2025年5月27日火曜日

2025 J1リーグ 第6節 鹿島アントラーズ戦の感想

3/16(日) 14:00 県立カシマサッカースタジアム

前半立ち上がり、ボールを握ったのは鹿島だったものの決定機どころかシュートすら打たせず逆にレッズは11分までに4本のシュートを計上。鹿島は2CBからビルドアップを開始するがこのCBがボールを持っている間はプレスに行かずジーっと見る。柴崎、樋口らボランチへの縦はバリバリ警戒。但しCBのラインまでボランチが下りるのは許容。SB、SHがブロックの外で持つのも許容。ブロックの外側から前進してタッチライン際で持った鹿島の選手がどうするかというとアーリークロスを放り込むか裏に走らせるスルーパスを出すかでどちらも成功率が低かった。特にレオセアラにボールを出した時のホイブラーテン、ボザのマークが徹底していて列を下りても裏に抜けようとしても絶対に通さんとばかりに先にボールに触ってブロックしていた。

一方レッズは流れを掴んではいたものの後ろからクリーンに繋いでシュートまで辿り着けることは無く11分までの4本のシュートはセットプレーかカウンターから。この日のビルドアップで目立ったのはSHが下りる動きを囮にして相手のボランチを釣り出して空いたスペースを使うやり方。7分はサヴィオが下りて樋口を引き付けグスタフソンがドリブルで抜き去り、20分は金子が下りて樋口を引き付け関根からサンタナへワンタッチで繋ぐ、26分には松本が下りて樋口を引き付け関根の縦をスルーし金子からのレイオフを受けて逆サイドへ展開していた。

28分あたりから鹿島のビルドアップに変化が見られシュートこそ打たせないもののやや危険なシーンが増える。外回りの前進をやめて出来るだけ中央か内側のレーンから繋ぐようになる。28分に関川から小池へ縦、33分に安西から鈴木へ縦、35分に関川から鈴木へ縦。特に28分の中央を割る縦パスとレイオフと半身で受けてのターンからさらに縦パスを出す流れは敵ながら実に見事。ラストパスをカットするホイブラーテンのタックルで命拾いした瞬間だった。

この時間に失点しなかったことが命運を分けたのかもしれない。前半AT48分。唐突にレッズに先制点が生まれる。西川のロングボールを金子が頭で後ろにそらし関根が拾ってエリア内でファークロス。松本が飛び込んで押し込み移籍後初ゴール。布石はほぼ無し。強いて挙げれば金子がそれまでに何度か空中戦で勝っていたことくらい。

HTに選手交代は互いに無し。雨のせいもあってかファウルが増える後半立ち上がり。前半の立ち上がりのようにボールは鹿島が握りつつもシュートはレッズの方が稼いでいく。54分にはカウンターからサンタナの決定機。直後に小池、松村、柴崎を下げて知念、師岡、チャヴリッチを投入する3枚替え。61分にまたもカウンターからサンタナのミドル。

71分サヴィオを下げて松尾投入で1枚目の交代カードを切るスコルジャ。75分樋口を下げて舩橋投入。80分にレオセアラを下げて徳田投入で最後の交代カードを切る鬼木監督。82分に松本と関根を下げて原口と井上投入で明確に逃げ切り体勢を整えるスコルジャ。押し込まれても無理に食いつかず切るべきコースを切って中を固めるレッズ。

89分荻原が自陣で不用意なファウルからFKを献上。知念に決められ同点に追いつかれる。AT5分は互いに決定機を作れないまま試合終了。

追加点で仕留めるチャンスがあったにもかかわらずそれをフイにしてしまい結果的にはその報いを受けるというサッカーあるあるで幕を閉じた1戦。首位相手のアウェイゲームでこっちは前節ようやくの初勝利で13位。ドローで終われたのは上々の結果とも言えるが大部分で試合をコントロール出来ていただけにどうしてもこちらが勝ち点2を失ったように見えてしまう。疲労が冷静さを失わせることは十分あり得るもののギリギリの勝負になるほど最後に勝敗を分けるのは細部にこだわれるかどうかになる。それが出来ない選手を周りが気にかけフォローするか交代させてそのリスクを回避するか。やれることはあったはず。「仕方なかった」で終わらせていい試合ではないことだけは確か。

