レッズはスーパーカップに勝利した日からこの日の試合までに選手・スタッフ合わせ計10人もの感染者を出してしまった。
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それを受けてかユース所属の4選手を2種登録する緊急事態。さぞスタメンも弄らざるを得ないだろうと予想されたがスーパーカップ川崎戦との違いは岩尾が安居に、ショルツが犬飼に入れ替わったのみだった。しかしベンチには2種登録されたばかりの16歳早川が入っていることからも緊急事態には違いなかった。京都は新加入選手のうち上福元、メンデス、アピアタウィア、豊川の4人が早速スタメン入り。
■おおまかな流れ
戦前から「川崎戦とは違う展開になるだろう」と予想されていたがレッズにとってそれは悪い意味で的中した。キックオフから6分で相手にエリア内でのシュートを3本許してしまう。京都はビルドアップ時、メンデスと川崎あるいはメンデスとアピアタウィアの2人で開始する。これに対しレッズは江坂と安居あるいは江坂と明本の2人でプレスをかける。この時この日がプロデビュー戦となる安居のプレスがメンデスのパスコースを限定できていないことや背後の関根と連携した守備ができていないことが簡単に相手のボール前進を許した原因となった。1本目はタッチライン際に立つ麻田に関根の背後でボールを受けられ酒井が食いつき豊川が空いたスペースで受けニアの武富へマイナスクロス。2本目は大外の麻田を警戒した関根と柴戸の間に立つ松田への縦パスを入れられ豊川へ繋いで大外の麻田へ。この2本とも安居の付近を川崎がうろちょろしていて安居はそれを気にしてメンデスへ強く行けていないようにも見えた。5:50には馬渡のクリアを武田が頭で武富に繋いでショートカウンター。ウタカに繋がれエリア内中央で豊川のシュートは岩波がギリギリでブロック。
6分を過ぎたあたりでようやく流れがレッズに傾く。レッズのボール保持では主にロングフィードでビルドアップ省略からのセカンドボール争いでとにかく勝って手数をかけずに強引にでもシュートを打っていた。自陣での守備には迷いが見られたが敵陣では思い切った守備が出来ていたことがセカンドボール争いの勝因だった。トランジションが多発すると接触プレーが増えファウルで何度も試合が止まる。この時間帯シュート数を稼ぐことは出来たものの京都のように相手の守備網を崩す攻撃は見られなかった。これもまた本来レッズがやりたいサッカーではないはずだが相手の前からのプレスの激しさとこの日のレッズの2CBがそれに耐えられそうもなかったことからこのやり方を選んでいたものと思われる。
京都がこれに慣れ徐々にレッズがセカンドボールを拾えなくなってくると膠着状態になりそのまま前半終了。後半開始早々に自陣で相手のスローインから失点するレッズ。川崎を誰も止めることができずハーフスペースから斜めにエリア内に侵入され犬飼岩波酒井の3人が揃ってラインを下げさせられどフリーのウタカへラストパスで京都先制。
失点後のレッズに見られた変化はこの日初めて犬飼がボールを自ら運んだプレーが51:30に見られた。ギリギリではあったものの明本へ斜めのパスが通り深い位置からのクロスを江坂に合わせることができこの日初めてレッズの決定機が生まれた。しかしその後もレッズがボールを握り続けることが出来ないこともあってか安居を小泉に交代。直後に関根が右サイド深い位置で1人で粘って粘って抉ってマイナスクロスを供給し江坂が合わせるシーンも。小泉がキープして時間を作るとともにバックラインがようやく前に出始め徐々にレッズが相手ゴールに迫るシーンが出てくる。自陣深い位置まで相手を引き付けて逆サイドへ展開する擬似カウンターも見られた。しかし72分のこの日最大の決定機を生んだCKからの一連の波状攻撃でも決め切れず。
その後犬飼をショルツに、関根を松崎に、酒井を大畑に交代するも決定機は作れず、スーパーカップに勝って流れに乗りたかったレッズとしては手痛い開幕の敗戦となった。
■ポジティブ
途中出場して流れを変えられる選手がいない事を課題に挙げるチームはたまにあるがこの日の小泉は見事に流れを変えたこと。クラスターが発生したにもかかわらず試合を壊さない程度の戦力は確保できていることがわかったこと。この試合に臨むにあたって用意していた策の実行にあたり必要な球際の攻防やトランジションの集中力で負けなかったこと。
■課題
率直に言って京都は狙い通りの本来やりたいサッカーを90分やり通し逆にレッズはそれが出来たのは小泉が投入されて以降の29分だけだったのでは。ショルツにしろ小泉にしろコンディション不良でも怪我を押してのベンチ入りでもなく出ようと思えばスタメンで出れたように思えるパフォーマンスだった。(ショルツはたったの4分+AT5分だけだが)であれば頭からベストメンバーで挑むべきだったように思える。いつも決まったスカッド、ベストメンバーで試合に臨みメンバーの固定化が進むと研究・対策が立てられ易いことや疲労の蓄積やいざアクシデントが発生した時の代役不在など様々な弊害があることは分かるがチームに来て日が浅い選手に関しては後半途中から出させて徐々に経験を積ませるほうが得策だったように思える。
■気になった選手
- 小泉
- ピッチ内の誰もが相手のプレスに苦しみボールをキープできずすぐに手放してしまう中で後半途中から入った小泉はチーム随一のキープ力を発揮しボールを落ち着かせた。マンオブザマッチ。
- 江坂
- きついマークを受けボールを受けても悉く潰されるか奪われるかしていた。代表招集やスーパーカップのパフォーマンスでさらに警戒が上がったことは言うまでもないのでもっと自覚して欲しい。
- 明本
- 小泉投入前のレッズの攻撃で一番勝機を見出せそうだったのが明本。枠内シュート、クロス、カットイン、西川からのロングフィードのターゲット役。この日も全てで魅せてくれた。
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