀神といった攻撃時にこれといって何も仕事をできなかった選手らに対する不満のほうが大きい。
あの出来で何故柏木を最後まで引っ張って長澤を下げたのか監督へ不信感を抱くほど良くなかった。
交代策を打っても事態は好転しないどころか戦況を悪化させたことからもワーストはオリヴェイラ監督とした。

■総評箇条書き
  • 武藤と長澤のコンビネーションはここ数試合で劇的に向上したことを見せつける前半の立ち上がりだった
  • 3分、岩波から一気にガンバ最終ラインの裏へのロングフィードを放り込むと興梠がサイドに流れ右コーナーフラッグ付近で収めると同じレーン上の武藤までバックパス、ペナ左角から斜めに仕掛けエリア内の長澤とのワンツーで強引にDFライン突破を試みるもオジェソクのタックルによりクリアされる
  • 右サイドは岩波から始まり森脇が前へと繋ぐビルドアップがスムーズだったのに対し、左サイドはオジェソクの守備に宇賀神が手を焼きいつものようなフリック一発で前線へ供給するようなシーンが見られなかった
  • ただ、岩波からのサイドチェンジはこの日も前半だけは宇賀神によく通っていた、後半は修正が効いてオジェソクにクリアされていたが
  • 31分、長澤がファビオに倒されFK獲得、ゴールラインから22mくらいの右アウトサイドからキッカーは武藤、ペナルティエリアのライン上に7枚を均等に配置しゾーンで守るガンバに対しレッズは4枚、エリア内中央目がけてシンプルに放り込むとマークを外したマウリシオが上手く頭で合わせGKの前でバウンドさせるも林のビッグセーブによりゴールを割れない
  • 35分、敵陣深い位置左サイドから宇賀神のスローインでエリア内ハーフスペースに出すと三浦を振り切って抜け出した興梠がゴールラインギリギリで柏木へ戻すとダイレクトで左足のシュートを放ち股下を狙ったものの足で林にセーブされる
  • ファンブルすれば柏木に詰められる距離なので両足で挟むようにボールを殺した素晴らしいセービングだった
  • 40分のFKでファビオにどフリーで合わせられている場面はやはりセットプレーの守備が何も改善していないことを証明したシーンと言える
  • 同じポジションの橋岡も凡ミスの類は試合中何度もやらかすが不思議と直接の失点に繋がらないのに、森脇のなんでもないようなミスは即失点に繋がるのは何故なのか
  • 前半失点するまではレッズがポゼッションし主導権を握る形で試合を進め後半同点に追いつく展開から、ここまでは前節鹿島戦の再現と見る向きもあるようだがその実前節ほどシュートを打てていたかというとそうではなかった
  • 正確にはシュートを打ってはいたものの必ず最後にはガンバの守備陣に足を出されまともに枠へボールを飛ばすことができなかった
  • 失点するまでの攻撃で最も可能性を感じたのがセットプレーで、CK4回、FK2回を獲得し31分にマウリシオが叩きつけたあのボールを林にビッグセーブされたあのシーンはこの試合の勝敗を分けるくらい重大なシーンだったように思う
  • その後の36分の柏木のシュートも決して簡単なセービングではなく東口の代わりに緊急登板となった林が(レッズからすると)想定外の活躍を見せる一方、橋岡の代わりに出場した森脇と、青木の代わりに出場した阿部が揃って最初の失点に絡んだのは実に象徴的だった(阿部は絡んだと言ってもほぼ不可抗力だったが)
  • 対照的と言えばゴールシーンもガンバの得点は3点ともカウンターで決めているのに対し、この日のレッズのカウンターは全て不発に終わっている
  • その理由はおそらくスプリント数にして50回以上もの差をつけガンバが上回っていることからも、トランジションの速さが高いレベルで徹底されていたことと思われる
  • 今節の見所1:久々に森脇のアラバロール
  • 今節の見所2:今野に倒され足をバタバタさせる長澤
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=49821

2018年12月3日月曜日

2018 J1リーグ 第30節 鹿島アントラーズ戦

スターティングメンバー

■1失点目
前半36分。
レッズ自陣ミドルサード(鹿島から見て)左から土居の横パスをアウトサイドの山本が受ける。
パスアンドムーブで土居が真っ直ぐ上がると青木が引っ張られそこに空いたスペースにボールを出す山本。
下がった安西が滑り込みながら前へ出すとスライドした青木と食いついたマウリシオの間を通されセルジーニョにボールが渡る。
バイタル中央で受けたセルジーニョは山本のコーチングでエリア内左ハーフスペースの山本へパス。
ダイレクトの右足で山なりのクロスをぽっかり空いた逆サイドへ放り込むと後ろから走り込んだ西が右足のアウトサイドでボレーを放つ。
宇賀神と青木の間をすり抜け西川も触れずゴール左に鋭く突き刺さり先制点。
セルジーニョにボールが入った瞬間山本は森脇の背後を一気にダッシュしてボールを要求しているが、一方の森脇はと言うと背後のスペースを突かれていることにも気付かずフラフラとボールサイドに寄っていき結局山本にフリーでクロスを上げさせている。
西を誰もケアしていなかったことや簡単に食いついたマウリシオや青木の対応等も問題ではあるが未然に防げたとしたら森脇だったと思う。

