2022年11月13日日曜日

リカルド・ロドリゲス監督解任によせて

先月31日にリカルド・ロドリゲス監督の監督職の解除が発表された。リカルド監督と歩んだ浦和レッズの2年を振り返りどんな監督だったか、どんな2年間だったかを残しておく。

リカルド ロドリゲス監督との契約について | URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

■1年目
開幕戦のホームFC東京戦の衝撃が今でも忘れられない。2020年までのレッズのサッカーはとにかくビルドアップがメタメタで中盤より前にボールが出せないし運べないし蹴れないしで酷かった。西川か岩波が橋岡目がけて蹴っ飛ばして繋がればラッキーくらいのパターンしか思い出せない。ところが開幕戦で見せた新生レッズのビルドアップは有利な立ち位置でボールを受けスムーズに前を向き劇的に改善されていた。

もっとも順調な滑り出しとは言えず6節までで1勝3敗2分け(カップ戦も1敗1分け)で苦しい立ち上がりとなった。怪我人の復帰やシーズン中に次々に加入が発表される新戦力もあり4月から着実に結果がついてくるようになる。リーグ戦では終盤に失速を見せたものの終わってみれば勝ち点63で6位フィニッシュ。天皇杯を優勝しACL出場権まで得られたのは望外の結果だった。

■1年目のオフシーズン
1年目終了時点でのいちサポーターとしての来季に向けた勝手な期待は「1年目に築いたサッカーをベースに弱みを克服し強みをさらに伸ばした順当な強化」といった方向性でのチームビルドを期待していた。ところがいざ2022シーズンが始まってみるとレッズのサッカーはその期待を裏切るものになっていた。フットボール本部が当初に掲げたコンセプトと1年目に見せたリカルドのサッカーに乖離が見られたためおそらくそこへの軌道修正を強く意識したトレーニングと補強を進めたものと思われた。

「チームコンセプトに準じて評価しているので、そのフィードバックは半期に1回やりました。ポゼッション重視なんだけれど、レッズのカラーとして縦に速いサッカーも求められているし、魅力でもあると。だから、『速攻ができるときには狙うべきではないか』といった要望もクラブとして伝えました。リカルドも理解してくれています。
【西野努TDインタビュー】「プロは勝たないと説得力がない。だからこそ『悔しい! 今に見てろ!』と」

そのためのオフシーズンの大幅な放出と加入だと考えれば納得がいく。具体的なソースこそ見つけられなかったもののオフの編成も監督よりフットボール本部主導によるものだったのでは。その結果どうなったかと言えばコンセプトの体現はおろか1年目に出来ていたことすら失われてしまうマイナス収支の補強になったことが開幕してから明らかになった。

■2年目
リーグ戦は5節磐田戦を最後に1敗8分けで9試合勝ち無し。天皇杯は3回戦敗退。ACLでもグループステージ突破はなんとか果たしたものの大邱FCには1ゴールも奪えず課題は残ったまま。折り返しの17節名古屋戦くらいからリーグ戦でも勝ち星を積めるようになりACLも過酷な日程ではあったもののホームの利を活かして決勝進出。しかし好調は長く続かず1年目同様終盤は失速し勝ち点45で9位フィニッシュ。監督解任が発表され今に至る。

■リカレッズの終焉
掲げたコンセプト実現のために獲得した選手が間違っていたか、そもそもリカルドにその適性が全く無かったかはわからないが「二兎を追って一兎も得られず」なシーズンに終わってしまったリカレッズの2年目。

コロナ感染やコンディション不良や怪我人にシーズン中ずっと悩まされたことは監督に同情の余地がある。しかし編成の失敗さえ無ければ使いたくても使えない選手が出たとしても勝ち星が拾えていたのでは。シーズン中の補強が1年目の6人と比べ今季はたった2人だったことも苦しむ監督をフロントがフォローできなかった。なので2年目の失敗の根本原因は昨季オフの編成の失敗に集約されるというのが個人的な結論になる。