2025年5月21日水曜日

2025 J1リーグ 第5節 ファジアーノ岡山戦の感想

3/8(土) 14:00 埼玉スタジアム2002

2分と3分に1本ずつミドルシュートを打たれ若干不安な立ち上がりを見せるレッズだがそれを過ぎると大半の時間でボールを握って試合を優勢に進める。岡山は1stプレスのラインは高く前からかけてくるもののそれを越えると次のラインとの間にはスペースがありレッズの2列目の選手がそこで受けて早めに裏へ放り込むことでカウンター気味に攻める形が何度か成功していた。

一方岡山のボール保持は概ねロングボールからのセカンドボール勝負。素直に最前線の選手目がけて蹴るだけで概ねレッズが回収していた。

この日前半から目立っていたのはグスタフソンの守備。9分カウンターを受けそうな場面で江坂のトラップ際に足を出してボールを外に出すグスタフソン。13分ホイブラーテンが右サイドに釣り出されれば空けたポジションを埋めるグスタフソン。16分江坂のバックパスに反応しタックルで奪って松本に繋げるグスタフソン。28分一美へのパスをカットするグスタフソン。29分岡山のカウンター時に一美に張り付いて外へ外へと追い出し味方が戻る時間を作ったグスタフソン。

対照的に攻撃でいつもより前に出る姿が目立ったのが安居。7分金子が下りて空けたスペースに走って関根からボールを引き出し倒れながらサンタナに繋ぐ安居。26分金子松本とトライアングルを作ってペナ角から攻略する安居。

開始40秒でサヴィオの決定機。セットプレーからのシュート。前半終了間際にはオフサイドで無効になったものの幻の先制ゴールも生まれ終始レッズペースで試合は進んだもののスコアレスのまま前半終了。

HTに選手交代は共に無し。やり方を変えてきたかどうかもまだ図りかねる48分レッズ先制。関根がスペースに出して金子もダイレクトに裏へ出すと全力で走った安居が拾って右ペナ脇からクロス。並走した田上に引っかかるもサンタナがニアに詰めてワンタッチでブローダーセンの股を抜くシュートを決めてゴール。金子が下りたら安居が前へ出る形は前半から作っていたのでそれがようやく実った。

先制するとよくある展開が失点した側がプレス強度を上げて先制した側はそれを回避するために大きく蹴ってさっさとボールを手放すのがお決まりの展開だがこの日のレッズはそうならずむしろ先制前より細かいパスが繋がるようになる。

岡山は58分に一美と岩淵を下げてルカオと木村を投入。レッズも63分に金子を下げて松尾を投入。レッズはロングボールにしろスルーパスにしろリリースするタイミングが早くなり前線で収まる回数も減って徐々に岡山のポゼッションが増える。76分にサヴィオとグスタフソンを下げて大久保と原口投入。79分に松本と神谷を下げて嵯峨と輪笠を投入。互いにカードを切り合うもATに1度だけ危ういシーンを作られたものの大勢には影響なく試合終了。5節にしてようやくの初勝利を迎えた。

大半の時間で試合をコントロールできたしゴールにも再現性が見られほぼ文句なしの快勝と言っていいのでは。追加点が取れなかったことと終了間際の危険なシーンを作られなければもっと良かった。あえて注文をつけたとしても本当にその程度なのでこの試合の反省はほどほどに次の試合への準備により時間を割いて欲しいと思う。