■1得点目
後半6分。
(レッズから見て)左CKを獲得。
キッカーは柏木。
ペナルティマークを中心に槙野岩波マウリシオのレッズDF陣が固まりその3人を昌子山本小笠原チョンスンヒョンの4人が囲むようにマーク。
左足でアウトスイングのボールをニアサイドに放り込むと岩波が頭で合わせてゴール右サイドネットへ流し込み同点。
柏木が蹴る前に細かい駆け引きを繰り返し岩波だけがニアに飛び込んで左足でしっかり踏み切り軌道を変えるだけの絶妙なヘディング。
クォンスンテは一歩も動けず。

■2得点目
後半14分。
宇賀神からのバックパスを敵陣ミドルサード左ハーフスペースで受ける青木。
バイタル中央にボールを入れると下がりながら受ける武藤。
小笠原が食いついてくるも2タッチ目で時計回りにターンするとあっさりかわし前を向き豪快に左足を振り抜きゴール右隅に突き刺した。
どちらかと言えば泥臭いゴールの多い武藤のこんなゴラッソを見るのは本当に久しぶり。

■3得点目
後半47分。
ペナルティエリアで阿部が奪ったボールを青木が引き取り前方のナバウトへ出す。
昌子のプレスから逃げるように右タッチラインへ退避し首を振って武藤の上がりを確認すると右足で浮き球のフィード。
ミドルサード右でこれを収めた武藤は中央へ進路を変えると背後に昌子、前にチョンスンヒョン、左に永木の3人に囲まれる。
体を左に振って相手の体勢を崩してから右足でチョンスンヒョンの股下を通し完全に抜け出す武藤。
右から迫る昌子に対しあえてコースを右に変え昌子の進路に先に体を入れる武藤。
エリア内まで進入し右足を振り抜くと再びクォンスンテの股下を抜いてダメ押しの追加点が決まった。

■ベストプレーヤー
武藤雄樹
試合序盤から何度も仕掛けては抜き仕掛けては突破し再三チャンスメイクしていた武藤。
ほんの少し前までなら「成功した試しなんか無いんだから余計なことしないで周りを使え!」とTVの前で罵声を浴びせていたものだが、これだけのパフォーマンスを見せ付けられたら「もう好きに仕掛けまくってくれ!」と言わざるを得ない。
この手の個人技は今よりゴール数を稼いでいた2,3年前には見られなかったものであり「浦和のエースナンバーを背負っていたあの頃の武藤が帰ってきた」という表現は適切ではなく未だ進化し続ける新たな武藤が見れたと言うべき。
ラストのダメ押し弾に至っては、3人を抜き去ったスキルよりも90分+AT2分走りに走って自陣深い位置からのロングカウンターを独力で見事決め切ったことに感動した。
次点で同点弾で逆転の口火を切った岩波。
同点弾だけでなくこの日は3バックの中で最も攻守に貢献度が高かった。
長澤も疑惑のシーンさえ無ければ攻撃面での評価は高かったのだが・・・。

■ワーストプレーヤー
なし
飛び抜けてワーストと言える選手こそいないものの複数の選手のプレーに不満を覚えた。
青木はトラップが大きくなってボールロスト、柏木もゴール前でトラップミスによりチャンスロス、長澤はエリア内であわやPKもののバックチャージ、森脇は失点シーンで悠々ジョグで戻り易々とクロスを上げさせた。
長澤以外は全て前半に集中しているミスでありこれらを減らすことができていればもう少し楽に勝てた可能性もある。
サポーターは相手によって因縁や怨恨の感情も増減するのは仕方ないとしても、選手たちは慌てることなく可能な限り冷静に努めあくまで34試合のうちの1試合としてプレーして頂きたい。

