名古屋はレッズのビルドアップ時はグスタフソンに森島がベッタリ張り付いてボールを入れさせない。名古屋のビルドアップ時には渡邊の裏に長いボールを蹴って開始5分までに3度も狙い撃ちにする等、事前によくレッズ対策を講じてきた動きを攻守に見せる。8分に倍井のファーストシュートもあり序盤の流れは名古屋が掴む。負けじとレッズも10分に中島がグラウンダーミドルを放つも単発に終わり続かない。
直後のボールキープでヒートアップしたサンタナが河面と揉めてイエローカードを貰う等、どう見てもレッズによくない流れになっていたにもかかわらず23分唐突に先制点をあげるレッズ。兆しがあったとすれば直前の前田とサンタナで高い位置でボールを奪ったプレス。これがスイッチになってその後の相手GKのスローに敦樹が前プレをかけ前田が続き石原も安居もサンタナも呼応した結果相手のミスを誘い転がり込んできたチャンスを今季初スタメンの安居が見事にモノにして見せた。
先制後、劇的に流れが変わることもなく互いに前からプレスをかけては蹴っ飛ばしロストするかセカンドボール争いからのトランジション勝負を繰り返し後ろから繋いでクリーンに前線に供給するような場面は双方に見られない。35分を過ぎたあたりでようやくレッズのビルドアップに改善が見られ敦樹か安居が下りて相手がそれについてきたら空けたスペースをグスタフソンが使う動きで相手を下げさせジワジワラインを上げる。39分にはグスタフソンと敦樹のエリア内シュートが生まれたかと思えば直後の40分にはロングボール一発で渡邊の裏を取られ折り返しを永井が合わせる決定機を作られ互いにまるで安定しない守備を見せつつ前半終了。
後半立ち上がり、名古屋は渡邊だけでなく石原の背後も狙うようになって50分までに1回の敵陣深い位置への進入と1回の決定機を作る。これを続けられれば一方的に押し込む時間を作れそうなものを前半にもあったように肝心なところでラフプレーをしてしまいその勢いを自ら殺いでいるように見えた。
かと言ってグスタフソンが米本に削られて得たプレー中断の時間でレッズが立て直しに成功したかというと全くそんなことはなく再開直後の57分には倍井の決定機を許しているがミートしなかったおかげで失点は免れた。その後も互いにシュートを打ったり打たれたりを繰り返す野球のような攻守交替を続けていたら67分に前田がエリア内で倒されPK獲得。サンタナが難なく決めてレッズの追加点。
結局その後も何本かシュートを浴びATにはCKから1点返されるもなんとか逃げ切り成功。2試合ぶりの勝利となった。
結果的には迂闊なラフプレーにより相手が自ら敗戦を招いたおかげでレッズは勝ち点3を得たが、それにしても90分一度も試合を落ち着かせることが出来ず終始バタバタしたまま終えたこの試合を見終えた感想は、とても勝ち試合を見た後のそれではなかった。気になるのはやはりボール非保持、守備の部分。相手をどこに誘導してどこで奪うかを設定しチーム全体で共有することは守備の基本のはずだが今のレッズを見ているとそれが徹底されているように見えない。連敗を経てもこの有様なので改善されることはこの先も期待できないのだろうか。
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