2021年4月25日日曜日

2021 J1リーグ 第10節 セレッソ大阪戦

■スタメン
レッズは前節から中6日。ACL組のセレッソは水曜日に試合があり中3日のスケジュールになった。レッズは前節から武田が柴戸に代わったのみ。一方セレッソは一切変更なし。

■ボール保持
セレッソは3連勝した調子のいい時期のポゼッションは五分で6節以降の5試合は9節福岡戦を除いて全て相手に持たせている。なのでボールを持ちたいレッズがボール保持の時間が全体的に長くなる。レッズのこの日のビルドアップの要は西。何せ西はちょっとやそっとのプレスじゃ奪われないし、いざとなったら自分で持ち運ぶことも可能だし、長短のボールも自在に出せると安定感抜群。右サイドで相手が密集した狭いスペースをショートパスをつないで前進していた。セレッソの前半の守備はボールを奪うラインをかなり低く設定していた様子でアタッキングサードまでは比較的楽に前進していた。最後の崩しでは相変わらずシュートに持ち込めないシーンが多かったが。

■守→攻
後半になるとセレッソは最終ラインへのプレスを前からかけてくる。ディフェンスラインも上げたため裏のスペースを突いてレッズのカウンターも増える。ただそれもセレッソが先制するまでで先制後はしっかり帰陣しセット守備。必然的にカウンターチャンスは減少。

■攻→守
前線への長いボールが入った対応もショートパスでつなごうとしてきた対応もどちらも素早くプレスをかけていた。奪い切るプレスではなくディレイ対応が多め。前半このネガトラ対応は実に上手く機能していて相手の速攻を許さず後ろからやり直させる守備対応ができていた。

後半は相手がプレス開始を早めラインを上げて中盤を圧縮してきたためトランジションが多発したこともあり前半ほどのセカンドボール回収率はなくなりオープンな展開になる。レッズは失点後攻撃に比重を置き前がかりになったこともあり相手のボール保持に制限をかけられずディフェンシブサードへの進入を許しシュートを打たれる回数が増える。

■ボール非保持
長いボールを放り込んできた時の対応が最後まで完璧。負けたもののセット守備が崩された場面は無し。

■失点
失点はCKから。

―まとめ―

■ポジティブ
負けはしたものの相手に決定機は作らせなかったこと。失点後前がかりになってカウンターを受けるシーンは増えたもののセットした守備を崩されたシーンは無かった。ボールを失った際の素早い切り替えからのプレスがよく効いていてこの日は全体的に守備が上手く機能していた。

それとシンプルなクロスで決定機を作りシュートで終えることが出来ていたこと。

■課題
前回課題として挙げた左からのビルドアップは前節よりは多少増えていた。だがやはり右サイドほどのスムーズさは無かった。ボールが出た瞬間に優位性を持てる立ち位置を取れていないように思われる。ボールスキルと違ってポジショニングにスキルはいらない。チームメイトがそれぞれ持つ特性を相互に理解することが重要なのでは。後方でバッファを作って前線にそれを残したままボールを届けることができないとフィニッシュまで持ち込めない。ロングフィードばかり上手くなっても再現性も成功率も上がらない。

そしてこれも前回課題に挙げた交代枠をフルに使えない問題。前節は3人までしか使わなかった交代枠がついにはこの日2人までとなってしまった。直近3試合と異なり久々にビハインドを背負った展開ということもあって難しさは当然あったはず。だがあらゆる展開を想定して組んでいるはずのスカッドがリードした展開でもビハインドを背負った展開でもどちらでも使われなかった選手が現実に存在した。この事実は見る側としても勿論のこと、それ以上にやはり選手本人からするとショックな出来事ではないか。幸いにしてここからはルヴァンカップが3週連続で平日に組まれている。エリートリーグも加えたそれらの試合で確たる結果を残せなければ現状の打開はかなり厳しいものと思われる。

