スターティングメンバー
■1得点目
前半5分。
荒野のロングフィードを槙野が頭で跳ね返したボールを柏木が胸で落とし前方の長澤へ出す。
ハーフウェイライン左ハーフスペースで受けた長澤は少し前進すると前線でボールを要求した武藤へシンプルに浮き球のフィードを出す。
武藤はバイタル右ハーフスペースで胸で落とすと即座に左足を振り抜き開始5分で早くも先制点。
フィードが上がった際、武藤の左前方には兵藤が走っていて武藤のファーストタッチを狙ってボールを奪う算段だったものと思われるがその対応が余りにお粗末。
武藤から見て右ではなく左に落とすことは兵藤にとって想定外だったかのように武藤の背後に回り込む動きは結果的に逆を突かれてしまった。
兵藤も意表を突かれるほどの長澤の鋭いフィードと武藤の絶妙な胸トラップだったということか。
■1失点目
前半24分。
最終ラインの福森から兵藤、兵藤から荒野へとボールが渡ると誰も奪いに来ないためスルスルと左サイドを持ち上がる荒野。
敵陣ミドルサードまで来たところで兵藤へバックパス。
逆サイドの進藤へ展開する兵藤。
下りてきた三好への進藤の横パス。
三好には下りる動きについてきた槙野がプレスをかけるもトラップミスを奪おうとした槙野をあっさりかわし前を向くと途中立ち塞がった阿部もかわしそのままバイタル中央まで持ち込む。
ガラ空きの左サイドを駆け上がった菅へスペースにボールを出すとペナルティエリア左のライン上でクロスを上げる菅。
中央で三好と都倉が潰れ役になって誰も触れなかったボールをファーの進藤が宇賀神の背後から飛び込み頭で合わせて同点ゴール。
安易にボールに食いついてあっさりかわされて、最後に空中戦で挽回するチャンスも空振りでフイにしてしまいガッツリ失点に絡んだ槙野が残念。
■2得点目
前半33分。
敵陣ミドルサードの槙野から左サイドの宇賀神の足元へ縦パス。
対峙する早坂との距離をジリジリと詰め右足で縦のスペースに軽く蹴り出し距離をとってから相手を抜き切らない左足のマイナスクロス。
かなり長めのグラウンダーのクロスだったがペナルティマーク上でフリーだった武藤の足元に収まるとワンタッチからすぐさま左足のシュートを放ち福森と菅の間を抜いてゴール右隅に沈めた。
何故その危険な位置で相手にフリーで収まるんだろう?という、つい1年ちょっと前までレッズによく見られた光景がそこに・・・。
(今でもたまにあるがw)
■ベストプレーヤー
マウリシオ
誰がどう見てもドッピエッタの武藤こそが満場一致でマンオブマッチであることに疑いの余地はないが槙野と岩波の二人が怪しい守備をする中、最も安定した守備でゴールに蓋をしたマウリシオをあえてベストプレーヤーに挙げたい。
特にポゼッションを許し一方的に攻め込まれた後半は何度もシュートブロックやインターセプトを繰り返し相手の決定機を水際で阻止した。
デュエル勝利数やインターセプト数でもこの日はチームNo.1を記録し数字の上でも貢献度の高さが際立った。
次点というかほぼ同率で絶好調の武藤。
先制点のアシストと囲まれた状況で簡単にボールロストせずボールを捌いた長澤も実に素晴らしかった。
■ワーストプレーヤー
橋岡大樹
絶対にやってはいけないプロにあるまじき致命的ミスをこの日もやらかした橋岡がワースト。
橋岡はこれでもう3度目のワーストなので今となってはトップに上げるには単純にまだ早すぎたか、或いは適性ポジションに戻すかすべきだがそれもこれも来季に向けての施策の一つでしかなく選手編成が歪な今季残り数試合は嫌でも使わざるを得ない。
致し方ないとは言え年代別代表にちょくちょく呼ばれるのがやはり痛い。
何が痛いってポジションが違うから持ち帰ったものがレッズでは活かされないことが何より痛い。
次節湘南戦は20日までUAEにいる橋岡スタメンで行くのか90分戦えない森脇か、はたまた大穴で平川か。
誰を選んでも苦戦必至が予想される。
次点でビルドアップ時にいつもの高精度なフィードが見られなかった岩波。
■総評箇条書き
- 0分、札幌が3回連続左CK獲得、1本目はサインプレーで三好が柏木を振り切ってフリーでシュート、2本目はマウリシオがクリア、3本目は札幌のファウルで終了
- バタついて落ち着かない立ち上がりのまま電光石火の先制ゴール
- 序盤から都倉とマウリシオは激しくデュエル
- この日も宇賀神のロングスローをバンバン興梠が収めて前に後ろにボールを繋いでいた
- 12分、自陣最終ラインのマウリシオからセンターサークル阿部へ縦パス、敵陣左サイドの柏木、タッチライン際の宇賀神と流れるようにボールを回す、宇賀神は一旦柏木へリターンすると裏へ抜けた長澤へダイレクトで浮き球のスルーパス、左からエリア内へ進入した長澤はグラウンダーでマイナスのクロス、エリア内中央にフリーで待ち構えていた武藤がダイレクトで左足のシュートを放つも福森の足に当たる、跳ね返ったこぼれ球を柏木がペナルティアーク左からダイレクトで右足を振り抜くも盛大に宇宙開発
- 前節から引き続きこの日もパッとしない柏木
