2018年12月31日月曜日

2018 J1リーグ 第34節 FC東京戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半8分。
レッズから見て左CKを獲得。
キッカーは柏木。
レッズはペナルティマークを中心に3バックに橋岡と李を加えた5枚を配置し東京もマンマークで同数5枚を付ける。
柏木は左足でアウトスイングのボールを中央の密集ほぼど真ん中に放り込むと橋本との競り合いを制した李が頭で合わせ右サイドネットに流し込んだ。
李のマークは橋本だったようだが前に後ろに細かくフェイントを入れた李の動きに僅かながら橋本はマークを外されてしまっている。

■1失点目
後半0分。
東京ボールで後半開始。
ファーストタッチで後ろに戻し森重のロングフィード。
レッズ最終ラインまで届いたボールをバイタル(東京から見て)左で岩波が頭で跳ね返す。
東が後ろから突っ込んで頭でディエゴに合わせる。
バイタル左でディエゴが受けると背後から阿部、前から柏木のプレスで挟まれそうになるもギリギリで室屋までボールを戻す。
アタッキングサード入口の右ハーフスペースで前を向いてフリーで受けた室屋はエリア内右のスペースへ縦に出すと東が受ける。
ゴールに背を向けた状態で背後に槙野を背負った東は時計回りにターンし槙野と柏木をかわすとエリア内中央でフリーのディエゴへラストパス。
ダイレクトで右足を振り抜くとゴール右隅に流し込み同点ゴール。
2度ボールを奪いに行って2度ともかわされる柏木、東にあっさり前を向かれる槙野、ポジションを放棄してラストパスを通される青木、と複数のお粗末な守備による失点。
外国人アタッカー相手だと簡単にはやらせない槙野が東にあっさりラストパスを許したのが最も残念。

■2得点目
後半1分。
レッズ自陣で槙野が倒されFK獲得。
ディフェンシブサード右から岩波がアタッキングサード左まで放り込むと李と競り合ったチャンヒョンスの背中に当たりこぼれ球を荻原が左タッチライン際で収める。
前後を室屋と東に挟まれるも室屋の股を抜き抜け出した荻原はカットインしようとしたところをチャンヒョンスに倒される。
これがファウルの判定でFK獲得。
ペナ左角から4mくらい手前の位置で橋本がボールを止めボールに背を向けた瞬間、ソロソロと近付いた柏木がいきなり左足でエリア内中央へ放り込むと示し合わせるように狙っていた柴戸がダイビングヘッド。
ゴール左隅に突き刺さり柴戸のレッズ初ゴールで勝ち越し弾。
後半開始から僅か20秒で不意打ちを食らうように失点したレッズがお返しとばかりに不意打ちに成功。
上手くいこうがいくまいが、どれだけリスクがあろうが、レッズが取り憑かれたようにクイックリスタートを常に狙い続ける癖があることはレッズサポーターならよく知っている。
あの位置で簡単にボールから目を離したFC東京はスカウティングが足りなかったのかもしれない。

■3得点目
後半21分。
ディエゴのオフサイドでレッズ自陣深い位置から西川のフリーキック。
左足で一気に東京最終ラインまでロングボールを蹴り込むとナバウトが頭で逸らしライン裏へ抜け出す。
自らボールを収めペナ右角からエリア内に進入するとエリア内中央へ折り返しのラストパス。
後ろから詰めた李がフリーで左足のアウトサイドをゴール左へ沈め追加点。

■2失点目
後半41分。
西川のロングフィードを(東京から見て)左タッチライン際で橋岡と競り合った小川が頭で相手陣内へ跳ね返すと柴戸が後ろ向きでクリア。
東京自陣ミドルサード左で高萩がセカンドボールを収め前線へ浮き球のライナーを供給。
レッズ自陣中央でリンスがこれをトラップする瞬間を狙って背後から宇賀神がプレスをかけるもファーストタッチでディエゴへ逃がされたため宇賀神は見事に空振り。
逆に宇賀神の空けたスペースへディエゴがボールを出すと室屋がバイタル右からダイレクトで右足のクロスをエリア内ファーサイドへ。
これを前田が頭で合わせるとボールはゴール右サイドネットへ。
現地観戦していた感想としては平川投入直前で観客は浮ついた空気になっていたのが印象に残っている。
少なくともピッチ上の選手たちはそうではなかったと信じたいが…。

■ベストプレーヤー
李忠成
スタメンは6月のルヴァンカップアウェイ甲府戦以来、フル出場は5月のルヴァンカップホーム広島戦以来となった李だが、改めてこの日の活躍ぶりを見ると興梠とも武藤とも違うタイプであり今のレッズでも活きる道があることを十分示した結果となった。
対人に強いとか空中戦に強いといったわけではないものの、狭いスペースでも簡単にボールロストしないテクニックと決定力の高さは興梠に匹敵する。
この試合に限って言えばナバウトとは相性が良さそうに見えた。
個人的には好きな選手なのでフロントには全力で慰留に力を注いで欲しいが去就のほどは果たして。
次点で2アシストの柏木。
フル出場さえできれば荻原も評価できる内容だった。