とは言えリカルドに全く非が無いわけではなくフットボール本部の掲げるコンセプトは就任当初から聞かされていたはず。それを実現しないまま1年目にある程度の結果を出したがそれで良しとせず監督にさらに要求したこと自体も悪くはない。問題は軌道修正をやり過ぎたことにある。

慎重に慎重を期して少しずつやるべきところを1年目のオフで大きく舵を切り過ぎてしまった。性急に事を進め過ぎた。そこまで急いだ理由は何か。ここで3年計画がネックになる。「優勝という計画は達成できたのにコンセプトは全く実現できませんでした。」とはさすがに言いたくなかったのかもしれない。

2年目が失敗に終わり解任も発表されてしまった今となっては1年目の路線を継続したリカレッズを見てみたかったとつくづく思う。この2年で得られた学びが「フロントの失敗からの成長」だけでなくリカルドが植え付けたサッカーも来季に活かされることを願いたい。

2022年9月22日木曜日

今夏移籍選手の浦和レッズとの対戦経験

移籍して加入した選手、放出された選手がレッズにとって相性が良かったか悪かったかを調べてみた。
調査対象は国外からJ1クラブに加入及びJ1クラブから国外へ移籍した選手の浦和レッズとの全試合を調査。

2022/6/22 スパチョーク
ブリーラム・ユナイテッドFCより北海道コンサドーレ札幌に期限付き移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2019.03.06ACL浦和3-0ブリーラム9000
2019.05.07ACLブリーラム1-2浦和9000

2022/7/1 上田綺世
鹿島アントラーズよりサークル・ブルージュKSVに完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2019.07.31J1浦和1-1鹿島100
2019.11.01J1鹿島1-0浦和1700
2020.07.12J1浦和1-0鹿島2300
2020.11.29J1鹿島4-0浦和7220
2021.04.03J1浦和2-1鹿島9000
2021.11.07J1鹿島1-0浦和7200
2022.05.21J1浦和1-1鹿島9000

2022/7/29 エメルソンサントス
柏レイソルよりアトレチコゴイアニエンセに期限付き移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2021.05.05ル杯3-3浦和9000
2021.10.22J1浦和5-19000

2022/7/7 キムスンギュ
柏レイソルよりアル・シャバブ・サウジに完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2016.06.25J1浦和3-1神戸9000
2016.08.27J1神戸2-1浦和9000
2017.04.01J1神戸1-3浦和9000
2017.10.14J1浦和1-1神戸9000
2018.04.11J1神戸2-3浦和9000
2018.09.23J1浦和4-0神戸9000
2019.04.20J1浦和1-0神戸9000
2020.10.14J11-1浦和9000
2021.10.22J1浦和5-19000

2022/8/22 田中聡
湘南ベルマーレよりKVコルトレイクに期限付き移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2020.12.12J1浦和0-0湘南9000
2021.04.28ル杯湘南0-0浦和8700
2021.06.20J1浦和0-3湘南8301
2021.08.29J1湘南0-0浦和9000
2022.03.06J1浦和2-0湘南9000

2022/6/19 北川航也
SKラピード・ウィーンより清水エスパルスに完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2015.06.07J1浦和1-0清水300
2017.05.20J1浦和3-3清水900
2017.08.27J1清水1-2浦和2200
2018.04.15J1浦和2-1清水5900
2018.08.19J1清水3-3浦和8701
2019.04.28J1清水0-2浦和8000

2022/7/24 松原后
ジュビロ磐田に完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2015.06.07J1浦和1-0清水9000
2017.05.20J1浦和3-3清水9000
2017.08.27J1清水1-2浦和9000
2018.04.15J1浦和2-1清水9000
2018.08.19J1清水3-3浦和9000
2019.04.28J1清水0-2浦和9000
2019.10.06J1浦和2-1清水9000

