2024年2月29日木曜日

2024 J1リーグ 第1節 サンフレッチェ広島戦の感想

昨季終盤には見る影もなくなっていたシーズン序盤の丁寧なビルドアップが形を変えて復活していて感動した。但し回数は前半はたったの2回でどちらもシュートは打てず仕舞い。

一方ロングボールを蹴った時の成功率はかなり低かった。サンタナが荒木らに完全に抑え込まれたせいでもある。サンタナ同様酒井へのロングボールもあまり上手く収まっていなかった。松尾ってこんなにトラップ上手かった?というロングボールビタ止めが前半に2回。

前からのプレスは相手のミスを誘うようなプレスがハマっていたと思う。カウンターも昨季までとは段違いに精度が上がり「行き切る、やり切る」シーンが多く見られた。

広島は序盤からミドル打ちまくり。先制点もミドルのこぼれ球からではあったものの無理めの枠外ミドル乱発が先制点の布石になっていたとはさすがに思えない。とは言え先制点のシーンはさすがに自由にやらせ過ぎたか。グスタフソンはやはり上手くてビルドアップでは替えが効かない選手になりそうだが守備はやや軽いか?

スタッツだけ見たら広島の前半のシュート数は15本でフルボッコにも見えかねないがレッズも決定機は複数回作った。失点さえ無ければ前半の内容は五分…はさすがに贔屓目が過ぎるとしても数字ほどの一方的な内容ではなかった。

簡単にボールを奪われない渡邊は上手い。前のポジションでもあんな風に剥がせるならSBのポジションは勿体ない。ただ逆サイドの酒井もだがSBはビルドアップでは上手く絡めていなかった。それどころかビルドアップ時の渡邊はボールの奪いどころとして狙われていた。中野が画面外から渡邊までかっ飛んできてプレスをかける姿を何度か見た。ビルドアップ時にSBが上手く絡めていなかったのはユニット同士の連携不足から来るものか、新しいシステムにおける新しいビルドアップ構築が未完成なだけか。

50分にはグスタフソンの決定機を作ったシーンもあるので決して一方的に押し込まれ続けた後半立ち上がりではなかったが52分にPK献上。それ自体は未遂に終わったもののその1分後に広島の追加点。しかもその直後にもあわや3点目の危ういシーンがあり大橋がかなり上手いにしてもレッズDF陣は簡単に見失い過ぎだったように思う。

相手のマンマークに苦しみ、かと言ってロングボールもなかなか収められず反撃の糸口が掴めないレッズは66分に敦樹と関根を交代し岩尾と前田を投入。スピードに乗ったままラストパスもシュートも打てる純正ウインガーなプレーでチャンスメイクする前田。75分にはサンタナと渡邊を交代し興梠と大畑を投入。立て続けに何本もクロスを放り込み77分には興梠が、80分にも酒井が頭で合わせる決定機を作る。1本目のクロスは前田。2本目は岩尾と見事に交代で入った選手がチャンスに絡めていたことも昨季からの変化と言える。

その後81分に松尾と交代で中島を入れるもさほど効果も無く、終了間際の右CKから岩尾のヘッドがバーを叩く惜しいシーンを作ったのみで試合終了。3年連続の開幕黒星スタートとなった。

スタッツだけ見ればレッズには厳しい数字が並んでいるしチャンスを作ったのに結果を出せなかったのは事実だが内容自体はそれほど悲観するようなものではなかった。昨季からは明確な変化を感じられたことがまずよかったしゴールをゼロに抑えられたとは言えそれもこれも相手はあの広島だからこそだと思えば納得のいく結果と言える試合だった。

2024年2月21日水曜日

2024 J1リーグ 順位予想

今季の順位予想するにあたって参考にしたデータは「移籍収支」「離脱」「昇格組との相性」の3つ。「移籍収支」は今オフの移籍がプラスかマイナスか。「離脱」は怪我と移籍とそしてU-23やA代表招集によるチーム離脱予想。「昇格組との相性」は文字通り昇格した3クラブとの相性。中でもチーム離脱予想は怪我は難しいが移籍と代表招集は確度高く予想できるものと踏んで重視した。

■予想順位

1位 浦和レッズ
説明不要。例年通り。サポーターとしての義務。

2位 サンフレッチェ広島
移籍収支:ベンカリファを放出して大橋が加入。多分プラス
離脱:山崎のU-23招集と大迫、川村のA代表招集。満田、東の海外移籍

満田のいるいないによって出た結果の差が激しすぎて彼が海外移籍するかしないかが広島の生き死にを決めるようにしか思えない。

3位 横浜Fマリノス
移籍収支:一森(レンタルバック)、角田を放出してポープ、渡邊が加入。即戦力としては天野、山村。プラス
※ここにきて西村離脱が決まったのでマイナスかも
離脱:植中のU-23招集、山根陸の海外移籍