そしてラストの崩しも未だ未熟なままだった。

■気になった選手
武藤
ビルドアップに関与すると上手くつなげるのは間違いないが、一方でフィニッシュワークが全て空振りに終わった。ファーストタッチを上手くコントロール出来ない場面が目立つ。チャンスを棒に振った回数が多すぎるためワーストプレーヤー。ただし68分興梠に合わせたクロスだけはゴールの可能性を感じた。
山中
クロスもショートパスもひっかけすぎ。背後から足を出されたのならまだしも目の前に立っている相手を無視して強引にボールを出してボールロストを連発するのはいただけない。課題に挙げた左サイドのビルドアップの問題も殆どが山中のポジショニングの問題。
西
この日のビルドアップで最もボールに絡みボールを前進させた。ネガトラ対応もその鋭い予測をもって危険な選手への素早いプレスを実行し相手の前進を遅らせた。78分の関根へのクロスで決定機まで演出。
関根
シュートを5本放ち枠外3本。西のクロスに頭で合わせに行ったシーンはともかく同じ角度から2本のシュートを2本とも宇宙開発は残念すぎる。


2021年4月18日日曜日

2021 J1リーグ 第9節 徳島ヴォルティス戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは柴戸が敦樹に代わったのみ。徳島は前節から田向が鈴木大誠に、岩尾が藤田に代わったのみ。

■ボール保持
ポゼッションで劣った試合で勝つこともあればポゼッションで勝っても試合に負けることもある徳島。基本的にはお互いにボールを持ちたいはずなので序盤は中盤での激しいボールの奪い合い。ほぼ五分の主導権争いの中、6分に武田が負傷交代すると杉本が投入される10分まで1人少ない状態で試合再開していたこともあって流れは徳島が掴む。徳島は積極的に前からのプレスもかけていたこともあって序盤のレッズのビルドアップは長いボールが多くなっていった。ビルドアップのスタートはやはり岩波。岩波は相手の前からのプレスを受けて時間を確保できないとボールの精度が落ちる傾向がある。33分には徳島の決定機を許すハメになる致命的なミスを犯す。

その後も危ういシーンが続いたがギリギリのところで西川のビッグセーブに救われ辛くも無失点で前半を折り返す。前半終了間際にはエリア内でのシュートにも成功しいい流れで後半を迎える。その掴みかけた流れを手放すことなく後半レッズのボール保持は改善されポゼッションも回復する。そしてセットプレーから見事先制に成功。

■ボール非保持
徳島の前半のビルドアップは福岡が鋭い縦パスを中央から通すか、上福元のフィードを岸本に放り込むかの2パターンが多かった。一方後半は徳島は岩尾を投入したからかビルドアップで後ろからつなぐ意識を強める。レッズの後半のボール保持が改善されたのは相手の変化によって前からプレスをかけやすくなったためだった。先制後はさらに全員でハイプレス。奪ったらなるべく後ろからやり直してゆったり遅攻。「守って逃げ切る」意識がチーム全体で共有されていたいい守備だった。

■攻→守
ボール非保持同様高い集中力をもっていい守備ができていた。

■守→攻
相手のネガトラが優秀なせいもあってレッズのカウンターは不発ばかり。

―まとめ―

■ポジティブ
選手個人のことになってしまうが、コンディションが万全ではない選手をベンチに回し代わりに入った選手がその役割をこなして見せたこと。全く同じ振る舞いを見せる必要は無いし持っている特性も違うためこのパフォーマンスでこれくらいの計算が立つならば相手によって代えるプランも可能だろう。WGやCFにも同レベルの競争が早く起こって欲しい。

■課題
ビルドアップにおける岩波の負担が大き過ぎる。チーム内で約束事になっているかの如く、槙野も西川も岩波へボールを集め岩波からビルドアップを開始させようとする。確かにフィードの精度はチーム随一と言っても過言ではないほどだがその右足の性能をフルに発揮させないための対策は既にバレているように思える。おそらく岩波自信も自分に足りないものは気付いているだろうしチームメイトも彼に頼りすぎなことにも気付いていると思う。それでも岩波に頼らざるを得ないのは偏に左サイドの組み立てが余りに拙いからに他ならない。西が右SBとして日に日にその存在感を増していることや、この日は柴戸がいなかったことも影響しているはず。とにかくこのままではいつか致命的なミスが失点に直結する日が来てしまう。岩波自身に弱点を克服させるより負荷を分散させる方がリスク低減になるはず。槙野、山中、小泉、敦樹は問題意識を持って取り組んで欲しい。

