2025年6月7日土曜日

2025 J1リーグ 第8節 清水エスパルス戦の感想

4/2(水) 19:30 埼玉スタジアム2002

まるで前節やられた鬱憤を晴らすかのように開始3分の先制に成功したレッズ。清水は元々のスタイルなのか前節から中3日というスケジュールからそうしたのかはわからないが失点したからといって遮二無二ハイプレスをかけて奪おうとせず、かと言ってレッズもそこまで積極的に前進しようとしないため終始ギアがローのままの前半。

この日はベンチスタートの関根に代わって入った石原がビルドアップで上手く絡めず右サイドからの前進はいつもよりぎこちないレッズ。それはグスタフソンに代わってスタメンに入った渡邊にも同じ事が言えて上手く前線にボールを供給できず引っかけられたりパスがズレたり前を向けないままバックパスが目立った。ベンチスタートの金子のポジションにサヴィオが入りいつものサヴィオのポジションにはスタメンで入った松尾は2人と対照的に荻原、松本と上手く連携してビルドアップの出口になっていた。

そんなビルドアップの拙さを狙われて強く前からかけられたわけでもないプレスに負けて自陣深い位置で奪われエリア内でアフメドフにシュートを許したのが10分。ズルズルラインを下げさせられて苦し紛れのロングボールを自陣で奪われたのが12分。ここは清水の時間。

一方清水のビルドアップはと言うと、ここ数試合の中盤で構えてミドルブロックを組むレッズの守備が安定していて後ろから繋いでクリーンに前線にボールを供給とはいかない。10分、12分のようなカウンターかロングボール放り込みが目立つ清水。拙いビルドアップと対照的に守備では安定感を見せる石原、渡邊の2人。清水はWBの2人を高い位置で幅を取らせてサイドチェンジを放り込んで来るため吉田と石原は何度もマッチアップするのだがサヴィオとのいい連携もありレッズの右サイドが破られることは無かった。

逆に左サイドが破られることもなく清水の前半のシュートを4本に抑え、ボールは持たせつつも肝心なところはやらせずじっくり構えてカウンターからあわよくばの追加点を狙う理想的なリード後の試合運びで前半を終えるレッズ。

清水はHTに前線のアフメドフ、西原、中原を一気に3枚替えして3-0で快勝した前節スタメンの北川、乾、松崎を投入。自陣で不用意なファウルでFKを献上する松尾や前半と変わって前から食いつく守備をしてしまったり活性化した相手の前線に翻弄され早速ミドルシュートを4本被弾し落ち着かない後半立ち上がり。

ようやく保持でも非保持でも落ち着きを見せてきた58分レッズに追加点。石原のクロスを宇野がクリアし切れず後ろにそらしファーでボレーを合わせたサヴィオが待望の移籍後初ゴール。

その後押し込まれつつも時折カウンターを見せる前半と同じような流れになっていた71分、サヴィオと松尾を下げて関根とグスタフソンを投入するレッズ。清水も宇野OUT矢島IN。この交代にどんな意図があったかはともかく全く落ち着かずにどんどん危険なシーンを作られ劣勢に陥るレッズ。たまらず76分には渡邊と松本を下げて大久保と原口を投入するレッズ。直後にグスタフソンのミスから乾の決定機をボザ渾身のクリア。直後のCKをあっさり決められ遂に失点。

ここから大崩れになるかと思われたが押し込まれ決定機も作られたものの辛くも逃げ切り成功。

到底結果オーライとは言い難い余りにも拙い試合運びを見せてしまったレッズの課題は明白。クローザー不在。止めを刺すチャンスで決め切れない決定力。特に前者は致命的ではあるものの1人の力でピッチ全体を支配できるわけではないのでチーム全体で意思統一を図ることが最優先。それはスコアが動いたり選手交代で試合の流れに変化が生まれそうになった時に重心をどこに置くかといった繊細な微調整であって「逃げ切ろう!守り切ろう!」といった大雑把な指示でまとまるものではなさそう。安易にキャプテンやらベテランやらのリーダーシップに頼るのも違う。力の入れ方抜き方といった緩急や強かさが何より必要だと思う。

2025年6月3日火曜日

2025 J1リーグ 第7節 セレッソ大阪戦の感想

3/28(金) 19:00 ヨドコウ桜スタジアム

前節鹿島戦で見られたようなGK、CBにはプレスに行かずまずジッと見る落ち着いたプレスはあまりにも早すぎる失点に焦ることもなくこの日も継続できていた。7:50から11:50くらいまでは何故か前から食いついてしまいそれを外され危うい時間帯になったもののそれ以外の時間では中盤でじっと構えてミドルブロックで上手くボールを絡めとっていた。

但しこれは相手が後ろから繋いできた時の話。先制点の立役者でもあるチアゴアンドラーデが25分アクシデントで柴山と交代すると先制点のシーン以来封印していた関根の裏へのロングボール大作戦を復活させて29分には畠中が、33分には登里がそれぞれ柴山を関根の裏に走らせるボールを蹴っていた。しかもこれがよく効いていて29分はなんとかタッチラインに逃げてCK献上。33分も何とかクリアしてスローイン献上。他にも何度か柴山にやられ相手がかなり裏抜けが上手いにしても前半の関根はまさに大炎上。

一方レッズと対照的にGK、CBにも前からプレスをかけようとするセレッソ。金子やサヴィオが幅を取って大外からの前進は中をしっかり固めて安易な放り込みを悉く跳ね返していたセレッソとしては許容しているように見えた。何度も左右に振ってやり直しを繰り返し西川からグスタフソンへの縦で上手くターンして楔をサンタナへ通した32分の形が前半一番いい形のビルドアップに見えた。決定機どころかシュートすら打てなかったものの。

前半終盤にカウンターから危ないシーンを作られたものの1-0でセレッソリードのまま前半終了。HTにレッズは松本と交代で松尾投入。追加点で止めを刺したいセレッソと何とか追いつきたいレッズで互いに点を取る気満々の後半立ち上がりはカウンターの応酬になって互いに危険なシーンを作るややオープンな展開。よりゴールに近付きより多く決定機を作ったのはセレッソ。この時間レッズの必死の守備で何とかゴールを守った、というよりは単にセレッソが決め切れなかっただけで完全に命拾いした体のレッズ。

69分にサヴィオとグスタフソンを下げて中島と怪我から復帰した渡邊を投入するレッズ。すると73分にはファウルで無効ではあったもののサンタナがネットを揺らすシーン。74分には金子のエリア内宇宙開発。78分には松尾のゴールを横断するクロス。次々チャンスメイクし確実にゴールに迫るレッズ。たまりかねたセレッソは80分中島と北野を下げて香川とブエノを投入。レッズも82分に金子を下げ原口投入。すると直後右サイドを突破した松尾のクロスにニアで原口が潰れ役になりファーに詰めた渡邊が押し込み同点ゴール。交代で入った3選手によってゴールが生まれ監督の采配ズバリとなった。

その後も逆転弾が生まれてもおかしくないチャンスを作り続けたのはレッズだったもののゴールには僅かに届かず逆転ならず。ドローで終わりセレッソとのアウェイゲームを5連敗でようやくストップできた。

4節までの非保持の振る舞いに比べたらこの日も含めた直近の3試合は守備面は随分マシにはなったと思うものの攻撃面で一番リソースを割いているはずの前半のうちにゴールが奪えないことが問題のように思える。交代で入った選手があれだけの効果的な攻撃を見せたのだから主力の見直しは必須では。