2022/6/30 齋藤学
名古屋グランパスより水原三星ブルーウィングスに完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2008.12.06J1浦和1-6マリノス7200
2009.03.29ナ杯マリノス0-1浦和2900
2010.06.09ナ杯浦和0-0マリノス9000
2011.12.17天皇杯愛媛1-3浦和9000
2012.05.03J1浦和1-2マリノス9010
2012.09.15J1マリノス1-2浦和9000
2013.07.17J1浦和2-3マリノス9010
2013.08.28J1マリノス3-0浦和9001
2014.04.29J1浦和1-0マリノス3200
2014.11.03J1マリノス0-1浦和9000
2015.04.18J1浦和2-1マリノス9000
2015.08.29J1マリノス4-0浦和9020
2016.11.03J1浦和1-1マリノス9000
2017.02.25J1マリノス3-2浦和9002
2018.05.02J1川崎0-2浦和3800
2018.08.01J1浦和2-0川崎1200
2019.02.16ス杯浦和0-1川崎2000
2019.11.05J1浦和0-2川崎9000
2020.09.20J1浦和0-3川崎8901
2021.05.30J1浦和0-0名古屋1600
2021.12.04J1名古屋0-0浦和700

2022/7/1 鈴木武蔵
KベールスホットVAよりガンバ大阪に完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2012.05.12J1浦和1-1新潟SUBGA
2013.08.31J1浦和1-0新潟800
2014.07.19J1浦和1-0新潟6100
2016.10.22J1新潟1-2浦和3100
2017.05.14J1新潟1-6浦和6410
2017.07.09J1浦和2-1新潟8900

2022/7/27 小林祐希
江原FCよりヴィッセル神戸に完全移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2012.07.28J1浦和2-0磐田3000
2016.03.06J1浦和1-2磐田9001

2022/7/18 橋本拳人
SDウエスカに移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2016.06.22J1浦和3-2東京9010
2016.09.17J1東京1-3浦和9000
2016.10.05ル杯東京1-2浦和9000
2016.10.09ル杯浦和3-1東京9000
2017.04.16J1東京0-1浦和9000
2017.08.19J1浦和2-1東京9010
2018.12.01J1浦和3-2東京9000
2019.03.30J1浦和1-1東京9000
2019.11.30J1東京1-1浦和9000
2020.07.18J1東京2-0浦和9000
2022.06.26J1神戸0-1浦和9000

2022/8/16 ジュニオールサントス
サンフレッチェ広島よりボタフォゴFRに期限付き移籍
開催日大会ホームスコアアウェイ出場
時間
GA
2020.11.14J1マリノス6-2浦和9030
2021.05.26J1広島2-2浦和9000
2021.08.25J1浦和1-0広島5400
2022.05.13J1浦和0-0広島9000

一番の天敵は通算で4ゴール4アシストされた齋藤学と言えるか。というよりジュニオールサントスにハットトリックされていることからもマリノスが苦手過ぎるだけな気もするが。
意外にも上田からは2ゴールしか被弾していなかった。もっとやられているイメージもあったが。

2022年8月6日土曜日

2022 J1リーグ 第23節 川崎フロンターレ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは小泉が江坂に、ショルツが知念に変更。川崎は相手都合により22節が延期になったため21節からのメンバー変更はチャナティップが遠野に、山根が瀬古に、佐々木がシミッチに、車屋がジェジエウに変更。

■おおまかな流れ
立ち上がりは立て続けにCKが2本とれたこともあってキックオフから3分間一度も相手に自陣に踏み込ませることなく先制に成功するレッズ。敵陣左サイドでボールを奪い合っている中で江坂が逆サイド大外のモーベルグに展開し右足クロスを上げて中でジェジエウと谷口の間に立った敦樹が頭で合わせて先制。

立ち上がりにいきなり失点してしまった川崎だが慌てる様子もなくボールを持てばじっくり攻め非保持ではじわっとプレスをかけてくる。やたらと長いボールを蹴っ飛ばしたり西川からのフィードを自陣で直接相手に奪われてしまったりとレッズのほうがよほど慌てていた。