それともう一つ気になったのは交代枠が3人までしか使われなかったこと。元々フルで使うことが少ない監督ではあるものの後半リードした展開でこの日のベンチメンバーを投入できないと判断されたことはここまでの試合を見てきた側からしても実に納得の采配だった。今後も厳しい連戦が続く日程となっているため使わざるを得ない瞬間はきっと来るため彼らの巻き返しに期待。

■気になった選手
杉本
武田の負傷交代により緊急登板となった杉本は投入直後はミスを連発。他にもエリア内でボールが入っても結局シュートまで持ち込めずこの日のパフォーマンスは最後まで低調。
岩波
ビルドアップの要としてこの日何度も中盤や前線へボールを供給した。失点もののミスを犯したのは課題にも挙げたように負担をかけすぎなせい。
西
相手のプレスがレッズの右へ右へと追い込むプレスだったため岩波と同じく西にもかなりのプレッシャーがかかっていたはずだがやはり経験もスキルも豊富でとにかくボールロストしない。誰よりクレバーで周りがよく見えている。そのサッカーIQの高さはビルドアップだけでなく崩しの局面でも発揮されアシストを残した前々節以上に活躍ぶりが目立った。
敦樹
柴戸がどうも万全ではなかったようで同ポジションを敦樹が務めた。この日一番タックルでボールを止めたのが敦樹。守備面では如何なくその意識の高さをもって何度も相手からボールを奪ったが攻撃面ではビルドアップでボールを前進させられなかったのが気がかり。
西川
前半だけで3度ものファインセーブで最後までゴールを守り抜いたチームの守護神が問答無用のマンオブザマッチ。86分に見せた西への超絶高精度ロングフィードは戦術兵器。


2021年4月11日日曜日

2021 J1リーグ 第8節 清水エスパルス戦

■スタメン
前節鹿島戦の翌日、新型コロナウイルス感染症陽性判定がトップチームの選手1名に出たことが発表された。そのため4日と5日の2日間はクラブハウスを使用した全体練習ができず6日に全体練習が再開された。

一方清水は4日に徳島との試合があり中2日でレッズとの試合に臨んだ。

レッズは前節からスタメンどころかベンチメンバーすら入れ替え無し。清水は前節徳島戦から福森が原に、エウシーニョが奥井に、金子翔太が中山に、河井が宮本に、西澤が中村に、後藤がディサロに入れ替わり6枚替えのターンオーバー。

■ボール保持
基本ボールは持とうとしない清水とボールを持ちたいレッズの思惑は一致し序盤からレッズがボールを握り続ける。レッズのビルドアップ時、清水は最終ラインにはプレスをかけずボールが1列前へ進むとプレス開始。槙野、西川は横パスしか選択せず基本は岩波から開始。たまに柴戸や小泉が下りてビルドアップ開始。右SHの中山が内に絞りすぎなせいか山中がフリーで浮く場面が序盤から何度か見られる。とは言え相変わらずアタッキングサードでの前線の動きはまだ物足りなさが残る。

後半清水はプレス開始を早めレッズの最終ラインにもプレスをかける。球際の厳しさもやや強くなりレッズのシュート数も減るが相手の決定機も作らせず前半のリードを保ったまま試合をクローズ。後半終了間際にダメ押しの追加点を奪い理想的な試合運びで勝利。

■ボール非保持
前節から6人も入れ替えおそらくはベストメンバーではないと思われる清水。ビルドアップで足元が覚束ない場面が多々見られ容易くボールロスト。結局はロングボール頼みになるもこの日も槙野の読みは冴えわたり悉く跳ね返し続けた。最近のレッズの守備で重要だと思っているのは跳ね返したボールをきちんと回収してマイボールにできていることだと思う。

