2024年8月5日月曜日

2024 J1リーグ 第10節 名古屋グランパス戦の感想

名古屋はレッズのビルドアップ時はグスタフソンに森島がベッタリ張り付いてボールを入れさせない。名古屋のビルドアップ時には渡邊の裏に長いボールを蹴って開始5分までに3度も狙い撃ちにする等、事前によくレッズ対策を講じてきた動きを攻守に見せる。8分に倍井のファーストシュートもあり序盤の流れは名古屋が掴む。負けじとレッズも10分に中島がグラウンダーミドルを放つも単発に終わり続かない。

直後のボールキープでヒートアップしたサンタナが河面と揉めてイエローカードを貰う等、どう見てもレッズによくない流れになっていたにもかかわらず23分唐突に先制点をあげるレッズ。兆しがあったとすれば直前の前田とサンタナで高い位置でボールを奪ったプレス。これがスイッチになってその後の相手GKのスローに敦樹が前プレをかけ前田が続き石原も安居もサンタナも呼応した結果相手のミスを誘い転がり込んできたチャンスを今季初スタメンの安居が見事にモノにして見せた。

先制後、劇的に流れが変わることもなく互いに前からプレスをかけては蹴っ飛ばしロストするかセカンドボール争いからのトランジション勝負を繰り返し後ろから繋いでクリーンに前線に供給するような場面は双方に見られない。35分を過ぎたあたりでようやくレッズのビルドアップに改善が見られ敦樹か安居が下りて相手がそれについてきたら空けたスペースをグスタフソンが使う動きで相手を下げさせジワジワラインを上げる。39分にはグスタフソンと敦樹のエリア内シュートが生まれたかと思えば直後の40分にはロングボール一発で渡邊の裏を取られ折り返しを永井が合わせる決定機を作られ互いにまるで安定しない守備を見せつつ前半終了。

後半立ち上がり、名古屋は渡邊だけでなく石原の背後も狙うようになって50分までに1回の敵陣深い位置への進入と1回の決定機を作る。これを続けられれば一方的に押し込む時間を作れそうなものを前半にもあったように肝心なところでラフプレーをしてしまいその勢いを自ら殺いでいるように見えた。

かと言ってグスタフソンが米本に削られて得たプレー中断の時間でレッズが立て直しに成功したかというと全くそんなことはなく再開直後の57分には倍井の決定機を許しているがミートしなかったおかげで失点は免れた。その後も互いにシュートを打ったり打たれたりを繰り返す野球のような攻守交替を続けていたら67分に前田がエリア内で倒されPK獲得。サンタナが難なく決めてレッズの追加点。

結局その後も何本かシュートを浴びATにはCKから1点返されるもなんとか逃げ切り成功。2試合ぶりの勝利となった。

結果的には迂闊なラフプレーにより相手が自ら敗戦を招いたおかげでレッズは勝ち点3を得たが、それにしても90分一度も試合を落ち着かせることが出来ず終始バタバタしたまま終えたこの試合を見終えた感想は、とても勝ち試合を見た後のそれではなかった。気になるのはやはりボール非保持、守備の部分。相手をどこに誘導してどこで奪うかを設定しチーム全体で共有することは守備の基本のはずだが今のレッズを見ているとそれが徹底されているように見えない。連敗を経てもこの有様なので改善されることはこの先も期待できないのだろうか。

2024年8月3日土曜日

2024 J1リーグ 第9節 ガンバ大阪戦の感想

立ち上がりで主導権を握ったのはレッズ。ショルツのスタメン復帰、中島発スタメン、大久保のIH起用等幾つかトピックがあった中でビルドアップに積極的に関わろうとする大久保の存在が一際目立った。レッズのビルドアップにおけるグスタフソン封じが浸透しつつある中で7分のようにグスタフソンと入れ替わるようにアンカーポジションに下りてきたり、22分のように大久保にマークがつけばグスタフソンが浮いたり、大久保とグスタフソンが互いに活かし合う関係が良好だった。同じヴェルディ育ちの中島との相性も良さそうで14分には中島が下りて入れ替わりで大久保が前に出るシーンも確認。

例によってレッズが押し込めど崩せず、シュートも打てずにいると28分くらいから双方にファウルが増え度々試合が止まり退屈な時間に。同時に少しずつガンバのポゼッションが回復。互いにシュートも少なくこれといった決定機も無いまま前半終了。