2025年5月19日月曜日

2025 J1リーグ 第4節 柏レイソル戦の感想

3/2(日) 15:00 埼玉スタジアム2002

この日も前節に引き続き前半立ち上がりから容易く守備ブロックを破壊されるレッズ。柏のビルドアップ時に主にサンタナ、原口、サヴィオの3人で前からプレスをかけるのだが熊坂へのパスコースを切れずに熊坂から自由に展開され3分早々には小屋松の決定機。対照的に柏のハイプレスは上手くハマっていて何度も柏のプレスに屈し苦し紛れのロングボールを蹴らされボールロストするレッズ。とは言え失点シーンはプレスの巧拙からもたらされたわけではなく脈絡のない小屋松のゴラッソによるものだった。

失点前よりはボールを持てるようになりFKからボザのヘディングやサヴィオの枠内ミドル等徐々に反撃の兆しが見えてきた矢先の30分に柏の追加点。再び流れが柏に傾きなかなかボールを奪えないレッズ。43分に杉岡にアクシデントが発生し田中を投入する柏。前半ATにふいに転がり込んできた前田の決定機も小島のファインセーブでゴールならず。

HTにレッズは前田と松本を下げて金子とグスタフソンを投入。柏も木下を下げて渡井を投入。相手にシュートを打たせず対照的にシュート数を稼ぐものの前半ATのような完全に崩しを成功させての決定機は作れないレッズ。70分にサヴィオと原口を下げて松尾と長倉を投入。時間の経過とともによりリスクをかけて前掛かりに攻勢に出るもやはり決定機には至らないレッズ。そのままあえなくタイムアップ。

失点シーンだけを切り取るとミスにミスが重なっていることや単純に走り負けていることから個人の頑張りが足りないようにも見えるが、1人ではなく複数人にエラーが発生したことを踏まえると対戦相手への準備・対策の段階でかなり後れを取ったと言わざるを得ない。あえて擁護するとしたらこの試合に至るまでの道程と因縁か。

片や2勝1分け無敗で4位のチーム。片や1敗2分けで今季未勝利の15位で前節からは中3日で迎える今季初のホームゲーム。かつてチームを率いた指揮官。トレード的に移籍した選手。初めて背負うキャプテンという重荷。最初の失点に絡んだ責任感?探せばキリがないくらい終わった後からならこじつけられそう。結論としてはメンバーが定まらないことからもチームの完成度で完全に負けたということか。

時間の無さを悔やんでも仕方がない。次の試合は中5日。全てを解決する魔法の一手よりも先々を見据えた確かな一歩を今は大事にして欲しい。

2025年5月16日金曜日

2025 J1リーグ 第3節 湘南ベルマーレ戦の感想

2/26(水) 19:00 レモンガススタジアム平塚

立ち上がりで目立ったのはファウルをとって欲しそうに倒れるが笛を吹いてもらえないレッズの選手。それと怪我か何かでベンチ外の荻原に代わりスタメン出場した長沼の多発するミス。それと湘南のスムーズなビルドアップと下りてくる選手を捕まえられないレッズ。前2つは置いておくとしても湘南のビルドアップに対しプレスで制限をかけることもブロックを組んで跳ね返すこともロクに出来ない悲惨なレッズの守備には目を覆いたくなった。

1番危険だと感じたのが7分の形。(鈴木が3人いるので背番号で)5番から3番、3番から下りてきた10番、どフリーで前を向いて13番へ縦。たった3本のパスでバイタルエリアでボザと1対1を作られスペースに出してオーバーラップした3番のマイナスクロスをグスタフソンが何とかブロック。全体的にスライドが遅かったり、寄せが遅かったり、間に合ってもパスコースが切れていなかったりでとにかくプレスの精度があまりにも低すぎた。失点する24分までボールは終始握られ9本のシュートを被弾しレッズは1本もシュートを打てないまさにサンドバッグ状態だった。

正確には失点後もボールを握られたまま取り上げることが出来なかったためその後もポゼッションは回復せずシュートも打たれていた。決定機にエリア内でミスキックするサンタナや、ドリブルで突破しようとする金子の前を横切って進路を塞ぐ安居等ボール保持でもミスが減らないレッズは有効な打開策も見出せないまま前半終了。