昨季の予想時にも同じ事を書いたがどのポジションで何分出てた選手を放出しようと大体なんとかしてしまうのがマリノスなので川崎のような脱落は現時点では予想できない。山根の海外移籍はワンチャンあると思っている。

4位 川崎フロンターレ
移籍収支:山根、登里、宮代、シミッチを放出して際、三浦(甲府)、ブラジル人3人、山本が加入。微マイナス
離脱:高井のU-23招集と三浦のA代表招集、橘田と遠野は年齢的に海外移籍あるかも

川崎のブラジル人ガチャの引きの良さには定評があるので3人のうち2人くらいは最初から戦力として計算できそう。放出した選手の穴埋めはなんとかなったように思えるがACLを戦いながら8位に終わったシーズンの巻き返しが可能なスカッドかどうか。

5位 ヴィッセル神戸
移籍収支:900分以上出場した選手の放出が無くJ1から即戦力を何人も獲得しているのでプラス
離脱:前川のA代表招集、佐々木の海外移籍はありそう

目立った主力の放出も無く即戦力を何人も獲得しているので割引く理由が見当たらない。強いて言えば外国籍枠が埋まっていないこととシーズン後半からのACLをこなしながらリーグ戦もやれるかどうかだが夏の補強に定評ある神戸なので大崩れすることは考えられない。

6位 鹿島アントラーズ
移籍収支:ピトゥカ、広瀬を放出して外国人2人(ともに右WGらしい)加入。外国人が1人メディカル破談で来れなくなったのもあってマイナス
離脱:松村のU-23招集と佐野のA代表招集と海外移籍

10年以上5位内をキープし続けている鹿島にこの順位はかなり大胆な予想と言える。だがそれ以上に上位5クラブをこのスカッド、この監督で上回れるイメージがどうしても湧かない。

7位 ガンバ大阪
移籍収支:クォンギョンウォン、山本悠樹を放出して中谷、鈴木徳真が加入。出てった選手で1000分越えは2人だけなのでプラス
離脱:中野、半田のU-23招集。半田の海外移籍を予想

昨季の惨状と今回の補強を見てこの予想は正気を疑われても仕方ないが大幅に予想を修正したくなるほどPSMでの仕上がりが良かった。浦和サポーターでなければ余裕で優勝予想しているであろう広島を相手にあの試合内容はこれくらいの順位を期待したくなる。

8位 セレッソ大阪
移籍収支:ヨニッチ、山中を放出して田中、ルーカス、登里が加入。微プラス
離脱:西尾のU-23招集と毎熊のA代表招集。毎熊の海外移籍を予想

得点力不足という2022シーズンの課題をそのまま持ち越してしまったセレッソだが課題解決はヴィトール・ブエノに託されたと思っていいのだろうか。未だに評価が難しい監督だが怪我人さえ出なければもっと上を狙える監督だと思っていいのだろうか。疑問ばかりで答えが出ない。

9位 FC東京
移籍収支:スウォビィク、渡邊、アダイウトンを放出して遠藤、小柏、荒木、高が加入。プラマイゼロ
離脱:野澤、佳史扶、松木のU-23招集と松木は海外移籍

ただでさえスウォビクという2年間正GKを務めた主力を放出しているのにその次の候補野澤はU-23に招集されそうだし他にも2人U-23招集で離脱しそうで今年一番オリンピックの影響を受けそうなFC東京。海外移籍にも定評あるFC東京なので松木はオリンピック終了次第そのまま海外直行も十分あり得る。

10位 サガン鳥栖
移籍収支:判断不能
離脱:本田、樺山、横山のU-23招集はあるかどうか微妙

例によって出し過ぎ入れ過ぎな鳥栖は移籍情報ガン無視予想でこの順位。2021年から7位、11位、14位と毎年順位を落とし続けていることは気がかり。

11位 北海道コンサドーレ札幌
移籍収支:田中、福森、ルーカス、小柏を放出して家泉(いわき)、高尾、近藤、鈴木が加入。マイナス
離脱:近藤、馬場のU-23招集

5位以内をキープしてきた鹿島同様大安定の10~12位の中位キープ力に今年も期待してこの順位予想。

12位 アビスパ福岡
移籍収支:ルキアン、山岸、井手口、中村を放出してベンカリファ、岩崎、松岡(清水)が加入。マイナスでは?(井手口中村の放出が特に)
離脱:松岡、鶴野、重見のU-23招集