ところが押されていたはずのレッズに16分に追加点。岩波が下りた松尾に長い縦を入れて左大外の関根に展開。出してすぐ走った松尾に関根はリターン。バイタルで受けたもののスリップしロストしかけたところを敦樹がすぐ拾って松尾の足元に転がりこんできたボールを右足をダイレクトで振り抜き追加点。

追加点を取って今度はレッズが落ち着いたものの、西川のフィードがいつもの精度ではなかったりモーベルグの守備が若干怪しかったり知念の足元がおぼつかなかったりで気を抜けないレッズ。川崎は川崎でそこを突いてくる様子もない。川崎にも小さいミスが多発していて決定機どころかシュート数自体増やせない。今季初の30℃超えという過酷な環境が双方にミスを生んでいるように見えた。

37分に脇坂が抜け出しダミアンがニアで合わせる決定機、その1分後に江坂のスルーパスにモーベルグが抜け出しループシュートを狙う等互いに決定機を1度ずつ作るもどちらもGKのファインセーブでゴールならず。30分以降は殆ど川崎がボールを握り続けたもののシュートはこの1本ずつで前半終了。

HTに交代はどちらもなし。じっくりボールを動かして押し込むまではスムーズだがそこから決定機までは作れない川崎と、奪ったら手数をかけず早めに縦に出してカウンターを意識するレッズ。過酷な環境下での消耗を意識してかいつになく早めにカードを切るリカルド監督は61分に酒井と江坂を下げて馬渡と小泉を投入。交代カードを切りたくても切れない川崎と違い圧倒的に有利なはずのレッズだが2枚替えをしても状況は好転せず相変わらず押し込まれ続ける。飲水タイムを挟んでまたも2枚替え。松尾と敦樹を下げてユンカーと柴戸を投入。ようやく少しポゼッションは回復。勿論追加点を奪うまでには至らない。

レッズが流れを取り戻しかけていた80分、柴戸がエリア内で橘田を倒しPK献上。家長が冷静にこれを決めて1点差にされてしまう。一気に反撃ムードも漂いかけた4分後に馬渡のスローインからユンカー、関根、最後に岩尾が飛び込んでダメ押しの3点目を決める。ATにダミアンにエリア内でオーバーヘッドを許しあわや失点しかけるも西川のセーブで難を逃れる。実に4年7試合ぶりの川崎からのリーグ戦勝利となった。

■ポジティブ
少ないチャンス一つ一つを確実にモノにして勝ち切ったこと。

■課題
映像でよくよく見直すとスコアほどの差は感じられない内容だった。ボールを易々と相手に渡し押し込まれる時間が長くなるのはレッズが本来やりたいサッカーではない。ベストメンバーを組めない中でも結果を出したことは評価すべきだがいつ誰を欠くかわからない今の状況だからこそ勝てている間に内容を見直して次に繋げて欲しい。

■気になった選手
西川
ゴールキックやパントキック等のフィードが全部で3、4回くらい相手にカットされたところ以外は最高のセービングでチームを救った。1回の決定機が1ゴールに相当するならこの日の西川は3ゴール稼いだことになる。マンオブザマッチ
関根
西川と関根のどちらをMOMにするか迷うくらい関根の働きも素晴らしいものだったが、帰陣の遅れと自陣でのファウルによるFK献上が気になったので関根は見送り。2点目で松尾に斜めに出したパスは普通ならカットされていてもおかしくないギリギリのコースだったし、3点目はあの時間にあの暑さの中最後まで走って走ってアシストした姿には感動した。
知念
リーグ戦初スタメンとなった知念だがまだ早かったという結論を出さざるを得ない。いきなりショルツの代役を務めて欲しいとは思っていないが例えば岩波のような中・長距離に右足から繰り出す高精度のフィードとか何かたった一つでも秀でたスキルを見せてくれれば今後に繋がる一戦になったと言えたかもしれなかったがこれでは岩波の代わりとしても心許ない。