HTにレッズはグスタフソンと原口を交代。湘南も福田とルキアンを交代。遅れ気味だったプレスを早めてとにかくボールホルダーに早めに食いつく守備を後半立ち上がりから見せるレッズ。しかし奪ってからのボール保持が縦に早いばかりで落ち着いてボールを回せないうえ開始3分でCKから失点し出鼻を挫かれるレッズ。

52分にオフサイドで取り消しになった幻の3点目以降に湘南のプレスもようやく沈静化しボールが持てるようになるレッズ。流れが来ていたとはとても言えない状況だったにもかかわらず唐突にレッズにゴールが生まれる。布石があったとすれば直前の60分に似たような位置から似たような角度で関根からの縦1本がサンタナへ通ってチャンスになりかけたことか。その1分後のゴールシーンでは関根からポケット突撃した松本への縦パスが通りニアへの折り返しを原口がスルーして後ろから詰めたサンタナが冷静に左足で突き刺した。

反撃開始といきたかったレッズだが気を引き締めた湘南が持ち直したこととスタメン出場した選手らの疲労も相まって五分の状況に。72分にエリア内で原口が倒される決定機未遂のシーンも作るがあと一歩及ばないレッズ。直後の73分にサンタナと金子を下げて長倉と松尾を、80分にサヴィオと松本を下げて前田と中島を投入するスコルジャ監督。

ラスト15分は相手のシュートをゼロに抑えボールを握りなんとかゴール前まで迫るものの決定機を作るには至らないレッズ。そのままあえなく敗戦となった。

確かに前節からは中3日の連戦ではあるものの開幕して3試合目で前半立ち上がりから疲労が濃厚ではとてもこの先の長いシーズンは戦えない。そもそも相手も同じ日程だしやはりこの敗戦を日程による疲労と認めることはできない。今季から大幅に変わったジャッジ基準も混乱をもたらす一因にはなっただろうが試合中にアジャストできないと厳しい。あとは日頃からいつスタメン起用されてもいいように常に準備が出来ているか。コンディションなのか周りとのコミュニケーションなのかはわからないがミスを減らすためにやれることは全てやれているか。次の今季初のホームゲームに向けてこの敗戦が見直すきっかけになることを祈る。

2025年5月11日日曜日

2025 J1リーグ 第2節 京都サンガ戦の感想

2/22(土) 14:00 サンガスタジアム by KYOCERA

この日の1stシュートはレッズ。荻原のアーリークロスをサンタナがフリックして松本のハーフボレー。前節とは打って変わって立ち上がりから繋ぐビルドアップを見せるレッズ。6分に渡邊がエリアスに背後から潰され倒れ込む。一度は立ち上がり続行の意思を見せる渡邊だが5分後に自ら腰を下ろし担架で運ばれていった。2分後にグスタフソン投入。

この時間帯レッズが何度も見せていた崩しのパターンが右から左へのファークロス。19分に金子からサンタナへ。21分に金子からサヴィオへ。23分にサンタナからグスタフソンへ。蹴る選手、詰める選手が様々だったのでこの形は対京都用にチームで準備してきた形と思われた。但し受け手まで通ったのは2本目のサヴィオへのクロスのみ。

一方で京都はハイプレスからレッズのミスを誘い20分過ぎくらいから何度か際どいシーンを作る。レッズが縦に入れたら受け手に対し背後から厳しくプレスをかけ先に足を出してボールを引っかけていた。またこの時間帯に荻原は対面したマルコに手を焼き守備でミスを連発。荻原は関与しないものの26分にはエリアスのロブスルーパスに原の裏抜けから左足ボレーという決定機を作られた。負けじとレッズも29分CKのこぼれから金子が単独で2人抜いてエリア内で左足シュートを放つもエリアスに頭で跳ね返された。