HTに選手交代は互いに無し。45分右CKからホイブラーテンが頭で合わせる。47分には右サイドを崩してグスタフソンのシュートは枠外。51分サンタナのミドル。54分渡邊のファークロスに敦樹のヘッドはポスト直撃。後半立ち上がり立て続けにチャンスメイクするレッズ。

一方ガンバも50分唐山が渡邊を振り切って惜しいシーンも。64分にも唐山と交代で入った岸本に抜け出されエリア内で倒す危険なシーンも。前半も石原とウェルトンの1on1で危ういシーンがあった。レッズのウィークポイントはSBであることはわかっていたものの徐々にそれが顕著になる。

65分に前田と中島を下げて松尾と安居を投入すると直後の67分に渡邊のミドルを一森横っ飛びセーブ。徐々に試合が動きそうな気配。72分に2本あったような松尾への裏抜けロングボールが目立つレッズ。(どちらも通らない)

75分に大久保とショルツを下げて小泉と佐藤を投入するレッズ。すると直後の77分に坂本にエリア内でシュートを決められ失点。守備対応で言いたいことも無くはないが問題はむしろその直前。松尾が持ち上がったカウンターの局面でサンタナと小泉の2人しか上がってこなかったこと、三浦のディレイ対応に松尾が遅らされまんまと相手の帰陣を許し松尾はあえなくバックパス。この時点でカウンターが不発に終わっている。それに対しガンバは鈴木が敦樹からボールを奪うと一気にウェルトンまでロングボールを展開。エリア内でホイブラーテンと1on1になるもワンフェイント入れて坂本へラストパス、先制ゴールとスピードを落とすことなく見事にカウンターをやり切っている。しかもウェルトンがラストパスを出す直前エリア内にガンバの選手はウェルトン含め5人も揃っていた。鈴木が敦樹から奪った瞬間前に残っていたのは宇佐美とウェルトンの2人だけ。つまりあとの3人は自陣深い位置からしっかり走ってゴールの瞬間エリア内に飛び込んで見せた。ネガトラは互いにしっかりやってて互角だったとしてもポジトラでは残酷なまでにくっきり明確に差が出てしまった。

その後レッズは82分に敦樹を下げて興梠投入。前からは奪いに行かず自陣でしっかり構えて撤退守備のガンバ。押し込む時間も作りシュートも打てたものの決定機は作れないレッズ。そのまま危険なシーンをレッズに作らせることなく試合を締めて見せたガンバの勝利。

ウノゼロというスコア、失点した時間帯、クロスに中央で受けられての失点の仕方ということで前節と同じ負け方という印象を受けた人も多いかもしれないがミス連発で主導権を相手に握られた前節に対し多くの時間でゲームを支配したこの試合とでは内容に雲泥の差があった。まるで決定機を作れなかった前半に対し後半立ち上がりの猛攻。スコアが動いたシーンの直前に見せた両チームの振る舞いの差。示唆に富む試合だったように思う。

2024年8月2日金曜日

2024 J1リーグ 第8節 柏レイソル戦の感想

この日の立ち上がりのレッズは2分に小泉が自陣エリア内で山田へのプレゼントパスであわや失点のピンチ。5分にグスタフソンが誰もいない逆サイドへのサイドチェンジで直接ラインを割る。11分にホイブラーテンがビルドアップで躓いてボールロストと、序盤のレッズはミスを連発。特に2分に小泉のミスは直後のCKも含めると計3発のシュートを打たれていてこの時間を無失点で切り抜けられたのは運が良かった。

レッズはミスから上手くボールを繋げず序盤は柏がボールを握る。柏はGKがエリアを出てビルドアップに参加する。CBとGKの3人で開始してレッズも前からプレスをかけようとはしないのにロングボール主体のビルドアップをする柏。最後方から蹴るときは中盤ライン際の川口やジエゴへ、もう少し前から蹴れるときは渡邊の裏へ戸嶋を走らせたり、石原と山田を競り合わせたり、対角にロングボールを入れてレッズのSBと勝負させていた。