2022年7月24日日曜日

2022 J1リーグ 第22節 清水エスパルス戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは大久保が関根に、大畑が明本に変更。清水は前節から片山が立田に変更したのみ。

■おおまかな流れ
オープニングでいきなり松尾のシュートがあり一気に主導権をレッズが握るかと思われたが3分にカウンター、5分に山原のミドル、6分にCKからこの日最も危ない場面を清水に作られ、立ち上がりは例によって押され気味のレッズ。3分や7分に見られたような最前線の神谷へのロングフィード1本でカウンターを狙う清水。

10分くらいから徐々にレッズの反撃開始。ビルドアップの要はショルツの持ち上がり。いつもはアドリブっぽい仕掛けでその先のパスが繋がらないがこの日は縦に出して松尾、裏に蹴って松尾と度々松尾にボールが入る。ポゼッションは回復するも圧倒的優勢というわけでもなく崩しの局面でなかなかシュートを打つまで至らないレッズ。お互いに決定機もピンチもないまま膠着状態が続く。

レッズにとってこの日最初の決定機が訪れたのは飲水タイム明けの31分。CKのこぼれ球を関根がダイレクトで合わせたが6分に西川が見せたビッグセーブに負けじと権田もここでビッグセーブ。ただここで見せた関根のプレーが伏線になったかのように41分に抑えのきいたグラウンダーのシュートを権田にファンブルさせこぼれ球を松尾が押し込みレッズが先制に成功。

後半1点リードのレッズは受けに回ることもなく積極的に前に出る。1点リードしてることもあり押し込んでからじっくり時間を使って確実なシュートチャンスを狙うレッズに対し、カウンターに全てを賭け多少強引でもミドルを放つ清水。61分に交代カードを切って2枚替えしてからは清水も押し込んでじっくり崩そうと試みる。清水はこの時間帯、SBを高い位置に押し上げレッズのブロックの外側に立たせて内のレーンとのコンビネーションや早めにアーリークロスを放り込むプレーでレッズゴールに迫る。前からのプレスがハマらなくなり押し込まれる時間が増えるレッズ。

70分にようやくこの日最初の交代カードを切るレッズ。すると前節同様またも投入直後の江坂のクロスから追加点が生まれる。左のスローインから後ろまで戻し逆サイドへ展開し外→内→外→内→外とテンポよく回しながら前進し最後は江坂のクロスに明本が飛び込み相手のオウンゴールを誘発し追加点。

76分に敦樹が白崎を倒しFKを献上すると山原が直接決めて清水に1点返される。その後レッズは交代でDFを増やしピッチにはっきりと残り時間の使い方を共有しなんとか逃げ切り成功。

■ポジティブ
前節同様交代策がハマり交代直後に追加点が生まれたこと。

■課題
何度かあった追加点のチャンスを決め切れなかったこと。1点返されてからの逃げ切り方、時間の使い方の拙さ、采配。

■気になった選手
関根
先制点の伏線になったシュートと先制点のきっかけになったシュートはどちらも素晴らしかったがそれ以外にも個人的に目を引いたのは間でボールを受けるプレー。そこからターンして前を向きドリブルなり縦パスなりでボールを前進させることに成功していた。惜しむらくはリードしてからの高い位置での1on1で何も出来なかったことと90分最後までやれなかったこと。あと69分にあったモーベルグのファークロスに反応できなかったこと。とは言え守備面でのポカも見られずむしろ素早い帰陣も高評価のためマンオブザマッチ
小泉
前プレスは引き続き精力的に励んでいて相手のビルドアップを阻害していた。松尾や関根が後ろから縦パスを引き出した時に次のボールを受けていたのが小泉で「居て欲しい位置に居る」姿に昨季の頼り切りなレッズを思い出した。
松尾
前線から下りて間で受ける動きも出来れば、前線で我慢して裏抜けを狙う動きも出来るし「CFWじゃない」と言われる選手だが板についてきたようにも見える。サイドに流れた時しっかり体を内に向けてクロスを入れるので密かに酒井や明本よりもクロスは上手いのではないかと睨んでいる。

