レッズは前節からの入れ替えはモーベルグが関根に変わったのみ。新潟は前節からのメンバー変更は藤原が新井に、高が星に変更。
■おおまかな流れ
朝から降り続ける雨によるピッチコンディションを気にしてか立ち上がりのレッズは繋ぐビルドアップを全く見せず大きく蹴り出していた。1分にホイブラーテンから関根。2分に西川から酒井。3分と4分に西川から興梠。どれも全然収まっていなかったがセカンドボール回収の設計とボールを奪ってから速攻の意識の強さで新潟ゴール前に迫り惜しいシーンを何度か作ることはできていたレッズ。ただシュートはゼロ。
対照的に繋ぐビルドアップを序盤から見せる新潟。左サイドから運んで繋いで相手を引き付けてから右に大きく展開。この時必ず右SB新井がオープンな位置でボールを受け早めにクロスを放り込むか裏へのスルーパスを出す。ビルドアップの出口は新井というのが一つの決まり事であり武器でもあるように見えた。そして先制点もそんな新井のアーリークロスから生まれる。一見小泉の足に当たって太田に収まったラッキーな放り込みにも見えるが序盤から同じ形を作れていたため再現性を持って生まれた先制ゴールと言える。
失点後のレッズに訪れたポジティブな変化は小泉の守備。それまでかなり自由にやらせてしまっていた新井を視界に収まる位置まで下がって何度も首を振って位置を確認する小泉。12分にデンのサイドチェンジがピタリと新井に収まった時小泉のスライドは完了してボールを戻させた。13分には舞行龍へのハイプレス。16分にもハイプレスに参加しミスを誘い中盤でボールを奪うことに成功。
一方攻撃では繋ぐビルドアップも見せ始めたものの小さいミスが減らずなかなかゴール前まで運べなかったが依然として降り止まない雨のせいかようやく相手側にもミスが出始め徐々にレッズがボールを握る展開に。このミスが生まれやすい状況を活かすのに最適と判断したか28分に連続でCKを獲得するレッズ。33分にはゴール前での混戦からこぼれ球を酒井がニアに叩き込み同点ゴールに成功。同点後それまで大外に張っていた新井が中でボールを受けるなど新潟も変化を見せてきたもののここもやはり小泉が寸断。すると前半ATにFKとCKを続けざまに獲得。明本のジャンピングボレーでなんと前半のうちに逆転に成功した。
双方HTに選手交代無し。新潟は前半よりも前に出てハイプレス気味にボールを奪いに行く。レッズはこれをロングボールで回避。ただし全然繋がらないためボールはすぐ奪われる。前半に引き続きミドルプレスから奪ってカウンターを狙う。相手ゴール前に迫るシーンは作れたもののシュートは互いに全然打てずレッズは65分に興梠の反転シュートが、新潟は72分FKのこぼれ球を星が宇宙開発したのがそれぞれ後半の初シュートとなった。
レッズは68分にリンセンとモーベルグを投入し75分に安居と荻原を投入する最近お馴染みの交代カードを切るが守備の強度を落とすこともなく、かと言って攻撃が活性化しシュートを打ちまくることもなく、相手に決定的なチャンスを与えることなく試合をクローズしホームで3連勝を飾った。
■ポジティブ
先制されても監督の指示無しでピッチ内の選手たちの判断で問題を修正し前半のうちに逆転に成功したこと。
■課題
先発、ベンチ、交代選手までもが固定化されてきたこと。「勝っているチームは弄るな」の鉄則を守るのは当然と言えば当然。主力が怪我なく出続けられること自体歓迎すべきことではある。だがやはり優勝するチームにいつも求められるのはチームの総合力。どこかで必ず訪れる不測の事態に対応できる選手層。何よりACL決勝までに増やせるオプションや頼れる切り札が欲しい。
■気になった選手
- 興梠
- 試合後の新潟の選手のコメントからも興梠に対する警戒心の高さは相当なものだったようだがそれにしてもトラップミスが多かった。プレスによってミスを誘われているようには見えなかったのでやはり雨の影響だろうか。
- 小泉
- 前半の守備の修正の立役者ではあるものの彼も興梠同様ミスが多かった。ショートパス・ミドルパスのズレが多くそこでボールロスト多発。ただでさえ数字で結果を出せていないので本人的にも焦りがあるのかも。
- 明本
- 決勝ゴールを決めたこと。90分フル出場し最後の最後まで攻守によく走ったこと。この2つがポジティブなこと。アンラッキーな形とは言え失点に絡んだことだけ悔やまれる。
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