レッズは前節からの入れ替えはベンチメンバーも含め完全一致で変更なし。神戸は前節からのメンバー変更は菊池が本多に変わったのみ。
■おおまかな流れ
立ち上がりはどちらもなかなかシュートが打てないものの神戸がやや優勢の流れ。神戸は2CBとSB初瀬の3人でビルドアップを開始し、右SB酒井高徳は高い位置を取って右上げ左下げのような恰好。これに対しレッズは大久保、興梠、モーベルグの3人でプレス。大体武藤を狙って長いボールを蹴るが武藤はタッチライン際に張ったり裏に抜け出そうとしたり簡単に的を絞らせない。キックオフ直後に初瀬から武藤、3分に山川から武藤、11分に前川から酒井高徳、13分に初瀬から武藤。
一方レッズのビルドアップは繋いでも蹴っても殆ど成功せずボールを奪ってからの速攻が目立つ。序盤に目立ったのは受けて縦に出す興梠と抜け出そうとするモーベルグ。この2人の奪って速攻の意識は特に高かった。ビルドアップもカウンターもどちらも上手くいっているとは言い難い序盤の時間帯唐突にレッズに先制点が生まれる。最終ラインのホイブラーテンから対角のロングフィードに大久保が抜け出し頭で後ろに落とすと大久保に引っ張られた本多と初瀬の2人が空けたスペースに走り込んだ敦樹がダイレクトで左足のシュートをゴール左隅に突き刺した。
先制後の変化はレッズは速攻を意識せず押し込んでも戻してやり直す回数が増えたこととモーベルグがあからさまにシュートを打ちたがるプレーが増えたこと。神戸は少しラインを上げてロングボールの精度を上げたり、ビルドアップにおいて繋ぐ、運ぶ、中央を使うといった試みを見せたこと。どちらも戦況を劇的に変化させるには至らずシュートも増えない。ただポゼッションは神戸が上回りセットプレーを多く獲得しレッズは押し込まれる時間が増えた。
HTの選手交代は互いに無し。47分に小泉の惜しいシュートが1本あったもののそれ以降は完全に神戸がペースを握り何度もレッズゴールを脅かした。神戸が後半流れを掴んだ理由は大迫や武藤といった選手が前半よりもボールがよく収まり汰木や斉藤が彼らを追い越す動きを見せていたこと。10分で4本のシュート被弾はさすがに押され過ぎと見たか61分にモーベルグを関根と交代し流れを変えようとするスコルジャ監督。すると63分のカウンターでは早速関根がフリーで受けて明本へのスルーパスで惜しいシーンを演出。このプレーをきっかけに流れはレッズに傾き5分で4本のシュートを放つ。
その後互いに交代カードを切り互いにゴールに迫るチャンスを作りながらも互いに最後までゴールを割ることができず試合終了。レッズが敵地で連勝を飾った。
■ポジティブ
早い時間に奪った先制ゴールを決して防戦一方にならず最後まで守り切ったこと。3連勝中で波に乗っていた好調の相手にもアウェイで勝ち切れたこと。
■課題
FKもCKも献上しすぎ。相手のセットプレーを事前にどれだけ研究しどれだけ自信を持っていたかわからないがセットプレーにおける完璧な攻撃も無ければ完璧な守備も無い。ノーチャンスな一発を叩き込まれる危険を思えば攻撃側が有利とも言える。CKは仕方ないとしても危険な位置での不用意なファウルはもう少し減らしたかった。それと追加点を取るチャンスを作れていたが決め切れなかったこと。
■気になった選手
- 明本
- 前半にいい守備が目立った。酒井高徳とのマッチアップ、武藤との競り合い、スルーパスをカット、倒れながらのクリア。後半は高い位置を取って攻撃参加。前節にも見られたような荻原との息の合った連携。双方合わせてスプリント数1位の24回。昨季ホームゲームでの失態を見事に挽回して見せた。
- 西川
- 流れが相手に傾いた時間帯、特に後半に危険な場面を作られたが何度もチームを救った。一方冴えわたる見事なセービングとは裏腹にフィードの質が低下している気がする。会場にどよめきを生むようなパントキックを今季まだ見ていないのは西川自身の問題か、フィードのターゲットとなる選手側の問題か。
- ホイブラーテン
- 中2日でアウェイ連戦し90分フル出場したのはこのホイブラーテンだけ。空中戦を繰り返すこと計11回。うち9回勝利で双方合わせてゲーム内最多の勝利数。決勝点のお膳立てとなる高精度対角フィードも披露しこのポジションにおける不動の地位を確立した。マンオブザマッチ。
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