しびれを切らしたようにサンタナが下りてくると少しレッズのビルドアップに改善が見られそうだったもののやはりミスが減らずまるで繋げない。背中を向けたサンタナの踵に向かってグスタフソンがボールを蹴った時はさすがに目を疑った。

25分くらいからようやくレッズのミスが減り小さく細かく繋いでリズムが掴めるようになり徐々にゴールにも迫っていたが相手のブロックが堅く放り込んでは跳ね返されシュート数は増えない。ミスが減ったため守備でも簡単にやられなくなり時折カウンターは食らうもののこちらもシュートは打たせず膠着状態のまま前半終了。

前半から引き続き早めに蹴っ飛ばす柏と対照的に打って変わってビルドアップで繋ごうとするレッズ。49分に小泉の枠外ミドル。53分にジエゴのヘッド。直後にサヴィオのヘッド。54分にサンタナのヘッドと、互いに1ターンずつ攻守交替するような展開ではあるものの作るチャンスの質は柏が上。組み立てはレッズがやや上手いがゴール前での振る舞いは圧倒的に柏が上。

レッズのビルドアップが通用したのは後半立ち上がりだけで柏がすぐにこれに対応し繋げなくなるとレッズもまた蹴っ飛ばすようになる。57分に小屋松、戸嶋を下げて木下、島村を投入する柏。59分にはレッズも小泉と前田を下げて中島と大久保を投入。

65分にミドル、71分にエリア内左足シュートと中島が徐々に存在感を発揮していた矢先の71分、木下の先制ゴールでついに試合が動く。レッズの左サイドを2人掛かりで突破しようとする相手に何故か渡邊1人で対応させられた結果自由にクロスを入れさせてしまったうえ、エリア内に十分に人数は揃っていたにもかかわらず死角から飛び込んで来る木下を誰も捉えることは出来なかった。

失点後もビルドアップの出口になったりフィニッシュに絡んだりと躍動したのは引き続き中島。75分には松尾を下げて安居を、78分には敦樹を下げて興梠を投入するも決定機どころかシュートもロクに増やせないレッズ。85分のサンタナのミドルでシュートは打ち止め。ラスト15分のポゼッションが柏38%レッズ62%とは信じられないくらいのノーチャンスのままあえなく敗戦。

スコアこそウノゼロという僅差の結果ながらも内容を総合的に振り返ると勝ち点3に相応しかったのは柏だったように思う。レッズのシュート数が8本に対し柏のシュート数が15本というスタッツにも十分それが表れている。やはり前半立ち上がりだけでなく90分通してやたらとミスが目立ったことが勝敗を分けたように思えてならない。相手のプレスによって誘発されるミスならいざ知らずノープレッシャー下での自発的なミスを度々目にすると、次々とスタメンどころかベンチからも消えていくレギュラー陣のことも相まって日頃のトレーニングとその強度に疑問の目を向けたくなる。この日唯一の収穫は中島のコンディションが良さそうなことくらい。

2024年7月31日水曜日

2024 J1リーグ 第6節 FC東京戦の感想

中断期間はレッズの試合を振り返れるだけ振り返る時間に充てることに。というわけで抜けてた6節FC東京戦の振り返りから。

立ち上がりホイブラーテンとグスタフソンがかぶってロストしたり、クリアしようとして飛び出した佐藤がかわされたりとドタバタした守備を見せたものの直ぐにレッズが保持して東京が構える構図に落ち着く。CBからSBに斜めにボールを出すところまでは自由にやらせてもらえるもののその先のブロックは堅く早々にロングボールを選択すると前線のシンプル球際勝負のほうが分がありそうで珍しく早い時間からシュートを量産するレッズ。

決定機も作ったが決め切れずにいると11分に2度もレッズの右サイドの深い位置を抉られ2度ともマイナスショートパスを許し高宇洋のグラウンダーミドルを決められてしまう。ゴール直前の松木の岩尾へのファウルにより先制点は取り消しにはなったもののやらせてはいけないプレーを短時間に2度許してしまうのは見ている側としては大きな不安を抱かせた。