2年連続チーム内トップのゴール数だった山岸の放出もさることながら井手口中村の同時放出もかなりの痛手のように見えるが、同じようなことを昨季の予想時にも言っていたらまさかの7位フィニッシュ。つまりスカウトがしっかりしているからパッと見頼りなさげな補強に見えて秘めたポテンシャルとそれを引き出す監督の手腕が秀でているということでは。

13位 名古屋グランパス
移籍収支:中谷、藤井、森下を放出して井上(甲府)、成瀬(水戸)、ハチャンレ、山中が加入。前線の即戦力が増えているのでプラス
離脱:成瀬、倍井のU-23招集はあるかどうか微妙

合計1万分以上の出場時間を稼いだ中谷、藤井、森下の3人のDFが抜けているがどちらかと言えば今オフの移籍で力を入れたのは中盤から前線にかけての選手に見える。最後まで解決できたように見えないマテウスが抜けた穴を誰が埋めるのかもわからないままで移籍情報だけ見ていても今年の名古屋がどうなるかさっぱり読めない。

14位 町田ゼルビア
移籍収支:省略
離脱:藤尾、平河のU-23招集

昇格組は移籍情報を見ず離脱しそうな若手とフォーメーションと保持率だけチェック。4-4-2でボールは持たない方らしいので柏以上、鹿島未満くらいと見てこの順位。

15位 アルビレックス新潟
移籍収支:三戸、高、渡邊を放出して小野、長谷川(甲府)、遠藤(いわき)が加入。微マイナス
離脱:小見のU-23招集と小島とトーマスデンのA代表招集

シーズンを通して優れた修正力を発揮する監督と主力が離脱しても的確に補うフロントの二人三脚で今年も残留は堅そうな新潟。

16位 柏レイソル
移籍収支:山田、椎橋、仙頭を放出して木下とJ2から3人MF加入。微マイナス
離脱:細谷のU-23招集と海外移籍

広島同様柏の生き死にを決めるのは細谷のような気がしているが、新潟同様中断期間を経て立て直しに成功しているのでなんとか残留には成功するのでは。

17位 湘南ベルマーレ
移籍収支:大橋、石原、タリクを放出してルキアン、鈴木が加入。石原の穴埋めがいないので微マイナス
離脱:田中と畑と平岡のU-23招集と畑は海外移籍ワンチャンあるかも

毎年のように主力が引き抜かれているイメージのある湘南だが13ゴールも稼いだスコアラーが引き抜かれた例は実は無い。J2からJ1に昇格した2017年のオフに移籍したジネイですら12ゴールだった。それ故大橋移籍のインパクトは決して軽くはないはずだが町野や大橋のようなストライカーがいなくても残留し続けてきたのが湘南なのでギリギリ残留するものと予想。

18位 ジュビロ磐田
移籍収支:省略
離脱:鈴木海音のU-23招集

近年のJ1での成績の悪さにどうしてもイメージが引っ張られ昇格組は移籍情報無視と言いつつついつい見てしまったらブラジル人ガチャ4連というのが横浜FCを想起させられ生き残れる気がしない。

19位 京都サンガ
移籍収支:パトリック、木下、井上、若原を放出してブラジル人、鈴木冬一、J2からCB2人、クソンユン(完全移籍)が加入。微マイナス
離脱:川崎のU-23招集

チーム内トップの10ゴールを稼いだパトリック放出に目を奪われがちだが24節以降ゴールが無かったためフロントも放出問題なしと判断したのでは。取り立てて致命的にマズいと思える要素も大きく飛躍させるような要素も見当たらないのだが勝ち負けを予想した結果このような順位に。

20位 東京ヴェルディ
移籍収支:省略
離脱:山田楓喜U-23招集

J2を3位で終えプレーオフを経てギリギリ昇格という時点でJ1との力の差はかなりあるものと見ている。昇格組の中で一番少ない57得点というのも気になる。失点も一番少ないとは言え。

2024年2月17日土曜日

2023 J1リーグ 順位予想結果

2022シーズンに引き続き2クラブしか的中せず。

Change by Red: 2023 J1リーグ 順位予想

浦和レッズ
予想 1位
結果 4位


毎年1位予想に挙げているレッズがここ数年で最も予想に近づいた結果に。

横浜Fマリノス
予想 2位
結果 2位


2022年に引き続きまたも的中した2位。藤田の海外移籍も予想通りで本命への対抗馬として予想した人なら当てるのは難しくなかったかも。

川崎フロンターレ
予想 3位
結果 8位


長らく神奈川2強の一角に君臨した川崎がまさか8位で終わるとは予想だにしなかった事態。予想時にも懸念した谷口移籍のインパクトはやはりかなり大きかったことと怪我人も多かったことが響いたか。

サンフレッチェ広島
予想 4位
結果 3位


補強のマイナス収支と満田の海外移籍を予想した結果、前年より1つ順位を落とすと予想したが前者は新戦力が穴を埋め後者は試合中の負傷により長期離脱を余儀なくされ移籍の噂すら流れなかった。ただ復帰後は最終節までわずか1敗のみで8勝3分けでグイグイ順位を伸ばし3位フィニッシュ。満田の怪我が無ければ優勝もあったのでは?

