スターティングメンバー
■1失点目
前半36分。
レッズ自陣ミドルサード(鹿島から見て)左から土居の横パスをアウトサイドの山本が受ける。
パスアンドムーブで土居が真っ直ぐ上がると青木が引っ張られそこに空いたスペースにボールを出す山本。
下がった安西が滑り込みながら前へ出すとスライドした青木と食いついたマウリシオの間を通されセルジーニョにボールが渡る。
バイタル中央で受けたセルジーニョは山本のコーチングでエリア内左ハーフスペースの山本へパス。
ダイレクトの右足で山なりのクロスをぽっかり空いた逆サイドへ放り込むと後ろから走り込んだ西が右足のアウトサイドでボレーを放つ。
宇賀神と青木の間をすり抜け西川も触れずゴール左に鋭く突き刺さり先制点。
セルジーニョにボールが入った瞬間山本は森脇の背後を一気にダッシュしてボールを要求しているが、一方の森脇はと言うと背後のスペースを突かれていることにも気付かずフラフラとボールサイドに寄っていき結局山本にフリーでクロスを上げさせている。
西を誰もケアしていなかったことや簡単に食いついたマウリシオや青木の対応等も問題ではあるが未然に防げたとしたら森脇だったと思う。
■1得点目
後半6分。
(レッズから見て)左CKを獲得。
キッカーは柏木。
ペナルティマークを中心に槙野岩波マウリシオのレッズDF陣が固まりその3人を昌子山本小笠原チョンスンヒョンの4人が囲むようにマーク。
左足でアウトスイングのボールをニアサイドに放り込むと岩波が頭で合わせてゴール右サイドネットへ流し込み同点。
柏木が蹴る前に細かい駆け引きを繰り返し岩波だけがニアに飛び込んで左足でしっかり踏み切り軌道を変えるだけの絶妙なヘディング。
クォンスンテは一歩も動けず。
■2得点目
後半14分。
宇賀神からのバックパスを敵陣ミドルサード左ハーフスペースで受ける青木。
バイタル中央にボールを入れると下がりながら受ける武藤。
小笠原が食いついてくるも2タッチ目で時計回りにターンするとあっさりかわし前を向き豪快に左足を振り抜きゴール右隅に突き刺した。
どちらかと言えば泥臭いゴールの多い武藤のこんなゴラッソを見るのは本当に久しぶり。
■3得点目
後半47分。
ペナルティエリアで阿部が奪ったボールを青木が引き取り前方のナバウトへ出す。
昌子のプレスから逃げるように右タッチラインへ退避し首を振って武藤の上がりを確認すると右足で浮き球のフィード。
ミドルサード右でこれを収めた武藤は中央へ進路を変えると背後に昌子、前にチョンスンヒョン、左に永木の3人に囲まれる。
体を左に振って相手の体勢を崩してから右足でチョンスンヒョンの股下を通し完全に抜け出す武藤。
右から迫る昌子に対しあえてコースを右に変え昌子の進路に先に体を入れる武藤。
エリア内まで進入し右足を振り抜くと再びクォンスンテの股下を抜いてダメ押しの追加点が決まった。
■ベストプレーヤー
武藤雄樹
試合序盤から何度も仕掛けては抜き仕掛けては突破し再三チャンスメイクしていた武藤。
ほんの少し前までなら「成功した試しなんか無いんだから余計なことしないで周りを使え!」とTVの前で罵声を浴びせていたものだが、これだけのパフォーマンスを見せ付けられたら「もう好きに仕掛けまくってくれ!」と言わざるを得ない。
この手の個人技は今よりゴール数を稼いでいた2,3年前には見られなかったものであり「浦和のエースナンバーを背負っていたあの頃の武藤が帰ってきた」という表現は適切ではなく未だ進化し続ける新たな武藤が見れたと言うべき。
ラストのダメ押し弾に至っては、3人を抜き去ったスキルよりも90分+AT2分走りに走って自陣深い位置からのロングカウンターを独力で見事決め切ったことに感動した。
次点で同点弾で逆転の口火を切った岩波。
同点弾だけでなくこの日は3バックの中で最も攻守に貢献度が高かった。
長澤も疑惑のシーンさえ無ければ攻撃面での評価は高かったのだが・・・。
■ワーストプレーヤー
なし
飛び抜けてワーストと言える選手こそいないものの複数の選手のプレーに不満を覚えた。
青木はトラップが大きくなってボールロスト、柏木もゴール前でトラップミスによりチャンスロス、長澤はエリア内であわやPKもののバックチャージ、森脇は失点シーンで悠々ジョグで戻り易々とクロスを上げさせた。
長澤以外は全て前半に集中しているミスでありこれらを減らすことができていればもう少し楽に勝てた可能性もある。
サポーターは相手によって因縁や怨恨の感情も増減するのは仕方ないとしても、選手たちは慌てることなく可能な限り冷静に努めあくまで34試合のうちの1試合としてプレーして頂きたい。
■総評箇条書き
- 1分、クソンユンのフィードをアタッキングサード左ハーフスペースで宇賀神がカット、左足でエリア内ファーサイドの興梠へクロス、胸でトラップしチョンスンヒョンのディフェンスに前を向けず時計回りにターンするとぽっかり空いたバイタル中央のスペースにグラウンダーのボールを出すと森脇が左足でダイレクトのシュートを放つもボールはバーの上
