2025年7月11日金曜日

2025 J1リーグ 第10節 町田ゼルビア戦の感想

4/13(日) 14:00 国立競技場

まず立ち上がりの主導権は町田が握る。町田の攻撃のキーはやはり相馬。縦に突破しようとするのも相馬。クロスを入れるのも相馬。ただ本人も打開しにくかったと語る通り用意した相馬対策がほぼ完璧だったレッズ。3分のシーンでは安居と石原の2人で挟んで奪った。5分のシーンでは石原から金子にマークを受け渡し中山のオーバーラップを警戒。ただ相馬は抜き切らなくとも鋭いクロスを放り込めるのでそこは2CBを中心に粘り強く跳ね返し続けた。10分には中山のアーリークロスを西川が弾いてこぼれ球を林のダイビングヘッドで町田が先に決定機を作る。

一方この日はカウンターが冴えるレッズ。1分に安居の縦に渡邊フリックに金子抜け出し。7分に相手のパスミスをグスタフソンが奪ってサヴィオが中央爆走。13分に右サイド深い位置からロングカウンター。どれもシュートまで打てていないもののエリア内まで持ち込むことは成功。13分のロングカウンターの直後に長沼のミドルが相手に当たって獲得したCKからレッズの先制点が生まれたので一連のカウンターにも意味があったと言える。

レッズ先制後も状況は大きくは変わらない。町田はロングボールもショートパスも使いながらゴールに迫り24分には相馬のクロスから西村が長沼の頭上で合わせる決定機。直後の西川のフィードからサヴィオが頭で裏へ出すと渡邊が抜け出しGK谷と1対1の決定機を作る。直後の町田のビルドアップを金子が高い位置でひっかけてショートカウンター。直後の町田のビルドアップでパスミス。レッズが決定機を作ったことと前からのプレスを強めたことで徐々にプレッシャーを受け始める町田。かと思えば直後にグスタフソンやボザのミスから町田に危険なシーンを作られる。34分にはまたも裏抜けに成功した渡邊が決定機でシュートを放つ惜しい場面もあり互いに全く安定しない様子を見せる。

レッズ的には許容したくないオープンな展開になり始めた矢先の37分、レッズに追加点が生まれる。西川の低弾道フィードが一気にセンターサークル内の渡邊まで届き渡邊はフリックで松尾へ。そのまま1人で一気にエリア内まで持ち込みGKだけを飛び越えるループ気味のシュートで松尾の今季初ゴールが決まった。

41分に下田のインナーラップから相馬のスルーパスでレッズを崩しこの日最大のチャンスを作る町田だが西川決死のセーブで辛くも難を逃れるレッズ。前半無失点のまま後半へ。

HTにオセフンと林を交代でデュークと藤尾を入れる町田。後半立ち上がりに2発のシュートを浴び劣勢に陥るレッズ。特に2発目はエリア内どフリーでデュークに打たれているため町田からすれば決定機だったがここでシュートブロックしたのは石原。直後の相馬の突破を抑え込んだのも石原。この時間帯に守備での奮闘が際立った石原。

55分に後半3本目のシュートを打った西村にアクシデント発生でナサンホ投入。60分には下田のスルーパスにナサンホが抜け出しエリア内で受ける危険なシーンも。が、その直後の64分のシュートも滑ってミートできなかったように依然として降り止まない雨のせいかミスが出てしまい決め切れない町田。

この危険な時間帯をレッズが耐え切ると町田の攻勢も沈静化し試合は膠着状態へ。72分に白崎OUT仙頭IN。74分に金子OUT松本IN。77分に安居OUT原口IN。互いに交代カードを切るも流れは変わらない。そのまま決定機を作られるようなシーンもなく無難に試合をクローズしたレッズの勝利。

セットプレーで今季初得点。いつも状況を悪化させていた交代カードで流れを変えずに勝利。首位を相手に勝利。アウェイゲームで今季初勝利。しばらく結果が出ていなかった国立での勝利。幾つか課題も残るもののそれ以上に初初尽くしで内容を伴って結果を出せたことを評価したい。