15分以降東京はCBにもプレスをかけるようになるとレッズはSBへのロングボールでプレス回避。ただ20分までに3度酒井へとボールが渡るも1度もシュートには至れない。むしろ18分の前田の決定機のような中盤で奪ってからのカウンターのほうが可能性を感じさせる場面も。21分にはようやく後ろから繋いで敦樹のクロスを放り込む惜しい場面も作れて徐々にゴールが近付く。直後の23分に押し込まれた状態から自陣でボールを奪うと前を向いたサンタナがハーフウェイラインからのロングシュートを放ちこれが綺麗にゴールに吸い込まれ先制点に。

先制後もセカンドボールを奪ってからのカウンターで28分に渡邊の惜しいシュート。かと思えば直後のCKを奪ってのカウンターで一気に安斎のシュートまで持っていく東京。36分にまたも敦樹がハーフレーンを縦に突破してのマイナスクロスは相手にクリアされ直後の37分サンタナのミドルは右に逸れて枠外。互いにシュートは打ち合ってはいたものの作ったチャンスの質は贔屓目抜きに見てもレッズが上だったように思われる。

HTは共に交代選手なし。後半は立ち上がりから東京が一方的に攻め込み開始4分であっという間に同点を奪う。前半から脆さを露呈していたレッズの右サイドをまたも簡単に崩されての失点を見るや前田と酒井の同サイドの2人を即座に交代するヘグモ監督。失点後も選手交代後もまるで押し返せないレッズ。ボールを持てる時間は作れても前半に比べゴールに迫ることが全くできなくなってしまった。57分にはついに松木に逆転弾を許してしまう。

このあっという間の逆転劇は自分なりに整理してみたところ、前半11分までに見せていたレッズの弱みと東京の強みを東京がもう一度思い出したことに尽きる。レッズの弱みというのはちょっとプレスをかければ簡単にミスを誘発できる選手を集中的に狙われたこと。同点弾を食らった場面で失点に直結するミスを犯した選手はその2分前にも似たような抜かれ方をしていたり、逆転弾を食らった場面で競り合いに勝てなかった選手もまた同様に直前にロングボールで狙われていたり、意図した場面に意図した選手をぶつけることで勝てる勝負だけを挑むようなそんなイメージ。

逆転後の東京はしっかり後ろで構えて無理に奪いに行かず最終ラインでパスを迎撃する形に移行。多少は敵陣までボールを運べるようになるもシュートは遠いレッズ。この時間最も奮闘していたのは渡邊。酒井が抜けては右SBに入り、大畑が抜けて石原が入れば左SBに移されこの日3つのポジションを任されたがいずれも器用に対応して見せた。

終盤に渡邊や敦樹が惜しいミドルを放つシーンもあったものの最後まで相手の壁は破れずまたしても国立で敗戦。

なまじ前半先制後に相手に弱みを見せることなく無難に20分をこなすどころかむしろレッズが優勢に試合を進めただけにHTに選手交代をする選択肢はさすがに無かった。後半最初に弱点を露呈してからもう少し時間を稼げていれば決断できていたかもしれない。余りにも短時間の間に連続で狙われてしまい耐えることもできなかった。逆転弾までの流れを見ても相手は徹底していた。あらゆる状況に対し交代策のみで全て対応するのは無理があるためピッチ内の選手たちの対応力のようなものが問われた試合だったように思う。耐え切れば流れを変えられるはずの時間帯に耐え切れなかった。選手個人というより集団として組織としてこの敗戦を糧に成長して欲しい。

2024年4月11日木曜日

2024 J1リーグ 第7節 サガン鳥栖戦の感想

6節FC東京戦は4節湘南戦同様まともに視聴できなかったため感想を断念し7節の感想。

開始4分でいきなり先制してしまったためもう少しイーブンの時間が長ければどうなっていたかわからないがこの日のレッズの守備は前からのプレスがかなり上手くハマっていた。1分に敵陣左サイドで奪い、14分に敵陣右サイドで奪い、23分に敵陣中央で奪い、31分に敵陣左サイドで奪う他、GKまで何度もボールを戻させ蹴らせてラインを割らせてレッズのスローインにしていた。ただ14分のショートカウンターなどはシュートまで打ててはいたもののこれらのショートカウンターから決定機自体は多く作れなかった。

全ての前プレスで必ず奪い切るなどということは不可能なので網を抜け出されることもあったが、肝心なところで相手にミスが出ることとそのミスを見逃さずに素早い切り替えで帰陣した選手がボールを奪うなど、こと守備においての意識の高さは際立っていた。