2022年7月17日日曜日

2022 J1リーグ 第21節 FC東京戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは関根が大畑に、明本を小泉に変更。東京は前節から紺野が渡邊に、アダイウトンがディエゴに変更。

■おおまかな流れ
立ち上がりはお互いに長いボールを蹴り合って落ち着かない。東京は奪ったらディエゴ、松木、渡邊らを目がけて早めに縦に出す。ショルツや岩尾のミスでなかなか流れを掴めなかったレッズだが、ボールを失ってからの守備への切り替えは実に素早く序盤から度々ショートカウンター発動。相手のミスを誘うプレスを小泉が前からかけていて主に岩尾、敦樹が何度もボールを奪っていた。

8分にレッズがこの日1本目の繋ぐビルドアップからの酒井のシュートを見せて以降は試合はレッズの流れに。10分に敦樹のエリア内シュート、直後のCKで大久保のファークロスにショルツが合わせるシーンも。立て続けに決定機を作る。

すると飲水タイム明け程なくレッズに先制点。松尾と岩尾の前プレスで相手のビルドアップのミスを誘い超ショートカウンターからモーベルグが押し込んだ。失点後の東京はビルドアップが少し改善し後ろから繋いで前線まで運ぶことに成功もしたがシュートは直接FKで狙った一本にとどまる。

HTに東京は失点に絡んだ梶浦を紺野に交代。前半から引き続き前からプレスをかけてミスを誘って中盤で奪うレッズ。後半開始5分で早くも追加点。押し込んでから後ろに戻してやり直そうと岩尾から敦樹にボールが渡るとバイタルからグラウンダーの左足ミドルをゴール右隅に対角に突き刺した。

2点のビハインドを背負いようやく敵陣からプレスを開始する東京。56分にアクシデントが発生しディエゴと山下が交代。66分にはレッズも松尾、小泉、大畑を下げて江坂、明本、馬渡を投入する3枚替え。東京も長友と東を下げて鈴木と品田を投入。

すると前半同様飲水タイム直後にまたも追加点。馬渡のスローインを受けた江坂がクリア気味に逆サイドへ蹴ると右ペナ脇で収めたモーベルグが佳史扶を前に例のまたぎフェイントを入れながらカットインしシュートコースを作るように左へ持ち出す。佳史扶を引き付けてできたスペースに縦に出してオーバーラップした江坂がダイレクトで大久保へショートパス。大久保もダイレクトで右足を合わせニアサイドに突き刺し3点目。

小泉と松尾が下がっても明本と江坂が引き続き前から厳しくプレスをかけ続けたこともあってその後も主導権はレッズが握り続け何度もゴール前に迫った。その後岩波と知念、大久保と関根が交代し交代カードを全て使い切る。強引にミドルを打たれるシーンもあったものの西川のセービングもあり見事クリーンシートで勝利。

■ポジティブ
複数得点とクリーンシートで勝てたこと。3ゴール全てが流れの中からのゴールだったこと。最後まで相手に流れを渡さずに追撃の手を緩めなかったこと。

■課題
後ろから細かく繋ぐビルドアップが殆ど無かったこと。

■気になった選手
小泉
序盤から再三効果的なプレスでボールを奪ったり遅らせて時間を作ることが出来ていた。小泉のプレスの良いところはポジションなど関係ないと言わんばかりに遠い位置からかっ飛んできてボールホルダーへ容赦ないプレスを敢行するところ。ただボールを持った時にじっくり出し所を選びたがる性分は相手がラフなタックルばかりだと自分の体を痛める一方なのでたまにはフリックなんかも織り交ぜて適度に相手のプレスを無力化して欲しい。最悪審判によってはファウルをとらない場合もあるのだから。
酒井
ミスをした際にプロ1年目のルーキーのように足を止めて何かリアクションしているのはいかがなものか。アウトオブプレーになっていれば天を仰ぐくらいは誰にでもあるが続いているにもかかわらず膝をついて足を止めた48分のシーンはさすがに目を疑った。誰かと接触して怪我でもしたのかと一瞬心配した。
伊藤敦樹
松尾、小泉が前から厳しくプレスをかけて相手が強引に出した縦パスを岩尾や敦樹が奪う。ボール非保持、守備への切り替えの両局面においてこの日のレッズは計画的に組織的に守備が出来ていた。敦樹はいい守備に加えポジトラの局面でも度々前線に顔を出しシュートを3本放ち最高の時間帯に追加点をもたらした。マンオブザマッチ