2025年7月7日月曜日

2025 J1リーグ 第9節 アビスパ福岡戦の感想

4/6(日) 14:00 ベスト電器スタジアム

スタッツ的にはボールを握ったのはレッズだけど相手を押し込んで敵陣でポゼッションできたわけでもなければシュートを打ちまくったわけでもないので数字ほどの主導権を握った感は無い前半立ち上がり。むしろ3分の松岡のミドルはいいとしても9分のザヘディの裏抜けエリア内枠外シュートで決定機を作られ先制パンチに成功したのは福岡の方。

これに味を占めた福岡は12分にも村上がレッズのCB裏にザヘディを走らせるロングボールを蹴るも2回目はしっかり修正したボザが対応し石原に繋げた。そもそも9分のザヘディ裏抜けが成功したのはこの日のレッズが直近の数試合と違って福岡CBに前からプレスをかけていたためハイライン気味になっていて裏にスペースが出来ていたことが原因とみられる。9分の1回だけ出し抜かれたもののそれ以外はハイプレスで蹴らせて後ろで回収が概ね成功していたレッズ。

30分を過ぎたあたりから徐々に流れが福岡に傾く。きっかけとなりそうな変化としては松岡が田代と安藤の間に下りてビルドアップを始めるようになったことや、岩崎と前嶋が左右入れ替わっていたことや、レッズの前からのプレスがハマらなくなり福岡が簡単に蹴らなくなったこと。特に右に大きく開く前嶋と見木の連携が巧みでレッズは何度も押し込まれてしまう。3つ目のプレスがハマらなくなったのは相手がかわし方を覚えたというよりは松尾、サンタナ、松本の前3人のハイプレスに後ろがついてこれなくなっていることが原因のように見えた。

この時間帯相手のシュートこそ2本に抑えたものの誰の目にも明らかな劣勢のレッズはなんとかスコアレスで前半を終える。

HTの選手交代は互いに無し。人も変わらず立ち位置も変化したように見えなかったがHTになんらかの修正があったせいか前半終盤とは打って変わって福岡を押し込んで攻勢に出るレッズは60分までに4本のシュートを放つ。65分には松本を下げてサヴィオを投入しまさにこれからという時間の67分になんてことないCKから失点。布石があったとすれば押せ押せの時間で少し前掛かりになっていたことと前線へのボール供給に再現性が見られずどこでひっくり返されても不思議ではなかったこと。

反撃に出なければならない筈のレッズだがリズムよくボール回しを出来ても後方自陣内に留まり中盤より先にボールを届けられず自陣でボールを奪われ逆にシュートを打たれてしまう。互いに交代カードを切り合うも流れに変化無し。唯一可能性があったとすれば相手が敵陣でファウルをしてくれるので何度かFKを得られたこと。だがゴールには繋げられず逆にFKからオフサイドで無効になったものの幻の追加点を決められてしまうレッズ。そのまま見せ場もシュートも無いまま試合終了。

スコアこそウノゼロという僅差ではあるものの90分を振り返ると内容的に勝利に相応しかったのは福岡の方だったように思える。レッズにとっての流れのいい時間より福岡の時間の方がトータルでは長かったから。とは言えこの試合一番流れが来ていた後半立ち上がりには決定機も作れていたので決して負けるべくして負けた試合だったとは思わない。あれを決め切れていれば逆の絵が見れていた可能性も十分あった。

だがやはり気になるのはセットプレーによる失点が減らないこと。湘南戦、鹿島戦、清水戦でそれぞれ1点ずつCKから失点している。一度も披露したことの無いパターンで所謂初見殺しのような緻密にデザインされた形による失点なら仕方ないのかもしれないがそういう失点はこの日も含めて無かったのでは。往々にして選手も「やり続けるしかない」としかコメントしようがないのもセットプレーの守備なのでこちらとしても「前迫コーチ頼む!」としか言いようがないが。