この日の立ち上がりのレッズは2分に小泉が自陣エリア内で山田へのプレゼントパスであわや失点のピンチ。5分にグスタフソンが誰もいない逆サイドへのサイドチェンジで直接ラインを割る。11分にホイブラーテンがビルドアップで躓いてボールロストと、序盤のレッズはミスを連発。特に2分に小泉のミスは直後のCKも含めると計3発のシュートを打たれていてこの時間を無失点で切り抜けられたのは運が良かった。
レッズはミスから上手くボールを繋げず序盤は柏がボールを握る。柏はGKがエリアを出てビルドアップに参加する。CBとGKの3人で開始してレッズも前からプレスをかけようとはしないのにロングボール主体のビルドアップをする柏。最後方から蹴るときは中盤ライン際の川口やジエゴへ、もう少し前から蹴れるときは渡邊の裏へ戸嶋を走らせたり、石原と山田を競り合わせたり、対角にロングボールを入れてレッズのSBと勝負させていた。
しびれを切らしたようにサンタナが下りてくると少しレッズのビルドアップに改善が見られそうだったもののやはりミスが減らずまるで繋げない。背中を向けたサンタナの踵に向かってグスタフソンがボールを蹴った時はさすがに目を疑った。
25分くらいからようやくレッズのミスが減り小さく細かく繋いでリズムが掴めるようになり徐々にゴールにも迫っていたが相手のブロックが堅く放り込んでは跳ね返されシュート数は増えない。ミスが減ったため守備でも簡単にやられなくなり時折カウンターは食らうもののこちらもシュートは打たせず膠着状態のまま前半終了。
前半から引き続き早めに蹴っ飛ばす柏と対照的に打って変わってビルドアップで繋ごうとするレッズ。49分に小泉の枠外ミドル。53分にジエゴのヘッド。直後にサヴィオのヘッド。54分にサンタナのヘッドと、互いに1ターンずつ攻守交替するような展開ではあるものの作るチャンスの質は柏が上。組み立てはレッズがやや上手いがゴール前での振る舞いは圧倒的に柏が上。
レッズのビルドアップが通用したのは後半立ち上がりだけで柏がすぐにこれに対応し繋げなくなるとレッズもまた蹴っ飛ばすようになる。57分に小屋松、戸嶋を下げて木下、島村を投入する柏。59分にはレッズも小泉と前田を下げて中島と大久保を投入。
65分にミドル、71分にエリア内左足シュートと中島が徐々に存在感を発揮していた矢先の71分、木下の先制ゴールでついに試合が動く。レッズの左サイドを2人掛かりで突破しようとする相手に何故か渡邊1人で対応させられた結果自由にクロスを入れさせてしまったうえ、エリア内に十分に人数は揃っていたにもかかわらず死角から飛び込んで来る木下を誰も捉えることは出来なかった。
失点後もビルドアップの出口になったりフィニッシュに絡んだりと躍動したのは引き続き中島。75分には松尾を下げて安居を、78分には敦樹を下げて興梠を投入するも決定機どころかシュートもロクに増やせないレッズ。85分のサンタナのミドルでシュートは打ち止め。ラスト15分のポゼッションが柏38%レッズ62%とは信じられないくらいのノーチャンスのままあえなく敗戦。
スコアこそウノゼロという僅差の結果ながらも内容を総合的に振り返ると勝ち点3に相応しかったのは柏だったように思う。レッズのシュート数が8本に対し柏のシュート数が15本というスタッツにも十分それが表れている。やはり前半立ち上がりだけでなく90分通してやたらとミスが目立ったことが勝敗を分けたように思えてならない。相手のプレスによって誘発されるミスならいざ知らずノープレッシャー下での自発的なミスを度々目にすると、次々とスタメンどころかベンチからも消えていくレギュラー陣のことも相まって日頃のトレーニングとその強度に疑問の目を向けたくなる。この日唯一の収穫は中島のコンディションが良さそうなことくらい。
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