どちらが押しているとも流れが来ているとも言えない前半AT45分。平戸のクロスからマルコが頭で合わせ京都が遂にネットを揺らすことに成功。しかしOFRによりマルコの荻原へのプッシングが認められゴールは取り消し。既に前半から9回もファウルを重ねていたが結局ファウルでゴールを無効にした京都。とは言えレッズも露呈していた穴を突かれた格好なのでHT直前にはっきりとそれが確認できたのは修正するチャンスを得られたことを喜ぶべきか。

HTの交代はどちらも無し。51分マルコへのロングボールはホイブラーテンが対応。53分静止した状態から金子の2人抜きと前半の課題の修正とチャンスメイクの再現を見せるレッズ。

56分に平戸のミドル。直後の57分には西川の目の前を通り過ぎる折り返しクロス。30秒後くらいにもう1本ミドル被弾で一転して劣勢に陥るレッズ。59分についにエリアスにゴールをこじ開けられ今度こそ京都が先制に成功。この失点シーンだけを切り取ると松本が守備で迷子状態ではあるもののサヴィオも持ち場を離れて逆サイドへ出張っていてその隙を見逃さなかった福岡がレッズが空けたスペースを利用し見事なクロスで先制点を演出した。

先制後もハイプレスもファウル上等の危ない守備もサボらない京都に反撃の糸口が掴めないレッズは63分に松本OUT原口IN。すると67分にサヴィオのクロスに原口が飛び込む決定機。この時間帯レッズが立て続けに狙ったのが相手の最終ライン裏へサンタナを走らせるシンプルなロングボール。ハイプレスをサボらない京都は背後に広大なスペースがあるのは前半から変わらないものの、サンタナが抜け出すタイミングを掴んだか、疲れからか相手の陣形が間延びしたか、セカンドボールの勝ち方を覚えたかわからないが突如このロングボール作戦が奏功し始める。

すると72分、マルコのバックパスがミスになりあたかもサンタナへのスルーパスになったかのように裏へ抜け出し飛び出したGK太田をかわして冷静に無人のゴールへミドルシュートを決めて追いついた。この同点ゴールへの布石があったとすれば直前のロングボール大作戦が成功しかけたこと。ハイプレスを志向するチームの最終ライン裏の広大なスペースはDFだけでは守り切れないためGKは常に飛び出してカバーする準備をしていた。マルコが出す瞬間太田はペナルティエリアを大きく出ていて昨季の国立のロングシュートも頭をよぎったかもしれないがとにかくサンタナがバックパスに反応した瞬間にもう前に出て1対1を仕掛けるしかなかった。もう2,3m後ろに立っていたら引き返す選択肢もあり得たが直前のレッズのプレーがそうさせなかった。

その後75分にエリアスOUT奥川IN、川﨑OUT米本INでこの日最初の交代カードを切る京都。引き続き裏を狙って際どいボールを蹴ってサンタナ、サヴィオ、原口を走らせるレッズとトランジションとセカンドボールに全てを懸ける京都。レッズはスタメンの選手たちが目に見えて疲れていて最早ボールをコントロールできず前に蹴っ飛ばすことしか出来なくなっていて相手に即回収され再三決定機を作られ逆転どころではなくなる。この時間に京都に勝ち越しを許さなかったのは最後の最後で西川の冴え渡るセービングがあってこそだった。

ゴールは互いに自分達のミスから発生したもののその質や(この試合だけでなく他の試合を含めた)発生頻度を振り返ればゴールを自力で割ったのは京都の方で10回やり直したとしても勝ち越すのは京都ではないか。主力の負傷交代でゲームプランに狂いは生じたことと思われるが、まず方向性として試合をコントロールするチームビルディングに舵を切って貰いたいのだが開幕2試合で方針転換はさすがに無理か。ましてや次は中3日の連戦。数々の課題の中から何に手を付け修正するか取捨選択が必要になる。監督の手腕の見せ所。