■攻→守
ただでさえ試合のコントロールに定評あるロティーナとの試合なのでトランジションすらコントロールされているかのように奪っても奪われてもお互いに激しくプレスには行かなかった。なんせ相手のミスが多かったため相手のトラップを待てば簡単にボールを奪えるシーンが目立った。

■守→攻
前節に引き続きこの日も奪って速攻を仕掛けるようなシーンは殆ど無し。ただ試合終了間際の途中交代選手によるカウンターからの追加点はさすがに痺れた。

■得点
先制目はCK一発。追加点はカウンターから。終了間際もあって相手は前がかりだったかも。

―まとめ―

■ポジティブ
クリーンシートで試合を終えたこと。不振の続いたFWに短い出場時間でゴールが生まれたこと。前者はDF陣の自信に繋がる。後者もゴールを決めた本人よりもチームメイトのほうが安心している辺りどれだけ周りが心配していたかが窺える。

■課題
アタッキングサードにおけるシュートまでの拙い設計。後半立ち上がりの試合の入りの悪さ。交代選手の守備強度の低さ。最も緊急度の高い課題は最後の点では。長いシーズン連戦はまだあるし交代選手を使わないわけにはいかない。リードした展開で守備に比重を置き逃げ切るつもりなのに逆に守備強度が下がったのでは本末転倒。この試合だけの現象であれば心配しすぎる必要もないが。

■気になった選手
武田
受けたら即パスが出せるのは周りが見えてる証拠でもあるがフリーで持ち運べるタイミングでも機械的にパスを出してしまうプレーが気になった。明本が武藤の空けたスペースに飛び込む動きに対し武田がそれをやろうとしないのも物足りない。まだまだやれるはず。
岩波
先制ゴールはお見事。だが交錯して倒れている柴戸にぶつける縦パスを出したあのプレーだけは故意ではないとわかっていても許せなかった。ノータイムで次のプレーを迫られた時の判断力が槙野も含めレッズのCBは悪すぎる。
明本
前節4人までしか使わなかった交代枠をこの日も全く同じ4人が交代し5人目は西だった。2試合とも90分フルでピッチに残された明本が今どれだけ監督に信頼されているか。少なくともゴールだけで評価されたわけではないことは明白。
柴戸
明本同様2試合連続でフル出場した柴戸もまた監督の信頼を勝ち得た一人。チャレンジするタイミングと成功率は向上しているのでなんでもないショートパスがズレてロストするようなミスが減れば不動のアンカーとして定着するはず。
槙野
引きつけてロングフィードも持ち運ぶビルドアップも殆どなかったものの相手の長いボールを悉く跳ね返し続けた。先制シーンでは相手DFを引きつけて岩波をフリーにする動きがあったことも忘れてはならない。マンオブザマッチ


2021年4月7日水曜日

2021 J1リーグ 第7節 鹿島アントラーズ戦

■スタメン
レッズはルヴァンカップ柏戦からの入れ替えは鈴木が西川に、涼太郎が山中に、敦樹が小泉に、田中が関根に、興梠が武田に、杉本が武藤になり6枚替えの大幅なメンバー変更。さらには2種登録の工藤までもがベンチ入りしていて明らかにエリートリーグの結果を受けての布陣。鹿島はルヴァンカップ福岡戦からの入れ替えはクォンスンテが沖に、犬飼が町田に、舩橋が三竿に代わったのみだが関川の位置は左CBから右CBになっていた。

■ボール非保持
レッズのいい守備があったにしてもこの日の鹿島の出来は悪すぎた。土居と犬飼という主力を欠いたとは言えルヴァンカップ福岡戦では土居と町田を欠いても4点差で勝利している。ここまであまりリーグ戦に出ていなかった選手もレッズ戦を見据えそこで起用され試運転も上々だったはず。福岡もリーグ戦においてはレッズ、鹿島の上位にいることからも容易く勝てる相手ではないはず。戦評に軽く目を通してみてもネガティブな言葉は並んでいない。何故あそこまで悪い出来だったのか。

