2024年7月31日水曜日

2024 J1リーグ 第6節 FC東京戦の感想

中断期間はレッズの試合を振り返れるだけ振り返る時間に充てることに。というわけで抜けてた6節FC東京戦の振り返りから。

立ち上がりホイブラーテンとグスタフソンがかぶってロストしたり、クリアしようとして飛び出した佐藤がかわされたりとドタバタした守備を見せたものの直ぐにレッズが保持して東京が構える構図に落ち着く。CBからSBに斜めにボールを出すところまでは自由にやらせてもらえるもののその先のブロックは堅く早々にロングボールを選択すると前線のシンプル球際勝負のほうが分がありそうで珍しく早い時間からシュートを量産するレッズ。

決定機も作ったが決め切れずにいると11分に2度もレッズの右サイドの深い位置を抉られ2度ともマイナスショートパスを許し高宇洋のグラウンダーミドルを決められてしまう。ゴール直前の松木の岩尾へのファウルにより先制点は取り消しにはなったもののやらせてはいけないプレーを短時間に2度許してしまうのは見ている側としては大きな不安を抱かせた。

15分以降東京はCBにもプレスをかけるようになるとレッズはSBへのロングボールでプレス回避。ただ20分までに3度酒井へとボールが渡るも1度もシュートには至れない。むしろ18分の前田の決定機のような中盤で奪ってからのカウンターのほうが可能性を感じさせる場面も。21分にはようやく後ろから繋いで敦樹のクロスを放り込む惜しい場面も作れて徐々にゴールが近付く。直後の23分に押し込まれた状態から自陣でボールを奪うと前を向いたサンタナがハーフウェイラインからのロングシュートを放ちこれが綺麗にゴールに吸い込まれ先制点に。

先制後もセカンドボールを奪ってからのカウンターで28分に渡邊の惜しいシュート。かと思えば直後のCKを奪ってのカウンターで一気に安斎のシュートまで持っていく東京。36分にまたも敦樹がハーフレーンを縦に突破してのマイナスクロスは相手にクリアされ直後の37分サンタナのミドルは右に逸れて枠外。互いにシュートは打ち合ってはいたものの作ったチャンスの質は贔屓目抜きに見てもレッズが上だったように思われる。

HTは共に交代選手なし。後半は立ち上がりから東京が一方的に攻め込み開始4分であっという間に同点を奪う。前半から脆さを露呈していたレッズの右サイドをまたも簡単に崩されての失点を見るや前田と酒井の同サイドの2人を即座に交代するヘグモ監督。失点後も選手交代後もまるで押し返せないレッズ。ボールを持てる時間は作れても前半に比べゴールに迫ることが全くできなくなってしまった。57分にはついに松木に逆転弾を許してしまう。

このあっという間の逆転劇は自分なりに整理してみたところ、前半11分までに見せていたレッズの弱みと東京の強みを東京がもう一度思い出したことに尽きる。レッズの弱みというのはちょっとプレスをかければ簡単にミスを誘発できる選手を集中的に狙われたこと。同点弾を食らった場面で失点に直結するミスを犯した選手はその2分前にも似たような抜かれ方をしていたり、逆転弾を食らった場面で競り合いに勝てなかった選手もまた同様に直前にロングボールで狙われていたり、意図した場面に意図した選手をぶつけることで勝てる勝負だけを挑むようなそんなイメージ。

逆転後の東京はしっかり後ろで構えて無理に奪いに行かず最終ラインでパスを迎撃する形に移行。多少は敵陣までボールを運べるようになるもシュートは遠いレッズ。この時間最も奮闘していたのは渡邊。酒井が抜けては右SBに入り、大畑が抜けて石原が入れば左SBに移されこの日3つのポジションを任されたがいずれも器用に対応して見せた。

終盤に渡邊や敦樹が惜しいミドルを放つシーンもあったものの最後まで相手の壁は破れずまたしても国立で敗戦。

なまじ前半先制後に相手に弱みを見せることなく無難に20分をこなすどころかむしろレッズが優勢に試合を進めただけにHTに選手交代をする選択肢はさすがに無かった。後半最初に弱点を露呈してからもう少し時間を稼げていれば決断できていたかもしれない。余りにも短時間の間に連続で狙われてしまい耐えることもできなかった。逆転弾までの流れを見ても相手は徹底していた。あらゆる状況に対し交代策のみで全て対応するのは無理があるためピッチ内の選手たちの対応力のようなものが問われた試合だったように思う。耐え切れば流れを変えられるはずの時間帯に耐え切れなかった。選手個人というより集団として組織としてこの敗戦を糧に成長して欲しい。