2021年5月19日水曜日

2021 J1リーグ 第14節 ガンバ大阪戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは敦樹が柴戸に、関根が田中に変更。ガンバは前節からチュセジョンが宇佐美に、パトリックがチアゴアウベスに変更。
レッズは前節仙台戦からは中6日の日程。ガンバはACLの日程の関係で4日前に試合があり中3日の日程。水曜の敗戦の2日後には宮本監督の解任を発表し松波強化アカデミー部長の暫定監督就任を発表した。

■おおまかな流れ
ガンバは立ち上がりから激しく体をぶつける勢いでプレスをかけレッズのボール保持は安定せずガンバにボールを握られる。
ガンバのビルドアップはSBにタッチライン際で相手のラインの間くらいに立たせてCBからSBにボールが入ったらSHとのコンビネーションからアーリークロスや、SB自らカットインしてチャンスを創出する形が何度か見られた。
左右でやや作り方が異なり右サイドではあまり有効な形を作れていなかったが左では複数のパターンでボールを前進させていた。
7:45はSB黒川がライン際に立ってCBからのボールを受けているが、10:14にはSHの宇佐美が同じ位置で受けている。ガンバ側の選手の特性が左右で違うこともあったがレッズ側の守備の対応も左右でまた違っていたように見えた。
西は決して最終ラインから飛び出そうとせず常にCBとの距離間を保っていて大外レーンの対応は全て田中に任せていたように見えたが、一方逆サイドの明本は飛び出して奥野にプレスをかける場面も見られた。

一方序盤のレッズのビルドアップで目立ったのは小泉。中間ポジションに立って2:16には西から長い縦パスを引き出し、3:39にも岩波から、5:12には槙野からそれぞれ長い縦パスをフリーで受ける姿が見られた。
唐突に生まれた先制点も槙野のロングフィードを小泉が頭で落とし、さらに大外レーンに開いて西からの縦パスを引き出しボールを前進。その後、柴戸から左の阿部へ展開し武藤へ縦、ユンカーへのクロスは誰も触れず流れたボールを田中が拾って柔らかい山なりクロスを後ろに跳びながらユンカーが頭で合わせて先制ゴール。

速攻カウンターも今までにないほど綺麗な形で素早く効果的に決まっていた。
どのカウンターにも絡んでいたのがユンカー。2:43には右から斜めに切り込み武藤へのラストパス、8:23にはこぼれ球を拾って中央を持ち運んで右の田中へ出し自らはクロスを待ってゴール前へ飛び込む、17:12には前線から下りて三浦を背負いながらワンタッチでボールをコントロールして前を向いて爆走、その後バイタルで小泉へのラストパス。
追加点も全てカウンターからで2点目はユンカーのサイドチェンジから。3点目は田中のクロスにユンカーが左足で流し込むだけのフィニッシュ。
相手がハイラインだったことも簡単に裏をとれた理由になっているがそれにしてもほぼ全てのカウンターにユンカーが絡んでいるのは驚異的。しかもフィニッシュだけではなく起点になるプレーが多かった。

監督からすれば理想的ではないものの3点差をつけて折り返した素晴らしい前半からすると後半の内容は褒められたものではなかった。
特に小泉とユンカーを同時に交代させて以降は守って逃げ切るのかダメ押しの追加点を取りに行きたいのかもはっきりしなかった。その次の阿部と武藤を下げた交代にしてもどちらもポゼッションを上げたいというのが交代の意図としてあったと思われるが状況は好転しなかった。
後半の飲水タイムを経てやや改善されたもののレッズ側の修正というよりは相手の交代策がハマらなかっただけのようにも見えた。
とは言え、決定機を作らせず失点もなかったのでもたらした結果は十分と言えるが。

■課題
後半交代で入った選手が状況の改善も違いを作ることもできず無為に時間を費やしたこと。
リーグ戦の途中出場はエリートリーグのフル出場よりも価値のある時間に思えるが選手にとってはそうではないのかと疑う内容だった。

■ポジティブ
久々となった田中のスタメン起用が直前のエリートリーグのパフォーマンスから来ていることは試合後の監督のコメントからも確認され、ますますエリートリーグの重要性と有用性が実証されたこと。
理想とするサッカーを実現できなくとも別のサッカーを現場の選手たちで選択し実行できたこと。そしてその結果勝利したこと。

■気になった選手
ユンカー
抜群の決定力を持っていることはここ3試合で十分証明されたがフィニッシュワーク以外にも多彩なスキルを持っていることが確認された。多少のプレスでも奪われず倒されないフィジカルや、相手DFを背負っても正確に落とせるポスト能力、小泉へラストパスを出せる冷静さ、狭いスペースからサイドチェンジを出せる視野の広さ、チアゴアウベスを振り切るスプリント能力。非の打ちどころが無いとは彼のためにある言葉。文句なしのマンオブザマッチ
田中
1ゴール2アシストという確かな結果を残しユンカーより20分も長くピッチに残ったのだからマンオブザマッチでも遜色ない活躍と言える。ただ開幕当初に田中のプレーに抱いた不満は解消されなかった。すなわちビルドアップの関与だがこの試合に関して言えば田中がライン際に張ってたから小泉が内のレーンで縦パスを受けられたのかも。何せリーグ戦スタメン出場が2節以来だし79分も出たのは今季初なのでもう少し見守りたい。
小泉
ビルドアップで最終ラインからの縦パスを引き出す抜群のポジショニングが際立っていた。惜しむらくは次のプレーに周りが呼応できなかったこと。近くに武藤がいれば仙台戦のような連携が見れたと思えるが右サイドで受けることが多く武藤とは距離があった。
明本
今やすっかりSBとして定着した感のある明本はこの日もフル出場。前半武藤とのコンビでチアゴと奥野を抑え込んだ守備は完璧だった。1アシストという結果も残しますますこのポジションが確固たるものとなりつつある。


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