具体的に鹿島がどう悪かったかと言えばボール保持。長いボールを蹴ってはロスト、スローインを入れてはロスト、引っ掛けてトランジションが発生しても奪い切れずロスト、とにかく簡単にボールを手放し過ぎていた。ではレッズの守備の何が良かったか。まず相手は後方からのつなぐビルドアップをしてこなかったため中盤でのセカンドボール回収合戦が多発。この日のレッズのメンバーがこの勝負に強かったのかわからないがまずここで殆ど負けなかった。相手のロングフィードの精度が悪かったこともあった。レッズの素早いプレスも相手に時間を与えずフィードの精度を下げる効果をもたらした。レッズのスタメンに大幅なメンバー変更があったことも相手の虚をついたのかもしれない。

■ボール保持
鹿島があまりにも容易くボールを手放すものだからポゼッションは終始レッズが圧倒。鹿島は序盤から2トップが積極的にレッズ最終ラインへのプレスを仕掛けていたがレッズは安易に長いボールに逃げずしっかり引きつけてからつなげてビルドアップできていた。前節課題として挙げた前線の選手のアタッキングサードでの振る舞いだがこの試合ではかなり改善されていた。まずシュート数が増えていたことが一つ。攻撃をシュートで終われずとも迷わずクロスを放り込んだり、迷わずドリブルを仕掛けたりとにかくアタッキングサードで迷いが消えたように攻め立てていた。

■攻→守
この日レッズの動きで際立って良かったのはこのネガトラ。武藤、武田、柴戸、西といったリーグ戦初スタメンの選手が4人もいたが前線から中盤にかけてほぼ全員が高い集中力をもって素早いプレスをかけていた。かなりラインを上げてコンパクトな陣形にしたことはセカンドボール回収にも大きく寄与したのでは。

■守→攻
前線や中盤で引っ掛けてのカウンターよりは最終ラインで相手を引きつけての疑似カウンターのほうが多かった。先制点もそこから。

■得点
1点目は流れの中から。自陣左のライン際で小泉から逆サイドの西へ。持ち上がってファーサイドの明本へ長いアーリークロス。鹿島DFラインの裏に抜け出しワントラップすると飛び出した沖をすり抜けゴール右隅に流し込んだ。2点目はPK。明本が常本に倒されVARの介入もありPK獲得。

■失点
失点はCKから。

―まとめ―

■ポジティブ
90分試合をコントロールして相手の狙いを封じこちらの狙いに沿った試合運びができたこと。おそらく選手・監督らも気にしていたであろう流れの中からのゴールもようやく生まれたこと。相手の調子は確かに悪かっただろうし主力も欠いていた。だが調子を落とした相手にすら勝ち点3を取れずに連戦に突入すれば立ち直るきっかけすら掴めない。

それともう一つ忘れてはならないのがエリートリーグの存在。武藤、関根、武田、そしてベンチ入りした工藤の4人は明らかにこのエリートリーグの結果を受けての起用となった。規定さえ守ればこの大会をどう活用するかはクラブそれぞれだしトップチームに直接勝ち点をもたらす効果を期待できるのなら今後もエリートリーグで積極的にトップの選手を起用していって欲しい。

■課題
無失点で終われなかったこと。武田の関川に対する対応はさすがに軽すぎたか。そしてマリノス戦、川崎戦に続きこの試合でも後半の立ち上がりが良くなかったこと。失点してもおかしくないシュートを許しているしボールを持ってからのパス回しにもミスが目立った。良くない時間帯に守備陣の奮闘で失点を許さなかったことが再び流れを引き寄せ勝ち越しゴールを得るに至ったとも言えるが。

