2021年5月1日土曜日

2021 J1リーグ 第11節 大分トリニータ戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは敦樹が杉本に代わったのみ。大分は前節から高木がポープに、高畑が香川に、長谷川が小林裕紀に、高澤が伊佐に代わったのみ。

■ボール保持
開始2分で先制に成功する今までにない展開を迎えたレッズ。開始早々のリードという慣れない展開のせいかビルドアップ時に後方から強引に長い縦パスを入れて逆に奪われるシーンが何度も見られた。逆転を許した2失点目も、相手の前からのプレスがかかっていたとは言え実はこのパターンでのボールロストがきっかけになっていた。そのため数字上はレッズのポゼッションが上だったもののその実試合を優勢に進めていたのは大分だった。

後半は頭から杉本に代わって敦樹が投入されたこともあり敦樹が最終ラインに下りることでビルドアップが安定。数字と内容が伴ったレッズの攻撃の時間が長くなるが相変わらずなかなかシュートまで漕ぎつけられない。前半は封印していたのかショートパスへの強いこだわりだったのかわからないが、後半のボール保持は明らかに放り込む回数が増えていた。後方からのロングフィードにしろ単純なクロスにしろ。

■ボール非保持
レッズの守備は全員で前からプレスをかけ積極的にボールを奪いに行く場面が前半から見られた。大分のボール保持で脅威になったのは右WBの松本。シンプルな足の速さを活かしトップスピードでボールを受けることに専念すれば簡単にぶち抜くことが可能で、9分・11分・15分と前半だけで3度もレッズの左サイド深くを抉られてマイナスクロスを許してしまっていた。ただし15分のは山中のタックルでしっかり防いだため未遂ではあるが相手にCKを与えることになった。22分の失点も松本のオーバーラップからのアーリークロスがきっかけになっていて結局失点するまでレッズは松本のスピードに対応することができなかった。

後半大分はボール保持において手数をかけず時間をかけず人数をかけず分かり易くポゼッション放棄。但しこちらのミスは見逃さずしっかりカウンターを仕掛けてきた。

■攻→守
前半はあまり上手くいかなかったネガトラが後半交代で入った敦樹の守備が効いて何度もボールを奪い返した。

■守→攻
決勝点になったカウンターは直前のルヴァンカップでも汰木が見せた形と酷似していた。汰木からのボールを受けたのは福島ではなく明本。メンバーが変わっても同じ形を再現できるのは普段のトレーニングで戦術が落とし込まれている証拠。

―まとめ―

■ポジティブ
前半は完全に事前対策で上を行かれたがハーフタイムの修正と交代策によって勝ち越しに成功した。徳島戦でも言われていたがリカルド監督はハーフタイムの修正力が秀でている。マリノス戦や川崎戦のような後半の失点も過去にあるため否定する意見もあるかもしれないが、その2チームほどの実力差が無ければ監督の手腕だけで引っくり返すことは十分可能なことがここ数試合で証明された。

■課題
以前から課題として挙げていたビルドアップの拙さだが、これまではギリギリのところで選手個人の踏ん張りで耐えてなんとか失点には至らず済んでいたのが今回ついに失点に繋がってしまった。シーズン中に個人のスキルを伸ばすのも難しいし飲水タイムによる監督の修正ではあまり効果が出ないこともわかっている。小泉のコメントにもあるように今は選手個々のピッチ内での修正によってなんとかするしかないのが現状だろう。

■気になった選手
柴戸
チーム1の走行距離を出すほどよく走りよく奪っていたが、ボール保持においてはあまりボールに絡めなかった。18分に伊佐を引き連れてボールホルダーに近寄って関根のスペース消して結局ロストしたシーンに象徴されるようにボールサイドに顔を出し過ぎなのでは。
武藤
前節セレッソ戦に引き続きミスが目立つ。味方の意を感じ取れずボールロストするシーンも。
山中
前半何度も松本に裏を取られたのは山中一人の責任ではないが後半トラップ際を松本に奪われカウンターを食らったシーンはあってはならないミス。わずか3分後に汰木と代えられてしまった事実はどれだけ致命的なミスだったか明白。
敦樹
後半開始から投入されビルドアップと守備の両方の安定をチームにもたらした。特にネガトラ時の守備対応では幾度もピンチを未然に防いだ。


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