2022年7月14日木曜日

2022 J1リーグ 第20節 京都サンガ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは大畑が関根に、宮本が酒井に、柴戸が敦樹に、小泉をモーベルグに、江坂を松尾に変更。京都は前節からレッズからレンタル移籍中の荻原がメンデスに変更したのみ。

■おおまかな流れ
キックオフ直後にエリア内までモーベルグが持ち込むチャンスがあったものの立ち上がりは京都優勢。レッズはプレスがはまらず京都のボール前進に規制をかけられず再三自陣深くに押し込まれる。6分に明本が倒されFKを獲得するとエリア内で岩波の顔にメンデスの手が当たりPK獲得。モーベルグが決めて先制に成功したが先制後も引き続きボールは京都が握り流れは変わらない。序盤から何度もレッズの左サイドを突破される場面が目に付く。京都はビルドアップでも崩しの局面でも武富がキーになって目立っていたがこれをレッズが捕まえ切れなかったこと、関根がスタメンから初のSBを任されたこと、岩尾や敦樹が相手の縦を切れなかったことなどが京都にボールを運ばれる原因になっていた。

ところがそんな劣勢の中でも決定機はレッズが作りCKから酒井の右足シュート、松尾の抜け出しからPK獲得等立て続けに追加点のチャンスを作る。どちらも追加点にはならなかったが。前半ラスト10分だけは劣勢からイーブンくらいまで持ち直した。

HTにレッズは明本と江坂を交代。おそらくはハマらない前からのプレスを改善したかったものと思われるがいきなりその効果が出たわけではないものの後半立ち上がりはレッズが京都を押し込み攻め続ける。ところが1本のCKを与えると武富にニアで合わせられあっさり同点を許すと、その直後ビルドアップのミスを突かれあっという間に逆転された。そのまた僅か3分後に岩尾のクイックリスタートから前線に長いボールを出すとモーベルグが収めて左足を振り抜き同点。

振り出しに戻って残り30分はシュート数も上回り決定機も3度作ったことからもレッズ優勢。5人の交代枠を全て使い果たした京都に対しレッズは85分に関根を大畑に交代し計2人代えただけで終わった。この日はかなり涼しく殆どの選手が最後まで走れていたため決してベンチに代えられる選手がいなかったというわけではなかった。

■ポジティブ
繋ぐことに固執せず割り切った攻撃でゴール前に迫り決定機を作れていたこと。

■課題
2回目のPK、ラスト30分で何度も作った決定機。これらを活かせず勝ち切れなかったこと。

■気になった選手
明本
キックオフ直後のモーベルグに繋いだポスト、先制点になったFKを獲得したシーン、前半終了間際のロングフィードを収めたトラップ。この日の明本は前線のターゲットとしてボールを引き出し、収めて何度も決定機を演出していた。
松尾
ラストパスを引き出すポジショニングにしろ抜け出すタイミングにしろ非凡なスキルを持っているのは間違いない。今のプレーを続けていれば歓喜の瞬間はそう遠くないのかもしれないが怪我人の復帰や海外からの新戦力が加わっても今と同じ出場機会を得られるかどうかはわからない。出番があるうちに結果を出さなければならないことは誰より本人が理解しているはず。
モーベルグ
ボール保持時、カウンター時、モーベルグは常にスプリントして右サイドの高い位置をとってくれたのはボールホルダーからすれば非常にありがたい存在だったはず。しかも出し手の精度の高さもあってか非常によく収まって何度もエリア内への進入に成功してチャンスメイクしていた。

