2018年10月16日火曜日

2018 J1リーグ 第18節 サンフレッチェ広島戦

スターティングメンバー

■1得点目
前半24分。
西川から橋岡へのロングフィード。
自陣ミドルサード右で収めると降りてきた武藤へ横パス。
出してすぐ上がった橋岡へリターン。
佐々木と稲垣が立ち塞がったため青木へバックパス。
ワンタッチで前方のファブリシオへ出すと稲垣と水本に囲まれながらその2人の間を通し武藤へボールを逃がす。
トラップが流れたボールをなんとか収め青山のタックルをかわすように興梠へのスルーパス。
和田を振り切って抜け出した興梠は武藤が出したタイミングで飛び出していた林の右をすり抜けるシュートをダイレクトで放ちボールはゴール左のサイドネットを揺らした。
降りてきての攻撃のスイッチから囲まれながらのスルーパスから何から何まで武藤のお膳立てによるゴールと言っていいのでは。

■1失点目
前半36分。
バイタルエリア左で柏を青木が倒しイエローカードを貰い広島にFKを与える。
キッカーは柴崎。
ファーサイドゴールエリア内に右足で落とすと飛び込んだ千葉が頭で合わせるとボールはループ気味にゴールへ吸い込まれ同点。
千葉の瞬発力も柴崎のボールの質も言うまでもなく高くそこは敵を賞賛する他ないのは確かだが、あの位置でFKを与えたファウルを犯した青木とそのきっかけを作った柏の突破がそれ以上に致命的だった。
広島の巧みな所はキックオフ時には柴崎が右、柏が左のSHでセットしておきながら、決め手に欠けると見るやこの2人を入れ替え見事チャンスメイクして見せた所。
ただ同点後は元のポジションに戻っていたのでポジションチェンジはたまたまだった可能性も。

■2得点目
後半24分。
阿部からのパスを左サイドで受けた宇賀神。
ファーサイドの橋岡を狙ったクロスを上げるとエリア内中央の柏木が佐々木に倒されPK獲得。
佐々木がエリア内で倒すのはこれが初めてではないらしく、本人含め広島の選手は誰も主審に抗議に行かなかった。
キッカーは興梠。
一度だけフェイントを入れると林の逆を突き勝ち越しゴールを決めた。

■3得点目
後半30分。
柏からの横パスをミドルサード中央で受けた川辺を興梠とファブリシオが前後から挟んでボールを奪うとカウンター開始。
興梠からボールを受けたファブリシオは前を向くとそのままドリブル中央突破。
センターサークルを出る手前で右から青山、前から水本、背後に川辺の3人に囲まれたため右を併走する柏木へスルーパス。
完全に抜け出した柏木はエリア内に進入しファーサイドの宇賀神に右足で柔らかい折り返しのクロスを上げる。
宇賀神はこれを右足のボレーでゴールに突き刺し追加点。
まず3人引きつけてから柏木にスルーパス出せるファブリシオが素晴らしいし、柏木の柔らかいクロスにファーを見ていた視野の広さ、そして武藤と並ぶ宇宙開発者のはずの宇賀神が完璧なボレー弾を叩き込んだのも素晴らしい。

思い返せば2016年ACLラウンド16でFCソウルとの1stレグもボレー

2017年ACLグループステージでまたもFCソウル相手に決めたゴールもボレー
「レッズでボレーと言えば李忠成!」というイメージが強かったが近年は宇賀神のほうが決めていた。
お見事。

■4得点目
後半48分。
レッズ自陣左サイド深い位置でベリーシャからファブリシオがボールを奪ってカウンター開始。
宇賀神が大きくクリアしたボールを和田が頭で跳ね返す、阿部が拾ってすぐ様前方の李へ出す。
左のライン際に逃げるようにボールを運びアタッキングサード手前あたりでターンし後ろから上がってきたファブリシオへバックパス。
前方の阿部に縦パスを入れ阿部はワンタッチでファブリシオへリターン。
柏をかわし和田をかわし中央に向けてスルスルと前進するとペナルティアーク手前で右足のミドルシュートを放つ。
林は倒れながらなんとかボールを触るも止め切れずファブリシオにレッズ初ゴールを献上。