- 14分、自陣深い位置で岩波がチャナティップから奪ってカウンター開始、こぼれ球を阿部が拾って少し持ち上がりミドルサードに差し掛かると柏木へ、前線は相手DF3枚に対し興梠が一人、武藤は右サイド、広大なスペースにフリーで持ち上がった柏木は相手DFが興梠から目を離したタイミングを狙って荒野と進藤の間を通すスルーパス、コースは完璧だったがボールスピードが速く興梠は触れず飛び出したクソンユンがキャッチ
- 札幌が最終ラインからビルドアップする際、レッズの守備はかなり前からのプレスを選択、前半はこの前プレがかなり上手くハマっていて奪ってからのショートカウンターを何度か繰り出していた
- 21分、(多分)マウリシオの自陣深い位置からのFKで一気にアタッキングサード左サイドの宇賀神までロングフィード、これを絶妙なタッチで落とすと中央の長澤へグラウンダーのマイナスクロス、バイタルで収めた長澤は左足でグラウンダーのシュートを放つもクソンユンが左に倒れながら両手でキャッチ
- 潮目が変わったのはこの直後から、それまでの札幌の攻撃は長いボールを蹴ってトップの都倉に当てて起点を作るか、高い位置で奪ってショートカウンターかの2択だったが20分を過ぎたあたりから都倉や三好が中盤まで下りて来て楔をポストすると中盤の選手が前を向いてボールを受けそこからサイド或いは前線へ展開といったパターンを多用してきた
- 失点する24分までに札幌は都倉が1回、三好が3回の計4度この動きでチャンスメイクし4度目で見事同点に追いついて見せた
- 札幌のこのパターンが上手くいったのは前線が下りてくる動きをするようになったこと以上に、レッズの側にトランジションの遅れが目立ち始めたことが大きく、レッズが止められるとしたら落としたボールを相手の中盤が受けてからの対応だったように思われる
- レッズのこの日の攻撃に関しては、ここ数試合で見られた岩波からのフィードやサイドチェンジは鳴りを潜め(というか全然通らない)宇賀神のロングスロー、高い位置で奪ってショートカウンター、マウリシオのロングフィードといったパターンから始まっていた
- この中で最も有効だったのはショートカウンターで、何度か興梠や武藤へのスルーパスを出すシーンが見られたが触れずにGKにキャッチされるのが殆どだっただけに急いで前に出さずにもう少し相手を押し込んでからの崩しが見てみたかった
- 札幌とレッズ双方に言えることだがロクに通らない長いボールを蹴って前で収まらずボールロストというシーンが何度も見られたのは退屈だった
- 昨季と比べるとかなり物足りないパフォーマンスが続いていた阿部はこの日は今季一番いい出来だった
- 37分の橋岡が倒れたシーンは完全にPKを貰いにいったプレー、若いうちからああいうプレーに頼って欲しくはない
- 39分、西川のゴールキックから敵陣ミドルサード右で橋岡が菅に競り勝って前にボールを送る、これを興梠が戻りながら胸で落とし武藤が受けて右前方のスペースへ縦に出す、右を駆け上がる橋岡の前に菅がボールに触るも外に出そうとしたボールが橋岡に当たり橋岡が奪う、すぐに福森が寄せるが前の武藤へリターン、そのまま持ち上がった武藤はペナルティエリア右のライン上まで来るとバックパス、バイタル右ハーフスペースで興梠が左の柏木へフリック、柏木はダイレクトで阿部へバックパス、阿部も右足のダイレクトで浮き球のフィードを左ハーフスペースのバイタルの宇賀神へ出す、このボールを軽くジャンプしながら右足のフリックでエリア内の左ハーフスペースへ出すと柏木がこれに反応、スペースに走り込んで左足のダイレクトのシュートを放つがニアサイドを狙ったシュートはクソンユンのビッグセーブに阻まれる
- 後半序盤は、無理な長い縦パスをカットされて被カウンター、奪い返しても札幌の即プレスでボールロスト、枠外ではあるものの被シュート、これらがそれぞれ複数回見られレッズはひたすら攻め込まれた
- ポゼッションを札幌に許し一方的に攻め込まれる時間が続くものの完全に崩されて作られた決定機はほぼ無かった
- 50分、自陣深い位置から西川のFK、敵陣右サイドで橋岡が頭で合わせ中へ送る、荒野が右足でクリアしようとしたボールは左ハーフスペースの武藤の下へ、ワンタッチで落として即興梠へ出す武藤、バイタルで収めた興梠はエリア内左角まで進入したところでバックパス、宇賀神がダイレクトの右足で地を這うミドルシュートを放つもクソンユンがガッチリキャッチ
- 77分、森脇が投入されたあたりから攻め疲れからか札幌の怒涛の猛攻は落ち着きを見せる
- 81分、敵陣右サイド深い位置で森脇が白井からボールを奪うとこぼれ球を武藤が拾ってエリア内で3人に囲まれながら縦に仕掛け突破すると右足のシュート、キムミンテのシュートブロックによりボールはラインを割り右CK獲得、キッカーは柏木、エリア内中央の密集地帯にアウトスイングのボールを放り込む、槙野が頭で合わせるとクソンユンの真上に飛んだボールを右手でセーブされる、後半唯一にして最大のチャンスだった
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=44743
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