前半で相手に作られた危険な形として12分にブロックの外で原田が受けて菊地に斜めに出しエリア内で折り返しを許しそうになったシーンがあるが、その後31分に似たようなシーンでは松尾が下がって5-4-1のような形を作って対応。37分には飛び出して穴を空けた渡邊の裏を堀米に使われたもののホイブラーテンがカバーし事なきを得た。どちらも見事に修正してセーフティに対応していた。

HTに鳥栖はヴィニシウスと福田を交代し富樫と横山を投入。キャラクターが変わったこともあって前半より鳥栖のプレスは強みを増す。しかしレッズは簡単に引かず前半から引き続き前に出続け後半開始5分でエリア内からシュートを2本放つどころか52分には松尾の追加点まで生まれる。

その後も55分に敦樹の決定機、73分に松尾と交代で入った中島のシュート、75分にもミートしなかったものの敦樹の決定機、79分にも中島の決定機と鳥栖にはチャンスを作らせずペースを握り続けたまま迎えた82分には前田と交代で入った大久保の追加点で3-0にする。

試合終了まで流れを渡さず最後までレッズが試合を支配したまま3-0で快勝した。

点差以上の圧倒的な試合内容で久々にこんなワンサイドゲームを見た気がする。先制されても流れを握られたままでも相手が変化を見せず、或いは変化したものの効果を発揮しなかったためレッズとしては何一つ試された感が無かったように思える。ただ相手の調子が悪かった、チームとして仕上がっていなかったとしてもそんな相手にすら勝てないよりはずっといいのは言うまでもないことなので内容と結果を伴って勝てたことは称賛するべき。

6節で生まれた課題の解決については8節でまた検証していきたい。

2024年4月2日火曜日

2024 J1リーグ 第5節 アビスパ福岡戦の感想

立ち上がり、レッズのボール保持で福岡はビルドアップの要グスタフソンには主にザヘディが張り付きCBには岩崎と紺野がプレスをかける。佐藤もホイブラーテンも運べないためコースを切りながらの相手のプレスに苦戦。酒井、渡邊のSBに出しても出足のいい相手のWBが迎撃。結局大きく蹴り出しセカンドボール回収からのトランジション勝負をするレッズ。

4分には永石のパントキックを跳ね返してグスタフソンが前田に出してカウンター。渡邊のクロスをサンタナが頭で合わせる決定機は残念ながら枠外。直後の6分にも西川のロングフィードからサンタナが中盤で収めて1人かわしてからのミドルは永石が弾き出す。

一方福岡のビルドアップは松岡か前にボールが入ったら敦樹や岩尾が一気にプレスをかけて無理めのワンタッチパスを出させて回収するやり方で8分に2度ボール奪取に成功。

10分以降は互いに蹴っ飛ばし合い互いに球際で激しく削り合い頻繁に試合が止まる退屈な時間になる。次第にレッズのキックの精度が怪しくなり徐々に福岡が押し込み始める。しかし決定機は作らせず水際で耐えるレッズ。18分あたりから岩尾が下りてビルドアップに絡み始めると19分にはこの日初の後ろから繋ぐビルドアップが成功。22分には福岡も負けじと繋いでビルドアップを成功させる。ただ互いにシュートまでは至らない。

24分にビルドアップのミスから福岡のショートカウンター。エリア内で紺野がこの日福岡の初シュート。すると26分には押し込んでいたレッズに対しボールを奪った福岡のロングカウンター。湯澤の縦パスを渡邊が後逸するとザヘディが拾ってゆうに30m以上はあるかという距離から強烈なミドルシュートを放ちこれがニアに決まり福岡先制。

先制されて以降のレッズは岩尾が下りる前の拙いビルドアップに戻り相手のプレスに屈し西川までボールを戻し苦し紛れのロングボールに逃げるのが2回。36分にはまたもロングカウンターを食らい佐藤がザヘディにかわされあわや2点目のシーンも。(ラストパスは酒井がカット)41分にもグスタフソンが中盤で岩崎に奪われてまたカウンター。紺野のループ狙い?のシュートは西川がキャッチ。ただ奪われたら即カウンターを食らうほどの前掛かりになっていたのは事実でその甲斐もあってか42分から前半終了までに3本のシュートを計上。