■ベストプレーヤー
ファブリシオ
とにかくまあボールがよく収まるから攻撃の起点になるわ、ポジショニングがいいから敵のチェックが厳しい時に預けられるわ、テクニックあるわ、おまけに守備もサボらないわで至れり尽くせりとはまさにこのこと。
噂ではファブリシオの移籍金が6.5億と聞いた日には、いよいよレッズの強化部も焼きが回ったかと憤慨したものだが、これほどの選手なら高くない買い物だったと強化部の慧眼に改めて驚嘆。
マルティノスやラファエルによく見られたプレーでもあるが、ドリブルで相手に突っかけてボールロストを繰り返す独善的なプレー、俗に言うオナドリが全く無いのが非常に良い。
武藤でも1試合に必ず1回はこれを見せるがファブリシオはゼロ。
言ってもファブリシオはこれでまだ2試合目なので完全にフィットしたらどうなるか実に楽しみ。
次点はパトリックを完封した槙野か、攻守両面で活躍した興梠か、年イチのボレー弾で突き放した宇賀神か。

■ワーストプレーヤー
青木拓矢
青木はこの日レッズにとって一番の脅威となった柏とのマッチアップが多かったせいか、失点のきっかけにもなったシーンを含めファウルで止めるシーンが散見された。
今のレッズの守備のやり方というのは中盤の負担がかなり大きいことは柏木のコメント等からも窺い知れるが、長澤が怪我で出場できない今だからこそ苦しくてもやり切らねばならないことは青木自身がよくわかっているはず。
堀体制下で最も成長したのは他ならぬこの青木だと思っているのでまだまだレッズの守備の蓋としてこのポジションに居座って頂きたい。

■総評箇条書き
  • 前半序盤はなかなかゴール前までボールを運べず相手最終ラインの手前でバックパスするシーンが目立った
  • 19分、自陣ミドルサードから一気に興梠に鋭い縦パスを入れる柏木、強すぎたせいかコントロールし切れず水本に拾われる、大きくクリアせず繋ごうとすると水本のパスを柏木がカットしダイレクトで右サイド裏のスペースへスルーパス、橋岡がこれに追いつきダイレクトでクロスを入れると千葉が頭でクリア、これがこの試合初めてのラインブレイク
  • 先制後は奪ってからボールを落ち着けられずお互いに単調な攻めを繰り返す時間が続く
  • 40分、センターサークルからマウリシオが柏木へ縦のミドルパス、柏木は一気に前線の興梠へ浮き球のフィードを入れるも前後を千葉と水本に挟まれ頭でクリアされる、さらに青山がこぼれ球をクリアするも中途半端になりこれを青木が拾いファブリシオへワンタッチでパス、2タッチ目で和田をかわし前を向くと左足のシュートを放つがミスキックとなるもこれが興梠の足元へドンピシャのパスとなる、右足のファーストタッチが少し乱れたところを戻った佐々木にクリアされる
  • ファブリシオはフリーになるポジショニングや相手を引きつけてギリギリで出すキラーパスが実に上手い
  • 前半AT、西川のゴールキックをアタッキングサード左で興梠が後ろ向きで収めると左を駆け上がるファブリシオへ受け渡す、進路を中央へ向け前後左右敵を4人引き付けるとフリーになったサイドの興梠へリターン、ダイレクトでマイナスのクロスを上げると落下点の青木がトラップをミスしボールを後ろへこぼすも戻りながら前の武藤へ出す、ワンタッチで反転し左足の低空シュートを放つもポストの右を逸れてボールは枠外
  • 広島の攻撃において左サイドの柏は大いに脅威になり、青木、岩波、橋岡誰が対応しても手を焼いていた
  • GKに直接キャッチもされず、ファウルにもならず、たとえ枠外でもしっかりゴールに向かって飛ばせるようになっただけでもここ最近のセットプレーの質が向上したことが非常によくわかる
  • 54分と56分に全く同じ形からレッズの右サイドから単純なクロスに中の選手が頭で合わせる決定機が立て続けに発生
  • レッズにとってみればここで失点をしなかったことが勝利に、広島にしてみればここで決め切れなかったことが敗北につながったのかもしれない
  • この2度の決定機は武藤の戻りが遅れて柏をフリーにさせたことから始まったと見たためか、武藤OUT阿部INで即座に手を打つ名将オリヴェイラ
  • レッズに勝ち越しゴールを決められた後の72分にもCKから佐々木の決定機、やはりこの日は広島の決定力の無さに助けられた試合
  • この試合一番の見所は武藤の股をくぐる佐々木(しかも主審が止めてるシーンではなくオンプレー)
<参考>
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=44743

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