■気になった選手
武田
オーバーラップする選手に素直に縦に出す。ワンツーで素直にリターンする。プレーがシンプルで素直。
武藤&明本
武藤と明本の関係が抜群。相手CBを武藤に食いつかせて明本が空いたスペースに飛び込む動きで再三鹿島ゴールを脅かしPK獲得もこの動きから生まれた。2人とも最高だったがフル出場した分、明本がマンオブザマッチ
柴戸
4-1-4-1のアンカーという大役を任され見事その役目を果たしたのでは。守備だけでなく先制シーンでは明本の右をしっかり並走していたことも忘れてはならない。
小泉
今日も中盤で縦に逆サイドに自在にボールを散らしていた。個人的には何度もボールを奪う守備対応のほうが印象に残った。


2021年4月3日土曜日

2021 J1リーグ 第6節 川崎フロンターレ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは阿部が宇賀神に、明本が敦樹に代わったのみ。川崎も三笘と家長のFW2人が小林と長谷川に代わったのみ。

■ボール保持
この日のポゼッションは前半後半ともに高め。右からボールを前進させようとすると宇賀神がいい位置に浮いていてそこから前線へ展開することが多々あった。対照的に逆サイドの山中はポジショニングが悪いせいか山根の警戒が高いせいか度々山中へのボールをカットされた。ただその山中へのボールの出し手は概ね小泉だったので予見できない小泉も同罪。相変わらずアタッキングサードまでボールを運んでからは何も出来ずシュートすら打てていないことが気になる。

■ボール非保持
サポーターの間で概ね好評な前半は前からのプレスも上手くハマり自陣に引いて構えた際も集中力高く守れていた。問題はやはり後半でCBとSB間のチャンネルを使われて易々失点した3失点目が一番致命的に思われる。何度見てもシュートこそ上手かったものの相手は特別なことを何もしていない。

■攻→守
序盤に敦樹のいい守備が目立つ。いい位置にいて相手のミドルパスをひっかけたり、飛び出してかわされた岩波の尻拭いで全開スプリントでボール奪ったり。ただマリノス戦での課題として浮き彫りになったネガトラ対応の弱さがそのまま残っていることが再確認されてしまった。連戦続きで修正する時間もなく当然と言えば当然だが。

■守→攻
相手のボールを奪うシーンこそ前半に何度も見られたもののそこからのカウンターはほぼ不発。何か起きそうに見えたのは7分に相手を自陣へ引きつけて槙野から小泉へのフィードが通った疑似カウンターのシーンくらい。

■失点
カウンターでの失点が3本とセット守備での失点が2本。

―まとめ―

■ポジティブ
前半に守備面で相手に自由に攻めさせなかったこと。

■課題
やはり依然としてアタッキングサードでの前線の振る舞いに改善の兆しが見られないこと。ポゼッションも上回り比較的試合を優勢に進めていたとされる前半でさえレッズのシュート数はたったの2本。川崎は5本。今季ここまでの試合を振り返るとシュート数が相手を上回ったのは開幕FC東京戦のみであとは勝った試合も負けた試合も引き分けた試合も全て相手のシュート数が多い。川崎のゴール前での振る舞いと比べるとレッズの選手にはまだ迷いがあるかの如く一瞬の躊躇いが見られる。見てから、考えてから、次の行動を決定しているのでは。そこが整理されオートマチックに動けるだけでももう少しシュート数が増えるのではないかと。守備においても相手は迷いが無く即パス即クロス即動き出すことができているから何でもないようなプレーに見えてあっさり失点してしまうのでは。シュート数が全てではないがシュートが打てなければゴールも生まれない。改善のための模索の跡は見られるしようやく開幕からの7連戦がこの試合で終わるので期待している。

■気になった選手
杉本
攻撃において長いボールを何度もつなげ、守備においても長い距離を走って他の選手の空けた穴をカバーした。
山中
11分の杉本がボレーを合わせたクロスを上げたあのシーンと7分に汰木がアーリークロスを上げる前にインナーラップして相手を2人引きつけたシーン以外何もできなかった。
伊藤敦樹
ネガトラにおいていい守備が目立ち何度も相手のボールを奪った。
金子
敦樹同様中盤での守備に加え後方からのビルドアップでも落ち着いて相手のプレスをかわすシーンが見られた。