- 鹿島は守備時、立ち上がりこそ前から行く姿勢を見せたもののレッズが主導権を握ると前線の選手は中盤との距離感を気にして前から来なくなっていった
- 序盤のレッズの攻撃のポイントは宇賀神を狙ったサイドチェンジや武藤、長澤が下りて前線につなぐビルドアップ
- 9分、敵陣中央で宇賀神からの横パスを下がって受けた武藤、前を向くと武藤が空けたスペースに左から走り込んだ柏木へ縦に出す、エリア内で受けた柏木はチョンスンヒョンのディフェンスに前を向けずそのまま右へ流れると森脇へ戻す、ペナ右角で受けた森脇はさらに岩波まで戻す、岩波は右に開いていた柏木へ縦に出す、ゴールに背を向けたまま受けて下がりながら中を見ると左へ少し移動してからチョンスンヒョンと安西の間を通しバイタル右ハーフスペースの長澤の足元へ縦パス、フリーで受けた長澤はエリア内中央の武藤へパスを出すと同時に中へダッシュ、永木を背負ったまま長澤へリターンするとダイレクトで左足のシュートを放つもボールは右ポストを直撃しそのままゴールラインを割る
- 11分、西川のゴールキックを敵陣で森脇が山本に競り勝ってバックヘッドで前線へ、後ろから足を出したチョンスンヒョンにも倒されずに収めた興梠が右アウトサイドの武藤へ横パス、切り返しで山本を、ルーレットで昌子をかわしバイタルエリア右の長澤へ出すとエリア内右ハーフスペースをそのまま直進した武藤へスルーパス、抜け出した武藤はダイレクトで右足のシュートを放つもボールはクロスバーを僅かにかすりゴールラインを割る
- 武藤、興梠は序盤から調子が良さそうでキレのある動きを見せていたが対照的に精彩を欠いていたのが柏木と青木だった
- 荒いチャージ、雑なホールディングを食らっても痛がらずすぐ立とうとする興梠と武藤が素晴らしい
- やたらと柏木への警戒心が高いようで、柏木が動き出すと下がってボールを受ける動きでも前に出る動きでも誰かしらが食いついてくるので柏木が囮になってスペースを作って興梠が受けるシーンが2度あった
- お互いにファウルの多い試合ではあったがヒートアップする会場をよそに選手自身はつとめて冷静に振る舞っていた
- 鹿島の守備がバタバタしなくなったせいかレッズは中盤にもサイドにも繋がらなくなると徐々に試合は鹿島ペースに
- 先制されて以降もレッズがボールを握る時間が続くがゴール前での崩しのアイデアが足らずなかなかシュートまで持ち込めない
- 50分、レッズ自陣ミドルサード右で岩波からハーフウェイラインのタッチライン際の森脇へパス、森脇は左足で浮き球のボールを前線右ハーフスペースの興梠へ出す、ペナ右角で収めた興梠は縦への仕掛けを見せてチョンスンヒョンを抜き切らずに中へクロス、中で武藤がヘディングをほぼ空振り同然にかするとファーサイドの宇賀神が左足のダイレクトでシュートを放つもボールはGK正面でクォンスンテがセーブ、こぼれたボールを西が外へ出しゴールラインを割る
- 後半早々に今度は昌子に武藤や長澤をエサに食いつかせてその背後のスペースを突いて崩そうとするシーンが2度見られた
- 逆転後のレッズは例によって「ボール持ちたくないマン」に変身しマイボールにしたら蹴っ飛ばし引き気味の守備でセカンドボールを悉く奪われるのと相手の交代カードによって防戦一方になり再三ゴールを脅かされることになる
- 特に鈴木への執拗なタックルやチャージによって山のようにFKを与えていたが、鹿島はセットプレーにおいて必ず最後はゴール方向にボールを飛ばしていたのが枠外であっても十分な脅威になっていた
- 競り合いに負けるならまだしも競り合うことすらできずにフリーで合わせられるシーンを何度も見ているとお世辞にもセットプレーの守備が向上したようには見えなかった
- 80分、レッズから見て左CKを鹿島が獲得、キッカーはセルジーニョ、速くて鋭いボールを中央に放り込むと興梠が頭で跳ね返す、こぼれ球を武藤が左サイドで後ろ向きで収め永木が背後からプレス、時計回りに大きくターンし前を向くと背後のスペースに小さく蹴り出し一気に抜け出す武藤、敵陣ミドルサード中央までドリブルで持ち込むと左サイドに開いていた柏木へパス、左足でクロスを放り込むも詰めた柴戸は届かない
- この日一番面白かったのは何度もやり合った武藤と昌子のマッチアップ
- 長澤×小笠原もなかなかのバチバチ具合
- 遠藤にガッツリ股間を掴まれ一瞬悶絶する青木
— ChangebyRed (@ChangebyRed) 2018年11月4日
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=49058
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