2021年5月13日木曜日

2021 J1リーグ 第13節 ベガルタ仙台戦

■スタメン
レッズは前節からの入れ替えは西川が鈴木に、柴戸が阿部に、興梠がユンカーに変更。仙台は前節から真瀬が蜂須賀に、赤崎が氣田に変更。

■おおまかな流れ
レッズはボールを持ったら強引に最前線のユンカーへロングボールを蹴っ飛ばすシーンが序盤から度々見られる。3分に武藤、3分に関根、4分に岩波、5分に鈴木と開始6分までで4度も蹴っ飛ばしていたが1本もユンカーへは通らなかった。
ロングボールを簡単に相手に奪われネガトラも効かず攻め込まれるため立ち上がりは仙台が主導権を握る。

5:53にレッズのスローインから左ペナ脇で受けた小泉が中央へ斜めに長いボールを入れるとこれを氣田が奪う。すぐさまエリア内の西村へ縦に出し槙野が寄せる前に左足シュートを放つも2,3歩前に出た鈴木が体に当ててゴールを割らせない。結果的にはこのビッグセーブで前半を無失点で折り返せたことが、ひいては試合全体の勝敗を左右したように思われた。

13分を過ぎたあたりからポゼッションも向上し徐々にレッズの反撃開始。
13:52に中央で受けた小泉がロブパスを入れると間で受けたユンカーが胸で落として左の武藤へ。武藤は縦に仕掛けてエリア内で左足クロス。ユンカーが頭で合わせるもボールはバーの上。
15:40にレッズのスローインを奪って仙台のカウンター。中央を縦に早くつないで最後は槙野に前に立たれながら強引に加藤の左足シュート。鈴木が右に倒れながら両手でキャッチ。
17:28にレッズの右スローインからユンカーが落として槙野へ戻す。槙野は左の小泉へ。小泉は左サイドを単独で持ち上がって中央の武藤へ斜めのパス。これを後ろ向きで受けて一度前を向くも右へバックパス。阿部がダイレクトでグラウンダーのミドルを放つも左のポストを逸れて枠外。

前半の飲水タイムを挟んでようやくレッズに後方からつなぐビルドアップが増え始める。
31:05に関口に対し阿部がプレスをかけ敦樹のプレスバックでひっかけたボールが氣田に拾われる。そのまま前進してペナルティアークで右足ミドルを放つも鈴木がキャッチ。
レッズもその後シュート2本を計上するも相手GKのセーブを必要とするシュートは打てない。

後半立ち上がりは仙台もやや前からの圧を強めたか五分以上の内容で押し返されるレッズ。
50:10にはCKをフリーで合わせられる危険なシーンも。
56:41、敵陣で関根からボールを奪った関口の右足ミドルは枠外。
57:36、西から右大外関根へ縦、左の武藤へ、ターンして小泉へ縦、2人食いつくが武藤へフリックワンツー、武藤はさらにワンタッチでユンカーへ、エリア内フリーで抜け出し左足で止めて左足のアウトサイドでゴール左隅へ沈め待望の先制点。
この先制点と似た形は後半開始早々にも同じく武藤、小泉のコンビで作られていた。どちらのシーンも最終ラインから大外レーンに開いたウイングの選手にボールが入った瞬間にはその隣のレーンにいた選手、この場合どちらも武藤だが彼が描いたゴールまでのイメージとそれに呼応できた小泉の関係が素晴らしかった。

先制後も引き続きボールを握るレッズ。
67:35、敵陣で西から関根に縦、前を向いて左の興梠へ、ワンタッチで右の阿部へショートロブパス、阿部も頭でワンタッチで相手の最終ライン裏へ、明本が抜け出し左足を伸ばしてトラップするも平岡のタックルによりシュートは打てず。
69:12、槙野のオーバーヘッドは手が吉野の顔に入ったためファウルの判定。ファウルが無かったとしてもボールはGK正面でスウォビクは両手でキャッチ。
72:25、敵陣で小泉がファウルを受け吉野にイエローカード。ここで得たFKを阿部が直接叩き込み追加点。

結果的にクリーンシートで試合を終えたもののラスト15分の内容は「しっかりクローズ」とは言い難い内容。75分には岩波がエリア内で相手を倒すPK献上ものの守備、81分と88分に鈴木のフィードが自陣でマルティノスに奪われる場面、91分には相手のCKに飛び出してボールに触れない鈴木と危ないシーンが何度か見られた。相手が仙台でなければ、この日の主審が別の人ならば、これらは失点に繋がっていたかもしれない。
ともあれ決定機は作らせずにクリーンシートで試合終了。

■課題
課題とは言えないが、試合序盤にレッズが見せたサッカーが意味するものは何なのか。あれをどう捉えるかでこの試合の評価も分かれそう。狙いはともかく事実として狙いを達成することは一切出来なかった。それは間違いない。無理と悟って即座に方針転換しピッチ内の選手で、あるいは監督の修正によっていつものレッズのサッカーに戻ったことはポジティブに捉えていいと思う。問題は何らかの調整を加えて次の試合でも同じチャレンジをするのかどうか。これっきりで終わるならただの失敗として切って捨てるだけの過去になるが。

■気になった選手
伊藤敦樹
柴戸の負傷離脱中、その代役を求められることになるであろう選手こそ敦樹になると勝手に予想しているのだがこの試合に関して言えば不合格と言わざるを得ない。ネガトラに関しては蹴っ飛ばすのをチーム全体でやめてからはマシになったが、ビルドアップに関しては柴戸ほどの貢献は最後までできなかった。ただし隙あらば前に出てシュートを打とうとする積極性は○。
関根
ボールロストが多い。バックパスも多い。相手を見た優位性ある正しいポジショニングが出来ているように見えない。先制点のシーンも武藤の体の後ろにパスを出してしまっているせいで無駄なターンが必要になっていることばかり気になった。
西
非の打ちどころのない完璧超人と思われた選手だが50分に仙台のCKでマークしてるはずの選手にフリーで頭で合わせられたシーンには肝を冷やした。これだけが唯一の弱点であってくれれば実に些細な問題だが。
武藤
7節鹿島戦以来全試合スタメン起用され重用されてきた武藤だが鹿島戦ほどのパフォーマンスを発揮できたと言える試合はここまで無かった。この試合では見事にあの日の輝きを取り戻すクオリティを見せた。問題は相手が鹿島、仙台だから出来たプレーなのか、ユンカーという最後のピースがはまったから出来たのか、単に武藤のコンディションが絶好調なだけだったのか。これらのうちどれによってもたらされた結果なのかで今後の評価も変わってくる。とは言えマンオブザマッチ
鈴木
序盤のビッグセーブは分水嶺になったと言っても過言ではないほどのプレーだったが試合終盤で見せたプレーはまだまだ年齢相応の甘さが出たと言える。それらのミスが相手の決定機にも失点にも繋がらなかったのは仲間に助けられたためであることはしっかり自覚すべき。


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