後半は開始直後の46分に一度だけ攻め込まれたきりで以降はひたすらレッズがボールを握って攻め続ける時間が続く。52分の岩尾のミドルは枠外。56分サンタナのシュートは目の前のブロックに跳ね返される。決定機こそ無いもののシュート数も重ね着実に相手ゴールに迫っていた。

58分に福岡はザヘディと宮を交代しウェリントンと井上を投入。レッズも大久保が交代し大畑が投入される。61分には渡邊がエリア内でシュートを放つ決定機。交代直後こそ抜けた大久保のポジションにそのまま入った大畑だったが63分以降は渡邊と入れ替わり本来のポジションにつく。すると直後の64分には酒井の山なりファークロスに渡邊がワンタッチボレーで合わせて同点ゴールが決まる。お世辞にも綺麗なゴールとは言えないものの直前の決定機やポジションの入れ替わり等、ゴールに至るまでの伏線は十分過ぎるほど効いていた。

後半ずっと重心が低いまま前に出てこようとしなかった福岡だが同点直後はさすがに前への圧を強める。だが肝心なところで長いボールの精度を欠きボールを失ってしまう。すると68分には佐藤から岩尾への楔が入ると田代の裏へ大きく蹴るとこれが前田に通り右ペナ脇からエリア内に進入し速く鋭いクロスをファーサイドへ放り込むとブロックに入った井上の右腕に当たりOFRによりこれがPK。サンタナがゴール右に思い切り叩き込みレッズが逆転。

74分に福岡は湯澤と紺野が交代し小田と金森を投入。76分には中島と敦樹を交代するレッズ。その後ポゼッションこそ少し回復し敵陣でボールを持つ時間も増えるもののシュートが遠い福岡。この時間の福岡はウェリントン狙いのクロスしか攻め手が無さそうだった。80分にFKからのホイブラーテンのバックヘッド、直後の中島のクロスに酒井が中で合わせる決定機と対照的にシュートを増やすレッズ。86分にも岩尾の浮き球スルーパスに酒井が抜け出しチャンスメイク。88分にも中島の決定機。

ATに岩尾の背中に当たってディフレクトした難しいシュートを西川が弾き出す危ないシーンを作られたものの最後まで攻め続けたレッズがホーム初勝利を収めた。

結果論に過ぎないかもしれないが結果的には交代で入った選手がポジションチェンジで効果を発揮したレッズと、交代で入った選手が失点に絡んでしまった福岡で明暗が分かれた。開幕からの福岡の4試合を見ていないので憶測になるが元々ボールを持たないサッカーを志向していたとは言えさすがに簡単にボールを渡し過ぎではと思った。先制こそされたものの試合全体を振り返るとレッズにとって危険なシーン、福岡にとっての決定機も殆ど作らせない安全な試合だった。

2024年3月27日水曜日

2024 J1リーグ 第4節 湘南ベルマーレ戦の感想

DAZNのシークバーを使った再生箇所の指定や10秒早送り巻き戻しの機能等が何故かこの4節だけ全然使い物にならない(使うと永久にクルクルし続ける)ので流れだけ追ってさらっと見た感想。

キックオフ直後こそ湘南のハイプレスに押されるものの3分を過ぎたあたりから下りた興梠が起点を作って落ち着いてボールを回せるようになる。

5分に相手に引っかかりながらも後ろから繋いで最後は渡邊がクロスを上げるところまで到達。7分にCKから関根のミドルは枠外。8分にFKから佐藤のヘッドも枠外。9分に相手のビルドアップを興梠が引っかけて小泉がエリア内から打った右足シュートも枠外。

直後の西川からのビルドアップでは一度も相手に引っかかることなく後ろからクリーンに繋いでグスタフソンの浮き球スルーパスに前田が裏抜けし興梠へのラストパスで先制に成功。まさに興梠のための前半10分だったなという印象。

先制後も引き続きレッズのペース。16分にはまたも後ろから繋いでビルドアップを成功させ最後はエリア内中央から小泉の左足シュートはまたも枠外。なおレッズの前半のシュートはこれで終わり。