■ワーストプレーヤー
アンドリューナバウト
確かに決勝点のアシストという決定的な仕事は果たしてくれた。
だがそれ以外が悪すぎた。
4,5mほどの距離でのショートパスすらズレたりサイドに開いてクロスを入れても誰も触れずラインを割る。
ドリブル突破を仕掛けてはボールロスト。
そして全く同じことが柴戸にも当てはまりほぼ同率で柴戸もワースト。
とにかく通らないスルーパスを量産していたが例えば武藤や興梠なら柴戸のスルーパスは通っていただろうか?
岩波や柏木にも同じことが起きていてこの日のレッズは全体にチグハグな連係を90分繰り返していた。

■総評箇条書き
  • この日は4日後の天皇杯準決勝を見据えて多くの主力を欠場、またはベンチスタートさせサブ組を多くスタメンに起用した
  • 普段期待してはいるもののレギュラーメンバーの壁が高くなかなか出番の回ってこないサブ組の選手たちの奮闘に期待したが、(既に実力が証明されている李を除くと)その期待に応えたのは荻原だけだったように思える
  • 序盤東京はディエゴを狙ったロングボールを中心の攻撃を繰り返す
  • 一方レッズの攻撃もこれまたロングボール中心で橋岡を狙って起点を作りセカンドボール勝負に持ち込むいつもの攻め方
  • 1:10の被ミドルシュートは青木の柴戸へのパスがズレたのをキッカケに中盤でボールロスト、ショートカウンターを食らう
  • 3:27、4:23、柴戸がナバウトにスルーパスを出すもどちらも通らない
  • 4分のFK獲得は右サイドで橋岡がヒールで落としきっかけを作り、柴戸の雑なスルーパスを相手がクリアしたのを橋岡が全力で拾った賜物
  • 1:00の青木、3:45のナバウト、5:47の阿部、6:54の荻原、なんでもないショートパスがズレて繋がらないレッズ
  • 序盤のナバウトははっきり言って空回り、ボールサイドによく顔を出す割にはすぐボールロストするのがなんとも残念
  • 柴戸もやや期待外れ、ラストパスの出し手としても受け手としても結局一つもシュートへ繋げることができなかった
  • 10分、18分、相手の外国人CFを潰すことにかけては定評ある槙野がこの日はディエゴオリヴェイラに1on1で悉く敗北を喫する、最初の失点シーンも東相手にエリア内で軽々と前を向かせてしまった
  • 橋岡はこの日も通らないクロスを連発
  • レッズにとっての柏木が攻撃に欠かせないピースであるのと同様に東京の攻撃の起点は高萩のはずだがその意識も警戒心も低いのか高萩にフリーで楔を入れさせるシーンが複数あった
  • 天皇杯鳥栖戦以来、この日は38日ぶりの復帰となる青木だが本調子にはほど遠い出来で細かいミスもさることながら特に攻撃面では何も力を発揮できなかった
  • この日はいつものように先制してから自陣に引きこもりポゼッション放棄とはならず果敢に攻めていたが、18分を過ぎたあたりから徐々に危険なシーンを作られていった
  • 18分、森重の楔一本で最後はディエゴにゴール前でフリーで打たれ、27分はディエゴの楔を青木がアシストしてしまいまたもエリア内でシュートを許し、28分にも永井にエリア内で前を向かれた状態でシュートを打たれていることからこの日の守備のヤバさが露呈する、マウリシオ不在の穴は大きい
  • 逆に言えばここで失点せず前半リードしたまま折り返すことができたことがこの試合の最大の勝因となった
  • そしてこの危険な時間帯を乗り切ると東京の猛攻は一旦落ち着く、レッズの守備がやや整理されたようにも見えた
  • 後半開始早々の同点、即勝ち越し弾と試合が動き再び東京の猛攻が開始される
  • 一方的に押し込まれた原因はディエゴによく収まり前線で起点が作れることと、セカンドボール勝負に負けたこと、長澤不在が響いたように見える
  • 後半開始から67分までに実に8本ものシュートをレッズは被弾することになるが最後は必ず足を出してシュートブロックがかなり成功していたためそこまで西川の出番は無かった、ヒヤリとしたのは63分のディエゴのエリア外からのシュートくらい
  • この圧倒的に試合を支配していた時間帯に得点できずにいると逆に失点してしまうのがサッカーというものであることを全く流れがないところから追加点を決めたレッズが見せつけた
  • この追加点以降、守備は相変わらず安定しないながらもシュートを打たせない守備には成功し、宇賀神や長澤といったレギュラー組の投入も奏功し徐々に東京攻撃陣を沈黙させる
  • 特に長澤の安定感は実に素晴らしく出し所を探しながら敵陣で悠々とボールを保持し時間を使うプレーに感心した
  • この日の柏木はやたらとミドルシュートを連発していてシーズンノーゴールを回避したい思いが伝わってきたが、ならせめて枠には飛ばして欲しい
  • この後の天皇杯でもベンチ外となった平川の正真正銘のラストゲームを勝利で飾れたことと、李が欠かせない戦力であることを示せたこと、天皇杯に向けて主力を温存し勝てたこと、この日の良かった探しはこの3つだけ
  • お互いにガバガバな守備とスコアから、なんとなく28節ホーム柏レイソル戦を思い出したのは自分だけではないはず
  • スプリント数にして60回以上もの差をつけられて何故勝てたのか不思議で仕方ない
<参考>
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=50980

0 件のコメント:

コメントを投稿