先制する前も後もあまり効果的に相手のゴールを脅かすプレーをできているように見えなかったため。
ただ、帰宅後冷静になって仙台の直近の試合を振り返ってみると、
・直近4試合全てで先制
・直近4試合全てでポゼッションで劣る
・3位、12位、1位、5位に勝利(ただし名古屋はジョー不在、松本は前田不在、東京は久保不在、札幌はチャナティップ不在)
そんな仙台を相手に大学生相手とは言えミッドウィークに天皇杯をこなした連戦の中で、12位のレッズがこれまでの対戦相手同様ポゼッションしながら先制を許さず逆に先制点を挙げ、その後も相手にチャンスらしいチャンスを与えずしっかり試合をクローズして見せたことは十分賞賛に値する結果ではないかと思えてきた。
そもそも仙台は1位、3位、5位を相手にポゼッションを許しながらどうやって勝ったのか。
興味がそっちに移ってきたためその4試合をできる範囲で確認してみることにした。
これを書き上げている7月9日現時点で既に名古屋との試合は見れないし、見れたとしても90分×4試合全てはさすがにチェックし切れないので「ハイライト」と「スタッツ」と「戦術ブロガーたちのレビュー」を頼りにどんな試合だったのかをそれぞれ振り返ってみた。
現地で見ていた感想としては「これだけポゼッションしてチャンスらしいチャンスも与えなければ勝って当たり前」くらいのものだったが、仙台の直近3試合を振り返るとそれは誤りであったことがよくわかる。
何故なら仙台は相手を押し込んでいたり優勢に試合を運べている時間帯でなくとも前後の脈絡なく点を取って勝っていたから。
こう書くとセットプレーに異様に強いか、切れ味鋭いカウンターが持ち味なのかと思いたくなるがそうでもない。
長いクロスを放り込んできた時の精度の高さ、一番の脅威はそれができる永戸。
永戸ばりのコントロールを持ちながらさらに圧倒的なデュエル勝率を誇るシマオマテ。
そしてJリーグ屈指の高さを誇る長沢は長いボールの絶好のターゲットになる。
長沢や石原がポストした時にボックス内で仕事ができるのが絶好調の関口。
まず目に付いたのはレッズのプレッシングの速さ。
これはやはり誰が持った時に誰が行くかがはっきりしていたということか。
被カウンター時に石原や長沢等の危険な選手に入ったボールも槙野やマウリシオがきっちり潰して危険の芽を摘んだ。
これはレッズの守備の話。
一方の仙台の守備の第一印象はやたら荒い。
松本、東京、札幌の3試合と比べてもこの試合は特別に荒い。
レッズのファウル数10回に対して仙台は19回と数字にもはっきり表れている。
何故ああいう試合の入りをしたのか、そこに戦略的な意図があったかどうかまではわからなかった。
だが仮にあったとしてもそれは仙台にとって有利に働いたようには見えなかった。
次に攻撃の時。
前半序盤は最終ラインから宇賀神や橋岡のWBをターゲットに長いボールのダイレクトプレーを選択。
前半中盤あたりから岩波から武藤へ縦にボールが入るようになるもそこに橋岡やファブリシオが絡んでもフィニッシュまで辿り着けない。
前半終盤にようやくこの布石が結実し岩波からの楔を武藤がターン一発で2人かわしスルーパスでもう1人出し抜きエースの美技で見事フィニッシュ。
とにかく武藤はよく動いて相手最終ラインの手前で浮いていたため何度も縦パスが入った。
後半は退場者が出て仙台が一人減ったものの相変わらず押し込んでからの崩しの連係がいまいちで追加点が取れない。
小さな変化として橋岡が仕掛けて強引に突破を試みるようになる。
一方の仙台の攻撃は、最も警戒していた長いボールの放り込みがレッズDFラインの裏をかくようなものではなく単純な中央ブロックで跳ね返すだけで最後まで失点を許さなかった。
セットプレーのほうがシマオマテの危険度が如実に現れていて見ててハラハラした。
以下その他トピック。
- ファブリシオはシュート4本全て枠外ということでまだまだまだまだリハビリが必要、守備は杉本より献身的
- この日は珍しくセットプレーから得点の可能性を感じた、右はいいが左から蹴る時のキッカーは再考の余地あり
- 岩波は昨季好調時のパフォーマンスに戻りつつあるように見えるが浮き球のロングフィードがまだ少なくグラウンダーの楔が目立った
- 杉本は本当にポストが上手い、ただ守備は途中出場ならもっと動いて欲しいかも
- 後半の攻撃は実にお粗末な出来、せめてカウンター仕掛けたらシュートまで持っていっていただきたい
- シュミットダニエルは神セーブ連発でこの日のMOMは彼でもいいと思った、ファウルもしないし
- 試合に勝ったはいいが次節エヴェルトンと(多分)武藤を欠いた状態で2位の相手との対決は気が重い
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