立ち上がりで主導権を握ったのはレッズ。ショルツのスタメン復帰、中島発スタメン、大久保のIH起用等幾つかトピックがあった中でビルドアップに積極的に関わろうとする大久保の存在が一際目立った。レッズのビルドアップにおけるグスタフソン封じが浸透しつつある中で7分のようにグスタフソンと入れ替わるようにアンカーポジションに下りてきたり、22分のように大久保にマークがつけばグスタフソンが浮いたり、大久保とグスタフソンが互いに活かし合う関係が良好だった。同じヴェルディ育ちの中島との相性も良さそうで14分には中島が下りて入れ替わりで大久保が前に出るシーンも確認。
例によってレッズが押し込めど崩せず、シュートも打てずにいると28分くらいから双方にファウルが増え度々試合が止まり退屈な時間に。同時に少しずつガンバのポゼッションが回復。互いにシュートも少なくこれといった決定機も無いまま前半終了。
HTに選手交代は互いに無し。45分右CKからホイブラーテンが頭で合わせる。47分には右サイドを崩してグスタフソンのシュートは枠外。51分サンタナのミドル。54分渡邊のファークロスに敦樹のヘッドはポスト直撃。後半立ち上がり立て続けにチャンスメイクするレッズ。
一方ガンバも50分唐山が渡邊を振り切って惜しいシーンも。64分にも唐山と交代で入った岸本に抜け出されエリア内で倒す危険なシーンも。前半も石原とウェルトンの1on1で危ういシーンがあった。レッズのウィークポイントはSBであることはわかっていたものの徐々にそれが顕著になる。
65分に前田と中島を下げて松尾と安居を投入すると直後の67分に渡邊のミドルを一森横っ飛びセーブ。徐々に試合が動きそうな気配。72分に2本あったような松尾への裏抜けロングボールが目立つレッズ。(どちらも通らない)
75分に大久保とショルツを下げて小泉と佐藤を投入するレッズ。すると直後の77分に坂本にエリア内でシュートを決められ失点。守備対応で言いたいことも無くはないが問題はむしろその直前。松尾が持ち上がったカウンターの局面でサンタナと小泉の2人しか上がってこなかったこと、三浦のディレイ対応に松尾が遅らされまんまと相手の帰陣を許し松尾はあえなくバックパス。この時点でカウンターが不発に終わっている。それに対しガンバは鈴木が敦樹からボールを奪うと一気にウェルトンまでロングボールを展開。エリア内でホイブラーテンと1on1になるもワンフェイント入れて坂本へラストパス、先制ゴールとスピードを落とすことなく見事にカウンターをやり切っている。しかもウェルトンがラストパスを出す直前エリア内にガンバの選手はウェルトン含め5人も揃っていた。鈴木が敦樹から奪った瞬間前に残っていたのは宇佐美とウェルトンの2人だけ。つまりあとの3人は自陣深い位置からしっかり走ってゴールの瞬間エリア内に飛び込んで見せた。ネガトラは互いにしっかりやってて互角だったとしてもポジトラでは残酷なまでにくっきり明確に差が出てしまった。
その後レッズは82分に敦樹を下げて興梠投入。前からは奪いに行かず自陣でしっかり構えて撤退守備のガンバ。押し込む時間も作りシュートも打てたものの決定機は作れないレッズ。そのまま危険なシーンをレッズに作らせることなく試合を締めて見せたガンバの勝利。
ウノゼロというスコア、失点した時間帯、クロスに中央で受けられての失点の仕方ということで前節と同じ負け方という印象を受けた人も多いかもしれないがミス連発で主導権を相手に握られた前節に対し多くの時間でゲームを支配したこの試合とでは内容に雲泥の差があった。まるで決定機を作れなかった前半に対し後半立ち上がりの猛攻。スコアが動いたシーンの直前に見せた両チームの振る舞いの差。示唆に富む試合だったように思う。
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