セレッソ大阪
予想 5位
結果 9位


補強の収支と前年の成績から前年同様の5位を予想したが結果は9位。得点力不足という課題克服のための補強だったはずだが得点は増えるどころか減ってしまった。前年に引き続きシーズン終盤の失速が気になる。

鹿島アントラーズ
予想 6位
結果 5位


海外へ旅立った2CBの古巣帰還。6年の武者修行から帰還したCFW。2位からCFW、3位からサイドアタッカーを獲得し三竿の抜けた穴もJ2から加入した選手が見事に埋め日本代表に招集されるまでになった。これだけの補強をして「今オフいちの大型補強」と評したが結果は5位。素直に3~5位間で予想しておけばよかったか。

名古屋グランパス
予想 7位
結果 6位


ユンカーのおかげで課題となっていた得点力不足は大幅に改善したが夏のマテウス離脱で状況は一変。広島から森島を獲得するも完全に失速し以降は3勝6敗4分け。予想とは僅差のズレではあるもののここまでくっきり明暗分かれるシーズンになるとは予想できず。

FC東京
予想 8位
結果 11位


毎年夏に1人は海外移籍しているのでこの年も誰かしら抜けるだろうと思っていて実際その通りになったが誰が抜けるかまで予想していなかったので片手落ち。監督交代後も結果だけ見れば改善したとは言い難い成績。

ヴィッセル神戸
予想 9位
結果 1位


まさかの初優勝。2021年が3位とは言え次の年が13位なのだから自分としては目の当たりにした今でも神戸の優勝予想は無理。予想時に「5人のルーキーの誰かが大活躍しないとこの順位は無理」と予想したが4人のアラサーベテラン既存戦力があそこまで奮闘するとは。

ガンバ大阪
予想 10位
結果 16位


2020年は2位だったのに以降は13位、15位、16位まで落ちてしまったガンバ。22年から微アップ10位の予想をしたが何を根拠にそう予想したかもう今となってはわからない。

サガン鳥栖
予想 11位
結果 14位


そろそろ消去法ではなく予想するにあたって蓄積したデータで順位を当てたい。

北海道コンサドーレ札幌
予想 12位
結果 12位


このシーズンも抜群の中位力を遺憾なく発揮し見事予想的中。毎年マイナス収支のオフを経ているように見えるのにしっかり定位置を押さえるのは当たるかわからない新戦力を獲ってくるスカウトが優秀なのか使い物になるように鍛え上げる指揮官が優秀なのか。

柏レイソル
予想 13位
結果 17位


2020年から7位、15位、7位と来て17位でギリギリ残留。優勝した神戸に勝るとも劣らない順位の乱高下だが神戸との違いはこの3年半同じ監督の下でこれだけの順位変動をしたこと。夏の犬飼レンタルや中断期間中の立て直しが成功したことは評価すべき。

湘南ベルマーレ
予想 14位
結果 15位


町野の海外移籍は予想通りだったものの大橋のブレイクは予想外。とは言え予想に対しこの結果なら的中とはならずも満足。

京都サンガ
予想 15位
結果 13位


この予想に対する結果の僅かなズレは夏の補強がドンピシャにハマった成果と見ている。

アビスパ福岡
予想 16位
結果 7位


J1昇格した2021年に8位で次の年に14位。そしてこの年7位なので福岡もお騒がせ乱高下クラブの仲間入り。2022年リーグワーストの得点だった得点力不足という課題を多少改善できた結果が7位だとしてもあのスカッドで何故それが達成できたか今でもわからない。

横浜FC
予想 17位
結果 18位


降格はここか新潟の2択だとばかり思っていたがその2択を外ししかも片方は予想よりかなりの上位。もうあのやり方(ブラジル人ガチャ3人)は今のJ1では通用しないということだろう。

アルビレックス新潟
予想 18位
結果 10位


データはデータでしかないことを結果で見事証明して見せた新潟。6年ぶりのJ1の舞台でしかも夏に1人海外に送り出してこの順位なのだからもう平伏するしかない。