するとその直後くらいから湘南は後ろからゆっくりじっくり何度もやり直しながら繋いで相手のラインを下げさせジワジワ押し込みボールを前進させ22分には鈴木雄斗が渡邊の裏を抜け出しクロス。酒井に当たってラインを割りそうになったボールを杉岡がルキアンに繋いで同点ゴール。

追いついてからも主導権を握り続ける湘南。繋ぎだした湘南とは対照的に雑に蹴っ飛ばしてすぐにボールを手放すようになるレッズ。31分には中央の狭いスペースをあっさり割られついに逆転ゴールを許すレッズ。

その後も中盤のフィルターがかからず簡単に危険な縦パスを何本も通されるレッズ。前半終盤に少し盛り返して攻め続けるも結局シュートは打てず。

HTで小泉と興梠を交代し岩尾と松尾を投入するレッズ。後半開始直後ホイブラーテンから佐藤への横パスを鈴木章斗にかっさらわれそのまま落ち着いて右足を振り抜くとニアの厳しいコースを突いて湘南の3点目が決まる。

出鼻をくじかれたとは言えまだまだ時間は十分あるので焦らず流れを取り戻すレッズ。前半よりもロングボール、及びセカンドボールの収まりが良くなってカウンターで一気に敵陣に攻め込む回数が増える。

47分相手のロングボールを奪ってからの速攻で岩尾のシュートは枠外。50分ホイブラーテンが蹴っ飛ばしたセカンドボールを関根が中盤で収めて右と左から1本ずつSBが放り込むもシュートに至らず。53分も中盤で岩尾の長いスルーパスに関根が抜け出してクロスのこぼれ球をエリア内中央で松尾が合わせるもブロックされる。直後の右CKで混戦からのこぼれ球を松尾がゴールネット上に突き刺しレッズが1点返す。

61分に立て続けにシュートを打たれその直後ビルドアップのミスからショートカウンターを食らって鈴木章斗にシュートを打たれる場面もあり湘南に流れが傾きかけるも、さらにその直後63分のカウンターで前田の移籍後初ゴールが決まりついに追いつくレッズ。

65分に前田と敦樹が交代しサンタナと中島を投入するレッズ。監督のコメントからも前田は足をつっていたため仕方なかったとは言え結果的にはこの交代がブレーキになってしまう。流れを持っていかれたわけではなかったもののレッズが攻め手を欠き膠着状態になると73分にはビルドアップのミスから湘南のショートカウンター。田中のミドルがポストを直撃し跳ね返りをルキアンが押し込み湘南の勝ち越しゴール。

その後もレッズはロングボールを中心に打開を試みるもなかなかシュートを打てずにいたものの松尾の中央突破のこぼれ球をグスタフソンがグラウンダーのミドルを放つと平岡に当たって跳ねたボールが吸い込まれ試合は三度振り出しに。

82分に松尾のクロスにサンタナが頭で合わせるもポスト命中。85分にFKからサンタナが合わせるも枠外かつオフサイド。89分に松尾のミドル。直後のCKで佐藤のヘッドは枠外。相手には打たせず一方的にシュートを積み重ね最後の攻勢に出るも双方合わせ計8ゴールも生んだ壮絶な打ち合いとなった試合もここで打ち止め。4-4のドローで試合を終えた。

流れは引き寄せたり持っていかれたりで終始落ち着かない試合だったしこの壮絶な打ち合いを一言で纏めるのは難しい。どうしても終盤の采配に感想が持っていかれそうになるがやはり交代で入った2人が結果も残せず見せ場や爪痕を残すことも出来なかったことがまず悔やまれる。

せっかく先制したにもかかわらず前半30分でひっくり返された2失点については相手の圧に屈して簡単にラインを下げ過ぎてしまった気がする。前節札幌のことをあんな言い方しておいて今更だが、実はレッズも引いて構える守備に関してはあまり得意ではないと思っている。ましてショルツが不在ならなおさらだろう。簡単にラインを下げずにどこかで前に出て奪わなければならなかった。中盤で相手を規制できずに危険な縦パスを通されてしまったのも問題だが思い切って飛び出して潰して欲しかった。とは言え初スタメンとなった佐藤は想像以上によくやってくれている。3失点目の対応を思えばショルツ復帰後はホイブラーテンを外して佐藤を残してもいいと思えるほどに。

1週休みで中12日となる中断期間にコンディション調整と負傷者の復帰に期待したい。