2025年5月9日金曜日

2025 J1リーグ 第1節 ヴィッセル神戸戦の感想

2/15(土) 14:00 ノエビアスタジアム神戸

最初に主導権を握ったのはレッズ。レッズはボールを持ったら前しか見えてないと言わんばかりにとにかく縦。戻してやり直すことなどまるで頭に無い。後ろから繋ぐ気もほぼ無く概ね大きく蹴るかドリブルで運ぶ。大きく蹴る時はなるべく相手の最終ライン裏くらいに蹴って神戸DFが後ろ向きに対応しなきゃならないように蹴る。但し3分や7分にあったようなエリア内に進入するチャンスはドリブルから生まれていた。神戸もボールを持ったら大体蹴るので似たスタイル同士の対決になった。

レッズがこの日初めて繋ぐビルドアップを見せたのが14分。西川にまでかけるハイプレスを掻い潜ってライン際の荻原から同じくライン際の松本への縦をフリックしサンタナへ。ターンして浮き球を中央の関根へ。ジャンプして胸で渡邊に落としてワンタッチで右の金子へ。本多を前に置いたままファークロスは酒井がクリア。荻原から松本、左から右に振ってラストサードの崩しへ、という形は17分にも再現されていて事前によく練習した組み立てかと思われた。

神戸が慌てずゆっくりボールを回しテンポを落とすとレッズのターンが終わりどちらのターンとも言えない膠着状態に。徐々にファウルが増えるレッズ。前半終了間際に一瞬ヒヤッとしたものの神戸にほぼチャンスを与えず、かと言ってレッズもシュート数は稼いだものの決定機と呼べるほどのシーンは無いまま前半終了。

HTの選手交代は双方無く後半開始。サヴィオのミスからピンチを招きエリア内でフリーの大迫に頭で合わされる決定機を作られる。

49分に酒井にアクシデントが発生し6分後に交代で日高を投入。FK、CK、ロングスロー等セットプレーからチャンスメイクする神戸。63分に汰木OUTパトリッキIN。が、7分後にパトリッキOUT飯野IN。70分に金子OUT原口IN。互いに交代カードを切り合うも流れがどちらかに傾くこともなくこのまま終わるかと思われた81分。レッズのCKからホイブラーテンが頭で逸らしてネットを揺らし先制成功、かと思われたが混戦から松本の背後から腕に当たったプレーがハンドの判定が下りゴールは取り消し。

88分に荻原OUT長沼IN、サヴィオOUT前田IN。その直後に大迫に抜け出され西川と1対1になりこの日最大のピンチを迎えるも西川のブロックで九死に一生を得るレッズ。その後ATに少しレッズにチャンスがあったものの決定機と呼べるほどではなくドローで終了。

キックオフ直後の前へ前へのハイテンションや16回というファウルの多さから開幕戦特有のかかり気味の状態が見られたレッズ。そのかかった時間帯にチャンスは作ったので決め切れていれば最高の開幕戦で終えられたはずだがそこはやはりディフェンディングチャンピオン神戸のホームゲームということもあって簡単にはいかなかった。ただ相手にチャンスはほぼ作らせなかったので10回やったとしても1回もこちらが負ける姿は想像できないほどこちらが試合をコントロールしていたことはチームとして自信を持っていいと思う。

開幕戦ということで以下新加入選手等の気になったプレー。

関根:過去何度もトライしては諦めてを繰り返してきたSBというポジションを遂にスタメンから務めることになった関根だがなかなか堂に入ったプレーだったのでは。ビルドアップ時のスムーズさ、金子、安居らとの連携も内に入って前方へのフィードも上手くやれていたのでは。
サヴィオ:7分の中央爆走からのアウトサイドスルーパスに痺れた。
松本:裏抜けからのポスト直撃シュートに痺れた。ビルドアップの出口役も完璧。
金子:抜き切らずにクロスを放り込めるのがいい。