■総評箇条書き
  • 1分、クソンユンのフィードをアタッキングサード左ハーフスペースで宇賀神がカット、左足でエリア内ファーサイドの興梠へクロス、胸でトラップしチョンスンヒョンのディフェンスに前を向けず時計回りにターンするとぽっかり空いたバイタル中央のスペースにグラウンダーのボールを出すと森脇が左足でダイレクトのシュートを放つもボールはバーの上
  • 鹿島は守備時、立ち上がりこそ前から行く姿勢を見せたもののレッズが主導権を握ると前線の選手は中盤との距離感を気にして前から来なくなっていった
  • 序盤のレッズの攻撃のポイントは宇賀神を狙ったサイドチェンジや武藤、長澤が下りて前線につなぐビルドアップ
  • 9分、敵陣中央で宇賀神からの横パスを下がって受けた武藤、前を向くと武藤が空けたスペースに左から走り込んだ柏木へ縦に出す、エリア内で受けた柏木はチョンスンヒョンのディフェンスに前を向けずそのまま右へ流れると森脇へ戻す、ペナ右角で受けた森脇はさらに岩波まで戻す、岩波は右に開いていた柏木へ縦に出す、ゴールに背を向けたまま受けて下がりながら中を見ると左へ少し移動してからチョンスンヒョンと安西の間を通しバイタル右ハーフスペースの長澤の足元へ縦パス、フリーで受けた長澤はエリア内中央の武藤へパスを出すと同時に中へダッシュ、永木を背負ったまま長澤へリターンするとダイレクトで左足のシュートを放つもボールは右ポストを直撃しそのままゴールラインを割る
  • 11分、西川のゴールキックを敵陣で森脇が山本に競り勝ってバックヘッドで前線へ、後ろから足を出したチョンスンヒョンにも倒されずに収めた興梠が右アウトサイドの武藤へ横パス、切り返しで山本を、ルーレットで昌子をかわしバイタルエリア右の長澤へ出すとエリア内右ハーフスペースをそのまま直進した武藤へスルーパス、抜け出した武藤はダイレクトで右足のシュートを放つもボールはクロスバーを僅かにかすりゴールラインを割る
  • 武藤、興梠は序盤から調子が良さそうでキレのある動きを見せていたが対照的に精彩を欠いていたのが柏木と青木だった
  • 荒いチャージ、雑なホールディングを食らっても痛がらずすぐ立とうとする興梠と武藤が素晴らしい
  • やたらと柏木への警戒心が高いようで、柏木が動き出すと下がってボールを受ける動きでも前に出る動きでも誰かしらが食いついてくるので柏木が囮になってスペースを作って興梠が受けるシーンが2度あった
  • お互いにファウルの多い試合ではあったがヒートアップする会場をよそに選手自身はつとめて冷静に振る舞っていた
  • 鹿島の守備がバタバタしなくなったせいかレッズは中盤にもサイドにも繋がらなくなると徐々に試合は鹿島ペースに
  • 先制されて以降もレッズがボールを握る時間が続くがゴール前での崩しのアイデアが足らずなかなかシュートまで持ち込めない
  • 50分、レッズ自陣ミドルサード右で岩波からハーフウェイラインのタッチライン際の森脇へパス、森脇は左足で浮き球のボールを前線右ハーフスペースの興梠へ出す、ペナ右角で収めた興梠は縦への仕掛けを見せてチョンスンヒョンを抜き切らずに中へクロス、中で武藤がヘディングをほぼ空振り同然にかするとファーサイドの宇賀神が左足のダイレクトでシュートを放つもボールはGK正面でクォンスンテがセーブ、こぼれたボールを西が外へ出しゴールラインを割る
  • 後半早々に今度は昌子に武藤や長澤をエサに食いつかせてその背後のスペースを突いて崩そうとするシーンが2度見られた
  • 逆転後のレッズは例によって「ボール持ちたくないマン」に変身しマイボールにしたら蹴っ飛ばし引き気味の守備でセカンドボールを悉く奪われるのと相手の交代カードによって防戦一方になり再三ゴールを脅かされることになる
  • 特に鈴木への執拗なタックルやチャージによって山のようにFKを与えていたが、鹿島はセットプレーにおいて必ず最後はゴール方向にボールを飛ばしていたのが枠外であっても十分な脅威になっていた
  • 競り合いに負けるならまだしも競り合うことすらできずにフリーで合わせられるシーンを何度も見ているとお世辞にもセットプレーの守備が向上したようには見えなかった
  • 80分、レッズから見て左CKを鹿島が獲得、キッカーはセルジーニョ、速くて鋭いボールを中央に放り込むと興梠が頭で跳ね返す、こぼれ球を武藤が左サイドで後ろ向きで収め永木が背後からプレス、時計回りに大きくターンし前を向くと背後のスペースに小さく蹴り出し一気に抜け出す武藤、敵陣ミドルサード中央までドリブルで持ち込むと左サイドに開いていた柏木へパス、左足でクロスを放り込むも詰めた柴戸は届かない
  • この日一番面白かったのは何度もやり合った武藤と昌子のマッチアップ
  • 長澤×小笠原もなかなかのバチバチ具合
  • 遠藤にガッツリ股間を掴まれ一瞬悶絶する青木
<参考>
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=49058