2022年7月1日金曜日

2022 J1リーグ 第18節 ヴィッセル神戸戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは関根がユンカーに、敦樹が柴戸に変更。神戸は前節から菊池が汰木に、郷家が大迫に変更。

■おおまかな流れ
15節セレッソ戦を最後に戦列を離れていたユンカーの復帰戦となった試合だが開始5分で早々に負傷交代。キックオフ直後の最初のシュート後に既に右脚付け根部分を気にしていた。

立ち上がりレッズはいきなりアクシデントに見舞われたせいか8分までに計3本のシュートを相手に打たれやや劣勢。8分以降は敵陣でのプレータイムを伸ばし盛り返すがシュート数はあまり稼げず決定機もゼロ。レッズはいつものサッカーと比べると少し縦に急いでいたように見えた。いつもならボールを奪ったら一度戻してやり直そうとする場面でも強引に縦に出していた。

一方神戸はレッズの前からのプレスが効いていたせいか後ろから繋ぐビルドアップはあまり見せられずシンプルに蹴っ飛ばすボール多め。ターゲットは大迫か武藤。ただ相手の前からのプレスに苦しんだのはレッズも同じでビルドアップで西川まで戻して蹴っ飛ばしてボールロストといった場面が複数回見られた。自陣での不用意なファウルで何度か相手にFKを献上すると19分から流れは神戸に傾く。この時間帯レッズにとって最も危険なプレーを見せたのは汰木。幅を取って大外で受けてからのカットイン。対面の相手を抜き切らずに強引に入れるクロス。どちらもレッズはギリギリで耐えてなんとか跳ね返すことに成功していたが失点してもおかしくない危険な場面は何度か見られた。終盤に2度ほどカウンターを見せ神戸ゴールに迫ったもののトータルで見ればホームチームの前半で終わった。

レッズはHTに宮本と酒井が交代。すると後半開始早々何度も酒井がボール保持での違いを見せる。ビルドアップでは持ち前の推進力を発揮し崩しの局面では大久保と息の合った連携で神戸ゴールに迫った。他にも柴戸や大久保のポジショニング、岩尾の攻撃参加等もあり後半は45分通してほぼレッズの時間だった。神戸は汰木を下げたことや交代で出た選手が2度も同じ位置でファウルしFKを与えたことが結果的に勝敗を分けたように思える。結局はAT突入直前にその2度目のFKをモーベルグが見事叩き込みウノゼロでレッズが勝利した。

■ポジティブ
交代で入った選手が結果を出したこと。90分を通して守備で集中を切らさなかったこと。

■課題
流れの中からゴールを奪えなかったこと。

■気になった選手
岩波
前半序盤立て続けにミスを連発。クリアがどれもこれも中途半端で自陣で相手に直接収まってしまっていた。そしてファーストチョイスが「安全第一」過ぎて残念。ただ32分に見せた大迫を相手にシュートを打たせずクリアしたシーンには痺れた。
大久保
仕掛ける姿にばかり注目されがちだがボールを引き出すポジショニングが秀逸。ターンも上手い。そして最後まで衰えない運動量。43分に自ら作った決定機。走行距離、スプリント数両チーム含めてNo.1。今季初の90分フル出場。後半ショルツが珍しく主審に食ってかかりそうになった際にもなだめ役を買って出ていたのもグッド。マンオブザマッチ
明本
歪な編成のせいで何度もポジションチェンジが発生し便利屋として振り回される明本には同情するが栃木時代は1年ガッツリと務めたCFのポジションなのだからもう少しらしさを見せてほしい。あのポジションでシュート数ゼロはいかがなものか。それこそ往年の大迫のようなラフに蹴っ飛ばしたボールをレイオフさせて江坂あたりにフリーでシュートさせるのが正しい明本の使い方だと思うのだが裏抜けばかりさせようとしていた。つまり周りが彼の活かし方をわかっていない面もある。